第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績

当第2四半期連結累計期間(202341日~2023930日)における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな景気回復の動きがみられるものの、世界的な地政学リスクによる世界経済の減速や、今後円安の進行がさらに加速していく懸念材料もあり、依然として先行き不透明な状況は続いております。

情報サービス産業においては、企業の競争力強化やクラウドへの移行などでデジタルトランスフォーメーション(DX)へのシステム投資が堅調な状況が継続しており、引き続き市場規模の拡大が見込まれます。

このような環境の中で当社グループは20224月から20253月を計画期間とする中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」の2年目をスタートし、市場や社会の潜在ニーズを捉えた付加価値の高いITサービスを基本コンセプトに、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型のシステムインテグレーション(以下SI)事業へと進化することをビジョンに掲げ企業活動を推進しております。

このビジョンを実現するために、当社グループは三つの基本戦略を定めております。

一つ目の「高付加価値SIサービスの追求」では、顧客のDX推進に対して、最新の要素技術を活用して顧客の価値創造ニーズに応えるサービス事業を推進しております。

二つ目の「SIモデル変革の推進」では、高付加価値SIサービスを実現するための基盤づくりや、高生産性と高品質を両立したSIプロセスの整備などをイノベーション的アプローチで実現し、他社との差別化を図る施策を推進しております。

三つ目の「事業領域の拡大」では、顧客のデジタル変革を戦略策定からサポートするコンサルティング事業、多様な顧客のITニーズに対応するサービス・製品等の販売事業、そして開発からスタートして運用・保守まで集約したマネージドサービスの提供等、SI事業のコモディティ領域への事業拡大へ向けた施策を推進しております。具体的には、次の取り組みを推進しております。

①  コンサルティング事業の拡大

・ゴールドパートナー契約を締結する米国Scaled Agile, Inc.Scaled Agile Framework®に基づくコンサル要員の育成、拡充

IT戦略策定からデジタル活用など顧客のデジタルニーズに対応するノウハウのアセット化やコンサルティングメソッドの確立

・プロモーション活動の推進

②  サービス・製品等販売事業の拡大

・マーケティング機能やプロダクトセールス機能の拡充

・ユーザーニーズやシーズを捉えた取り扱い製品の拡充

③  SI事業のコモディティ領域の拡大

・システム改修等を伴う運用、保守案件の集約化

・共通項のモジュール化等による高生産性の追求

 

当第2四半期連結累計期間においては、各事業分野は堅調に推移し売上高は計画を上回り増収を達成いたしました。利益面では、将来の事業拡大に向けた投資を積極的に推進したことによるコストが拡大しておりますが、増収効果により営業利益が計画を上回り、若干の増益となっております。投資に関する具体的な取り組みは、新卒採用者数の拡大および早期戦力化や、次世代型SI事業拡大に向けた新技術獲得、そしてワークプレイス戦略「Smart Work構想」の一環として、高い生産性を発揮し続けることを目指した本社移転などを計画に沿って推進しております。

 

その結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は18,856百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益は1,858百万円(前年同期比0.4%増)、経常利益は1,930百万円(前年同期比0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,310百万円(前年同期比0.7%増)となりました。

なお、当社は、202310月に本社移転を実施いたしました。今後も持続的な成長の実現に向けて邁進して参ります。

 

分野別の売上高は次のとおりであります。

ITコンサルティング&サービス>

ITコンサルティング&サービスはお客さまのDX推進に向けたIT戦略やシステム化構想の立案、技術コンサルティング、最新の技術や開発手法の教育サービスの提供や、自社開発のクラウドアプリケーションサービスの提供、BI (注1) /DWH (注2)、ERP (注3)/CRM (注4)等のソリューションサービスの提供を行っております。当期は、エンタープライズ向けのSaaSソリューション案件が堅調に推移し、売上高は前年同期比27.1%増収の3,218百万円となりました。

<金融ITソリューション>

金融ITソリューションは、金融業向けにシステム化構想・設計・開発・保守などの統合的なITソリューションの提供を行っております。当期は特に銀行系のシステム開発案件等が好調に推移し、売上高は前年同期比9.9%増収の8,533百万円となりました。

<公共法人ITソリューション>

公共法人ITソリューションは、流通業、製造業、サービス業や公共向けにシステム化構想・設計・開発・保守などの統合的なITソリューションの提供を行っております。当期は、官公庁や運輸業向けの開発案件等が堅調に推移しており、売上高は前年同期比7.9%増収の4,953百万円となりました。

<プラットフォームソリューション>

プラットフォームソリューションは、ITインフラの環境設計、構築、運用支援、ネットワーク製品開発、ネットワークインテグレーション等の提供を行っております。銀行業向けのインフラ構築案件が堅調に推移し、売上高は前年同期比13.0%増収の2,151百万円となりました。

 

                                           (単位:百万円)

分野

前第2四半期

連結累計期間

当第2四半期

連結累計期間

前年同期比増減率

金額

構成比

金額

構成比

ITコンサルティング&サービス

2,531

15.1%

3,218

17.1%

+27.1%

金融ITソリューション

7,766

46.2%

8,533

45.2%

+9.9%

公共法人ITソリューション

4,591

27.3%

4,953

26.3%

+7.9%

プラットフォームソリューション

1,903

11.4%

2,151

11.4%

+13.0%

合計

16,793

100.0%

18,856

100.0%

+12.3%

 

注1 BI Business Intelligenceの略。社内の情報を分析し、経営に生かす手法。

2 DWH:Data Ware Houseの略。データ分析や意思決定のために、基幹系など複数システムから必要なデータを収集し、目的別に再構成して時系列に蓄積した統合データベースのこと。

3 ERP:Enterprise Resources Planningの略。基幹系情報システムのこと。

4 CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客管理システムのこと。

 

(2) 財政状態

① 流動資産

当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比較して266百万円増加し、19,094百万円となりました。

その主な増減要因は、現金及び預金が155百万円、仕掛品が130百万円増加したことによります。

② 固定資産

当第2四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末と比較して168百万円増加し、4,112百万円となりました。

その主な増減要因は、繰延税金資産が61百万円減少したものの、投資有価証券が199百万円、有形固定資産が22百万円増加したことによります。

③ 流動負債

当第2四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末と比較して400百万円減少し、5,644百万円となりました。

その主な増減要因は、短期借入金が147百万円増加したものの、未払費用が417百万円、未払法人税が122百万円減少したことによります。

④ 固定負債

当第2四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末と比較して42百万円増加し、358百万円となりました。

その主な増減要因は、その他に含まれる長期未払費用が52百万円増加したことによります。

⑤ 純資産

当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して793百万円増加し、17,203百万円となりました。

その主な増減要因は、利益剰余金が584百万円、その他有価証券評価差額金が203百万円増加したことによります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して155百万円増加し、12,165百万円(前年同期は11,376百万円)となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

法人税等の支払740百万円、未払費用の減少364百万円及び棚卸資産の増加130百万円などがありましたが、税金等調整前四半期純利益1,930百万円があり、営業活動によるキャッシュ・フローは674百万円(前年同期は441百万円)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出62百万円などがありましたが、投資有価証券の売却による収入97百万円及び利息及び配当金の受取額37百万円があり、投資活動によるキャッシュ・フローは66百万円(前年同期は50百万円)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金の純増額147百万円がありましたが、配当金の支払726百万円があり、財務活動によるキャッシュ・フローは△586百万円(前年同期は△969百万円)となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は 42百万円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。