第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項の記載内容のうち、将来に関する事項を記載している場合には、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、以下に掲げる経営理念のもと、常に品質の向上と技術力の強化に努め、顧客に最適なサービスを提供し続けることにより、社会から信頼され、必要とされる魅力ある企業集団を目指してまいります。

<経営理念>

 ・お客様に最適のサービスを提供し、事業活動を通じて社会の発展に貢献する

 ・技術力の強化と経営の改革を図り、時代に即応した魅力ある会社の実現に努める

 ・社員の能力と創造力を尊重し、闊達なコミュニケーションで総合力を発揮する

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2022年度中期経営計画(2022年4月~2025年3月)において、「新たな成長軌道へ」を基本方針に掲げ、その実現に向けて既存事業の高度化と新領域の拡大の取り組みを推進してまいりました。その結果、ローコード開発等の新分野が事業として軌道に乗り、新規顧客の獲得、既存顧客の深耕につながりました。また、人事制度・教育体系を改革し、人的資本の充実に向けた仕組みの整備を実現しました。

これらの成果をベースに更なる成長を目指して、当社グループは、2025年度中期経営計画「顧客と並走する菱友」を策定しました。新中期経営計画は2025年4月から2028年3月までの3か年計画とし、主体的に技術力・サービス価値の向上に取り組み、顧客ニーズを先取る営業を積極的に推進し、顧客における当社の価値を向上させることで事業拡大につなげてまいります。

計画の達成に向け、注力課題として次の5項目に対する施策を展開してまいります。

 

<注力項目>

① 新ビジネスの立ち上げ

② 既存顧客の深耕・接点の拡大

③ “人”の価値向上

④ 業務運営体制の強化

⑤ 菱友グループ強化・最適化

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題

人手不足対策へのデジタル技術の活用、クラウド化の進展等は継続するものの、米国関税政策等の顧客企業への影響も想定されることから、先行きは不透明な状況です。

このような事業環境のもと、当社グループが対処すべき当面の課題は、2025年度中期経営計画の着実な実行であります。技術環境や市場環境が大きく変化する中で、当社が持続的に成長を続けていくためには、技術トレンド、マーケット状況、顧客ビジネスの力点等を把握することで市場を予測し、研究開発、技術開拓へ先行投資を行うことが重要と考えています。また、顧客課題を的確に理解し、より深い信頼関係を築くことで、プロジェクトへの企画・設計段階からの参画を拡大する等、顧客ビジネスへの関与を深めることが不可欠と考えています。

以上の方針のもと、以下の注力項目に対する取り組みを推進してまいります。

 

<新ビジネスの立ち上げ>

事業の付加価値を高め成長を続けていくためには、新領域のビジネスの拡大が重要な課題と認識しております。このため、AIの業務への適用に向けた研究開発、セキュリティサービスの強化等に取り組んでいます。また、解析・設計事業においては、当社が得意とする流体解析、構造解析に加えて新たな解析分野への拡大に取り組んでいます。これらの事業拡大に向け、研究開発、技術者育成を推進するとともに、社内公募等の新ビジネス創出を強化する制度の構築に取り組みます。

 

<既存顧客の深耕・接点の拡大>

顧客における当社の価値向上に向けて、ベース事業であるシステム開発、システム保守・運用、製品の解析・設計等の領域において、品質管理の徹底、サービス高度化に取り組むとともに、顧客業務課題への理解を深め、顧客の事業部門向けビジネスの拡大、BPOによる受託業務の拡大を推進します。

 

<“人”の価値向上>

高度技術者の育成、キャリア選択に応じた教育等による質的な人材確保と、採用強化、リスキリング等による量の面での人材確保の両面に取り組みます。また、考課制度の改正、管理職の役割・機能の明確化、エンゲージメント向上等、人的資本経営を支える制度・運用体制の整備を推進します。

 

<業務運営体制の改革>

業容拡大を支えるために、組織改正による全社機能の強化、マネジメント力の高度化、開発・構築業務の運営体制等の強化、オフショア・ニアショアを含む外力活用の拡大等の施策を推進します。

 

<菱友グループ強化・最適化>

当社グループ各社の連携を強化し、役割分担を明確化することでパフォーマンスを高めるとともに、市場・顧客における当社グループの認知度向上に取り組みます。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの目標とする経営指標は、売上高、経常利益、売上高経常利益率、親会社株主に帰属する当期純利益、売上高当期純利益率及び1株当たり当期純利益であります。

なお、翌連結会計年度の業績予想は、売上高42,500百万円、営業利益4,800百万円、経常利益4,900百万円、売上高経常利益率11.5%、親会社株主に帰属する当期純利益3,400百万円、1株当たり当期純利益533円46銭としており、各数値の達成を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、以下の経営理念のもと、社長を最高責任者としてサステナビリティへの取り組みを強化しております。

 取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しており、適宜対応方針及び実行計画について活発な協議を行っております。

<経営理念>

・お客様に最適のサービスを提供し、事業活動を通じて社会の発展に貢献する

・技術力の強化と経営の改革を図り、時代に即応した魅力ある会社の実現に努める

・社員の能力と創造力を尊重し、闊達なコミュニケーションで総合力を発揮する

 

(2)戦略

 当社グループは、上記<経営理念>に基づき、ITを活用して顧客の経営課題や事業課題を解決するための最適なソリューションを提供するとともに、ESG等の社会課題に取り組むことを通じて持続的な社会の実現に貢献することを「サステナビリティ基本方針」としております。この基本方針のもと、事業活動においては「社会的に責任ある経営」を基本とし、「事業として社会的課題解決へ取り組む」ことにより、持続的な企業価値の向上に努めております。

 「社会的に責任ある経営」としては、より公正で透明性の高い経営の実現に向けたコーポレート・ガバナンスの強化、プロジェクト管理の強化による高品質なサービスの提供、社員が能力に応じて活躍できる環境の構築(多様性の確保、働き方改革・健康経営の推進等)、業務遂行上の環境負荷の低減などに取り組んでまいります。

 「事業としての社会的課題解決への取り組み」については、顧客のDXや人手不足対策へのデジタル技術の活用による社会問題への貢献、情報セキュリティサービスの提供によるビジネスの安全性への貢献などに取り組んでまいります。

 

<人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

 当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するため、『“人”の価値を高める』経営を推進しており、人材の育成を最重要課題と考えて次の施策を推進しております。

①技術力の向上 : 技術・能力を高め、事業の高付加価値化を推進するとともに、顧客需要の変化に即応できる人材の育成

・ビジネス変革を反映した業務の再整理と、必要な知識・経験・資格の明確化

・業務再整理に基づくモデルキャリアパスの作成と教育体制の見直し

・人事制度の見直し検討(職種・評価基準・昇格条件等)

・高度技術者・高資格保有者の増加、タフアサインメント等による育成

②経営人材の育成 : 改革・革新の継続による、進化・成長をリードするマネジメント人材の育成

・マネジメント人材育成を目的とした選抜研修の実施

・次世代経営層構築を睨んだ人材コミッティの開催

③働く環境の改善 : 集中、リラックスが可能で社員間のシナジーを高める職場づくりの推進

・キャリア面談や階層・地域別懇談会・組織を横断したコミュニティ等による、全社レベルでのコミュニケーションの活性化

・ローテーション制度の実践・定着等で人材と業務をマッチ

・エンゲージメント向上策、働き方改革の推進

・賃金レベルの向上

・健康経営施策の充実

④人的資本の定量的管理 : 上記①~③を管理するKPIの設定

 

(3)リスク管理

 サステナビリティ全般に関するリスク管理については、事業上のリスク管理の一環として取り組んでおり、リスク管理体制の基本方針・考え方の概要は、以下のとおりであります(個別のリスクの内容については、「第一部 第2.事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります)。

 

1. リスクの種別を内的リスク、外的リスク、戦略リスク(※)に区分し、リスク種別毎に対応策を立案、実行しています。

2. 内的リスクへの対応は、期首にリスク項目を洗い出し、各年度の重点的項目を経営執行会議の審議を経て決定します。内的リスクへの対策は業務執行部門で実施し、全社レベルのリスクは経営執行会議に報告し、部門レベルのリスクについては、業務監査の中で確認を行い、適宜、監査等委員会へ報告しています。

3. 外的リスク及び戦略リスクについては、取締役会および経営執行会議で議論し、業務執行部門で対策を立て、実施しています。リスク対策の状況は、適宜、取締役会へ報告を行っています。

4. 期中において大きな損害が発生した場合、或いはその可能性がある場合は、速やかに取締役会に報告を行います。

 

※リスクの種別

内的リスク:社内の業務プロセスや社内環境で生じる問題により大きな損害が発生する、或いは事業機会を逃すリスク

外的リスク:当社がコントロールできない外部環境の変化に対応できず大きな損失が発生する、或いは事業機会を逃すリスク

戦略リスク:当社の経営の方向性に沿って事業展開を行うことで新たに生じるリスク

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した人的資本の充実・強化の推進と併せて、施策を継続的に評価・管理するための指標及び目標を設定しております。なお、当連結会計年度末現在、人材の確保・育成及び社内環境整備に関連して管理している指標とその実績は次のとおりであります。

2025年3月31日現在

指標

目標

実績

経済産業省ITスキル標準

スキル熟達度レベル3以上取得者数

2027年度まで

600

513

経済産業省ITスキル標準スキル熟達度

IT系技術者の平均レベル

2027年度まで

3.30

3.17

全労働者に占める女性労働者の割合

2025年度まで16%

14.1

採用した労働者に占める女性労働者の割合

30%以上を継続

33.9%

労働者の一月あたりの平均残業時間

18時間以内を継続

13.7時間

離職率(自己都合退職)

3.8%以下を継続

3.0

 

 次の指標は、現在、目標を設定しておりませんが、人的資本に係る施策の策定・推進に当たり参考となると考え、実績を管理しております。

2025年3月31日現在

指標

実績

男女の平均継続勤続年数の差異 *1

男性20.7年 女性11.5年

有給休暇取得率 *2

77.6

*1 男女の平均勤続年数の差異につきましては、女性活躍推進及び雇用機会均等の観点から重要な指標と認識しております。当社は全労働者及び管理職に占める女性労働者の比率が低く、その向上に取組んでおりますが、現状では男女の平均勤続年数の差異について目標を設定する段階に至っていないことから、目標を設定せず実績の確認のみ実施しております。

*2 有給休暇取得率は、ワーク・ライフ・バランスの実現の観点から重要な指標のひとつと認識しております。現状において当社の有給取得率は政府目標(70%)を上回っていることから、一定の水準を維持していると判断し、明確な目標は設定しておりません。

 

(注)1.当社の連結子会社においても、人材の育成や社内環境整備に取り組んでおりますが、各社の事業の状況等を踏まえて当社とは異なる指標を設定していることから、上記の実績は当社単独の値を記載しております。

2.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については「第一部 第1.企業の概況 5.従業員の状況」に記載のとおりであります。

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)顧客のIT投資動向

経済情勢の悪化等による顧客経営環境の変化、顧客経営方針の変更等により、顧客のIT関連予算の削減、投資ニーズの急激な変化が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、顧客動向の的確な把握に努め柔軟な要員配置を行うとともに、新たな事業領域の拡大、新規顧客の獲得等に取り組むことで、個別の顧客におけるIT投資動向の変化による影響の低減を図っております。

 

(2)市場競争の激化

競合企業の競争力向上、コンサルティングや特定技術に強みを持つ新規企業の市場参入等により競争が激化し、当社グループの市場競争力が低下した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、顧客事業への理解を深めて高付加価値のサービス提供を続けることで、顧客事業における当社グループの貢献度を高めるとともに、顧客ニーズの変化や新たな技術領域への進出に対応するための組織・体制の強化を推進し、市場での競争力の強化を図ってまいります。

 

(3)技術革新への対応

情報サービス産業界は技術革新のスピードが速く環境変化が著しい業界であり、新技術の適用により、価格水準の変化や技術・ノウハウの陳腐化等が発生する可能性があります。このような変化を的確に捉えて新技術による事業展開を迅速に実施できない場合、競争力の低下により当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、顧客のDX推進部門とのコミュニケーション強化により顧客ニーズの把握に努めるとともに、新領域・高度技術領域への対応力強化のための研究開発及び技術教育を推進しております。また、専門性を有するソリューションベンダーとの連携によるサービスの高度化、デジタル技術を活用した当社独自のサービスの開発等にも取組んでおります。

 

(4)システム開発に関するリスク

システム開発事業においては、新領域の拡大、顧客ニーズの深耕等の施策進展に伴い、新規開発案件の増加、開発規模の大型化、顧客要求の高度化等が進み、開発の難易度が増大しております。

システム開発では、受注業務を納期までに完了させ、顧客に引き渡す完成責任を負っておりますが、その開発において作業遅延によるコスト増加や納入後の不具合の修正作業等が発生した場合は、大幅な採算悪化や顧客への損害賠償等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、引き合い・見積り・受注段階での入口管理を徹底するとともに、完成品質の向上のためのプロジェクト管理体制の構築・強化を推進し、リスクの低減を図っております。

 

(5)人材の確保及び育成

当社グループの事業は人材に大きく依存しており、事業を展開・拡大していくためには、一定水準以上の技術力を持った人材を確保し、その人材を育成することが重要でありますが、これらの人材の確保・育成ができない場合は、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは「第一部 第2.事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載した施策を推進するとともに、新卒及びキャリア採用の強化を進めてまいります。また、柔軟な働き方や女性の活躍を支援する制度等、多様な人材を受け入れるための体制の整備に努めてまいります。

 

(6)足元の需要に対する人的リソースの確保

企業のIT投資需要が堅調に推移するなか、顧客要請に応えて品質の良いサービスを提供するためには、業務の質及び量に見合う人的リソースを確保する必要があります。システム開発においては、優秀なプロジェクトマネージャー及び開発技術者が必要であり、AI、データ分析等のDXに代表される新領域では、専門性を有する高度な技術者の確保が必要となる可能性があります。このような足元の顧客需要に対応するための人的リソースを確保できない場合、受注機会を逃し、或いは競合企業の参入を招き、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、上記「(4)人材の確保及び育成」の取り組みと併せて、優良なパートナー企業との関係強化を推進し、顧客対応力の向上に取り組んでまいります。

 

(7)事業拡大に伴う戦略リスク

当社グループが今後新たな分野に事業を拡大していくときに、既存の事業では想定していなかった技術、業界慣行、法規制その他の新たなリスクへの対応が必要となる可能性があります。

これらの新たに発生するリスクについては、取締役会において闊達な議論を行い、リスクの内容を明確にし、そのうえでリスクを取って対象分野へ進出することの是非について、スピーディー且つ適切な意思決定を行うことに努めてまいります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、円安の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰、中国経済の先行き懸念、米国の政策動向など、先行きの不透明感が払拭できない状況が続きました。

当社グループの属する情報サービス産業においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた新システム構築や既存システムのクラウドへの移行、生成AIの商用化進展による実証実験等の取組みの活発化等、企業のIT投資は堅調に推移しました。また、デジタル化の進展、サイバー攻撃の高度化等を背景に情報セキュリティの需要が高まりました。

このような事業環境の中、当社グループは、2022年度中期経営計画の重点課題である「新領域の拡大」、「顧客の深耕・拡大」、「人的資本の充実・強化」、「業務運営体制の改革」を推進してまいりました。

当連結会計年度においては、大規模システム開発におけるプロジェクト管理の徹底と周辺領域の受注拡大、ローコードツールを活用したシステム開発ビジネスの推進、AI・データ分析分野での積極的な営業活動、情報セキュリティビジネスの高度化、解析・設計事業の拡大、研究開発の活発化による新分野及び高度技術分野の強化等に取組みました。

以上の結果、システム開発、解析・設計関連を中心に安定的に案件を受注できたこと等により、売上高は前年同期に比べて増加し、427億63百万円(前連結会計年度比15.4%増)となりました。損益については、売上増に伴う利益増等により、営業利益48億16百万円(同34.5%増)、経常利益48億69百万円(同35.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益33億83百万円(同40.0%増)となりました。

なお、当連結会計年度実績の期首業績予想に対する達成状況は次のとおりであり、業績予想として設定した全ての項目において超過達成しております。

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

(参考)

翌連結会計年度

(自 2025年4月1日

 至 2026年3月31日)

 

期首業績予想

(注)1

実績

増減額

達成率

期首業績予想

(注)2

売上高(百万円)

39,000

42,763

3,763

109.6%

42,500

営業利益(百万円)

3,700

4,816

1,116

130.2%

4,800

経常利益(百万円)

3,700

4,869

1,169

131.6%

4,900

売上高経常利益率(%)

9.5

11.4

1.9

120.0%

11.5

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

2,550

3,383

833

132.7%

3,400

1株当たり当期純利益(円)

400.62

531.12

130.5

132.6%

533.46

(注)1.2024年4月26日に公表したものです。

2.2025年4月28日に公表したものです。

 

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて33億76百万円増加し302億3百万円となりました。投資有価証券及び売掛金が増加したことが主な要因となっております。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて8億31百万円増加し94億98百万円となりました。買掛金及び未払法人税等の増加が主な要因となっております。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて25億44百万円増加し207億4百万円となりました。利益剰余金の増加が主な要因となっております。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ25百万円減少して、当連結会計年度末には21億70百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加及び法人税等の支払額等があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上等により30億19百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は40億88百万円の増加)

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得等により21億4百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は27億64百万円の減少)

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により9億39百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は8億99百万円の減少)

 

 

④生産・受注及び販売の実績

イ.生産実績

  当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報サービス

33,046

115.4

合計

33,046

115.4

 

ロ.受注実績

  当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報サービス

44,566

117.5

9,225

124.3

合計

44,566

117.5

9,225

124.3

 

ハ.販売実績

  当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報サービス

42,763

115.4

合計

42,763

115.4

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱重工業株式会社

19,409

52.4

22,563

52.8

 (注)上記金額には、リース会社経由で販売した分が含まれております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「第一部 第2.事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 及び ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 第2.事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは情報サービスの単一セグメントであるため記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第一部 第2.事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費のほかシステム機器販売に係る商品購入費用等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。一方で、一時的な余資については、主に安全性の高い金融資産で運用し、投機やトレーディングを目的とした運用は行わない方針であります。

運転資金及び設備投資資金については、内部資金で賄っておりますが、必要に応じて借入による資金調達を実施することを基本としております。資金調達については、金融機関2行との間に総額20億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結し、資金の流動性を確保しております。なお、当連結会計年度における借入実績はありません。

また、当連結会計年度末における有利子負債の残高はリース債務14百万円、現金及び現金同等物の残高は21億70百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。個々の重要な会計方針及び見積りについては、「第一部 第5.経理の状況 1.連結財務諸表等」の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

なお、見積りが必要な事項については、過去の実績や現状等を勘案し、合理的な基準により判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、競争力強化を目的にソリューションの拡充や最新技術の導入、技術レベルの向上に関するテーマに取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費は130百万円であり、主要な研究開発の内容は次のとおりであります。

 

(1)生成AIによるシステム開発・運用業務の自動化および高度化に関する調査・研究

(2)流体解析・電磁場解析・音響解析等の解析技術の高度化、DX適用に関する研究

(3)情報セキュリティビジネスに関する調査・研究

(4)PLM(製品ライフサイクル管理)関連技術の高度化に関する調査・研究

(5)画像認識・AR(拡張現実)・BI等のデジタルビジネス分野の調査・研究