第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営の基本方針は以下のとおりであります。

① 教室、自習室、学習・進学指導室、休憩室、ホールなど学習効果を十分に考慮した校舎を設立し、全校舎ブロードバンド回線などのインフラが構築されている等、高度なニーズに応えられる快適な学習空間を提供すること

② 高均一な授業、学習・進学指導を中心とした教育サービスを提供し、学校外教育に対する高いレベルのニーズに応えること

③ 膨大な潜在的ニーズがあるにもかかわらず、全国的にも運営ノウハウが確立されていない現役高校生部門を拡充させること

④ 映像ビジネス分野において、教育コンテンツの動画配信サービスを提供し、家庭及び教育現場での学習効果を高めること

⑤ 需要の高い個別指導分野において、習熟度に合わせたきめ細かい指導を徹底し、幅広い学習ニーズに応えること

これらの基本方針に基づき、当社グループは積極的な採用活動を全国で行い、優秀な正社員専任教師の確保に努めております。

小中学部におきましては、十分な研修を受けた専門性の高い教師体制で運営しております。

高校部におきましては、正社員教師に加え、主に首都圏で採用する年間契約のプロの予備校講師を採用し、両者を適切に配置して運営しております。

当業界は少子化が進行し、厳しい経営環境に置かれています。こうした状況のなか、当社グループは教育サービスの質を徹底的にアップさせ、生徒・保護者のニーズに十分に応えていくことによって、生徒・保護者の満足度、当社の売上高・利益額の増加、株主への利益還元、この3点をバランスよく共に充足させることが必要だと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、市場の変化に対応した教育サービスを提供することにより、1校舎あたりの生徒数を維持しつつ、全国への事業展開を目標としております。

売上高営業利益率を最重要指標と認識し、売上・利益の最大化に取り組んでおります。 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当業界における経営環境は、厳しい状況であります。規模の大小に関わらず、それぞれのマーケットにおいて、厳しい経営環境を跳ね返すクオリティの高い教育サービスを提供できる拠点のみが勝ち残れる時代になっていくと思われます。 

クオリティの高い教育サービスを提供できるかどうかは、優秀な人材を採用し、人材が成長できる仕組・組織作り、より一層客観的な評価制度の確立、内部体制の充実にかかっていると思われます。当社におきましては、全国10道県に校舎展開をしており、全国から優秀な人材を採用できる条件が整っております。中長期的には、既存の小中学部、高校部におきましては、内部体制の充実に比例した着実な校舎展開を行っていく計画であります。 

また、その他の教育事業の映像ビジネスにおきましては、今後の大きな飛躍が期待される分野であり、積極的な拠点展開を計画しております。 

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

① 個別指導・iD予備校の校舎運営の標準化を実現すること

② 校舎の老朽化や市場規模の縮小等により生徒数が減少した校舎においては、テナント校舎への移転を進め、利益が出る体制とすること

③ 小中学部の集団授業・個別指導・iD予備校を地域状況に合わせた形態で機動的に新校舎展開すること

④ 顧客ニーズに対応したさらに進化した教育サービスを企画・開発・提供し、顧客満足度を上げること

⑤ iD予備校のFC展開を経営の新しい柱としていくための土台を作ること

⑥ 明確な差別化戦略を打ち立て、高校部の新しいビジネスモデルを確立すること

また、株式会社の支配に関する基本方針は次のとおりであります。

当社グループとしては前述の経営の基本方針を支持する者が「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

なお、経営の基本方針に照らし不適切な者が当社グループ支配権の獲得を表明した場合には、該当当事者と東京証券取引所その他の第三者(独立社外者)とも協議の上、次の3項目の要件を充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

Ⅰ 該当取り組みが基本方針に沿うものであること

Ⅱ 該当取り組みが当社の株主共同の利益を損なうものでないこと

Ⅲ 該当取り組みが当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 

2 【事業等のリスク】

(1) 少子化と当社の今後の方針について

当社グループの属する学習塾業界は、児童・生徒の絶対数の減少という少子化の問題に直面しております。少子化の影響は、学習塾における在籍生徒数の減少という直接的なもののみに止まらず、難関ブランド校、有名校を除いて入学試験の平易化が起こり、入塾動機の希薄化・通塾率の低下につながる可能性があります。

一方、保護者の学習塾に対する選別の意識は高まっております。当社は、従来からの正社員による質の高い授業や、塾専用の独自設計・独立校舎による良質な学習環境の提供に加えて、保護者や生徒の求める高いレベルのニーズに応えることを心がけております。

(2) 地域別の校舎展開について

平成30年3月31日現在、当社グループは静岡県に88校舎、愛知県に44校舎、山梨県に8校舎、神奈川県に11校舎、岐阜県に7校舎、北海道に33校舎、三重県に12校舎、宮城県に11校舎、福岡県に15校舎、福島県に16校舎、合計245校舎を展開しております。今後は、これらの地域内において、マーケットニーズの高い未開拓エリアへの校舎展開を進めていく予定であります。

全国10道県に及ぶ校舎展開を支える組織体制の再構築、具体的には優秀な人材の採用・研修体制のより一層の充実、また管理職層の育成が不可欠であります。

(3) 校舎の開設方針について

当社グループの校舎は、原則として塾専用の独自設計・独立校舎による新設を基本方針としております。これは生徒が勉強しやすい環境を作るためのこだわりであります。こうした方針は生徒にとって良質な学習環境の確保に寄与しているものと考えております。

その反面、機動的に校舎を開設・統廃合する際の妨げとなる可能性があります。また、賃借物件については、貸主の状況によっては、敷金及び保証金が返還されない可能性があります。
 今後は、独立校舎ではない賃貸物件への展開も積極的に進めてまいります。

(4) 災害等によるリスクについて

当社グループが事業活動を行うに際し、地震や台風等の大規模な自然災害、火災、コンピュータウィルス等による障害が起こった場合、校舎、事業所、設備等に損害を受け、校舎運営・事業活動に支障が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(5) 業績の四半期毎の変動について

当社グループの生徒数は小中学部・高校部ともに、第1四半期に比べ第2四半期以降において増加いたします。こうした状況は、7月末~8月の夏期講習、12月末~1月の冬期講習に参加した一般生がそれぞれ9月、1月に本科生として入学するからであります。したがって、第1四半期に比べ第2四半期以降の売上高の割合が大きくなる傾向があります。

一方、営業費用につきましては、主要な費用である人件費、賃借料等が毎月固定的に発生いたします。また、広告宣伝費につきましては、夏期講習の募集時期である6月及び7月、冬期講習の募集時期である11月、次年度の新入学の募集時期である1月、2月に集中的に発生いたします。

このため、第1四半期は第2四半期以降に比べ収益性が低くなる傾向があります。

(6) 情報管理について

当社グループは多数の生徒に関わる個人情報を有しております。これらの情報については、社内規程の制定、従業員への教育等、対策を徹底しておりますが、情報漏洩が全く起きない保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担が発生する恐れがあります。

(7) 資金調達の財務制限条項

当社グループは、一部取引先金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、財務制限条項等が付されており、これらの条件に抵触した場合には期限の利益を喪失し、一括返済を求められたり、追加の担保提供により、当社グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の緩やかな成長を背景とし、また内需も底堅く推移し自動車・輸出産業を中心に景気は順調に推移してまいりました。個人消費も緩やかに伸びてまいりましたが、年末から年明け以降の寒さや天候不順で生鮮食品の価格高騰が続き街角景気は悪化するところとなっております。

当業界におきましては、2018年から小学生英語が教科化され経営環境が大きく変化しております。小学生の低学年からの通塾がより一般化していくことが予想されております。

このような情勢のもと当社グループにおきましては、
 ① さらに進化させた教育サービスを企画・開発すること
 ② 個別指導の教育サービスの質を上げること。結果としての顧客単価を向上させ、また生徒増を図ること
 ③ iD・PAS併設校舎のコンビニ的展開をすること
 ④ 高校部の新しいビジネスモデルを確立すること
を経営の柱として取り組んでまいりました。また小中学部におきましては、市場規模の縮小や競合関係等により業績悪化が著しい校舎を閉鎖し、業績向上が見込める部門に経営資源を集中する方策を取ってまいりました。

こうした取り組みによって、全社的にはわずかではありますが売上高を伸ばすことができました。来期以降におきましては、さらに業績を伸長させていく計画であります。

営業費用におきましては、不採算校舎の閉鎖による賃借料等の減少があったものの、個別指導部門の生徒数増加による講師給与・交通費の増加、新設校出店による改装工事費用の増加、小学生英語対応のための事務機器の購入等を行ったため、全体として増加となりました。

営業外損益におきましては、営業外費用として借入残高の減少により支払利息が減少したものの、シンジケートローン実行による支払手数料が発生したため、全体として大きな変動はありません。

特別損益におきましては、一部自社物件校舎の売却により固定資産売却益が発生いたしましたが、当連結会計年度末にて移転・閉鎖した8校舎のうち賃貸物件5校舎の解約金等につき店舗閉鎖損失及び店舗閉鎖損失引当金繰入額を計上いたしました。また、当初計画に対し9月、3月入学が不振であった9校舎及び閉鎖を決定した2校舎につき減損損失を計上いたしました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は11,010百万円(対前年同期比0.8%増)、営業利益は119百万円(対前年同期比54.9%減)、経常利益は46百万円(対前年同期比76.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は41百万円(対前年同期比88.4%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(小中学部)

小中学部におきましては、集団型・映像型の校舎においてはトップ高校への合格実績、個別型の校舎においては主に中堅高校への合格実績が不可欠であります。そのため、それぞれの学力層に対応した学習形態を提案し、また徹底した教育サービスを提供してまいりました。結果として小中学部全体の合格実績が伸長し、ブランドの確立に大きく寄与するところとなっております。また、個別指導部門の生徒数をさらに増加させることができました。

その結果、小中学部の売上高は9,487百万円(対前年同期比2.4%増)、セグメント利益は1,210百万円(前年同期比0.4%減)となりました。

(高校部)

高校部におきましては、正社員教師によるきめ細やかな教科指導、質問対応・面談などにより学力向上を図ってまいりました。また、高3受験学年に対しては“難関大学合格倶楽部”を設置し、合格実績の伸長も図ってまいりました。さらに、正社員教師による“1:1の個別指導”校舎を拡充いたしました。それぞれ一定の成果を挙げることができましたが、拠点校での高3生徒数が4月スタート時点から予算数を下回るところとなっており売上予算未達となりました。

 

その結果、高校部の売上高は1,392百万円(対前年同期比7.7%減)、セグメント損失は146百万円(前年同期はセグメント損失63百万円)となりました。

(その他の教育事業)

その他の教育事業におきましては、映像校舎のFC展開基盤が固まり、校舎数・1校舎平均生徒数ともに増加させることができました。来期以降の業績伸長を図っていく計画であります。一方、自宅でのon lineによる映像学習部門におきましては、募集方法の課題を解決できず、生徒数が低迷するところとなっております。

その結果、その他の教育事業の売上高は129百万円(対前年同期比15.7%減)、セグメント損失は30百万円(前年同期はセグメント損失13百万円)となりました。 

 

(生産、受注及び販売の状況)

① 生産及び受注の実績

当社グループは、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産、受注の実績は、該当事項はありません。

 

② 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(千円)

前年同期比増減(%)

小中学部

9,487,812

2.4

高校部

1,392,648

△7.7

その他の教育事業

129,929

△15.7

合計

11,010,390

0.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税は含まれておりません。

 

(2)財政状態

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて310百万円増加し、2,428百万円となりました。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて727百万円減少し、11,067百万円となりました。これは主として、一部自社物件の校舎を売却したことにより土地・建物等が減少したこと、有形固定資産の減価償却が進んだためであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて402百万円減少し、13,514百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,069百万円減少し、3,826百万円となりました。これは主として、翌月分授業料回収の早期化により前受金が増加したものの、借入金を固定化したことにより短期借入金が減少したためであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて735百万円増加し、5,113百万円となりました。これは主として、借入金の固定化に伴い社債及び長期借入金が増加したためであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて333百万円減少し、8,940百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて68百万円減少し、4,574百万円となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の33.4%から33.8%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ221百万円増加し、1,273百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは446百万円の収入(前年同期245百万円の収入)となりました。これは主として、仕入債務が増加したこと、翌月分授業料回収の早期化に伴い前受金が増加したためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは407百万円の収入(前年同期430百万円の収入)となりました。これは主として、定期預金の預入による支出があったものの、一部自社物件校舎の売却による収入があったこと、校舎賃貸契約の更新による敷金の返還、建設協力金の回収が進んだためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは632百万円の支出(前年同期533百万円の支出)となりました。これは主として、借入金の固定化により長期借入れ、社債発行による収入が増加したものの、短期借入金を返済したこと、長期借入金・リース債務の返済が進んだためであります。

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

国際政治の混乱に伴う円高や資源高が進むなかで景気は先行き不安な状況となっております。また、サービス業においては深刻な人手不足と同時に生産性の向上が大きな課題となっております。

当業界におきましては、大学入試制度の変更や小学生英語の教科化など、市場構造が大きく変化していくことが予想されております。変化に迅速かつ的確な対応が求められるところとなっております。こうした経営環境におきまして、当社の年度計画は以下のとおりであります。

① さらに進化させた教育サービスを企画・開発すること
 ② 個別指導の教育サービスの質をさらに上げること。結果としての顧客単価を向上させ、また生徒増を図ること
 ③ 来期に集団型校舎を出来るだけ多く、iD・PAS併設校舎に移行させる段取りをつけること

④ iD・PAS併設校舎のコンビニ的展開をすること

⑤ 高校部の新しいビジネスモデルを確立すること

 

4 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。