第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、人々の健康を支え、いい人生を提供すること、イノベーションを通して人々の健康を支え、幸せでいい人生を送っていただけるための土台となることを使命として、健康を支えるインフラを提供すること、さまざまなサービスを絶えず展開し、人々の健康を支えるインフラを提供することを目指します。

 国内の健康寿命や平均寿命が年々伸びを見せるとともに人々の健康でありたいとの想いが高まるなかで、医療・健康に関連する事業領域は広がりを見せております。当社グループは、臨床検査事業及び調剤薬局事業で培ったノウハウとICTを活用し、顧客ニーズに対応した医療・健康サポートサービスを提供してまいります。

 また、ステークホルダーの信頼に応えるため、財務基盤の安定化に努めるとともに、事業の収益力の向上を図り、グループ全体での企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び事業上・財務上の課題

 当社グループは、直近の経営環境を受けて、事業上・財務上の優先的な課題に対処すべく、令和4年3月期から令和6年3月期までの中期経営計画を策定しております。

①背景

 当社は平成31年3月期から令和3年3月期の3ヵ年を対象とする中期経営計画を策定いたしましたが、平成31年2月の総合研究所の火災に伴い取り下げております。その後、総合研究所火災の影響による一部顧客の流出による売上高の減少、検査機器の再投資による経費の増加、更には新型コロナ感染症(以下、「COVID-19」)の感染拡大に伴う医療機関への受診抑制による臨床検査受託検体数の減少、調剤薬局事業における処方箋枚数の減少などの影響を受けました。このような状況に対して、タブレット端末の活用、臨床検査の依頼・報告のICT化等により検査-営業-集配にわたる事業構造を抜本的に見直し、固定費の削減を進めてまいりました。一方、COVID-19にかかる検査への社会的ニーズに応えるべく、COVID-19に関連した検査の実施能力を増強させてまいりました。また、体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」、クラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」、診療所支援ビジネスといった、新たなビジネスも立ち上げております。

 今後も当社を取り巻く外部環境は目まぐるしく変化されることが予想されます。その一つが、COVID-19の影響です。変異株の発生、感染拡大等により、短期間での感染収束は困難と見られますが、ワクチン接種の進展、治療薬の開発等により、中期的には感染は抑制されていくものと想定され、COVID-19関連検査による売上高は中期的には剥落していくものと考えられます。

 一方で、少子高齢化の進展に伴い医療保険財政は厳しさを増し、COVID-19対策により国家財政は一層厳しさを増しております。このため、今後診療報酬、薬価の改定は従来以上に厳しいものとなることが想定されます。更に、遺伝子に基づく医療、医療分野におけるICTの更なる活用など、医療の効率化への社会的ニーズが増大すると考えられます。特に、遠隔診療、オンライン資格確認、医療ビッグデータの活用など、医療・健康分野におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)が着実に進展していくものと想定されます。

 このように大きな経営環境の変化を見通し、更なる成長を図るため、このたび新たな中期経営計画を策定しました。

②基本方針

ⅰ)COVID-19抑制への貢献

 COVID-19に関して、引き続き当社グループの人的資源、検査能力を最大限活用し、COVID-19関連検査を通じて我が国における感染拡大の抑制に貢献してまいります。

 

ⅱ)臨床検査事業、調剤薬局事業の競争力の強化

 臨床検査事業、調剤薬局事業においては、今後、市場が成熟化し、診療報酬や薬価が引き下げられる環境下、競争が更に激化していくと想定されます。大都市圏を中心としたエリアドミナント展開の強化、ICTを活用した顧客との繋がりの強化、効率的かつ柔軟な対応が可能な事業構造への変革、更には新たな事業とのシナジー効果により、競争力の強化を図ってまいります。

 

ⅲ)新たな収益の柱の確立

 遺伝子に基づく医療、ICTによる医療の効率化をビジネスチャンスと捉え、以下の事業を臨床検査事業、調剤薬局事業に次ぐ新たな収益の柱として確立することを目指します。

・体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」の適応拡大による事業拡大

・クラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」の販売強化

・ICTを使った診療所支援ビジネスの積極拡大

③連結数値目標

(単位:百万円)

 

35期

37期

 

令和4年3月期

令和6年3月期

 

(実績)

(目標)

売上高

50,007

45,000

営業利益

5,496

3,000

経常利益

5,809

3,150

親会社株主に帰属する当期純利益

3,533

1,900

ROE

16%

9%

新事業売上比率

3%

10%

※「新事業」は、体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」、クラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」、診療所支援ビジネスの合計を指します。

 

④令和12年に向けたありたい姿

 当社グループでは、グループ内の医療専門人材の知識を結集し、ICTを活用することにより、臨床検査、調剤薬局の枠を超えて医療機関の困りごとを解決することを通じ、我が国の健康・医療に貢献してまいります。さらに、医療機関から、なくてはならない困りごとの解決パートナーとして、認知されるグループを目指してまいります。

 

(3)経営上の目標を達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、バランスシート重視の経営を行っており、資産効率性の状況を判断するための指標として、株主資本利益率(ROE)を主な経営指標としております。株主資本利益率(ROE)につきましては、中長期的には9%以上を目標としております。

 

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)臨床検査事業の法的規制について

  当社グループが実施する臨床検査事業は、「臨床検査技師等に関する法律」により衛生検査所が所在する都道府県知事の許可を必要とし、衛生検査所の設備、管理組織等の面において、同法に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止又は取消を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可の名称

有効期限

関連する法令

登録等の交付者

衛生検査所登録

臨床検査技師等に関する法律

各都道府県知事

体外診断用医薬品製造業登録

5年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

体外診断用医薬品製造販売業許可

5年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

 

(2)調剤薬局事業に対する法的規制について

  当社グループが実施する調剤薬局事業は、「医薬品医療機器等法」や「健康保険法」等により各都道府県知事の許可並びに各地方厚生局長の指定等を必要とし、調剤薬局の設備、管理組織等の面において、同法等に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止又は取消を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期限

関連する法令

登録者の交付者

医薬品販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

薬局開設許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

保険薬局指定

6年

健康保険法

各地方厚生(支)局長

麻薬小売業者免許

3年

麻薬及び向精神薬取締法

各都道府県知事

医療機器販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

 

(3)その他法的規制について

 上記の臨床検査事業及び調剤薬局事業の法的規制以外にも独占禁止法、税制、環境関連諸法令等様々な公的規制を受けております。
 万一、これらの規制を遵守できなかった場合、制裁金等を課される可能性があります。また、今後規制の強化や大幅な変更がなされた場合、当社グループの活動の制約を受けたり、規制内容の変更に対応するためのコストが発生する可能性があります。これらの規制は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、許認可等の状況を各担当部門が定期的に確認することに加え、関連法令の改正情報を早期に入手し、影響を検討し対応することにより、リスクの低減を図ってまいります。

(4)診療報酬点数の改定について

  当社グループが実施する臨床検査に係る診療報酬点数は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が決定しております。また、毎年の診療報酬点数の引き下げが慣例となっており、今後、健康保険法の改正が行われ診療報酬点数が引き下げられた場合、臨床検査事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、健康保険法の改正情報を早期に入手し、影響を検討し早期に対応するとともに、検査体制及び営業体制の再構築を進め、収益基盤の強化に継続的に取り組むことによってリスクの低減を図ってまいります。

(5)薬価並びに調剤報酬の改定について

  当社グループが実施する調剤薬局事業に係る薬価並びに調剤報酬は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が決定しております。今後、健康保険法の改正が行われ薬価並びに調剤報酬が引き下げられた場合、調剤薬局事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、健康保険法の改正情報を早期に入手し影響を検討し、医薬品購入価格の低減化等をはじめとする対応を行うとともに、店舗運営の効率化を継続的に取り組むことによってリスクの低減を図ってまいります。

(6)検査過誤及び調剤過誤について

  当社グループが実施する臨床検査事業に係る検査過誤を防止するため、標準作業書に基づく作業の徹底と精度管理体制を整えるとともに、細心の注意を払い検査業務を行っておりますが、万一、検査過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  また、調剤薬局事業に係る調剤過誤を防止するために「調剤ミス防止システム」等を導入し、ミス防止体制を整えるとともに、細心の注意を払い調剤業務を行っておりますが、万一、調剤過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)情報保護について

  当社グループの事業において、事業活動上多くの個人・顧客情報を取り扱っており、その保護に努めておりますが、万一、情報が外部に流出した場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、当社では「個人情報保護方針」「情報セキュリティーポリシー」を制定するとともに、医療総合サービスにおける情報セキュリティーの重要性を深く認識し、安心・安全な情報システム環境の構築に努め、情報セキュリティーの確保、委託先への適切な監督や社内通報の保護に向けた必要な取り組みを継続的に実施しております。また、グループ会社の全役員・従業員が、情報の守秘義務はもとより、個人情報保護法等の関連法令等を遵守し、個人情報の適切な保護が確保できるよう、教育研修の実施等を通じて、従業者の個人情報の保護意識の継続的な啓発を図ってまいります。

(8)企業買収等について

  当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。当社グループは対象事業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの経営戦略等を図りますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。

(9)投資有価証券の減損処理について

  当社グループは、市場価格のない株式等以外の有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)関係会社株式の減損処理について

  今後、企業買収等により取得した関係会社株式において、当初想定していた超過収益力が低下した場合、関係会社株式の減損処理等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11)固定資産の減損処理について

  当社グループは、自社保有している固定資産の価値が将来大幅に下落した場合並びに店舗等の収益性が低下した場合、減損会計の適用により対象となる資産又は資産グループに対して、固定資産の減損処理が必要になる場合があります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)繰延税金資産の取崩しについて

 当社グループは、将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の計上・取崩を行っております。経営成績が大幅に悪化した場合には、繰延税金資産の回収が見込めないと判断をし、繰延税金資産を減少させることにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)子会社の統廃合について

  当社は、競争力強化のため買収した子会社の統廃合を実施しております。今後、子会社の統廃合を実施した場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)災害、事故等に起因する事業活動の停止、制約等について

  当社グループの各事業所が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合は操業に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止、制約等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、実際に自然災害が発生した場合は、直ちに対策本部を立ち上げ対応できる体制を整備しております。

(15)COVID-19拡大について

 当社グループは、COVID-19拡大により医療機関への受診患者数の減少による臨床検査受託検体数、調剤薬局事業における処方箋枚数などの影響を受ける可能性があります。また、ワクチン接種の進展、治療薬の開発等により、中期的には感染は抑制されていくものと想定され、COVID-19関連検査の売上高は影響を受ける可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご確認ください。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)の拡大により、2度の緊急事態宣言が出されるなど、経済活動に厳しい制限を受けました。ワクチン接種が進み、経済活動が正常化に向かう中で持ち直しの動きも見られましたが、年度末にかけてウクライナ情勢の影響により景況感は悪化し、物価上昇の加速や金融資本市場の変動が懸念されるなど、先行きは不透明な状況にあります。

 当社グループは、COVID-19の拡大に大きな影響を受ける環境下にあります。感染拡大は、COVID-19関連検査の受託検査数の増加要因となる一方、医療機関を受診する患者数を減少させ、COVID-19関連検査以外の受託検査数及び調剤薬局の処方箋枚数の減少要因となります。このような事業環境のもと、COVID-19の急激な拡大期には、前年度に引き続き著しく増加した関連検査の需要に対応するため、グループの人的資源・検査能力をフル活用いたしました。

 さらに、当社グループの持続可能性と持続可能な社会を両立させるサステナビリティ経営の一環として、ICTを活用した営業から集配、検査にわたる事業構造の改革を積極的に進め、収益力の強化を図りました。また、当社グループが今後も活力ある企業として継続するため、人財への投資を目的に人事制度の改定を実施いたしました。

 こうした取り組みの結果、当連結会計年度における売上高は50,007百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は5,496百万円(同110.2%増)、経常利益は5,809百万円(同103.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,533百万円(同90.6%増)となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも過去最高益を更新いたしました。なお、営業利益及び経常利益につきましては、2期連続の最高益更新となります。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(臨床検査事業)

 受託臨床検査市場は、市場の成熟化を受け、同業他社間の競争がより一層強まっております。当連結会計年度の臨床検査事業は、デルタ株が猛威を振るった令和3年7月から9月までにかけてCOVID-19関連検査の受託検査数が大幅に増加いたしました。10月からは関連検査の受託検査数は次第に落ち着きを見せましたが、令和4年1月に入るとオミクロン株が猛威を振るい、2月中旬にかけて更に著しく増加いたしました。

 一方で、COVID-19関連検査以外の検査につきましては、引き続き大都市圏を重点地域とした新規顧客の獲得に努め、受託検査数は回復基調にありましたが、感染拡大前の水準には至りませんでした。

 体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」(※1)は適応拡大を進め、順調に販売を伸ばしました。クラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」は、COVID-19拡大の影響を受けましたが、販売強化に努め、販売件数は前年度を上回りました。また、診療所向けクラウド型サービス「レセスタ」(※2)は順調に立ち上がり、契約件数を伸ばしました。

 さらには、タブレット端末の活用、臨床検査の依頼及び報告のICT化等による営業から集配、検査にわたる事業構造の抜本的な改革を引き続き進めてまいりました。

 このような事業展開の結果、臨床検査事業の売上高は6,463百万円増収の33,670百万円(前年同期比23.8%増)、営業利益は2,921百万円増益の4,894百万円(同148.0%増)となりました。

 (※1)キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ)の固形がん患者への適応判定、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)の結腸・直腸がん患者への適応判定、切除可能大腸がんにおける術後補助化学療法の選択及び大腸がんにおけるリンチ症候群の診断の補助に用いる体外診断用医薬品の名称です。平成30年に世界で初めてのがん種横断的なコンパニオン診断薬として薬事承認を取得いたしました。令和3年8月には「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」に対するキイトルーダ®の適応判定補助に新たに保険適用される等、次世代がんゲノム医療の進展に寄与すべく販売強化に取り組んでおります。

 (※2)レセプト情報を基にした適正な診療・医事業務支援サービス。

 

(調剤薬局事業)

 調剤薬局市場は、厚生労働省による「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、患者本位の医薬分業の実現に向けて機能の充実が求められつつ、調剤報酬及び薬価の改定による影響を受けております。

 当社グループでは、かかりつけ薬剤師・薬局として求められる役割や機能を果たすとともに、高齢者施設及び在宅を中心とした地域医療との連携を進め、既存店舗の処方箋応需の拡大に取り組みました。当連結会計年度におきましては、3店舗を開局、1店舗をフランチャイズ化し、調剤薬局等店舗総数は109店舗(フランチャイズ店7店舗含む)となりました。

 これらの取り組みにより、当連結会計年度における処方箋応需枚数は、COVID-19の拡大以降医療機関を受診する患者数の減少による影響があったものの、前年度を上回る水準となりました。一方、処方箋単価につきましては、薬価改定の影響を受け、下落いたしました。コスト面については、調剤原価等の削減に努め、堅実で効率的な店舗運営を進めてまいりました。

 このような事業展開の結果、調剤薬局事業の売上高は63百万円減収の16,353百万円(同0.4%減)、営業利益は36百万円増益の1,005百万円(同3.7%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当社グループの当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,187百万円増加し、40,256百万円(前年同期末比8.6%増)となりました。流動資産は、主に売上債権が1,057百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,218百万円増加し、22,668百万円(同5.7%増)となりました。固定資産は、主に土地が644百万円及び建設仮勘定が513百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,968百万円増加し、17,588百万円(同12.6%増)となりました。

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ194百万円増加し、16,778百万円(同1.2%増)となりました。流動負債は、主に仕入債務が646百万円及び未払法人税等が865百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,149百万円増加し、11,389百万円(同11.2%増)となりました。固定負債は、主に長期借入金が830百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ954百万円減少し、5,389百万円(同15.0%減)となりました。

(純資産)

 純資産につきましては、主に親会社株主に帰属する当期純利益3,533百万円、剰余金の配当609百万円、その他有価証券評価差額金の減少65百万円及び自己株式の処分134百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,992百万円増加し、23,478百万円(同14.6%増)となりました。この結果、自己資本比率は58.1%(前連結会計年度末は55.0%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベ-スの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ975百万円減少し、10,643百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は4,129百万円(前年同期は2,937百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,567百万円、減価償却費942百万円、売上債権の増加額1,491百万円及び法人税等の支払額1,783百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2,690百万円(前年同期は52百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,069百万円及び投資有価証券の取得による支出311百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,414百万円(前年同期は1,460百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額850百万円、長期借入金の返済による支出778百万円、配当金の支払額608百万円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和3年4月1日

 至 令和4年3月31日)

前年同期比(%)

  臨床検査事業(百万円)

33,655

123.8

  調剤薬局事業(百万円)

16,352

99.6

合 計(百万円)

50,007

114.7

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

  臨床検査事業

33,636

123.0

322

94.5

  調剤薬局事業

     合 計

33,636

123.0

322

94.5

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和3年4月1日

 至 令和4年3月31日)

前年同期比(%)

  臨床検査事業(百万円)

33,655

123.8

  調剤薬局事業(百万円)

16,352

99.6

合 計(百万円)

50,007

114.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主要な販売先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(概要および売上高・営業利益)

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の概要および売上高、営業利益は、「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載しております。

 

(経常利益)

 経常利益は、営業利益の増加の影響に加え、COVID-19対策関連の補助金142百万円の影響等により、前連結会計年度に比べ2,955百万円増加し経常利益は5,809百万円(同103.5%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加の影響に加え、投資有価証券売却益55百万円を特別利益として計上すると共に、退職給付制度の改定による特別損失84百万円の影響により、前連結会計年度に比べ1,680百万円増加し、3,533百万円(同90.6%増)となりました。

 

財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、バランスシート重視の経営を行っており、資産効率性の状況を判断するための指標として、株主資本利益率(ROE)を主な経営指標としております。株主資本利益率(ROE)につきましては、中長期的には9%以上を目標としております。当連結会計年度の株主資本利益率(ROE)は、事業構造改革および固定費削減の影響による利益改善及び固定資産の売却等により、16.1%(前年同期比6.6ポイント改善)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要の主なものは、臨床検査事業における検査試薬や調剤薬局事業における医薬品の購入費のほか、各事業における人件費や製造・販売経費等があります。また、設備投資需要としては、臨床検査事業の検査設備や調剤薬局事業の店舗設備等があります。

 当社グループでは事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行っており、当社においてグループ全体の運転資金及び設備資金を一元管理しております。

 運転資金は内部資金及び金融機関からの短期借入を基本としておりますが、当連結会計年度においてはCOVID-19拡大の影響がある中で手元資金確保のため、金融機関より長期借入による資金調達を行っております。また、当連結会計年度末現在において予定されている臨床検査事業の事務所建物・検査機器等や調剤薬局事業の店舗設備等の設備投資については、自己資金及び借入金を充当する予定です。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,070百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10,643百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

業務・資本提携契約

 

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

株式会社ファルコ

ホールディングス

(当社)

株式会社ODK

ソリューションズ

平成28年8月5日

業務提携

1.ITシステムに係る業務の委託

2.ITシステム開発における協力

3.協業サービスの商品企画

4.協業サービスの提供実現に向けた

システム開発及び導入

5.協業サービスの共同営業展開

資本提携

株式の相互保有

 

5【研究開発活動】

 当グループは、臨床検査事業においてゲノム医療に関する研究開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度に、当社の連結子会社である㈱ファルコバイオシステムズにおいて次世代がんゲノム医療についての共同研究を開始しました。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は300百万円となっております。