当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、昨年10月に消費税率が改定されたものの、2019年後半には公共工事の発注も堅調に推移し、景気の落ち込みは限定的でした。また、2018年11月より準天頂衛星による高精度位置情報の配信が運用開始されましたが、公共測量などの実務現場において本格的な利活用に至るには、しばらく時間を要する環境にあります。一方、自動運転技術を用いた自動走行に関する事業分野では、自治体、交通事業者等を主体とした実証実験が各地で実施されるとともに、MaaS(Mobility as a Service)と呼ばれるサービスの提供に向け、異業種間の連携も活発に行われております。
こうした状況の中で当社グループは、中期経営計画2年目の年間目標達成に向け、当第3四半期連結累計期間では、本年1月のWindows7サポート終了への対応として、潜在的な見込顧客への営業活動を強化してまいりました。加えて、自動運転関連事業分野における高精度三次元地図の作製実績、及び累計100箇所以上に及ぶ自動運転実証実験の実績などを引き続きPRし、業界・業種を問わず多くの事業者との新たな取引を目指した活動を行うとともに、受注した自動走行の実証実験の請負業務を、建設コンサルタント会社等と連携し実施してまいりました。
前年同期との比較につきましては、以下の通りとなります。
(前年同期との比較)
A)自社ソフトウェアに関連する事業は、当社主力製品である「Wingneo」シリーズのライセンス販売において、消費増税並びにWindows7サポート終了を機に、それまで製品のアップデートに消極的だったお客様の購買意欲が高まった結果、売上高が伸長し、前年同期の実績を上回りました。
B)MMS計測機器販売は、当第3四半期連結累計期間中に複数台の納品を行い、売上計上に至りました。加えて、これまでに販売してきたMMS計測機器台数にあわせ、その保守契約に係る売上も前年を上回り、その結果、売上高が大幅に伸長し、前年同期の実績を上回りました。
C)高精度三次元地図データベース整備事業は、大型受注案件における当第3四半期連結累計期間の納品数量が前年同期と比較し減少致しましたが、当連結会計年度においては、前連結会計年度と同水準の売上を見込んでおります。併せて、当社グループ内における生産体制の強化が進んだことで、業務の再委託の抑制につながり、外注費用が減少し、利益の改善に結びつきました。
D)自動走行システムの販売は、これまでに受注し、生産していたシステムが第3四半期で売上の計上がなされた結果、当第3四半期連結累計期間では前年同期と比較して売上高、利益とも上回りました。加えて、自動走行の実証実験も昨年9月までは計画段階でしたが、昨年10月以降は実証実験の実施も開始され、売上計上を行いました。
E)今後の事業活動拡大や利益確保に向けた必要な投資を行った結果、人件費及び研究開発費が増加したことにより、販売費及び一般管理費は前年同期の実績を上回る状況で推移しました。このうち人件費は、近年積極的に人財投資を行ったことに伴う人員増から増加したものでありますが、すでに事業活動の中で好影響が現れております。また、研究開発費については、当初計画に基づく新たなソフトウェアの開発を進めるため、積極的に投資を行ったものであります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,774百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は259百万円(前年同期比34.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は186百万円(前年同期比55.0%増)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間において、自動走行関連に係るシステム構築や業務の請負など新規事業分野への進出に向けた体制強化を図り、より適切な意思決定を行うことを目的に、「G空間ソリューション事業」に含めておりました自動走行関連に係る事業を中心とした「新規事業」を新たなセグメントとして設けることと致しました。その結果、報告セグメントを「測地ソリューション事業」と「G空間ソリューション事業」の2区分から、「測地ソリューション事業」、「G空間ソリューション事業」及び「新規事業」の3区分に変更しております。
報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは次の通りであります。
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報告セグメント |
主要な製品等 |
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測地ソリューション事業 |
測量土木関連ソフトウェア及び保守サービス、三次元点群処理ソフトウェア、測量計測機器、その他関連ハードウェア 等 |
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G空間ソリューション事業 |
MMS計測機器及び関連製品、MMSを用いた三次元計測・解析業務の請負、高精度三次元地図データベース構築業務の請負、衛星測位に係るサービス、その他関連ハードウェア 等 |
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新規事業 |
自動走行関連に係るシステム構築、自動走行関連に係る実証実験業務の請負 等 |
セグメント別においては、次の通りであります。
①測地ソリューション事業
測地ソリューション事業におきましては、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の最新バージョンを、当該製品のサポートサービスの一つとして、対象となるサポートサービスに加入しているお客様に対し、第1四半期連結会計期間にお届けしたことにより、当該役務の完了に応じた収益を計上しました。昨年4月に実施された統一地方選挙、さらには昨年7月に実施された参議院議員通常選挙もあり、お客様の設備投資意欲は一時停滞致しましたが、7月以降、消費増税対策、災害対策としての国土強靭化を目的とした公共事業の実施が行われるとともに、消費増税及びWindows7サポートの終了を控え、それまで「WingneoINFINITY」のアップデートには消極的であったお客様の設備投資意欲が喚起され、販売が伸長したことにより、売上高は前年同期を上回る結果となりました。
測量・土木分野における点群処理ツール「WingEarth」は、IT導入補助金等の制度を活用した販売提案や「WingneoINFINITY」との連携機能の追加提供も一定の効果がありましたが、当社の既存のお客様への販売は一巡し、新しい顧客層への販売体制の確立には時間を要していることから、前年同期の実績をわずかに下回るとともに、計画も下回る結果となりました。
一方、人財投資による人件費増加や、次世代ソフトウェア開発のための積極的な研究開発を進めた結果、販売費及び一般管理費は前年同期から増加致しました。
第4四半期は、本年1月のWindows7のサポート終了によるシステムのアップデート需要が残るとともに、本年3月発売予定の「WingneoINFINITY 2021」へのアップデート施策を投入し、販売活動の強化に努めるとともに、多様な提案活動を行うことで、当初計画実現を目指してまいります。測量・土木分野でのi-Construction推進の流れは顕著であり、引き続き、「WingEarth」のライセンス供給をはじめとする測量・土木分野のソフトウェア及びサービスを幅広く提供すべく、新規商流の開拓をはじめ案件受注活動を推進し、計画の実現を目指してまいります。
以上の結果、測地ソリューション事業の売上高は1,479百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)は407百万円(前年同期比3.7%減)となりました。
②G空間ソリューション事業
G空間ソリューション事業におきましては、引き続き国内の多くの企業や自治体などが、自動運転の実用化に向けた実証実験などを進めている中で、高精度三次元地図の需要も高まっているとともに、自動車業界における、高精度三次元地図も導入段階に進んできております。当社グループでは、本事業にかかる受託案件の売上計上時期の多くが年度末に集中する傾向にありますが、当連結会計年度におきましても、高精度三次元地図データベース構築業務を受注すべく、営業活動に取り組んでおります。前連結会計年度において複数の国土交通省所管地方整備局へMMSの導入が進んだことを受け、MMSを活用した公共事業関連における三次元計測業務請負の需要が多く発生しており、その受注に向けた活動を推進しております。
MMS計測機器販売においては、第2四半期に社会インフラ分野の企業への納品を行い、売上計上を行いました。第4四半期においては、既に受注済みの案件の売上計上を予定しております。MMS計測機器は受注から納品まで一定期間を要するため、次年度以降の売上計上に向けた活動も継続し実施してまいります。
高精度三次元地図関連事業においては、受注状況は堅調ではあり、売上計上時期が年度末に集中する傾向にあるとともに、一部案件においては作業期間が長期に亘るため、工事進行基準を適用し売上計上を行ったことで売上高は伸長しました。第4四半期においては、受注済みの各案件の納期・品質を確保した生産を行うとともに、生産効率及び利益率の向上に向けた施策を講じることにより、計画した利益の確保を目指してまいります。合わせて次年度計画の達成に向けた案件の受注活動も引き続き進めてまいります。
以上の結果、G空間ソリューション事業の売上高は1,067百万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益(営業利益)は138百万円(前年同期比232.5%増)となりました。
③新規事業
新規事業におきましては、自動走行の分野において、当連結会計年度においても、前連結会計年度に引き続き、国内の多くの企業や地方自治体などから自動運転の実用化に向けた実証実験や自動運転車両の構築業務等を受注致しました。当第3四半期連結会計期間では、完了した実証実験および生産が完了した自動運転車両の構築業務の売上計上を行うなど、第2四半期連結累計期間から売上が伸長しました。ただ、高精度三次元地図関連事業と同様、売上の計上時期は年度末に集中する傾向にあり、当初計画の実現に向けて、確実な生産活動を行うとともに、事故を起こすことなく実証実験を進めることで、計画した売上ならびに利益の確保を目指します。
自動運転技術の実用化に向けては、これまでに累計で100箇所以上にのぼる実証実験のデータやノウハウをベースとして実用化提案を進めるとともに、昨年2月に発表した、株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン日本興亜株式会社との業務提携に基づく、国内全域における計画的かつ安心・安全な自動運転サービス実証を支えるインシュアテックソリューション「Level Ⅳ Discovery」の推進をはじめとした、多方面に亘るパートナー連携を積極的に進めてまいります。
本事業分野は投資フェーズと位置づけており、将来の継続的な事業活動に向けた先行投資として、当第3四半期連結累計期間においても、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材調達などの設備投資を積極的に行いました。
以上の結果、新規事業の売上高は219百万円(前年同期比29.3%増)、セグメント損失(営業損失)は38百万円(前年同期は73百万円のセグメント損失)となりました。
④その他
その他事業の売上高は8百万円(前年同期比0.0%増)、セグメント利益(営業利益)は3百万円(前年同期比0.5%減)となりました。
財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて301百万円減少し、6,866百万円となりました。その主な要因は受取手形及び売掛金が242百万円減少、商品及び製品が165百万円減少したこと等であります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて419百万円減少し、1,278百万円となりました。その主な要因は支払手形及び買掛金が397百万円減少したこと等であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて117百万円増加し、5,587百万円となりました。その主な要因は利益剰余金が114百万円増加したこと等であります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について前連結会計年度末に有価証券報告書で記載した事項、及び2018年5月11日に公表しました中期経営計画に掲げた事項から重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、前連結会計年度に掲げた課題について、当第3四半期連結累計期間において対処した事項は、以下の通りとなります。
①測地ソリューション事業では、「WingneoINFINITY」「WingEarth」を中心とする当社のソフトウェア及びサービスを、IT導入補助金等の助成金制度の活用によって、お客様の生産性向上を実現させる提案活動を実施致しました。お客様の補助金申請が採択されず、受注に繋がらないケースもありましたが、その活動を通じ、潜在的な見込顧客の発掘を行ったことが、消費増税を控えた第2四半期連結累計期間における受注へと繋がり、前年同期を上回る実績を残すことができました。第4四半期では、本年3月に発売予定の「WingneoINFINITY 2021」を旧バージョンの製品をご利用いただいておりますお客様へのバージョンアップの施策を投入し、販売活動の強化に努めるとともに、多様な提案活動を行うことで、計画達成に向け努めております。
②2020年以後の建設業界の需要減少に係るリスクに対しては、当初想定していた落ち込み程ではないとの予測も出ておりますが、当社グループでは、ビジネスパートナーの拡大、取り扱い商材の拡充などに取り組み、売上高、利益を減少させないよう努めております。
③G空間ソリューション事業では、高精度三次元地図及び地図データベースの構築業務における、品質管理の向上に向けた体制を再構築するとともに、内製化を進めた結果、原価率の低減を図ることができました。引き続き、品質管理の向上と原価の低減を図るべく、作業の効率化やシステム化に取り組んでおります。
④国内全域における計画的かつ安心・安全な自動運転サービス実証を支えるインシュアテックソリューション「Level Ⅳ Discovery」の共同開発を株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン日本興亜株式会社と進めております。
⑤準天頂衛星の利用等により得ることができるリアルタイムの高精度な位置情報を、地図上で最適な位置に整合させる技術の提供を第1四半期連結会計期間より開始致しました。本技術を当社グループ事業の柱の一つに引き上げるべく、高精度位置情報を利活用する各方面に向けた提案活動を継続しております。
⑥ガバナンス体制の強化を目的として、2019年6月25日開催の第49期定時株主総会において新たに社外取締役1名を選任致しました。
⑦労務管理体制に関しては、適宜法改正等の情報収集を行うとともに、社内においても現制度の評価を行い、見直しの議論を行っております。本年4月に一部働き方を見直すとともに、同一労働・同一賃金制度に対しても対応の準備を進めております。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は137百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業資金については、2017年2月にエクイティ・ファイナンスにより調達した資金を含む自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。なお、当第3四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は引き続き高いと考えております。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。