(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年9月30日) における世界経済は、年内の利上げ観測が想定されながら見送りが続く米国経済の動向をはじめ、このところ持ち直しの兆しが見えるものの横ばいが続く欧州経済、引き続き穏やかな経済成長減速が見える中国をはじめとする新興国経済など、世界経済の先行き不透明感は否めません。
わが国経済は各種政策の下、緩やかな回復基調が続いておりますが、世界景気の下振れ懸念や円高の進行など、世界経済が及ぼす影響への懸念を払拭できないまま推移いたしました。
情報産業につきましては、引き続きサーバ仮想化を含むクラウドコンピューティングとそれに伴うITサービスの需要が世界的にIT投資を牽引しています。一方、依然として世界のパソコン出荷台数は前年同期を下回っており、米国においては新学期需要の低下他、新興諸国においては主要端末がPC以外へシフトしていることなどが要因と見られております。国内はIT予算において増額を考えている企業が増加しており、中でもIoTやAIなどの新分野も今後の投資項目に浮上してきております。
セキュリティ業界におきましては、依然として特定の企業や国家機関などを狙ったサイバーテロ攻撃や、それらによる企業の顧客情報や個人のプライベート情報の漏洩、身代金要求型不正プログラムであるランサムウェアなどが注目を集めております。
このような環境下、当社グループの経営状況は、以下のようなものでありました。なお、欧州地域及びアジア・パシフィック地域に関しましては社内管理体制上の管理区分の変更に伴い、両地域の売上高及び前年同期比においては新しい地域構成に準じて記載しております。
日本地域につきましては、標的型攻撃対策関連ビジネスが力強い成長を見せ、クラウド関連ビジネスと共に企業向けビジネスを牽引しました。個人向けビジネスにおきましても引き続きユーザ数を維持しており、5つの地域セグメントの中で唯一企業向けビジネス及び個人向けビジネス共に増収となりました。その結果、同地域の売上高は40,279百万円(前年同期比3.9%増)と増収となりました。
北米地域につきましては、個人向けビジネスはユーザ数の減少による減収傾向が続いておりますが、企業向けビジネスは事業譲り受けが完了したTippingPointの貢献が次第に大きくなりつつある中、円高の影響を受けたものの同地域の売上高は23,051百万円(前年同期比5.9%増)と増収となりました。
欧州地域につきましては、現地通貨ベースでは引き続き標的型攻撃対策関連ビジネスの貢献により企業向けビジネスが好調を維持したものの、為替の影響もあり、その結果、同地域の売上高は15,310百万円(前年同期比1.3%減)と減収となりました。
アジア・パシフィック地域につきましては、現地通貨ベースではオーストラリアを中心に企業向けビジネスが堅調だったものの、前年11月に譲渡した中国ビジネスの減少及び円高の影響を大きく受けました。その結果、同地域の売上高は11,115百万円(前年同期比16.0%減)と減収となりました。
中南米地域につきましては、標的型攻撃対策関連ビジネス及びクラウド関連ビジネスがともに大きな伸長を見せ、ブラジルが同地域を牽引しました。その結果、円高の影響を大きく受けたものの、同地域の売上高は2,488百万円(前年同期比6.4%増)と増収となりました。
その結果、当社グループ全体の当第3四半期連結累計期間における売上高は92,244百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
一方費用につきましては、主に自社株連動型報酬が減少したものの、のれん償却費及び人件費が増加し、売上原価および、販売費及び一般管理費の合計費用は69,514百万円(前年同期比3.0%増)と増加となり、当第3四半期連結累計期間の営業利益は22,730百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
また、当第3四半期連結累計期間の経常利益は主に期初からの為替差損の大幅な増加や、有価証券売却益が減少したこと等により、21,566百万円(前年同期比20.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,713百万円(前年同期比20.0%減)となりました
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の現金及び預金の残高は70,359百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,479百万円減少いたしました。また、TippingPointを買収したことによりのれんが大幅に増加したものの、投資有価証券及び有価証券が大幅に減少したこと等により、当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ18,799百万円減少の271,721百万円となりました。
一方、当第3四半期連結会計期間末の負債は主に未払法人税等の減少により前連結会計年度末に比べ6,985百万円減少の123,841百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、配当金の支払いや為替換算調整勘定の大幅な減少等により、前連結会計年度末に比べ11,813百万円減少の147,880百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間と比較して、1,481百万円収入が減少して21,397百万円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が減少したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間と比較して、34,080百万円支出が減少して14,138百万円のプラスとなりました。これは主に、事業譲受のための支払いを行ったものの、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が減少したことによるものであります。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間と比較して、2,720百万円支出が増加して13,090百万円のマイナスとなりました。これは主に、自己株式の処分による収入が減少したことなどによるものであります。
これらの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた結果、当第3四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物の残高は87,611百万円となり、前連結会計年度末に比べて16,932百万円増加しました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、4,101百万円であります。