文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におきましては、平成30年11月より本格運用開始された準天頂衛星が、各方面で注目を浴びるとともに、準天頂衛星から配信される高精度位置情報を活用した製品発売、サービスの提供が数多く発表されました。また、自動運転技術を用いた自動走行に関する事業分野では、実証実験が各方面で活発に進められるとともに、従来の自動車産業のあり方を一新する動きも見受けられました。
こうした状況の中で当社グループは、引き続き創業来培ってきた当社グループのテクノロジーを基に、時代背景に合わせた顧客ニーズの変化を迅速かつ的確に捉えて製品・サービスを創出し、営業力・技術力を変化させていく事を課題として認識しつつ、準天頂衛星「みちびき」やモービルマッピングシステム(MMS)、i-Constructionに代表される新しい測量技術が続々と活用される時代の中、「自動運転技術を活用した社会」の実現に向けた「ものづくり」を推進しております。
昨年5月に発表しました中期経営計画の初年度のスタートとして、現在抱える経営課題の解決を図り、目標達成に向け取り組むとともに、自動走行に係る事業での更なる成長を目指し、平成30年8月にKDDI株式会社と資本業務提携を行いました。
具体的には、以下のとおりとなります。
(前年同期との比較)
A)自社ソフトウェアに関連する事業においては、当社主力製品である「WingneoINFINITY」の製品およびサポートサービス販売は順調に推移し売上高は前年を上回るとともに、i-Construction向けの製品に関してもその需要から売上を伸ばすことができました。
B)MMS計測車両販売は、複数の地方整備局への導入もあり、当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同期を上回る結果となりました。
C)高精度三次元地図は、前年同期には大型の受注案件を計上しておりましたこともあり、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期を下回る結果となりました。高精度三次元地図の受注案件については、生産体制を強化し原価の低減を進め、利益率の向上に努めておりますが、複数の案件の納期が重なるなど当社グループの生産体制では対応しきれず、外部の協力企業への業務委託も多く発生したことから、自動走行の実証実験を目的とする案件数などにより前年同期を上回りましたが、利益面に伸び悩んだ状況となりました。
D)自動走行システムは、当第3四半期連結累計期間は好調に推移し、前年同期を上回る売上実績となりましたが、自動走行システムの実現に向けた先行投資も進めております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,745百万円(前年同期比12.1%減)、営業利益は193百万円(前年同期比19.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は120百万円(前年同期比22.1%減)となりました。
セグメント別においては、次のとおりであります。
①測地ソリューション事業
測地ソリューション事業におきましては、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」のサポートサービスの一つである当該製品の最新バージョンを、第1四半期連結会計期間に対象となるサポートサービス加入のお客様へお届けしたことにより、その役務の完了に応じた収益を計上しております。加えて、本製品が動作するパソコンの一部OSに起因し発生した不具合を要因として、お客様のご利用環境を最新のOS環境に変更するために当該製品を最新のバージョンへアップデートする商談が多く発生するといった外的要因により、当第3四半期連結累計期間において収益に貢献しました。
加えて当第3四半期連結会計期間においては、測量・土木分野における点群処理ツールとしてご利用いただいております「WingEarth」について、株式会社富士通マーケティングが提供するクラウド基盤を利用した新たな利用環境の提案を進めるとともに、オンプレミス環境の利活用においては、主力製品である「WingneoINFINITY」とのデータ連携や、点群データを取得する三次元計測機器との同時提案などを実施することで、この分野での売上が前年同期から増加しました。
以上の結果、測地ソリューション事業の売上高は1,449百万円(前年同期比33.6%増)、セグメント利益(営業利益)は422百万円(前年同期比33.9%増)となりました。
②G空間ソリューション事業
G空間ソリューション事業におきましては、ITSの分野において、自動運転の実現、およびMaaS(Mobility as a Service)と呼ばれる新たなサービス分野での利用に向け、国内の多くの企業や自治体などが実証実験や試験走行を進めております。当社は業務提携を行っている株式会社ティアフォーと協力し、一般道での実証実験の走行距離は累計10,000km以上、データ収集やテスト走行を含めたその走行距離は100,000km以上と、国内では類をみない規模の走行データとノウハウを蓄積してきました。その実績をもとに、自動走行を行うために不可欠なシステムや機材などをサポートし、幅広く業務を受託するに至りましたが、本事業分野は現時点では投資フェーズと捉え、将来の事業活動に向けた先行投資を行っております。
また、愛知県からは「自動運転実証推進事業」を一昨年度、昨年度に引き続き受託しました。当連結会計年度では、「遠隔型自動走行システム」等を搭載した車両を同時に複数台走行させる、従前より難易度の高い実証実験に挑戦し、その実用化に向けた取り組みを行い、昨年11月には愛知県豊橋市において全国初となる複数台の遠隔型自動運転システムを活用した実証実験を実施いたしました。
高精度三次元地図においては、前年同期には大型受託案件の収益計上により売上に大きく貢献しましたが、当第3四半期連結累計期間には同等の売上計上はないものの、当社も出資するダイナミックマップ基盤株式会社と自動走行の実現を目的とした連携を強化するとともに、その他の分野での受注状況は引き続き順調に推移しました。
自動走行システムに係る分野では、各種実証実験を受託するとともに、株式会社ティアフォーを中心に提供される、当社の高精度三次元地図を必要とする「Autoware」を用いた、自動走行車両構築や周辺のシステム販売なども好調に推移する一方で、先行投資により営業利益を押し下げております。
MMS計測車両販売においては、国土交通省が所管する全国の地方整備局において、MMS等の三次元計測機器を利用し、全国の道路の三次元データを収集する方針が発表され、当社でも、複数の地方整備局へのMMS導入を行いました。
以上の結果、G空間ソリューション事業の売上高は1,287百万円(前年同期比36.6%減)、セグメント損失(営業損失)は31百万円(前年同期は111百万円のセグメント利益)となりました。
③その他
その他事業の売上高は8百万円(前年同期比増減なし)、セグメント利益(営業利益)は3百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて277百万円増加し、6,522百万円となりました。その主な要因は受取手形及び売掛金が494百万円減少したものの、現金及び預金が1,044百万円増加したこと等であります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて447百万円減少し、1,182百万円となりました。その主な要因は支払手形及び買掛金が194百万円減少したこと等であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて724百万円増加し、5,340百万円となりました。その主な要因は第三者割当増資により、資本金が335百万円、資本準備金が335百万円増加したこと等であります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について前連結会計年度末に有価証券報告書で記載した事項、及び昨年5月11日に公表しました中期経営計画に掲げた事項から重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、前連結会計年度に掲げた課題について、当第3四半期連結累計期間において対処した事項は以下のとおりとなります。
①測地ソリューション事業においてお客様の生産性を向上させる製品の認知度を高めるべく製品利用体験会を実施し、そこから商談に進めることに努めております。加えて、当該製品のオプション機能のリリースに向けて準備を行い、順次リリースを行っております。
②G空間ソリューション事業において、高精度三次元地図、地図データベース構築業務における、品質管理の向上に向けた体制を再構築するとともに、原価を低減すべく、作業の効率化やシステム化に取り組んでおります。
③加えて、自動走行の実証実験の安全性確保については、計画段階より細心の安全管理を行うとともに、実証実験で発生したヒヤリ・ハットを共有し、次回以降の実証実験への改善事項として対策を講じ、自動走行実証実験を事故なく成功させるために、「自動運転システムを用いた実証実験社内ガイドライン」を更新し、実証実験環境の整備を進めております。
④研究開発活動においては、これまで研究したテーマを開発段階から製品化へと進め、製販一体となって各方面へ提案を実施しております。
⑤内部統制の強化に関しては、定期的に社内規程、業務フローを見直し、リスク対策を講じております。
(4)主要な設備
平成29年3月期において計画しておりました、重要な設備の新設について、ソリューションラボセンターの建設は、計画の見直しにより中止となりました。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は99百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業資金については、平成29年2月にエクイティ・ファイナンスにより調達した資金、平成30年9月にKDDI株式会社への第三者割当による新株式の発行により調達した資金を含む自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。なお、当第3四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は引き続き高いと考えております。