第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「人に未来により近く」をコーポレートスローガンに掲げ、「心と体の健康を支え、人の豊かな未来を提案する」ことを経営理念として、事業活動を行っております。

 医療を取り巻く環境は大きく変化しており、国民の健康に対する関心も高まるなかで、医療・健康に関連する事業領域は広がりを見せております。当社グループは、このような事業環境の変化を見据えながら、臨床検査事業及び調剤薬局事業で培ったノウハウを活用し、顧客ニーズに対応した医療・健康サポートサービスを提供してまいります。

 また、ステークホルダーの信頼に応えるため、財務基盤の安定化に努めるとともに、事業の収益力の向上を図り、グループ全体での企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 令和3年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画は、火災による前提条件の変化及び不確定要素について慎重に検討を重ねているため、一旦取り下げることといたしました。今後、本火災の当社グループ業績への中期的な影響、当社グループを取り巻く市場環境及び事業環境を踏まえ、策定が可能となり次第、公表する予定にしております。

 

(3)経営上の目標を達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、バランスシート重視の経営を行っており、資産効率性の状況を判断するための指標として、株主資本利益率(ROE)を主な経営指標としております。株主資本利益率(ROE)につきましては、中長期的には9%以上を目標としております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 わが国では、高齢化社会の進展や医療費の増加、医療・情報技術の高度化を背景に、新たな医療制度・システムの確立や医療費抑制に向けた取り組みが行われております。このような状況のもと、受託臨床検査市場は市場の成熟化を受け、同業他社との競争激化により厳しい環境が続くことが見込まれております。また、調剤薬局市場は、患者本位の医薬分業の実現に向けて、かかりつけ薬剤師・薬局としての役割・機能が求められるなか、平成30年4月に実施された調剤報酬及び薬価の改定に加え、令和元年10月に予定される消費税率の改定により、一層厳しい状況になることが予想されております。

 当社グループは、このような事業環境のもと、臨床検査事業及び調剤薬局事業の収益力向上を図ってまいります。また、ICTの活用やグループ外の企業との連携を含め、市場環境の変化や顧客ニーズに対応した新たなサービスを提供することにより、事業領域の拡大に取り組んでまいります。

 臨床検査事業におきましては、火災により全面操業停止としておりました総合研究所の操業を平成31年4月1日より一部再開し、令和元年5月末より全面的に再開いたしました。同年5月初旬の岡山研究所における設備増強、並びに総合研究所の全面的な操業再開により、当社グループの検体検査処理能力はほぼ火災前の状況に回復する見込みです。また、令和2年1月には東海中央研究所の設備増強の完了を予定しております。これらによって検査体制を再構築し、緊急時における事業継続の体制強化と業務効率化を推進してまいります。

 また、顧客からの信頼を回復すべく、粘り強い営業活動を展開し、受託検体数の増加を図ってまいります。クラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」並びに「MSI検査キット(FALCO)」は販売をより一層強化し、臨床検体検査受託業務以外の新たな核となる事業化を目指してまいります。

 さらに、臨床検査事業全体のコスト構造の見直しを進め、持続的な収益力の回復に取り組んでまいります。

 調剤薬局事業につきましては、堅実な店舗運営を推進しつつ、既存店舗の処方箋応需の拡大及び店舗運営の効率化を図ることにより、店舗の収益力の向上に取り組んでまいります。また、かかりつけ薬剤師・薬局として求められる役割・機能を果たすとともに、高齢者施設及び在宅を中心とした地域医療との連携を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

  当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスク並びに要因については、以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)臨床検査事業の法的規制について

  当社グループが実施する臨床検査事業は、「臨床検査技師等に関する法律」により衛生検査所が所在する都道府県知事の許可を必要とし、衛生検査所の設備、管理組織等の面において、同法に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止又は取消を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可の名称

有効期限

関連する法令

登録等の交付者

衛生検査所登録

臨床検査技師等に関する法律

各都道府県知事

 

(2)調剤薬局事業に対する法的規制について

  当社グループが実施する調剤薬局事業は、「医薬品医療機器等法」や「健康保険法」等により各都道府県知事の許可並びに各地方厚生局長の指定等を必要とし、調剤薬局の設備、管理組織等の面において、同法等に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止又は取消を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期限

関連する法令

登録者の交付者

医薬品販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

薬局開設許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

保険薬局指定

6年

健康保険法

各地方厚生(支)局長

麻薬小売業者免許

3年

麻薬及び向精神薬取締法

各都道府県知事

医療機器販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

 

(3)その他法的規制について

 上記の臨床検査事業及び調剤薬局事業の法的規制以外にも独占禁止法、税制、環境関連諸法令等様々な公的規制を受けております。
 万一、これらの規制を遵守できなかった場合、制裁金等を課される可能性があります。また、今後規制の強化や大幅な変更がなされた場合、当社グループの活動の制約を受けたり、規制内容の変更に対応するためのコストが発生する可能性があります。これらの規制は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)診療報酬点数の改定について

  当社グループが実施する臨床検査に係る診療報酬点数は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が決定しております。また、2年毎の診療報酬点数の引き下げが慣例となっており、今後、健康保険法の改定が行われ診療報酬点数が引き下げられた場合、臨床検査事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)薬価並びに調剤報酬の改定について

  当社グループが実施する調剤薬局事業に係る薬価並びに調剤報酬は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が決定しております。今後、健康保険法の改定が行われ薬価並びに調剤報酬が引き下げられた場合、調剤薬局事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)検査過誤及び調剤過誤について

  当社グループが実施する臨床検査事業に係る検査過誤を防止するため、標準作業書に基づく作業の徹底と精度管理体制を整えるとともに、細心の注意を払い検査業務を行っておりますが、万一、検査過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  また、調剤薬局事業に係る調剤過誤を防止するために「調剤ミス防止システム」等を導入し、ミス防止体制を整えるとともに、細心の注意を払い調剤業務を行っておりますが、万一、調剤過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)情報保護について

  当社グループの事業において、事業活動上多くの個人・顧客情報を取り扱っており、その保護に努めておりますが、万一、情報が外部に流出した場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)企業買収等について

  当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。当社グループは対象事業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの経営戦略等を図りますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。

(9)投資有価証券の減損処理について

  当社グループは、時価のある有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)関係会社株式の減損処理について

  今後、企業買収等により取得した関係会社株式において、当初想定していた超過収益力が低下した場合、関係会社株式の減損処理等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11)固定資産の減損処理について

  当社グループは、自社保有している固定資産の価値が将来大幅に下落した場合並びに店舗等の収益性が低下した場合、減損会計の適用により対象となる資産又は資産グループに対して、固定資産の減損処理が必要になる場合があります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)子会社の統廃合について

  当社は、競争力強化のため買収した子会社の統廃合を実施しております。今後、子会社の統廃合を実施した場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(13)災害、事故等に起因する事業活動の停止、制約等について

  当社グループの各事業所が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合は操業に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止、制約等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善等を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、世界的な貿易摩擦や金融資本市場の変動等の影響が懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く受託臨床検査市場では、診療報酬の改定の影響に加え、同業他社間の競争が激化しており、厳しい事業環境が続いております。また、調剤薬局市場では、調剤報酬及び薬価の改定による影響が大きく、より厳しい事業環境となっております。

 当社グループでは、このような事業環境のもと、臨床検査事業及び調剤薬局事業の収益力強化を図るとともに、将来の事業環境の変化を見据えた事業展開を進めてまいりました。

 しかしながら、当連結会計年度においては、臨床検査事業での火災の影響及び調剤薬局事業での調剤報酬及び薬価改定の影響が大きく、売上高は44,156百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は1,338百万円(同39.5%減)、経常利益は1,632百万円(同31.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は653百万円(同61.5%減)となりました。なお、総合研究所における火災発生に伴う損失として392百万円を特別損失に計上しております。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

(臨床検査事業)

 臨床検査事業につきましては、臨床検査の受託検体数の伸び悩みや平成31年2月に発生した火災による総合研究所の操業停止等の影響により、売上高は27,189百万円(前年同期2.1%減)、営業利益は634百万円(同35.2%減)となりました。

(調剤薬局事業)

 調剤薬局事業につきましては、店舗数減少等の影響による処方箋枚数の減少や、平成30年4月に実施された調剤報酬及び薬価の改定による処方箋単価の低下により、売上高は16,983百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益は881百万円(同37.2%減)となりました。

 

②財政状態の状況

 当社グループの当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ532百万円減少し、32,124百万円(前年同期末比1.6%減)となりました。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ465百万円減少し、13,109百万円(同3.4%減)となりました。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ67百万円減少し、19,014百万円(同0.4%減)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベ-スの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ538百万円減少し、7,833百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,651百万円(前年同期は2,321百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,203百万円及び減価償却費807百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,345百万円(前年同期は615百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出951百万円及び投資有価証券の取得による支出795百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は845百万円(前年同期は41百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出345百万円及び配当金の支払額526百万円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

 至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

  臨床検査事業(百万円)

27,174

97.9

  調剤薬局事業(百万円)

16,982

93.3

合 計(百万円)

44,156

96.1

(注)1.金額は販売価額によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

  臨床検査事業

27,239

97.6

402

119.2

  調剤薬局事業

     合 計

27,239

97.6

402

119.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

 至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

  臨床検査事業(百万円)

27,174

97.9

  調剤薬局事業(百万円)

16,982

93.3

合 計(百万円)

44,156

96.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な販売先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社の連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループでは、見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針として以下のものがあると考えております。

 (子会社への投資に係る損失の計上)

 将来、子会社の財務状況が悪化した場合、のれんの償却期間及び評価の見直しなどにより損失を計上する可能性があります。

 (退職給付費用)

 当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定されている割引率、将来の給与水準、退職率等の前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 (固定資産の減損損失)

 当社グループは、自社保有している固定資産の価値が将来大幅に下落した場合並びに店舗等の収益性が低下した場合、減損会計の適用により対象となる資産又は資産グループに対して、固定資産の減損処理が必要になる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績の分析

(売上高)

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,805百万円減少し、44,156百万円(前年同期比3.9%減)となりました。臨床検査事業においては、平成31年2月に発生した火災の影響による総合研究所の操業停止の結果、火災発生以降の受託検体数が大きく減少したこと等により減収となりました。また、調剤薬局事業においても、平成30年4月に実施された調剤報酬及び薬価の改定による処方箋単価の低下等により減収となり、グループ全体の売上高は減収となりました。

(営業利益)

 営業利益は、前連結会計年度に比べ873百万円減少し、1,338百万円(同39.5%減)となりました。臨床検査事業、調剤薬局事業ともに減収となった影響により、グループ全体の営業利益が減益となりました。

(経常利益)

 経常利益は、保険解約返戻金78百万円及び受取補償金80百万円の増加があったものの、営業利益の減少の影響により、前連結会計年度に比べ753百万円減少し、1,632百万円(同31.6%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少に加え、総合研究所における火災発生に伴う損失として392百万円を特別損失に計上したことにより、前連結会計年度に比べ1,043百万円減少し、653百万円(同61.5%減)となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因及びセグメントごとの経営成績の分析

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、市場動向等があります。

 わが国では、高齢化社会の進展や医療費の増加、医療・情報技術の高度化を背景に、新たな医療制度・システムの確立や医療費抑制に向けた取り組みが行われております。このような状況のもと、受託臨床検査市場は市場の成熟化を受け、同業他社との競争激化により厳しい環境が続くことが見込まれております。また、調剤薬局市場は、患者本位の医薬分業の実現に向けて、かかりつけ薬剤師・薬局としての役割・機能が求められるなか、平成30年4月に実施された調剤報酬及び薬価の改定に加え、令和元年10月に予定される消費税率の改定により、一層厳しい状況になることが予想されております。

 当社グループでは、このような事業環境のもと、臨床検査事業及び調剤薬局事業の収益力強化を図るとともに、将来の事業環境の変化を見据えた事業展開を進めてまいりました。

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

(臨床検査事業)

 臨床検査事業につきましては、売上拡大に向け、大都市圏を重点地域とした新規顧客の獲得に取り組みました。また、クラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」の販売を強化した結果、順調に売上を伸ばしました。平成30年11月より製造・販売を開始した「MSI検査キット(FALCO)」(※)の売上は、同検査キットを用いた検査が平成30年12月1日より保険適用となったことにより、順調に推移しております。

 しかしながら、猛暑や豪雨・台風等の天候不順の影響により、臨床検査の受託検体数は伸び悩みました。加えて、平成31年2月に発生した火災の影響による総合研究所の操業停止の結果、火災発生以降の受託検体数は大きく減少しました。このため、臨床検査事業の売上高は27,189百万円(前年同期2.1%減)、営業利益は634百万円(同35.2%減)となりました。

(※)局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)癌に対する効能・効果について、抗PD-1抗体キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ)の適応を判定するための体外診断用医薬品で、世界で初めての癌腫横断的なコンパニオン診断薬。

(調剤薬局事業)

 調剤薬局事業につきましては、堅実な店舗運営を推進しつつ、既存店舗の処方箋応需の拡大及び店舗運営の効率化に取り組んでまいりました。また、かかりつけ薬剤師・薬局として求められる役割・機能を果たすとともに、高齢者施設及び在宅を中心とした地域医療との連携を進めてまいりました。

 当連結会計年度において、1店舗を開局、2店舗を閉局したことにより1店舗減少したことにより、当連結会計年度末における当社グループが運営する調剤薬局店舗総数は110店舗(フランチャイズ店5店舗含む)となりました。

 店舗数減少等の影響による処方箋枚数の減少や、平成30年4月に実施された調剤報酬及び薬価の改定による処方箋単価の低下により、調剤薬局事業の売上高は16,983百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益は881百万円(同37.2%減)となりました。

 

c.財政状態の分析

(資産)

 当社グループの当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ532百万円減少し、32,124百万円(前年同期末比1.6%減)となりました。流動資産は、主に売上債権が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ535百万円減少し、17,318百万円(同3.0%減)となりました。固定資産は、主に有形固定資産や無形固定資産が増加したものの、一方で保険積立金をはじめとした投資その他の資産が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、14,805百万円(同0.0%増)となりました。

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ465百万円減少し、13,109百万円(同3.4%減)となりました。流動負債は、主に仕入債務が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ169百万円減少し、9,693百万円(同1.7%減)となりました。固定負債は、主に長期借入金及び繰延税金負債が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ296百万円減少し、3,415百万円(同8.0%減)となりました。

(純資産)

 純資産につきましては、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加及び剰余金の配当及びその他投資有価証券評価差額金の減少により、前連結会計年度末に比べ67百万円減少し、19,014百万円(同0.4%減)となりました。この結果、自己資本比率は58.9%(前連結会計年度末は58.2%)となりました。

 

d.キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

e.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要の主なものは、臨床検査事業における検査試薬や調剤薬局事業における医薬品の購入費のほか、各事業における人件費や製造・販売経費等があります。また、設備投資需要としては、臨床検査事業の検査設備や調剤薬局事業の店舗設備等があります。

 当社グループでは事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行っており、当社においてグループ全体の運転資金及び設備資金を一元管理しております。

 運転資金は内部資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等で資金が不足する場合には、主に金融機関からの長期借入により資金調達を行っております。当連結会計年度末現在において予定されている臨床検査事業の事務所建物・検査機器等や調剤薬局事業の店舗設備等の設備投資については、自己資金及び借入金を充当する予定です。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,512百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,833百万円となっております。

 

f.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、バランスシート重視の経営を行っており、資産効率性の状況を判断するための指標として、株主資本利益率(ROE)を主な経営指標としております。株主資本利益率(ROE)につきましては、中長期的には9%以上を目標としております。当連結会計年度の株主資本利益率(ROE)は、平成31年2月に発生した火災による総合研究所の操業停止等の影響や平成30年4月に実施された調剤報酬及び薬価の改定による処方箋単価の低下の影響等により、3.4%(前年同期比5.9ポイント低下)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

業務・資本提携契約

 

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

株式会社ファルコ

ホールディングス

(当社)

株式会社ODK

ソリューションズ

平成28年8月5日

業務提携

1.ITシステムに係る業務の委託

2.ITシステム開発における協力

3.協業サービスの商品企画

4.協業サービスの提供実現に向けた

システム開発及び導入

5.協業サービスの共同営業展開

資本提携

株式の相互保有

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。