第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、円安を背景に自動車や電機産業などの製造業、輸出企業を中心に業績を大きく伸ばしてまいりました。一方、中国経済の減速や原油安により世界経済は先行不透明な状況となっております。また、節約志向が高まり、百貨店・旅行・外食などの個人消費は依然として停滞・悪化するところとなっております。

当業界におきましては、少子化の進行と通塾率・授業料単価が上限になっているマイナス要因と学習指導要領の改変によって学習内容が難しくなり、学習塾に対するニーズが高まったことによるプラス要因が相まって市場規模は横ばい状況で推移しております。また、集団型と個別型の市場占有率もほぼ安定するところとなってます。

このような情勢のもと当社グループにおきましては、

① 市場の構造的変化に対応した教育サービスを提供できる体制を早急に整えること 

② 小中学部・個別指導・iD予備校の校舎を機動的に展開すること

③ 業態変更した校舎、市場規模の縮小等により生徒数が減少した校舎においてはテナント校舎への移転を進め、健全な企業体質を構築し、利益が出る体制にすること

④ 多様化した顧客ニーズのそれぞれに対応した教育サービスを開発・提供し、顧客満足と結果としての利益増を図ること

を経営の柱として取り組んでまいりました。特に小中学部、高校部におきましては、市場規模の縮小や競合関係等により業績悪化が著しい校舎を閉鎖し、業績向上が見込める部門に経営資源を集中する方策を取ってまいりました。

こうした取り組みによって、全社的には一定の業績回復となっております。来期以降におきましては、全地域・全部門において本格的な業績回復を図っていく計画であります。

営業費用におきましては、夏期講習一般生募集及び3月新年度入学募集のための広告宣伝費の増加があったものの、前年度末から実施した一部校舎の移転・閉鎖等により人員の効率化、賃借料・水道光熱費・校舎管理維持費用等の削減に寄与することができました。

特別損益におきましては、当初の計画に対し9月及び1月入学が不振であった計3校舎に加え、3月新年度募集が不調であった計20校舎の減損損失を計上いたしました。また、将来の収益見通し等を検討し、当期末閉鎖を決定した校舎の解約金として店舗閉鎖損失引当金繰入額を特別損失に計上しております。

その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は11,149百万円(対前年同期比1.0%減)、営業利益は267百万円(対前年同期比242.4%増)、経常利益は232百万円(対前年同期比737.3%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は970百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3,257百万円)となりました。

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

(小中学部)

小中学部におきましては、集団型の校舎において、トップ高校への合格実績がブランド化に不可欠であります。そのため通塾している生徒の学力向上と成績上位層の入学活動に特に力を入れてまいりました。前期から夏の“宿泊型合宿”と拠点校での“通塾型合宿”を中3受験生と高学歴志向の中2生を対象に行い参加生徒数を大きく増加させることができました。また、集団型のほぼ全ての校舎に個別指導部門を導入し、全体としての生徒増を図ることにより一定の成果をあげることができました。

その結果、小中学部の売上高は8,462百万円(対前年同期比1.0%増)、セグメント利益は1,143百万円(対前年同期比27.4%増)となりました。

(高校部)

高校部におきましては、特に高1・2生の学力増進に取り組んでまいりました。そのため、正社員教師が面談や質問対応などを通して生徒の勉学意欲の高揚を図ってまいりました。また、講義によって理解したことを学力として定着させるための演習講座の充実も図ってまいりました。前期から導入した自習室と質問対応を組み合わせた新しい学習形態“ASSIST”も拡充してまいりました。また、私大医進特別コースも新設いたしました。

その結果、高校部の売上高は1,616百万円(対前年同期比10.2%減)、セグメント損失は137百万円(前年同期はセグメント損失211百万円)となりました。

 

(その他の教育事業)

その他の教育事業における個別指導部門、on lineによる映像事業部門におきましては、校舎運営の標準化に力を入れてまいりました。個別指導部門は、小中学部と同様に小規模ではありますが勉強合宿を行いました。また、on line映像事業部門のFC展開が新しいビジネスモデルとして期待できるところとなっております。

その結果、その他の教育事業の売上高は1,070百万円(対前年同期比0.9%減)、セグメント利益は98百万円(対前年同期比19.9%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ281百万円減少し、当連結会計年度末には908百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは181百万円の収入(前年同期161百万円の支出)となりました。これは主として、不採算校舎の移転・閉鎖に伴う店舗閉鎖による解約金等の支払が発生したもののそれに伴う賃借料等のコスト改善が進んだためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは114百万円の収入(前年同期596百万円の収入)となりました。これは主として、店舗閉鎖に伴う原状回復費用の支出があったものの敷金返還による収入があったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは577百万円の支出(前年同期412百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の約定返済が進んだためであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産及び受注の実績

当社グループは、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産、受注の実績は、該当事項はありません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

(千円)

前年同期比(%)

小中学部

8,462,372

1.0

高校部

1,616,595

△10.2

その他の教育事業

1,070,219

△0.9

合計

11,149,188

△1.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 個別指導秀英PAS・秀英iD予備校運営の標準化を進めていくこと

(2) 小中学部に併設した個別指導秀英PASの運営上の課題を解決し、生徒増を実現させること

(3) ・小中学部、個別指導部門において、“宿泊型合宿”と拠点校での“通塾型合宿”をさらに拡充し、売上・利
    益の大幅増を図ること

・マスゾーンの学力中間層を対象とした演習コースを立ち上げ、ニーズに応えると同時に大幅な売上増を図る
  こと

・高校部の新サービス“ASSIST”を成功させること

・高校部の私大医進特別コースを本格的に設立し、売上・利益増を図ること

(4) 主に既存展開エリアに対し、管理職を中心として物件調査・開発を行うこと

(5) 高校生対象の映像事業において、さらに生徒のニーズ・学力状況に合わせた内容・時間・テキストを開発し、
   大幅な生徒増を図ること

また、株式会社の支配に関する基本方針は以下のとおりであります。

当社グループとしては以下の経営方針を支持する者が「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

経営方針

当社グループの経営の基本方針は以下のとおりであります。

(1) 教室、自習室、学習・進学指導室、休憩室、ホールなど学習効果を十分に考慮した当社独自の設計による校舎を設立し、全校舎ブロードバンド回線などのインフラが構築されている等、高度なニーズに応えられる快適な学習空間を提供すること

(2) 高均一な授業、学習・進学指導を中心とした教育サービスを提供し、学校外教育に対する高いレベルのニーズに応えること

(3) 膨大な潜在的ニーズがあるにもかかわらず、全国的にも運営ノウハウが確立されていない現役高校生部門を拡充させること

(4) 映像ビジネス分野において、教育コンテンツの動画配信サービスを提供し、家庭及び教育現場での学習効果を高めること

(5) 需要の高い個別指導分野において、習熟度に合わせたきめ細かい指導を徹底し、幅広い学習ニーズに応えること

なお、上記の経営方針に照らし不適切な者が当社グループ支配権の獲得を表明した場合には、該当当事者と東京証券取引所その他の第三者(独立社外者)とも協議の上、次の3項目の要件を充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

Ⅰ 該当取り組みが基本方針に沿うものであること

Ⅱ 該当取り組みが当社の株主共同の利益を損なうものでないこと

Ⅲ 該当取り組みが当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 

 

4 【事業等のリスク】

(1) 少子化と当社の今後の方針について

当社グループの属する学習塾業界は、児童・生徒の絶対数の減少という少子化の問題に直面しております。少子化の影響は、学習塾における在籍生徒数の減少という直接的なもののみに止まらず、難関ブランド校、有名校を除いて入学試験の平易化が起こり、入塾動機の希薄化・通塾率の低下につながる可能性があります。

一方、保護者の学習塾に対する選別の意識は高まっております。当社は、従来からの正社員による質の高い授業や、塾専用の独自設計・独立校舎による良質な学習環境の提供に加えて、保護者や生徒の求める高いレベルのニーズに応えることを心がけております。

(2) 地域別の校舎展開について

平成28年3月31日現在、当社グループは静岡県に77校舎、愛知県に48校舎、山梨県に10校舎、神奈川県に15校舎、岐阜県に7校舎、北海道に32校舎、三重県に12校舎、宮城県に11校舎、福岡県に15校舎、福島県に14校舎、合計241校舎を展開しております。今後は、これらの地域内において、マーケットニーズの高い未開拓エリアへの校舎展開を進めていく予定であります。

全国10道県に及ぶ校舎展開を支える組織体制の再構築、具体的には優秀な人材の採用・研修体制のより一層の充実、また管理職層の育成が不可欠であります。

(3) 校舎の開設方針について

当社グループの校舎は、原則として塾専用の独自設計・独立校舎による新設を基本方針としております。これは生徒が勉強しやすい環境を作るためのこだわりであります。こうした方針は生徒にとって良質な学習環境の確保に寄与しているものと考えております。

その反面、機動的に校舎を開設・統廃合する際の妨げとなる可能性があります。また、賃借物件については、貸主の状況によっては、敷金及び保証金が返還されない可能性があります。
 今後は、独立校舎ではない賃貸物件への展開も積極的に進めてまいります。

(4) 災害等によるリスクについて

当社グループが事業活動を行うに際し、地震や台風等の大規模な自然災害、火災、コンピュータウィルス等による障害が起こった場合、校舎、事業所、設備等に損害を受け、校舎運営・事業活動に支障が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(5) 業績の四半期毎の変動について

当社グループの生徒数は小中学部・高校部ともに、第1四半期に比べ第2四半期以降において増加いたします。こうした状況は、7月末~8月の夏期講習、12月末~1月の冬期講習に参加した一般生がそれぞれ9月、1月に本科生として入学するからであります。したがって、第1四半期に比べ第2四半期以降の売上高の割合が大きくなる傾向があります。

一方、営業費用につきましては、主要な費用である人件費、賃借料等が毎月固定的に発生いたします。また、広告宣伝費につきましては、夏期講習の募集時期である6月及び7月、冬期講習の募集時期である11月、次年度の新入学の募集時期である1月、2月に集中的に発生いたします。

このため、第1四半期は第2四半期以降に比べ収益性が低くなる傾向があります。

(6) 情報管理について

当社グループは多数の生徒に関わる個人情報を有しております。これらの情報については、社内規程の制定、従業員への教育等、対策を徹底しておりますが、情報漏洩が全く起きない保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担が発生する恐れがあります。

(7) 資金調達の財務制限条項

当社グループは、コスト構造改善を目的とした校舎の閉鎖、統合及び移転に伴う資金調達を図るため、取引先金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、財務制限条項等が付されており、これらの条件に抵触した場合には期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等により、当社グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

売上高

当社グループの当連結会計年度の売上高は11,149百万円(対前年同期比1.0%減)となりました。

小中学部の売上高は8,462百万円(対前年同期比1.0%増)となりました。わずかではありますが、売上高が増加した要因は、集団型の校舎に個別指導部門を併設し生徒増を図ったこと、中3受験生に加えて中2生を加え、規模を大きく拡大した合宿特訓を実行したこと、市場の構造変化に対応し顧客それぞれのニーズに対応した企画を打ちたて実行したこと、などが一定の成果を挙げられたからであります。こうした差別化戦略を一層現場現場において実行していくことが重要であると考えております。

高校部の売上高は1,616百万円(対前年同期比10.2%減)となりました。この主な要因は、集団型の学習塾に通塾する生徒の多くは難関国公立、有名私大を目指す傾向がありますが、こうした生徒のニーズに対応した年間企画、講習企画などが不十分であったからだと考えております。同時に、新しい学習形態の“ASSIST”、私大医進特別コースなどの生徒それぞれのニーズに対応した企画により、来期以降の売上増を図っていく計画であります。

その他の教育事業の売上高は1,070百万円(対前年同期比0.9%減)となりました。この要因は、映像事業部門におきまして、プロモーション活動に支障が生じて、十分な対応ができなかったからであります。今後におきましては、映像部門のFC展開により売上貢献が期待できるところとなっております。

 

売上原価

当連結会計年度における売上原価は、9,415百万円となりました。人件費につきましては、併設個別の拡大によるチューター・バイト給与の増加があったものの、人員の効率化により4,529百万円となりました。また、賃借料につきましては、一部校舎の移転・統合及び閉鎖により2,417百万円となりました。それに伴い、水道光熱費等の校舎管理維持費用も減少しております。

以上により、売上原価全体では前連結会計年度に比べ、522百万円減少しております。

 

販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,465百万円となりました。

広告宣伝費につきましては、夏期講習及び新年度入学募集におけるCM、チラシ等を強化したことにより607百万円となりました。また、社内システムの入替検討に伴う現状分析費用の発生によりその他経費が増加しております。

以上により、販売費及び一般管理費全体では前連結会計年度に比べ、223百万円増加しております。

 

その他

営業外損益におきましては、前連結会計年度に比べ大きな変動はありません。

特別損益におきましては、校舎の採算性を検討し当期末に閉鎖を決定した一部校舎につき、その解約違約金等を店舗閉鎖損失引当金繰入額として計上しております。

また、第3四半期までの減損校舎3校舎に加え、3月新年度入学を経た在籍生徒数の状況が低迷した20校舎の減損処理を追加し、計23校舎の減損処理を行うことといたしました。

以上により、特別損失は1,156百万円となりました。

結果として親会社株主に帰属する当期純損失は970百万円となりました。

 

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは181百万円の収入(前年同期161百万円の支出)となりました。

これは主として、不採算校舎の移転・閉鎖に伴う店舗閉鎖による解約金等の支払が発生したもののそれに伴う賃借料等のコスト改善が進んだためであります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは114百万円の収入(前年同期596百万円の収入)となりました。

これは主として、店舗閉鎖に伴う原状回復費用の支出があったものの敷金返還による収入があったためであります。

財務活動によるキャッシュ・フローでは577百万円の支出(前年同期412百万円の支出)となりました。

これは主として、長期借入金の約定返済が進んだためであります。

 

(3) 経営者の問題認識と今後の方針について

当業界の変化した市場に構造的かつ早急に対応していくことが最も大切だと考えております。具体的には、個別指導部門の売上高を飛躍的に増加させていくことであります。集団型校舎の多くに個別指導型を併設開校し、大きな成果を挙げることができております。来期におきましては、併設した個別指導型の生徒数増加を図り、また、売上単価も上昇させ、売上増加を実現していく計画であります。

また、小中学部の集団型学習塾部門におきましては、顧客それぞれのニーズに特化した教育サービスを企画・提供していくこと、また、競合以上に量・質ともに優った教育サービスを提供できる仕組みを作ることに注力してまいります。

高校部におきましても、顧客ニーズに対応した教育サービスを提供していくこと、集団型の部門におきましては、難関国公立、有名私大への合格実績の向上を図っていくこと、確実に学力向上が達成できる教育サービスを提供していくことが重要だと考えております。

個別指導部門におきましても過当競争の様相を呈してきております。この部門におきましては、学校の定期テストで確実に成績が上がるシステム作りが最も重要だと考えております。来期中に確実に点数アップが実現できるITシステム化を計画しております。