文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する」という企業理念のもと、美容という手段を用いて人々を美しくすることを最大のテーマとし、美容師の技術力、創造力、感性及びサービスを高め、徹底した現場第一主義を貫いております。
また、「顧客満足」「株主満足」「社員満足」「社会満足」の4つの満足の追求が、企業の社会的使命と捉え、経営活動を進めております。
当社は、2023年3月期~2025年3月期にわたる3ヵ年の中期経営計画を策定し、達成に向け全社を挙げて実行してまいりました。当中期経営計画は、2025年3月をもって終了しておりますが、2026年3月期においては、中期経営計画『TAYA BX PROJECT』の項目を更にブラッシュアップさせた、重点的施策を遂行してまいります。
具体的な内容は、以下の通りです。
・「リブランディングの更なる推進」
TAYAブランドは、当事業年度では9店舗のリニューアルを行いました。実施店舗はいずれも大きく収益の向上が図れたことから、次年度においては、10店舗のリニューアルを計画しております。
店舗毎の収益を更に増大させるため、今後3年を目途に全店舗のリニューアルの実施を計画しております。
そして、次年度においては、人材戦略を重視し、採用、教育、定着に注力することにより、当社のスタッフ一人一人が、高い生産性と創造性をもつ『ビューティライフデザイナー』へ成長させ、上質なおもてなしを提供できる人材を多く育成することで、サービスの高品質化、高付加価値化に結び付け、客単価の向上を図ってまいります。これらの成長の成果を、適切に自身フィードバックできるよう、評価制度や給与制度改革を行い、顧客満足と、社員エンゲージメントの向上に努めてまいります。
加えて「トータルビューティカンパニー」として、多様な美容サービスを提供できるよう、今後も様々な企業との、コラボレーションを積極的に進めてまいります。
・「フリーランス事業の確立」
業務委託サロン「ano」は立ち上げから2年が経過し、若手を中心とした柔軟な働き方や、販売成果が明確に反映される報酬制度が浸透した結果、フリーランス人材の定着化は進んでおり、事業は着実に進歩しております。
今後は、直営事業に次ぐ収益の柱となるよう当社独自のサービスを創出、競合他社との差別化を図り、事業ノウハウを更に積み上げなど、事業基盤を確立を推し進めまいります。そのため、次年度においては、3店舗の出店を計画しております。
・「本部構造の改革」
昨今の外部環境の変化に機動的に対応するため、本部のスモール化による経営管理体制の強化と、業務フローの効率化を推し進め、社員一人一人の生産性の向上を図ることで、全社がより円滑に、迅速な経営判断、業務執行を行えるよう、抜本的な組織構造の改革を進めてまいります。
加えて、次年度も、徹底した本部経費や、人件費などの見直しをはかることで、大幅な販管費の削減策を、実施してまいります。
[次年度における数値目標]
(単位:百万円、%、円 銭、%、店)
※IFRSの強制適用による業績や指標への影響は考慮しておりません。
昨今のウクライナ情勢に起因する原材料価格、エネルギーコストの上昇による物価の急騰など産業構造の変革期に直面しております。
美容業界におきましては、「美容室のオーバーストア状態による過当競争」の激化、「人口減少社会による客数の減少」、さらには「美容師の獲得難」の様相を呈しており厳しい状況が続いております。
また、働き方改革の浸透により、美容師自身においても就労意識の変化が生じております。
当社は、企業理念に従い年齢・性別・国籍を問わずより多くの人々に喜んでいただける環境を創造し続け、ヘアビジネスにおけるリーディングカンパニーとして、多様化する消費者ニーズや変化する消費者のライフスタイルに応え、新技術の開発、社員の教育、情報の発信、店舗の統廃合および合理的なコスト削減を継続的に実施することを重点課題とし、収益性と成長性を同時に追求できる経営を進めてまいります。
また、コンプライアンスを重視し、内部統制システムの一層の充実を図り、経済構造および社会情勢等の経営環境の変化に対し迅速かつ柔軟に対応できるよう、企業体質の改善、強化に努めてまいります。
当社は、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
「3[事業等のリスク](8)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載している対応策を迅速かつ着実に行い、早期に継続企業の前提の疑義を解消することが最重要課題であると認識しております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、事業活動を通じて、ステークホルダーの皆様からの期待にお応えし、信頼される企業になることを重要な経営課題と位置付けており、そのために、法令を遵守し効率的で健全性及び透明性を確保できる経営管理体制を確立し、経営の監視機能及び内部統制機能の充実、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むことを基本的な考え方としております。なお、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する評価、管理及び監視に伴う統制及び手続等の体制は、コーポレート・ガバナンスの体制に準拠しております。
詳細は、
(2)戦略
①サステナビリティに関する考え方
当社は、創業時から変わらず、『すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する』を企業理念に、この60年 美容業界のリーディングカンパニーとして邁進してまいりました。
このVUCAの時代の中、生き方や働き方は「Well-Being」や「D&I」が注目されております。「TAYA」自身も変化し続け、より広く、多様なお客様へ、今まで以上の体験・サービスをご提供すること、株主様、お取引企業様、従業員などすべての方の美しさに寄り添い『すべての人に夢と希望を与える』ことが、株式会社田谷の持続的な企業価値向上へと繋がるものと考えております。
②人的資本に関する取組
当社の最も重要な経営資源は「人材」と考えております。これは、当社を利用されるお客様は、提供される美容施術サービス以上に、担当する「美容師」個人に魅力を感じ、ご来店されるものであると考えるためであります。
当社を取り巻く環境は、目まぐるしく変化し、予測困難な状況であります。当社においても、これまでの終身雇用や年功序列等の制度見直し、正規雇用、非正規雇用等の横断的な制度の整備、多様な働き方を実現するべく、様々な分野で聖域のない改革の検討を開始しております。このような人的資本に対する経営環境を整備することが、当社で働く魅力を一層高め、有能な人材の採用、継続的な人材育成を行うことに繋がり、当社の将来における継続的な発展に寄与するものと考えております。
当社は、以下の内容の推進を強化を掲げております。
・フリーランスブランド「ano」の創設・出店加速、多様な人材の受入れ
成長著しい若手を中心に、柔軟な働き方が選択できる職場環境を構築。今後、フリーランスブランドの新規出店を中心に進めてまいります。
直営ブランドでも、固定顧客を持つフリーランス美容師や外国人美容師の採用も行っており、企業全体として多様な人材の受入れを、今後も進めてまいります。
・人事制度の見直し
正社員においては、昨今の物価上昇に配慮した給与制度の見直しや新しい福利厚生制度の導入など、待遇の向上施策を進めてまいります。
・キャリアパスの充実
提携企業を通じ、ネイリスト、アイリスト、エステティシャンなど、多様な職種へのキャリアパスの道を作ることで、ヘアにとどまらない「美のプロフェッショナル人材」を育成してまいります。
(3)リスク管理
当社において、全社的なリスク管理は、CPCR委員会において行っておりますが、都度発生するサステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、各部門長が集まる経営戦略会議の中でより詳細な検討を行い、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われます。
重要なリスクは、経営戦略会議の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。
サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、各部門の責任者においてモニタリングされ、CPCR委員会を通じて取締役会へ報告されます
なお、人材の確保に関するリスクの内容については
(4)指標及び目標
当社は、現時点において「(2)戦略」に記載の各項目において、具体的な指標及び目標を設定しておりません。経営戦略会議において定性的・定量的観点から継続的にモニタリングを行い、必要と判断された場合において適宜、指標及び目標を定めるものとしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の事業展開にあたっては、国家資格を有する美容師の採用が不可欠です。当社はサービスの質の維持あるいは向上の為にこうした有資格者を原則正社員として採用し、研修施設や各拠点にて新入社員研修、中途採用社員研修等を行った上で業務を担当させておりますが、人材採用や教育研修が計画通りに進まない場合には、当社の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の売上高は、季節感を強く感じる夏季の7月、冬季の12月、及び学校や会社の入園・入学・卒業・歓迎会等にあたる3月に、他の月に比べて高くなる傾向があります。反面、冷夏、暖冬、長雨、台風等の天候不順や疫病の蔓延は当社の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業展開にあたり、店舗形態としては、自己所有物件よりも賃借物件やインショップ物件が多い傾向にあります。現時点では賃借先・デベロッパーと当社との関係は良好でありますが、将来的にこれら相手先の事業継続が危ぶまれる事態が生じた場合は、敷金保証金の貸倒発生や当社店舗の撤退・営業継続不能等も考えられ、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業展開上、上述のように国家資格を有する美容師、かつ、顧客からの支持の高い者の業務従事が重要と考えております。仮に当社から、これらの者が大量に離職した場合は、当社の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の行う事業に適用される美容師法は、社会情勢の変化等に応じて今後も適宜、改正ないし解釈の変更等が行われる可能性があります。その場合は当社の行う事業に影響を与える可能性があります。
顧客データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの改善を常に図り、個人情報保護に万全を期しておりますが、これに加えて情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、情報へのアクセス者の限定、牽制システムの構築等、内部の管理体制についても強化しております。
今後も個人情報の管理は徹底してまいりますが、個人情報が流出した場合には、当社の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の保有資産につきまして、実質的価値の低下等による減損処理が必要になった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当事業年度において、6期ぶりの営業利益、経常利益の黒字を計上し、業績は回復基調となっております。しかしながら、安定して利益を計上できる状況に至っていないことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。
このような状況の解消を図るべく、当社は、中期経営計画『TAYA BX (Beauty Transformation) PROJECT』を策定し、当該状況の改善に努めてまいりました。
今後におきましては、引き続き、上記中期経営計画の施策を更にブラッシュアップしてまいります。具体的には「リブランディングの推進」、「フリーランス事業の確立」、「本部構造の抜本的改革」の3つの施策を掲げ、リブランディングによる設備増強、高付加価値サービスの展開による営業面を強化、また、それを下支えする人材の育成定着に注力し、直営事業の底上げを図ってまいります。さらに、今後増加するであろうフリーランス美容師を取り込む組織整備を進め、当該事業を早期に主要な収益源に成長させてまいります。加えて抜本的な本部構造改革に取り組むことにより、最終利益の黒字化に向け全力を尽くしてまいります。
資金面につきましては、当事業年度においても、引き続き事業構造改革に必要な資金など支援はいただいており、今後も取引金融機関とは緊密に連携・情報交換を行い、将来必要となる資金についてご支援いただけるよう良好な関係を継続できるよう対応してまいります。また、金融機関以外からの調達についても適宜進めており、2025年1月10日公表の適時開示に記載のとおり、EVO FUNDを割当先とした、2025年1月27日に第三者割当による第1回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を行っております。当該、新株予約権が全て行使された場合には、348,454千円を調達できる見込みであり、資金面でもさらに安定化を図ってまいります。
これらの状況を鑑み、現時点において、継続企業の前提に関する重要な疑義を解消すべく取り組んでいる対応策は実施途上にあり、今後の事業進捗や追加的な資金調達の状況等によっては、当社の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、財務諸表は継続企業を前提としており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、賃上げの動きやインバウンド需要の増加などにより景気は緩やかに改善上昇傾向にある一方、エネルギーコストや原材料の価格上昇は依然として継続し、ウクライナ情勢の長期化や米国の政権交代による経済への影響などの要因もあり、先行きは不透明な状況が続いております。
美容業界におきましては、美容室のオーバーストア状態による店舗間競争の激化や労働需給逼迫による美容師の獲得難、物価上昇による個人消費の停滞の懸念もあり、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社創業60周年また、中期経営計画『TAYA BX (Beauty Transformation) PROJECT』の最終年度となる当期においては、「トータルビューティカンパニーへの変革」、「TAYAブランドのリブランディング」、「人的資本経営の推進」の3つの施策を重点的に取り組み、多様化する社会の中においてお客様に愛され続ける美容室を目指すと同時に、収益の安定化を推し進め、持続的成長と企業価値向上に努めてまいりました。
店舗の状況につきましては、フリーランス美容室の新規出店を2店舗(ano駒沢、ano心斎橋)実施いたしました。また、直営美容室の改装7店舗(TAYA麹町店、TAYA西葛西店、TAYAひばりが丘店、TAYAアルカキット錦糸町店、TAYAイオンモール津田沼店、TAYAフォレオ博多店、TAYA天神店)、ブランド転換2店舗(TAYAアトレ四谷店、TAYAハービスPLAZA ENT店)、閉鎖6店舗(TAYA東林間店、TAYAアトレ大井町店、TAYA CRYSTALWORLDイクスピアリ店、TAYAルミネ池袋店、TAYAミーナ津田沼店、TAYA blue label イオンモール大和店)実施いたしました。これにより、当事業年度末の美容室店舗数は、63店舗となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は5,444百万円(前年同期比6.8%減)となり、営業利益3百万円(前年同期は営業損失23百万円)、経常利益4百万円(前年同期は経常損失28百万円)となりました。また、店舗閉鎖に係る費用や固定資産除却損、資産除去債務履行差額などを特別損失に36百万円を計上したことにより、当期純損失は62百万円(前年同期は当期純損失158百万円)となりました。
当事業年度末における財政状態は、次のとおりであります。
当事業年度末の総資産は1,986百万円となり、前事業年度末比19百万円の減少となりました。
流動資産の残高は557百万円(前事業年度末比154百万円減少)、固定資産の残高は1,429百万円(前事業年度末比135百万円増加)となりました。主な要因につきましては、建物の増加197百万円、ソフトウェアの増加48百万円があったものの、現金及び預金の減少101百万円、敷金及び保証金の減少108百万円、売掛金の減少23百万円があったことによるものであります。
当事業年度末の負債総額は1,570百万円となり、前事業年度末比16百万円の増加となりました。
流動負債の残高は866百万円(前事業年度末比62百万円減少)、固定負債の残高は703百万円(前事業年度末比78百万円増加)となりました。主な要因につきましては、社債の純増56百万円、長短借入金の純増51百万円、資産除去債務の増加42百万円、未払金の増加44百万円があったものの、未払費用の減少88百万円、未払消費税等の減少59百万円、預り金の減少24百万円があったことによるものであります。
当事業年度末の純資産は416百万円となり、前事業年度末比35百万円減少いたしました。
主な要因につきましては、資本金が12百万円増加、資本準備金が12百万円増加したものの、繰越利益剰余金が62百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前事業年度末の22.5%から20.9%に減少いたしました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ99百万円減少し、166百万円となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、営業活動の結果支出した資金は67百万円(前期は25百万円の支出)となりました。
これは主に、減価償却費88百万円、売上債権の減少額23百万円があったものの、税引前当期純損失32百万円、未払費用の減少額88百万円、未払消費税等の減少59百万円、未払法人税等の支払額31百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、投資活動の結果支出した資金は167百万円(前期は14百万円の支出)となりました。
これは主に、敷金および保証金の回収による収入123百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出197百万円、資産除去債務の履行による支出48百万円、無形固定資産の取得による支出36百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、財務活動の結果得られた資金は134百万円(前期は69百万円の支出)となりました。
これは主に、社債の純増56百万円、長短借入金の純増51百万円、新株予約権の行使による収入24百万円があったことによるものであります。
商品及び美容材料の仕入実績
(注) 1.金額は実際仕入価格で表示しております。
(注)調整額は、収益認識に関する会計基準の適用により、将来利用されると見込まれる金額を売上高より調整額として控除しておりますが、控除する金額を地域別に振分けることが困難なため、売上高の合計金額から一括して減額しております。
d.美容室の顧客収容能力及び入客実績
(注) 椅子数につきましては、各店舗のセット椅子数に当期の営業日数を乗じて算出しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
経営成績の分析
(売上高)
売上高は、5,444百万円(前年同期比6.8%減)となりました。これは、リブランドによる改装を着手した店舗については売上が増加いたしましたが、その他の既存店について人手不足や顧客の来店周期の伸び等により入客が低調に推移したこと、また、店舗を6店舗閉鎖したことにより減収となりました。
(売上総利益)
売上総利益は842百万円(前年同期比0.7%増)となりました。これは、店舗閉鎖等により、労務費、地代家賃等の費用が減少しましたが、退去時の原状回復費用に係る単価が高騰している影響から、資産除去債務に係る履行差額が多額に発生したことによるものであります。
(営業利益)
営業利益は、3百万円(前年同期は営業損失23百万円)となりました。これは、事業構造改革に伴う広告宣伝費等の削減や業務委託先の見直し等により販管費22百万円減少ことよるものであります。
(経常利益)
経常利益は、4百万円(前年同期は経常損失28百万円)となりました。これは、休止資産関係費用が減少したことによるものであります。
(当期純損失)
当期純損失は、62百万円(前年同期は当期純損失158百万円)となりました。これは、主に店舗閉鎖に係る費用を計上したことによるものであります。
当社の事業においては、人件費や店舗運営維持に係る経費等の固定費比率が高いため、一定水準を越える売上を確保できれば大きく利益に寄与できるものの、反面売上が計画どおりにいかない場合は、それに伴う経費圧縮が困難となり、適正な利益水準を維持することが難しくなります。
昨今の我が国経済は、地政学リスクからの原材料価格、エネルギーコストの上昇に起因した物価上昇は更に加速しており、国内の消費への影響も懸念される中、人口減少社会や働く人々の価値観の多様化も進み、各業界での人手不足は深刻化を増しております。
美容業界も同様、美容師のなり手不足、美容サービスの多様化に伴う事業構造の変革期に直面しており、従来の延長線上にない変革が求められております。
この変革期に対応すべく、当社はDXを推進した美容室経営を実践すると同時に、いつの時代でも美容業にとって不変である人材・美容技術を発展させるため、2022年度より中期経営計画『T-ip60』並びに『TAYA BX (Beauty Transformation) PROJECT』を策定し、財務体質の早期改善と「デジタルと人の融合」の実現を推し進めてまいりました。
当事業年度においては、この事業構造改革が功を奏し、6期ぶりの営業黒字、経常黒字を成し得ております。しかしながら、中期経営計画の最終目標である当期純利益の黒字化は、期間中の達成に至りませんでした。そのため、2025年度においては、引き続き、『TAYA BX PROJECT』の施策を引き続き推進し、
・「リブランディングの更なる推進」
・「フリーランス事業の確立」
・「本部構造の改革」
について、更に重点的に推進することで、当期純利益の黒字化と、安定的に収益を創出できる体質を構築し、創業60周年を機とした「新たな株式会社田谷」への変革を進めてまいります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費や店舗地代家賃等の経費支払や商品仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
また、設備投資や運転資金の規模に応じて、新株予約権の発行による増資での資金調達も適宜行っております。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営者は、現状認識と将来予測に基づき最良最善の営業戦略の推進と企業体質の強化に努めており、そのためには、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。
しかしながら、過当競争の激しい美容業界において当社を取り巻く経営環境は依然厳しさが続くものと予想されます。また、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」で記載いたしました天候、個人消費動向等の外部要因が経営に重要な影響を与えるものとの認識もしております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況] 1[財務諸表等](1)[財務諸表]注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
CADSインターナショナル社(ベルギー)との「MICHEL DERVYN」の商標及びノウハウの使用に関するライセンス契約については、2024年10月31日をもって契約期間満了により終了しております。
該当事項はありません。