第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項の記載内容のうち、将来に関する事項を記載している場合には、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、以下に掲げる経営理念のもと、常に品質の向上と技術力の強化に努め、顧客に最適なサービスを提供し続けることにより、社会から信頼され、必要とされる魅力ある企業集団を目指してまいります。

<経営理念>

 ・お客様に最適のサービスを提供し、事業活動を通じて社会の発展に貢献する

 ・技術力の強化と経営の改革を図り、時代に即応した魅力ある会社の実現に努める

 ・社員の能力と創造力を尊重し、闊達なコミュニケーションで総合力を発揮する

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、現在、2022年度に策定した中期経営計画(2022年4月~2025年3月)を推進しております。本中期経営計画の基本方針は、「新たな成長軌道へ ~ビジネス変革を加速させ、事業拡大を図る~」であります。

「ビジネス変革」では、既存事業の高度化により獲得した利益をデジタル分野等の新領域へ投資して事業領域を拡大するとともに、獲得した技術を既存事業に還元して更なる高度化を図る、というサイクルを回すことで将来の飛躍につなげる取り組みを進めます。

このビジネス変革を更に加速させて新たな成長を目指す計画であり、そのために対処すべき重点課題として、「新領域の拡大」「顧客の深耕・拡大」「人的資本の充実・強化」「業務運営体制の改革」を設定し各種施策を推進しております。

今後の展望としましては、顧客の製品開発・試験業務へのITによる支援、顧客の工場のIT環境構築、DX活用による現場作業の効率化・安全性の向上など、顧客事業に直結する領域で事業拡大を図ってまいります。

また、既存の事業領域に関しても、当社の技術やサービスを活かした提案ビジネスを展開し、顧客プロジェクトの計画段階からの参入を目指すなど、ビジネスの拡大を図ってまいります。

これらの取組みにより更なる成長を目指してまいります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題

情報サービス産業界においては、人手不足対策へのデジタル技術の活用、競争力の強化に向けたDXの潮流等を背景に、企業のIT投資需要は拡大基調で推移していくことが見込まれます。

また、近年、環境・社会・ガバナンスの観点で投資判断を行うESG投資に注目が集まるなど、企業に対して、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題に、事業活動を通じて取り組むことが期待されております。

このような事業環境のもと、当社グループが対処すべき当面の課題は、2022年度中期経営計画の着実な実行であります。技術革新や競争環境の変化がかつてないスピードで進展する中で、当社も事業拡大へ向けた各種取り組みをより一層加速し、新たな成長軌道の確立に向けて、以下の取り組みを推進してまいります。

 

<新領域の拡大>

事業の付加価値を高め成長を続けていくためには、新領域のビジネスの拡大が重要な課題と認識しております。このため、DX関連、クラウド化等の領域において、技術者育成と積極的な提案活動を展開しております。また、解析・設計技術の高度化や、デジタル技術を活用した工事現場支援ソリューションの展開等にも取り組んでおります。これらの新領域・高度技術領域への対応力を高め、サービスの提供価値を向上してまいります。

これらの取り組みの中で、DXへの対応、クラウド化等を背景に重要性が高まっている情報セキュリティなどの社会課題の解決に貢献するサービスの拡大を推進してまいります。

 

<顧客の深耕・拡大>

当社グループのベース事業である、システム開発、システム保守・運用、製品の解析・設計等の領域において、品質管理の徹底、サービスの効率化・高度化に取り組むとともに、顧客の業務内容や課題に対する理解を深め、更なるニーズの掘り起こしを推進し、既存顧客の未参入分野及び新規顧客の開拓を加速してまいります。また、各種ソリューションベンダーやパートナーとの連携により、顧客対応力を高めてまいります。

 

<人的資本の充実・強化>

新技術への対応力、プロジェクトマネジメント力、解析・設計等の技術力を確保するために、教育の拡充や処遇改善など、人材に対する積極的な投資を進めてまいります。また、採用活動の積極化、生産性向上をもたらす働きやすい労働環境の整備等に取り組んでまいります。

 

<業務運営体制の改革>

顧客ニーズの変化や新技術領域進出に対応するための組織改革を推進してまいります。また、既存業務の更なる効率化にも取り組んでまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの目標とする経営指標は、売上高、経常利益、売上高経常利益率、親会社株主に帰属する当期純利益、売上高当期純利益率及び1株当たり当期純利益であります。

なお、翌連結会計年度の業績予想は、売上高39,000百万円、営業利益3,700百万円、経常利益3,700百万円、売上高経常利益率9.5%、親会社株主に帰属する当期純利益2,550百万円、1株当たり当期純利益400円62銭としており、各数値の達成を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、以下の経営理念のもと、社長を最高責任者としてサステナビリティへの取り組みを強化しております。

 取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しており、適宜対応方針及び実行計画について活発な協議を行っております。

<経営理念>

・お客様に最適のサービスを提供し、事業活動を通じて社会の発展に貢献する

・技術力の強化と経営の改革を図り、時代に即応した魅力ある会社の実現に努める

・社員の能力と創造力を尊重し、闊達なコミュニケーションで総合力を発揮する

 

(2)戦略

 当社グループは、上記<経営理念>に基づき、ITを活用して顧客の経営課題や事業課題を解決するための最適なソリューションを提供するとともに、ESG等の社会課題に取り組むことを通じて持続的な社会の実現に貢献することを「サステナビリティ基本方針」としております。この基本方針のもと、事業活動においては「社会的に責任ある経営」を基本とし、「事業として社会的課題解決へ取り組む」ことにより、持続的な企業価値の向上に努めております。

 「社会的に責任ある経営」としては、より公正で透明性の高い経営の実現に向けたコーポレート・ガバナンスの強化、プロジェクト管理の強化による高品質なサービスの提供、社員が能力に応じて活躍できる環境の構築(多様性の確保、働き方改革・健康経営の推進等)、ペーパレス化による業務遂行上の環境負荷の低減などに取り組んでまいります。

 「事業としての社会的課題解決への取り組み」については、顧客のDXやペーパレス化の支援による環境問題への貢献、情報セキュリティサービスの提供によるビジネスの安全性への貢献などに取り組んでまいります。

 

<人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

 当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するため、『“人”の価値を高める』経営を推進しており、人材の育成を最重要課題と考えて次の施策を推進しております。

①技術力の向上 : 技術・能力を高め、事業の高付加価値化を推進するとともに、顧客需要の変化に即応できる人材の育成

・ビジネス変革を反映した業務の再整理と、必要な知識・経験・資格の明確化

・業務再整理に基づくモデルキャリアパスの作成と教育体制の見直し

・人事制度の見直し検討(職種・評価基準・昇格条件等)

・社員別スキルデータの再構築

②中堅管理職・経営人材の育成 : 改革・革新の継続による、進化・成長をリードするマネジメント人材の育成

・マネジメント人材育成を目的とした選抜研修の実施

・次世代経営層構築を睨んだ人材コミッティの開催

③企業風土の改革 : 社員が、事業への貢献や自身の成長を実感し、活き活きと働ける環境づくり

・キャリア面談や階層・地域別懇談会等の開催による、全社レベルでのコミュニケーションの活性化

・闊達な人事異動の実施

・賃金レベルの向上

・健康経営施策の充実

④人的資本の定量的管理 : 上記①~③を管理するKPIの設定

 

(3)リスク管理

 サステナビリティ全般に関するリスク管理については、事業上のリスク管理の一環として取り組んでおり、リスク管理体制の基本方針・考え方の概要は、以下のとおりであります(個別のリスクの内容については、「第一部 第2.事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります)。

 

1. リスクの種別を内的リスク、外的リスク、戦略リスク(※)に区分し、リスク種別毎に対応策を立案、実行しています。

2. 内的リスクへの対応は、経営企画部が期首にリスク項目を洗い出し、各年度の重点的項目を経営執行会議の審議を経て決定します。内的リスクへの対策は業務執行部門で実施し、全社レベルのリスクは経営執行会議に報告し、部門レベルのリスクについては、業務の監査の中で確認を行います。また、期中において大きな損害が発生した場合、或いはその可能性がある場合は、速やかに取締役会に報告を行います。特に問題が生じていない場合は、取締役会への四半期毎の執行状況報告等と併せて適宜報告を行います。

3. 外的リスク及び戦略リスクについては、当社のリスク対応方針・方向性を経営執行会議で検討を行ったうえで取締役会に上程し、取締役会での議論を踏まえて具体的な対応策を立案します。対応策の実施状況は、内的リスクと併せて適宜取締役会へ報告を行います。外的リスク及び戦略リスクへの対応については、継続的に取締役会或いは取締役によるフリーディスカッションの機会等を設けて議論を行うこととしています。

 

※リスクの種別

内的リスク:社内の業務プロセスや社内環境で生じる問題により大きな損害が発生する、或いは事業機会を逃すリスク

外的リスク:当社がコントロールできない外部環境の変化に対応できず大きな損失が発生する、或いは事業機会を逃すリスク

戦略リスク:当社の経営の方向性に沿って事業展開を行うことで新たに生じるリスク

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した人的資本の充実・強化の推進と併せて、施策を継続的に評価・管理するための指標及び目標を設定しております。なお、当連結会計年度末現在、人材の確保・育成及び社内環境整備に関連して管理している指標とその実績は次のとおりであります。

2024年3月31日現在

指標

目標

実績

経済産業省ITスキル標準

スキル熟達度レベル3以上取得者数

2024年度まで

600

505

全労働者に占める女性労働者の割合

2025年度まで16%

13.1

採用した労働者に占める女性労働者の割合

30%以上を継続

25.4%

労働者の一月あたりの平均残業時間

18時間以内を継続

15.0時間

離職率(自己都合退職)

3.8%以下を継続

3.0

 

 次の指標は、現在、目標を設定しておりませんが、人的資本に係る施策の策定・推進に当たり参考となると考え、実績を管理しております。

2024年3月31日現在

指標

実績

男女の平均継続勤続年数の差異 *1

男性20.3年 女性11.6年

有給休暇取得率 *2

75.8

*1 男女の平均勤続年数の差異につきましては、女性活躍推進及び雇用機会均等の観点から重要な指標と認識しております。当社は全労働者及び管理職に占める女性労働者の比率が低く、その向上に取組んでおりますが、現状では男女の平均勤続年数の差異について目標を設定する段階に至っていないことから、目標を設定せず実績の確認のみ実施しております。

*2 有給休暇取得率は、ワーク・ライフ・バランスの実現の観点から重要な指標のひとつと認識しております。現状において当社の有給取得率は政府目標(70%)を上回っていることから、一定の水準を維持していると判断し、明確な目標は設定しておりません。

 

(注)1.当社の連結子会社においても、人材の育成や社内環境整備に取り組んでおりますが、各社の事業の状況等を踏まえて当社とは異なる指標を設定していることから、上記の実績は当社単独の値を記載しております。

2.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については「第一部 第1.企業の概況 5.従業員の状況」に記載のとおりであります。

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)顧客のIT投資動向

経済情勢の悪化等による顧客経営環境の変化、顧客経営方針の変更等により、顧客のIT関連予算の削減、投資ニーズの急激な変化が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、顧客動向の的確な把握に努め柔軟な要員配置を行うとともに、新たな事業領域の拡大、新規顧客の獲得等に取組むことで、個別の顧客におけるIT投資動向の変化による影響の低減を図っております。

 

(2)市場競争の激化

競合企業の競争力向上、コンサルティングや特定技術に強みを持つ新規企業の市場参入等により競争が激化し、当社グループの市場競争力が低下した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、顧客事業への理解を深めて高付加価値のサービス提供を続けることで、顧客事業における当社グループの貢献度を高めるとともに、顧客ニーズの変化や新たな技術領域への進出に対応するための組織改革を推進し、市場での競争力の強化を図ってまいります。

 

(3)技術革新への対応

情報サービス産業界は技術革新のスピードが速く環境変化が著しい業界であり、新技術の適用により、価格水準の変化や技術・ノウハウの陳腐化等が発生する可能性があります。このような変化を的確に捉えて新技術による事業展開を迅速に実施できない場合、競争力の低下により当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、顧客のDX推進部門とのコミュニケーション強化により顧客ニーズの把握に努めるとともに、新領域・高度技術領域への対応力強化のための研究開発及び技術教育を推進しております。また、専門性を有するソリューションベンダーとの連携によるサービスの高度化、デジタル技術を活用した当社独自のサービスの開発等にも取組んでおります。

 

(4)人材の確保及び育成

当社グループの事業は人材に大きく依存しており、事業を展開・拡大していくためには、一定水準以上の技術力を持った人材を確保し、その人材を育成することが重要でありますが、これらの人材の確保・育成ができない場合は、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは「第一部 第2.事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載した施策を推進するとともに、新卒及びキャリア採用の強化を進めてまいります。また、柔軟な働き方や女性の活躍を支援する制度等、多様な人材を受け入れるための体制の整備に努めてまいります。

 

(5)足元の需要に対する人的リソースの確保

企業のIT投資需要が堅調に推移するなか、顧客要請に応えて品質の良いサービスを提供するためには、業務の質及び量に見合う人的リソースを確保する必要があります。システム開発においては、優秀なプロジェクトマネージャー及び開発技術者が必要であり、AI、データ分析等のDXに代表される新領域では、専門性を有する高度な技術者の確保が必要となる可能性があります。このような足元の顧客需要に対応するための人的リソースを確保できない場合、受注機会を逃し、或いは競合企業の参入を招き、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、上記「(4)人材の確保及び育成」の取組みと併せて、優良なパートナー企業との関係強化を推進し、顧客対応力の向上に取組んでまいります。

 

(6)事業拡大に伴う戦略リスク

当社グループが今後新たな分野に事業を拡大していくときに、既存の事業では想定していなかった技術、業界慣行、法規制その他の新たなリスクへの対応が必要となる可能性があります。

これらの新たに発生するリスクについては、取締役会において闊達な議論を行い、リスクの内容を明確にし、そのうえでリスクを取って対象分野へ進出することの是非について、スピーディー且つ適切な意思決定を行うことに努めてまいります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、世界的な金融引締め、中国経済の先行き不安、中東情勢の緊迫化等の懸念要因がみられたものの、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな景気回復の動きが続きました。

当社グループの属する情報サービス産業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた新システム構築や既存システムのクラウドへの移行等、企業のIT投資は堅調に推移しました。また、クラウドサービスの拡大やサイバー攻撃の高度化等を背景に、情報セキュリティの重要性が一層高まりました。

このような事業環境の中、当社グループは、2022年度中期経営計画の重点課題である「新領域の拡大」、「顧客の深耕・拡大」、「人的資本の充実・強化」、「業務運営体制の改革」を推進中であります。

当連結会計年度においては、大規模開発案件におけるプロジェクト管理の徹底、ローコード開発・クラウド・デジタル技術・情報セキュリティ等の新領域及び解析・設計領域における積極的な営業活動と受注拡大等を進め、その成果として新規顧客の獲得、新たな顧客ニーズの掘り起こしを実現しました。

また、変革・革新をリードするマネジメント人材の育成の推進、教育体系見直し及び人事制度改革の加速、業務プロセス管理の強化に向けた社内システムの開発推進等にも取り組んでまいりました。

以上の結果、システム機器販売やシステム開発の売上増等により、売上高は前年同期に比べて増加し、370億62百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。損益については、売上増に伴う利益増等により、営業利益35億81百万円(同33.9%増)、経常利益35億96百万円(同32.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益24億16百万円(同31.7%増)となりました。

なお、当連結会計年度実績の期首業績予想に対する達成状況は次のとおりであり、業績予想として設定した全ての項目において超過達成しております。

 

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

(参考)

翌連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 

期首業績予想

(注)1

実績

増減額

達成率

期首業績予想

(注)2

売上高(百万円)

33,500

37,062

3,562

110.6%

39,000

営業利益(百万円)

2,700

3,581

881

132.6%

3,700

経常利益(百万円)

2,700

3,596

896

133.2%

3,700

売上高経常利益率(%)

8.1

9.7

1.6

119.8%

9.5

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

1,750

2,416

666

138.1%

2,550

1株当たり当期純利益(円)

275.32

379.76

104.44

137.9%

400.62

(注)1.2023年5月9日に公表したものです。

2.2024年4月26日に公表したものです。

 

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて38億10百万円増加し268億27百万円となりました。預け金及び売掛金が増加したことが主な要因となっております。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて14億74百万円増加し86億67百万円となりました。買掛金及び未払費用の増加が主な要因となっております。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて23億36百万円増加し181億60百万円となりました。利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額の増加が主な要因となっております。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4億25百万円増加して、当連結会計年度末には21億96百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加及び法人税等の支払額があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上等により40億88百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は4億30百万円の減少)

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、預け金が増加したこと等により27億64百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は12億55百万円の増加)

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により8億99百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は5億26百万円の減少)

 

 

④生産・受注及び販売の実績

イ.生産実績

  当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報サービス

28,645

105.9

合計

28,645

105.9

 

ロ.受注実績

  当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報サービス

37,938

113.2

7,422

113.4

合計

37,938

113.2

7,422

113.4

 

ハ.販売実績

  当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報サービス

37,062

111.8

合計

37,062

111.8

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱重工業株式会社

16,966

51.2

19,409

52.4

 (注)上記金額には、リース会社経由で販売した分が含まれております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「第一部 第2.事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 及び ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 第2.事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは情報サービスの単一セグメントであるため記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第一部 第2.事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費のほかシステム機器販売に係る商品購入費用等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

運転資金及び設備投資資金については、内部資金で賄っておりますが、必要に応じて借入による資金調達を実施することを基本としております。資金調達については、金融機関2行との間に総額20億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結し、資金の流動性を確保しております。なお、当連結会計年度における借入実績はありません。

また、当連結会計年度末における有利子負債の残高はリース債務22百万円、現金及び現金同等物の残高は21億96百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。個々の重要な会計方針及び見積りについては、「第一部 第5.経理の状況 1.連結財務諸表等」の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

なお、見積りが必要な事項については、過去の実績や現状等を勘案し、合理的な基準により判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、競争力強化を目的にソリューションの拡充や最新技術の導入、技術レベルの向上に関するテーマに取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費は91百万円であり、主要な研究開発の内容は次のとおりであります。

 

(1)アプリケーションの超高速開発に関する技術研究

(2)AI、画像認識、DX等のデジタルビジネス分野の調査・研究

(3)航空宇宙関連製品等の設計・解析技術の高度化に関する研究

(4)PLM(製品ライフサイクル管理)関連技術の高度化に関する調査・研究

(5)情報セキュリティビジネスに関する調査・研究