第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありませんが、新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて、当社グループのキャッシュ・フローに影響を与えるリスクに対応すべく、「第2 事業の状況 3経営上の重要な契約等」に記載した取引銀行1行とコミットメントライン契約を締結し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保し、財務基盤の安定化に努めております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におきまして、新型コロナウイルス感染症の感染予防を目的とした自粛要請、行動制限があったことから、一部新しい生活様式への対応を目的とした需要が増加する業界があったものの、総じて世界経済、国内経済は大きな落込みとなりました。また、新しい生活様式が取り入られ行動制限が解除される中、6月末以降、国内における感染者数は、再度増加傾向にあり、今後の国内経済回復に対し、予断を許さない状況にあります。一方で、スーパーシティ法案の成立、相次ぐ自然災害に対し国土強靭化計画の延長検討や国の未来投資会議における自動運転社会など、withコロナ、アフターコロナの社会に関しても各方面で議論がされております。

 こうした状況の中で当社グループは、「withコロナ」での当社グループとしての働き方の指針「AISAN-New-Standard-Working Style with Corona」を定め、時差出勤、テレワークの活用、ウェブ会議システムを活用した商談など新たな様式を用いた事業活動を行ってまいりました。中期経営計画3年目の本事業年度は、本日(2020年8月7日)に公表の通り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などから経営目標の引き下げを行いましたが、事業活動としては引き続き、「未来の社会インフラを創造する」をキーワードに国土強靭化、次世代防災、不動産登記行政といった分野への取り組みとともに、スマートシティ、自動運転社会の実現に対し、積極的に投資を行っております。当第1四半期連結累計期間においては、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」として各種補助金等の事業が多方面より発表されている中、お客様にその活用により自社製品、各計測機器への購買動機を高めるための活動を行ってまいりました。高精度三次元地図の作成請負業務については、前連結会計年度からの仕掛案件への対応、新たな案件受注に向けた取り組みを行ってまいりました。自動運転実証実験請負に関しては、今年度に計画される案件の受注に向けた活動とともに、受注済み案件の実施の為に協議をしてまいりました。

 前年同期との比較につきましては、以下の通りとなります。

(前年同期との比較)

A)自社ソフトウェアに関連する事業は、前連結会計年度は、当社主力商品である「Wingneo」シリーズのライセンス販売において、消費増税並びにWindows7サポート終了を機に、それまで製品のアップデートに消極的だったお客様の購買意欲が高く、売上高が伸長しましたが、その反動から当第1四半期連結累計期間は前年同期の実績を下回りました。

B)MMS(Mobile Mapping System)計測機器販売は、これまでに販売してきたMMSの保守契約に係る売上が中心で、前年同期実績と同水準の実績となりました。

C)三次元計測請負業務及び高精度三次元地図データベース整備は、自動走行の研究開発分野での利用を目的とした高精度三次元地図の受注が前連結会計年度に堅調に推移したことから、その仕掛案件への納品対応を行い、売上計上を行いました。その件数ならびに受注金額が前年同期と比較し、大きかったことから売上、利益とも実績が上回りました。

D)自動走行システムの販売は、これまでに受注し、生産していたシステムの売上計上により、当連結会計年度は前年同期と比較して売上高、利益とも上回りました。

E)前連結会計年度から引き続き、今後の事業活動拡大や利益確保に向けた必要な投資を行った結果、人件費及び研究開発費が増加し、販売費及び一般管理費は前年の実績を上回りました。人件費は、近年積極的に人財投資を行ったことに伴う人員増から増加したものでありますが、すでに事業活動の中で効果が現れております。また、研究開発費については、計画に基づく新たなソフトウェアや、自動運転に関する技術の開発を推進するため、積極的に投資を行ったものであります。

 以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は815百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は79百万円(前年同期比11.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は47百万円(前年同期比27.1%減)となりました。

 セグメント別においては、次の通りであります。

①測地ソリューション事業

 測地ソリューション事業におきましては、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の最新バージョンを、当該製品のサポートサービスの一つとして、対象となるサポートサービスに加入しているお客様に対し、当第1四半期連結累計期間にお届けしたことにより、当該役務の完了に応じた収益を計上しました。一方で、コロナウイルス感染症拡大の影響から、テレワーク等でご利用いただくためのライセンスの売上計上はあったものの、上記前年同期との比較のA)に記載の理由から、新規でのライセンス販売は減少しました。以上より、売上高は前年同期実績を下回る結果となりました。

 測量・土木分野における点群処理ツール「WingEarth」は、前連結会計年度における受注残案件の売上計上、補助金制度を活用した販売活動により、一定の効果がありました。一方、前年同様当社の既存のお客様への販売は一巡し、新しい顧客層への販売体制の確立には時間を要していることから、前年同期の実績を僅かに上回る結果となりました。

 一方、人財投資による人件費増加や、新たなソフトウェア開発のための積極的な研究開発を進めた結果、販売費及び一般管理費は前年同期から増加致しました。

 以上の結果、測地ソリューション事業の売上高は518百万円(前年同期比4.3%減)、セグメント利益(営業利益)は219百万円(前年同期比3.8%減)となりました。

②G空間ソリューション事業

 G空間ソリューション事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により国内の多くの企業や自治体などとの商談、打ち合わせがオンラインに代わるとともに、高額商材のMMSの商談や一部高精度三次元地図の商談において、次年度以降への商談延期や商談中止などの影響が出ております。そのような中においても、自動車業界における各社においては、自動車の自動走行実現に向けた投資意欲は継続しており、新たな商談も発生している状況です。

 MMS計測機器販売においては、当第1四半期連結累計期間にて、既存顧客へのMMSの保守契約に係る売上、性能向上のための受注などが主たる売上となった結果、前年同期と同水準の売上計上となりました。

 高精度三次元地図関連事業においては、自動走行の研究開発分野での利用を目的とした高精度三次元地図の受注が前連結会計年度に堅調に推移したことから、その仕掛案件への納品対応を行い、売上計上を行いました。その件数ならびに受注金額が前年同期と比較し大きかったことに加え、前連結会計年度から引き続き実施している当社グループ内での生産体制の強化及び効率化、品質向上を図るとともに、業務の再委託を抑制したことで外注費が減少し、利益率の改善につながる結果となり、本事業の利益は前年同期を上回りました。

 以上の結果、G空間ソリューション事業の売上高は228百万円(前年同期比32.6%増)、セグメント損失(営業損失)は16百万円(前年同期は24百万円のセグメント損失)となりました。

③新規事業

 新規事業におきましては、自動走行の分野につきまして、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度も、国内の多くの企業や地方自治体などから自動走行の実用化に向けた実証実験や自動走行車両の構築業務等を計画しております。自動走行車両の構築業務等は、前連結会計年度からの仕掛案件への納品対応を行い、売上計上を行いました。実証実験については、その実施が第2四半期以降であることから、その採択に向けた活動を行うとともに、実施主体との協議を進めております。

 引き続き、現時点における本事業分野は投資フェーズと捉えており、将来の事業活動に向けた先行投資として、当連結会計年度においても、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの調達を積極的に行いました。

 以上の結果、新規事業の売上高は65百万円(前年同期比392.1%増)、セグメント損失(営業損失)は25百万円(前年同期は24百万円のセグメント損失)となりました。

④その他

 その他事業の売上高は2百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益(営業利益)は1百万円(前年同期比16.1%増)となりました。

 

 財政状態に関する説明

(資産)

 当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて498百万円減少し、6,987百万円となりました。その主な要因は受取手形及び売掛金が689百万円減少したこと等によります。

(負債)

 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて447百万円減少し、1,309百万円となりました。その主な要因は支払手形及び買掛金が405百万円減少したこと等によります。

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて50百万円減少し、5,678百万円となりました。その主な要因は利益剰余金が51百万円減少したこと等によります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などから、国や地方自治体の緊急事態宣言の解除、行動制限措置の緩和等を受け、現時点で入手可能な情報や予測、一定の仮定条件等に基づいて当社グループ各社の影響を集計・予測し、本日(2020年8月7日)、「連結業績予想及び配当予想ならびに中期経営計画の業績目標修正に関するお知らせ」を公表いたしましたので、詳細につきましては、そちらをご覧ください。なお、現時点においても、不確定要素が多々あり、業績見通しの前提である仮定条件に変化がある場合には、再度当社グループ各社への影響を集計・予測し、連結業績予想及び配当ならびに中期経営計画の見直しを行うものといたします。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 なお、前連結会計年度に掲げた課題について、当第1四半期連結累計期間において対処した事項は以下の通りとなります。

①新型コロナウイルス感染症拡大に対するリスクへの対処としては、有価証券報告書にも記載の通り、会社を感染源としない取り組みを優先的に実施してきました。その後、感染予防を目的とした自粛要請、行動制限が解除された後も「withコロナ」での新たな働き方の指針を定め、テレワーク、時差出勤の実施など継続的に取り組んでおります。事業分野においては、測地ソリューション事業では、お客様のテレワーク環境を支援すべく施策を投入し、収益の底上げを図っております。G空間ソリューション事業では、利益率の改善を目的に、生産体制の強化とともに、自社開発のソフトウェアを提供すべく、事業セグメント内に開発部門を設置し、その対応を進めております。

②世界経済、為替変動に関するリスクで記載した、G空間ソリューション事業における自動車産業に係る課題については、全国各地の地方整備局へのMMS導入効果や自治体における三次元データ流通拡大を背景にした公共事業分野への積極的な営業活動も行うことで、受注の落ち込みを最小限にすべく努めております。

③少子高齢化に関するリスクへの対処としては、コロナ禍においても、社員の雇用を守りつつ、かつ中長期的な視点では、新卒採用含めた新たな人財確保に努めております。特に現在では、対面での選考を行うのが難しい環境の中、ウェブ会議システムを活用しつつ、その活動を止めることなく実施しております。

④「自動運転社会実現に向けての法整備への影響について」に記載の、実証実験の安全性に関しては、前事業年度に引き続き国内全域における計画的かつ安心・安全な自動運転サービス実証を支えるインシュアテックソリューション「Level Ⅳ Discovery」の共同開発を株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン株式会社と進めております。

⑤労務管理体制についての課題への対処としては、4月より同一労働同一賃金への対応など、顧問社会保険労務士とも確認を行い、対応を行いました。

⑥自然災害・事故災害に関するリスクへの対処としては、首都圏にて行っております商品の出荷等の物流部門の業務を、コロナウイルス感染症拡大による外出自粛制限により、他の地域での臨時的体制を構築し、実施するなどBCPとしての取り組みも行いました。

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は63百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入を基本としております。

 当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。

 なお、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は4,152百万円となっております。

 また、新型コロナウイルス感染症による当社グループのキャッシュ・フローに影響を与えるリスクに対応すべく、「第2 事業の状況 3経営上の重要な契約等」に記載した取引銀行1行とコミットメントライン契約を締結し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保し、財務基盤の安定化に努めております。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、2020年5月15日開催の取締役会において、下記の通りコミットメントライン契約の締結について決議し、2020年5月15日付でコミットメントライン契約を締結いたしました。

 

 (1) コミットメントライン契約締結の目的

 当社は、社会情勢が大きく変化する中、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保し、資金繰りの安定性確保を目的として、本契約を締結しました。

 当社は、今後も取引銀行と緊密な連携を図り、財務基盤を安定化させることで、環境の変化に柔軟に対応できる機動的な財務戦略を可能とし、さらなる事業拡大及び企業価値の向上に向けて邁進してまいります。

 

 (2) コミットメントライン契約の概要

 ①契約先

株式会社三菱UFJ銀行

 ②契約金額

2,000百万円

 ③契約締結日

2020年5月15日

 ④コミットメント期間

2020年5月20日~2021年5月19日

 ⑤資金使途

短期運転資金

 ⑥担保の有無

無担保・無保証