当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)における世界経済は、世界的に金融政策の動向が注目される中、それに伴う為替変動や、地政学的リスクの長期化影響による不透明感もあり、景気の先行きが懸念されるなか推移いたしました。
情報産業につきましては、2024年の世界におけるIT支出額は昨年対比6.8%増の5兆ドルと見込まれています。
セキュリティ業界におきましては、引き続き国家機関等を狙ったサイバー攻撃、企業の機密情報の漏洩の被害、暗号資産の流出等をはじめとする特定の企業や組織を狙う標的型攻撃や、ランサムウェア等のサイバー攻撃が目立った他、生成AIが及ぼす影響も懸念される中で一層セキュリティ意識が問われる風潮が高まっております。
このような環境下、当社グループの経営状況は、以下のようなものでありました。
日本地域につきましては、法人向けビジネスは好調でした。特に当社セキュリティプラットフォームTrend Vision One™(以下、Vision One)を背景に、ネットワーク関連セキュリティ製品が牽引し、メール関連セキュリティ製品も伸長しました。個人向けビジネスは携帯電話ショップでの販売は成長継続しましたがPC向けセキュリティは低調でした。その結果、同地域の売上高は42,657百万円(前年同期比2.5%増)と増収となりました。
アメリカズ地域につきましては、Vision Oneの主要構成製品が牽引し、メールセキュリティ関連製品並びにネットワーク関連セキュリティ製品も伸長しました。一方、エンドポイント・クラウド関連セキュリティ製品は低調でした。円安の影響もあり、その結果、同地域の売上高は29,288百万円(前年同期比6.5%増) と増収となりました。
欧州地域につきましてはエンドポイント・クラウド関連セキュリティ製品はふるわず、ネットワーク関連セキュリティ製品も低調でしたが、Vision Oneの主要構成製品が大きく貢献し、法人向けビジネスは好調でした。加えて円安の影響もあり、その結果、同地域の売上高は28,561百万円(前年同期比21.8%増)と二桁増収となりました。
アジア・パシフィック地域につきましては法人向けビジネス全般において好調で、Vison Oneを背景にエンドポイント・クラウド関連セキュリティ製品が貢献しネットワーク関連製品、Vision Oneの主要構成製品も伸長しました。地域的にはオーストラリア、中東、台湾が同地域の売上を牽引しました。加えて円安の影響も受け、その結果、同地域の売上高は34,028百万円(前年同期比26.2%増)と二桁増収となり、全地域において最も高く伸長しました。
その結果、当社グループ全体の当中間連結会計期間における売上高は134,534百万円(前年同期比12.5%増)と全地域で増収となりました。
一方費用につきましては、円安影響も大きく受けた人件費やSaaSビジネス拡大に伴うクラウド利用コストの増加等により、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用は110,098百万円(前年同期比8.6%増)と増加し、当中間連結会計期間の営業利益は24,436百万円(前年同期比34.4%増)と増益となりました。
当中間連結会計期間の経常利益は為替差益があったこと等により26,371 百万円(前年同期比42.9%増)の増益となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は持分変動利益があったこと等により、17,895百万円(前年同期比50.9%増)の増益となりました。
当社が重要な経営指標として意識しているPre-GAAP(繰延収益考慮前売上高)ベースの営業利益24,654百万円となり、前年同期に比べ6,297百万円増加(前年同期比34.3%増)となりました。これは二桁成長したPre-GAAPが円安影響で増加した人件費やSaaSビジネス拡大に伴うクラウド利用コストの増加などによる売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用の増加以上に大きかったことによるものです。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末の現金及び預金の残高は144,282百万円となり、前連結会計年度末に比べ103,574百万円減少いたしました。
主に現金及び預金が大幅に減少したことに加え、受取手形、売掛金及び契約資産や投資有価証券も大きく減少したこと等により、当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ114,665百万円減少の377,963百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債は、繰延収益等が増加したものの、その他流動負債や未払費用が減少したこと等により前連結会計年度末に比べ1,445百万円減少の276,759百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産は為替換算調整勘定が大きく増加したものの、主に大幅な株主還元を目的とした配当金の支払いによる利益剰余金の大幅な減少と自己株式の取得による自己株式の大幅な増加等により、前連結会計年度末に比べ113,220百万円減少の101,203百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間と比較して、6,060百万円収入が減少して27,714百万円のプラスとなりました。これは主に、繰延収益残高が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間と比較して、1,382百万円支出が増加して2,694百万円のマイナスとなりました。これは主に、定期預金が増加したことによるものであります。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間と比較して、93,619百万円支出が増加して136,119百万円のマイナスとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したことなどによるものであります。
これらの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は159,534百万円となり、前連結会計年度末に比べて101,731百万円減少しました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループの研究開発費の総額は、2,966百万円であります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。