第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、明記されている箇所を除き、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当社企業グループは、2021年4月1日から、10年間の長期グループビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」をスタートし、2021年度は、その初年度にあたります。また、当該ビジョンの具現化に向け、中期経営計画として、中期経営計画2023(2021年度~2023年度)、中期経営計画2026(2024年度~2026年度)、中期経営計画2030(2027年度~2030年度)の3ステップを設定し、最初のステップとなる中期経営計画2023では、「連結売上高500億円」「連結営業利益額50億円」「ROE15%以上」を目標といたしました。

 

「CRESCO Group Ambition 2030」

人が想い描く未来、その先へ

クレスコグループは最高のテクノロジーと絆で”わくわくする未来”を創造します

 

中期経営計画2023

「CRESCO Group Ambition 2030」の実現を通して売上高1,000億円を目指してまいります。この目標を具現化するため、中期経営計画2023では、以下の重点戦略、基本戦略、経営目標を策定いたしました。

 

(新たなビジネスの柱を生み出すための3つの重点戦略)

・デジタルソリューションの強化(デジタルソリューションの売上倍増、新規デジタルソリューションの拡充)

・機動的経営の進化(「DX銘柄」認定の取得、グループ連携の強化による事業拡大)

・人間中心経営の深化(「健康経営優良法人」上位企業へ、次世代人財育成の充実)

 

(コアビジネス領域をより強固にするための3つの基本戦略)

・ITサービスの拡大(エンタープライズ/金融/製造セグメントごとに定めた施策に基づく事業拡大)

・品質の強化(新技術/ニーズ変化に対応したマネジメントプロセスの継続的な改善と実践)

・技術の強化(新技術/重点技術(AI、クラウド、アジャイル)によるビジネス拡大)

 

(経営目標)

・連結売上高:500億円

・連結営業利益額:50億円

・ROE:15%以上

 

当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年12月31日)の経営環境は、新型コロナウイルス禍が継続する中、幅広い業界で景況感が改善し、業種によって濃淡はあるものの、概ね改善傾向が続いております。緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の全面解除以降、新たに発生したオミクロン株の感染拡大が懸念されますが、その影響は限定的であり、経済活動の正常化に向けた動きは活発な状況にあります。

企業動向の改善が続く中、IT戦略の遂行状況も、デジタル変革(DX)を核として加速しております。当社企業グループにおきましても、引き合いは旺盛な状況にあり、コロナ禍で大きな打撃を受けた業界・業種も将来を見据え、IT投資は回復の兆しを見せております。オンライン商談のほか、対面での営業活動も従来の勢いに回復し、新規顧客の開拓にも大きな支障はありません。

しかしながら、今後の新たな変異株の発生・流行に対する警戒感や再度の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出に起因する景気の下振れリスクは依然拭い切れず、加えて、燃料や原材料高の影響が物価や景気を左右する新たな懸念となってきているため、先行きの見通しは、決して楽観的にはなれない状況にあります。

 

当社企業グループでは、中期経営計画2023及び経営方針に則り、環境の変化に即した顧客ポートフォリオ及び事業体制の見直しや既存顧客を中心とした受注量の確保、先端技術(AI・クラウド等)を取り込んだ新規事業・サービスの開発に注力するとともに、社内DXの推進(テレワーク体制の強化、オンラインコミュニケーションツールの活用、デジタルマーケティングの強化)、オフィススペースの最適化など、攻めの施策を継続的に実施しております。

 

なお、当第3四半期連結累計期間のトピックスは、以下のとおりです。

 

2021年4月:

・グループビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」をスタート

・当社社員が、UiPath社主催「UiPath Today」で講演

2021年5月:

・報告セグメントの変更を発表

・経済産業省から「DX認定事業者」に認定

・マイクロソフト社のパートナーとして「Goldコンピテンシー」に認定

2021年6月:

・新型コロナワクチン接種時及び副反応時の特別休暇制度を導入

・新型コロナウイルス感染症に係る支援により、日本赤十字社から「金色有功章」を拝受

・㈱OECの株式取得(子会社化)を発表

・報酬委員会の設置を発表

2021年7月:

・クラウドマネージドサービス「Creage」(クレアージュ)のMicrosoft Azure®への適用を発表

・当社社員が、PMI日本支部主催「PMI日本フォーラム2021」で講演

・2021年10月1日付の役員人事を発表

2021年8月:

・リアルとオンラインを融合する「ニューノーマルな交流拠点」となる多目的スタジオの設置を発表

・都内公立小中学校のデジタル活用支援の取組みへの参画を発表

・当社及び当社子会社の取締役に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分を完了

2021年9月:

・当社のソリューション及びお客様事例等を紹介する新Webサイトをオープン

・2021年10月1日付の組織変更及び人事異動を発表

・子会社である㈱クリエイティブジャパンが、「ELTRESアドオンIoT開発キット」を発表

2021年10月:

・オンラインイベント「クレスコフェア2021」を開催

・IaaS型クラウドサービス「SOROBAN」の販売代理店契約を締結

・㈱クリエイティブジャパンが、「IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021」を開催

・当社社員が2年連続で『UiPath Japan MVP 2021』に認定

2021年11月:

・当社社員が組込みシステム技術協会「ET & IoT 2021」で講演

・「第5回 日経スマートワーク経営調査」で3つ星の評価を獲得

・東証新市場区分における「プライム市場」選択申請を発表

2021年12月:

・当社社員が「第2回日本眼科AI学会総会 眼科AIコンテスト」で入賞

・名古屋大学と組込みセキュリティに関する共同研究を開始

・当社の従業員に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分を完了

・関連会社である㈱ウェインの株式を一部売却し、持分法適用の範囲から除外

・代表取締役の異動(2022年4月1日付)を発表

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高324億6百万円(前年同期売上高290億18百万円、11.7%増)、営業利益32億92百万円(前年同期営業利益23億88百万円、37.9%増)、経常利益36億41百万円(前年同期経常利益31億23百万円、16.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益25億64百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益21億93百万円、16.9%増)と増収増益となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

セグメント

売上高(千円)

セグメント損益(千円)

前期

当期

前年
同期比

前期

当期

前年
同期比

 

エンタープライズ

12,557,781

13,425,548

106.9%

1,123,794

1,641,985

146.1%

金融

9,083,620

10,003,830

110.1%

1,123,279

1,299,961

115.7%

製造

6,431,521

7,542,707

117.3%

992,414

1,250,196

126.0%

ITサービス事業計

28,072,924

30,972,087

110.3%

3,239,489

4,192,143

129.4%

デジタルソリューション事業

945,677

1,434,681

151.7%

75,935

107,808

142.0%

合計

29,018,601

32,406,768

111.7%

3,315,425

4,299,952

129.7%

 

 

 

①ITサービス事業

ITサービス事業の売上高は、309億72百万円(前年同期比10.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は41億92百万円(前年同期比29.4%増)となりました。サブセグメント別の状況は、次のとおりであります。

 

(エンタープライズ)

「エンタープライズ」区分の売上高は、134億25百万円(前年同期比6.9%増)となりました。これは主として、前年同期は新型コロナウイルス禍の影響を受けていた「運輸」「人材紹介・人材派遣」「旅行・ホテル」「建設・不動産」の各分野での受注が回復したことによるものであります。

また、「エンタープライズ」区分のセグメント利益(営業利益)は、16億41百万円(前年同期比46.1%増)となりました。これは主として、上記の売上高の増加や、前年上期の新型コロナウイルス禍に伴うテレワーク体制への移行時における生産性の低下が解消されたことに加え、前年上期に連結子会社において発生していた不採算プロジェクトが解消したことによるものであります。

 

(金融)

「金融」区分の売上高は、100億3百万円(前年同期比10.1%増)となりました。これは、「保険」分野において大型案件を受注したことに加え、証券やクレジットカード等「その他」の分野におけるIT投資が拡大したことによるものであります。

また、「金融」区分のセグメント利益(営業利益)は、12億99百万円(前年同期比15.7%増)となりました。これは主として、「その他」の分野において収益性の高い案件を獲得することができたことによるものであります。

 

(製造)

「製造」区分の売上高は、75億42百万円(前年同期比17.3%増)となりました。これは、新型コロナウイルス禍によるサプライチェーンの寸断により生産活動の停滞・伸び悩みが生じており、特に「自動車・輸送機器」分野においては半導体不足に起因する受注減があったものの、「機械・エレクトロニクス」分野において先行投資を目的とする案件の増加があったことや第2四半期連結会計期間より㈱OECを連結したことによるものであります。

また、「製造」区分のセグメント利益(営業利益)は、12億50百万円(前年同期比26.0%増)となりました。これは、「自動車・輸送機器」分野における売上高の減少及び連結子会社における不採算プロジェクトが生じたものの、前年上期の新型コロナウイルス禍による生産性の低下を解消できたことに加え、上述の「機械・エレクトロニクス」分野における売上高の増加があったことによるものであります。

 

②デジタルソリューション事業

デジタルソリューション事業の売上高は、14億34百万円(前年同期比51.7%増)となりました。これは主として、当社の主力クラウドサービスである「Creage」やRPAライセンスの販売が増加したこと、及び一部の連結子会社において大型のソリューション案件を獲得したことによるものであります。

また、セグメント利益(営業利益)は1億7百万円(前年同期比42.0%増)となりました。これは主として、上記の売上高の増加によるものであります。

 

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における資産総額は前連結会計年度末に比べ、6億28百万円増加し、309億70百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億95百万円増加し、205億74百万円となりました。これは主に、現金及び預金が5億33百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は「受取手形及び売掛金」として表示)が1億97百万円それぞれ減少したものの、有価証券が8億25百万円、仕掛品が2億44百万円、「その他」に含まれる前払費用が1億7百万円それぞれ増加したことによるものです。

固定資産は前連結会計年度末に比べ、1億32百万円増加し、103億95百万円となりました。これは主に、投資有価証券が6億58百万円、「その他」に含まれる繰延税金資産が2億43百万円、ソフトウェアが74百万円それぞれ減少したものの、のれんが10億86百万円増加したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は前連結会計年度末に比べ、10億37百万円減少し、98億18百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度末に比べ、10億95百万円減少し、60億56百万円となりました。これは主に、買掛金が2億72百万円、「その他」に含まれる預り金が2億42百万円それぞれ増加したものの、未払法人税等が8億35百万円、賞与引当金が6億97百万円それぞれ減少したことによるものです。

固定負債は前連結会計年度末に比べ、57百万円増加し、37億61百万円となりました。これは主に、長期借入金が1億94百万円減少したものの、退職給付に係る負債が2億50百万円増加したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ、16億66百万円増加し、211億51百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が87百万円減少したものの、利益剰余金が17億4百万円増加したことによるものです。

 

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は100,746千円であります。

 

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

(市況の動向)

当社企業グループは、お客様のご要望に基づき、コンサルティングからIT企画、開発、保守・運用サービスを主軸としたITサービス事業及び顧客のDX実現を支援するデジタルソリューション事業を展開しております。

2020年度は、新型コロナウイルス禍により、経済活動が停滞し、IT投資の契約の見直しやプロジェクトの中止・中断・延期、対面による営業活動の制限などが生じ、市場の成長は鈍化いたしました。しかしながら、2021年度の市場はプラス成長に回帰し、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえたクラウド環境の整備やAI・RPAを活用した省人化・自動化対応等、DXへの取組みが加速し、受注状況も概ね回復傾向になっております。

IDC JAPANによると、2021年の国内ITサービス市場は、プラス成長に回帰、COVID-19の感染拡大によってもたらされた外部環境の変化に対応するため、企業がDXに本格的に取り組む姿勢が強まっていることも影響し、プロジェクトベース市場を中心に回復が進み、2022年以降は、徐々に成長率は鈍化するものの、レガシーシステムの刷新/更新需要、企業によるDX投資の本格化が同市場の成長を支えるため、2020年~2025年の年間平均成長率は2.4%で推移すると予測されております。また、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査2021」では、ニューノーマル時代のIT投資動向として、IT予算増加の主要因は「デジタル化に向けた対応と基幹システムの刷新」であり、「新型コロナウイルス禍にあっても、多くの企業で戦略的に進めれらている」としています。更に、経営視点では、非接触/非対面社会での新しい事業・業務・働き方転換を促すIT投資の重要性が、一段と高まっている、としております。

このような市況の動きは、本格的なデジタル変革時代を後押しするものであり、企業のデジタル化、DX化を加速させるものです。その中でもクラウドやAI、セキュリティなどが大きな役割を果たしております。先端技術(AI・クラウド等)を含む幅広い事業領域・技術領域を有する当社企業グループにとって、新たな事業機会になるもの、と考えております。

 

 

(プロジェクトマネジメント)

受託ソフトウェア開発に関しましては、標準化されたメソッドに基づいたプロジェクトマネジメントを実践し、引き合い、見積り(受注単価、納期、品質等)、受注段階からプロジェクトの立ち上げ・計画段階、開発、納品の各段階において、レビュー及び品質管理を徹底しております。また、プロジェクトマネジメント協会(PMI)が実施及び認定しております国際資格「PMP®:プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(Project Management Professional®)」の取得や教育研修に努め、適正なプロジェクト運営、プロジェクト収益の確保、不採算案件発生の未然防止等を図っております。しかしながら、持続的な成長と企業価値の向上を見据えた未開拓分野あるいは経験の浅い分野の案件の受注といった内的要因によるリスクや進捗中のプロジェクトにおける基本計画や体制の見直し、要求事項・仕様の変更など、外的要因によるリスクは増大する傾向にあり、トラブルが全く発生しない、という保証は難しく、万が一、トラブルが発生した場合、追加コストの発生や検収の遅延、損害賠償等により、損失が発生し、経営成績に重要な影響を与える要因となります。

 

(資金運用及び事業投資)

当社企業グループの資金運用におきましては、各種金融商品の特性や経済動向、景気の先行き等を勘案し、歴史的な低金利の時代にあっても高収益を獲得できるよう投資ポートフォリオを構築するとともにリスク管理を徹底しておりますが、内外の経済情勢や金融市場の動向に依存し、影響を受けるため、評価損や売却損が発生した場合に経営成績に重要な影響を与える要因となります。この度の新型コロナウイルス禍を起因とする金融市場の変化を踏まえ、投資ポートフォリオの継続的な見直しが必要であると考えております。

また、当社企業グループは、成長戦略の一環として、M&Aやアライアンス、新技術の研究・開発等の事業投資を積極的に実施しておりますが、内外の経済情勢や技術革新の動向に依存し、影響を受けるため、機会損失が発生し、経営成績に重要な影響を与える要因となります。

 

 

(5) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に重要な変更はありません。

 

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

① 経営者の問題認識

a. 事業環境と経済の見通し

2021年度の事業環境は、新型コロナウイルスの新たな変異株の発生・流行を繰り返す状況にあり、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の全面解除以降、新たに発生したオミクロン株の感染拡大が懸念されますが、経済活動の正常化に向けた動きは活発な状況にあります。また、ウィズコロナ・アフターコロナを踏まえた「新しい生活様式」や「ニューノーマル(新常態)」も、地域や業種・業態により違いはあるものの、徐々に定着しつつあります。一方で、今後の新たな変異株の発生・流行に対する警戒感や再度の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出に起因する景気の下振れリスクは依然拭い切れず、加えて、燃料や原材料高の影響が物価や景気を左右する新たな懸念となってきているため、先行きの見通しは、決して楽観的にはなれない状況にあります。再度、特定の業種における休業要請や時短要請、人流の抑制を中心とした感染予防対策等が講じられた場合、当社企業グループへの影響は避けられません。しかしながら、ITを活用したデジタル変革の流れは、新型コロナウイルス禍であっても引き続き加速するものと考えられ、当社企業グループへの影響は限定的であると判断しております。

2021年度の経済見通しは、引き続き、新型コロナウイルスの感染状況に左右される面があることは否めませんが、2021年12月の日銀短観では、代表的な指標である大企業・製造業の業績判断指数(DI)が、前回9月調査と同様、プラス18と横ばいながら、前回先行き見通しから4ポイント改善し、景況感の順調な回復が続いていることが確認できます。また、大企業・非製造業は7ポイント上昇のプラス9となり、全規模・全産業がプラスとなっております。2021年度のソフトウェア投資額(計画)も2020年度に比べ、引き続き全規模合計・全産業でプラスの推移となっており、2020年度のIT投資抑制の反動やDXの進展、設備投資の意欲の持ち直しがうかがえます。

これらの影響について、精緻に判断することは困難であるため、現時点で入手可能かつ合理的な情報による判断及び以下の仮定に基づいて、2022年3月期の業績予想(事業計画)を作成しております。

 

 

・新型コロナウイルス禍は、当面、収束は難しいが、影響は限定的であり、事業に大きな支障はない。

2021年9月末における緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の全面解除以降、追加のワクチン接種を含む感染の予防対策に重点を置き、できるだけ制約のない日常生活と経済活動に戻していくための取り組みが始まっておりますが、12月に入り、オミクロン株の新規感染者数が増加傾向となり、2022年1月には、再度のまん延防止等重点措置が発出されました。現況を鑑み、新型コロナウイルス禍の収束は当面難しいこと、また、オミクロン株や新たな変異株の発生・流行に起因する景気の下振れリスクは依然として拭い切れないことに変わりはありませんが、オンラインや対面による営業活動やリモート開発、在宅勤務も常態化しており、影響は限定的であり、事業への大きな支障はありません。2021年度からの新ビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」と「中期経営計画2023」に沿って、当社企業グループ全体の事業ポートフォリオの最適化に努め、コア事業であるITサービスや新たな価値を提供するデジタルソリューションを積極的に展開し、事業目標の達成と価値創出に取り組んでまいります。

 

・景況感は、業種・業態により濃淡はあるものの、IT投資は改善傾向であり、受注は増加する。

経済正常化に向けた動きが活発化する中、景況感は、業種・業態により濃淡はあるものの、順調に回復し、IT投資も改善傾向にあります。加えて、新型コロナウイルス禍がもたらしたニューノーマルへの対応ニーズ増大により、新たな事業価値の創出や競争力強化、イノベーションを実現する「デジタル変革」に大きく軸足が移り、今後も需要は更に加速する見込みです。2021年度は、「DX認定事業者」として、環境の変化に即した様々なサービスを創出してまいります。加えて、多様化・複雑化するニーズをしっかりと取り込み、自らも競争優位性を確保するイノベーションを実現し、着実な受注の獲得に努めてまいります。

 

今後、これらの仮定の誤りにより開示すべき事象が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

 

b. 不採算案件の未然防止及び早期の収束

開発プロジェクトにおける不確実性は避けて通れない問題であります。規模の大きい不採算プロジェクトが発生した場合、当該プロジェクトの収益性悪化はもとより、他のプロジェクト活動や受注活動全体に対するしわ寄せも大きくなります。不採算プロジェクトの未然防止はもとより、不採算発生時の徹底的な原因分析と再発防止策の策定といった不採算プロジェクトの極小化に向けた取り組みは、継続すべきテーマと認識しております。受注時及び着手後の早期の段階では、見通しどおりの収益が確保できるか、お客様の要望や技術的難易度などの諸条件について、多段階のレビューやリスク分析などを含め、精査を行っております。また、プロジェクト遂行中は、「プロセスの見える化」を通じて、組織的な支援と監査を実施しております。不採算プロジェクトの発生時は、早期収束を図るため、重点プロジェクトとして、当該プロジェクトに対するモニタリングと情報のエスカレーションを徹底し、収益の確保とお客様の信用・信頼の獲得に努めております。

 

c. 技術力と品質の向上

洗練された技術力と確かな品質は、お客様満足度の向上はもとより、当社企業グループの持続的な成長と企業価値の向上にとって、正に生命線であります。サービスコンピテンシー統括本部や品質管理本部による組織横断的な活動の他、お客様や社会のニーズを見据えた人材開発体制や多種多様なスペシャリストの育成等を軸に、グループ各社と連携し、技術力とサービス品質の向上に取組んでおります。また、ソフトウェア開発のマネジメントサイクル(要件定義、設計、製造、テスト等、各局面の一連の流れ)においては、独自に定めた「品質保証プロセス体系」(※)をプロジェクト推進の基本とし、多段階レビューやトレーニングを通して、納品物の品質の向上に努めております。その他、技術研究所が主催する先端技術(AI・クラウド等)をベースとした次世代人材育成プログラムによる高度専門技術者の育成やプロジェクトマネジメント協会(PMI)が実施及び認定しております国際資格「PMP®:プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(Project Management Professional®)」の取得プログラムを実施し、マネジメント品質の向上も図っております。

※品質保証プロセス体系とは、品質管理を効果的に実施するために独自に構築した体系であり、提案からプロジェクトの実施、納品に至るまでの全てをカバーする「開発標準体系」をベースに、各局面を確実に実施していくことを目指したものです。

 

d. 知的財産の活用

当社企業グループは、「モノ作り」が基本であり、様々なプロジェクト実績を通じて、多くのアイデアやノウハウ、特許等のナレッジを有しており、このナレッジを「知的財産」として、共有・活用し、事業の競争優位性の確保や生産性向上に結びつけることが重要と考えております。

部門横断型のエキスパート制度の導入や知的財産(知識・知見・経験)の社内公開、特許化といった諸施策を通じて、「人と知的財産」という経営資源の質的向上を図り、品質管理、新規ビジネス(サービス・製品)の組成、戦略立案等、あらゆるビジネスシーンで英知を結集して、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

 

e. 収益性の向上

需給状況に応じた適正な価格設定や選別受注は、従来から実施しておりますが、受注案件の収益性の向上は継続的なテーマであります。業務量の確保という観点に偏らぬよう見積り内容、受注条件等に関する多段階のレビューにより収益性の評価を十分に行うとともに、従来のサービス・製品とは一線を画した新規ビジネスの組成を推進し、収益性の向上を目指してまいります。また、開発及び構築業務において、生産性向上ツールの開発やソフトウェアの知的財産化、パッケージソフト等の既製品の利用、設計手法や業務ノウハウといったナレッジの共有化などを推進し、収益性を確保してまいります。 

 

f. 事業ポートフォリオの最適化と高収益事業の拡充

IT産業に対するお客様や社会のニーズは、技術革新の進展と内外の経済動向により、常に変化しております。また、IT投資は時代の趨勢により、その内容や規模は変動するものの、決して枯渇するものではありません。当社企業グループは、厳しさを増す経営環境に的確に順応するため、従来型の受託開発事業における技術革新や組織体制の再構築に加え、新たな事業領域となる市場(技術や顧客)を積極的に開拓し、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。併せて、当社企業グループの豊富な経験と技術力を結集し、高付加価値なサービス・製品を提供する事業も拡充してまいります。

 

g. セキュリティ意識の向上

情報セキュリティ事故が発生した場合、業務に大きな支障が出るだけでなく、間接的被害も膨らみ、企業の存亡に関わる被害になるおそれもあります。このような影響を鑑み、当社企業グループは、情報セキュリティ基本方針に則り、専門部署による情報管理体制のIT化や情報セキュリティマネジメントシステムの構築及び運用など、管理を強化しております。また、事業環境の変化や事業を取り巻くリスクに応じて、物理的対策、技術的対策、運用管理面の対策を適宜変更し、対応しておりますが、最大の脅威は「人間」つまりヒューマンエラーと認識しております。不正行為、誤操作等は、個人の意識に起因する面が多く、管理が難しい側面がございますが、コンプライアンスに関する定期的な教育研修や自己点検(コンプライアンスチェック)の実施などを通じて、セキュリティ意識の向上を徹底し、情報資産の安全対策に努めてまいります。

 

 ② 今後の方針について

当社企業グループが提供する多彩なITサービス及びデジタルソリューションは、「デジタル変革」の潮流を概ね取り込めるポジションにあり、お客様から「メインパートナー」として期待されております。

2021年度は、新型コロナウイルス禍の収束が依然難しい状況ですが、中長期視点では一過性のものであり、2020年度のIT投資抑制の反動やDXの進展を背景に、「デジタル変革」は、更に加速すると予測しております。高度化、多様化、複雑化するニーズを積極的に取り込み、そして、自らも競争優位性を確保するイノベーションを実現し、社会の発展に貢献する所存です。また、長年培ってきたコア技術と経験を活かし、当社企業グループ間の協業や他社とのアライアンスを積極的に展開して、お客様の「デジタル変革」をリードする新規性と利便性を備えたITサービス及びデジタルソリューションを提供してまいります。

併せて、新ビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」と「中期経営計画2023」に沿った経営を進め、当社企業グループ全体の事業ポートフォリオの最適化と環境変化に適応した柔軟な組織経営に努め、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

 

 

(7) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

 

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 

請負等に関する契約

契約会社

相手先

契約

契約の内容

契約期間

㈱クレスコ

日本アイ・ビー・
エム㈱

基本契約書

請負等に関し基本的事項を定める契約

2021年12月11日から
2022年12月10日まで

 

 

(注) 1  当社は、1988年4月1日にテクトロン㈱と㈱メディアリサーチが合併し、新設会社として設立されましたが、日本アイ・ビー・エム㈱は㈱メディアリサーチとの基本契約を引継いでおりますので、当社としましての基本契約は1988年4月1日からとなります。

2  上記契約の契約期間につきましては、一年ごとの自動更新となっております。