当期におけるわが国経済は、政府や日銀による継続的な財政・金融政策に加え、円安・株高等を背景にして、大企業を中心に企業収益が改善するなど景気は緩やかながら回復基調で推移したものの、一方では、円安に伴う物価上昇による実質所得の伸び悩みや中国経済の減速懸念などにより、先行き不透明な状況で推移しました。
その中で当社の属する建設コンサルタント業界の市場環境におきましては、平成26年度補正予算において公共事業関連予算の規模が縮小したことや、平成27年度当初予算についても成立が遅れたことなどが影響し、公共事業の発注量の減少および発注時期のずれ込みがあり、厳しい状況が続きました。
こうした状況の中、当社としては同業他社との差別化を目指し、顧客のニーズに合った技術提案の強化を最重要課題のひとつとして位置付け、さらには、既存構造物、例えば道路施設等の点検業務や補修設計などのメンテナンス関連分野にも積極的に営業活動を展開し、東日本エリアの受注拡大を目指して全社を挙げて取り組みましたが、当期の受注高は22億2千万円(前期比7.6%減)となりました。
収益面につきましては、前述のとおり、受注高が前期比7.6%減となりましたが、前期繰越業務が15億1千5百万円だったこともあり、売上高については前期並みの24億4千6百万円(同1.0%増)となりました。各利益については、納期の集中および人件費の嵩む施設点検業務の増加により外注費が増加したことにより売上総利益率が当初想定よりも下振れした結果、営業利益1億8千9百万円(同31.3%減)、経常利益1億4千9百万円(同37.1%減)、当期純利益8千6百万円(同41.0%減)となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりであります。
(建設コンサルタント事業)
建設コンサルタント事業の当期の業績は、前述のとおり、前期繰越業務の影響を受けて、完成業務収入22億7千1百万円(前期比0.8%増)となりましたが、一方で原価率が悪化したため、売上総利益6億5千7百万円(同13.4%減)となりました。
(不動産賃貸等事業)
不動産賃貸等事業の当期の業績は、入居率の上昇及び諸経費削減などにより、不動産賃貸等収入1億7千4百万円(前期比3.1 %増)、売上総利益5千1百万円(同21.8%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の流入はありましたが、投資活動および財務活動による資金の流出により、前事業年度末とほぼ同額の1億5千万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果流入した資金は、1億5百万円(前事業年度は流入した資金3億3千8百万円)となりました。これは、増加要因として主に税引前当期純利益1億4千9百万円、減価償却費8千7百万円、未成業務受入金の増加額6千7百万円などがありましたが、減少要因として売上債権の増加額8千5百万円、法人税等の支払額1億3千万円等があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果流出した資金は、2千9百万円(前事業年度は流出した資金1億4千9百万円)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出2千5百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果流出した資金は、7千6百万円(前事業年度は流出した資金8千9百万円)となりました。これは、主に短期借入金の純減少額1億5千万円、長期借入れによる収入16億9千4百万円、長期借入金の返済による支出15億7千1百万円、配当金の支払額3千9百万円等によるものであります。
セグメントの名称 | 当事業年度 (自 平成26年10月21日 至 平成27年10月20日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
建設コンサルタント事業 | 2,271,604 | 100.85 |
不動産賃貸等事業 | ― | ― |
合計 | 2,271,604 | 100.85 |
(注) 1 生産実績の金額は、販売価格で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
セグメントの名称 | 当事業年度 (自 平成26年10月21日 至 平成27年10月20日) | |||
受注高 | 受注残高 | |||
金額(千円) | 前年同期比 | 金額(千円) | 前年同期比 | |
建設コンサルタント事業 | 2,220,596 | 92.43 | 1,464,956 | 96.64 |
不動産賃貸等事業 | ― | ― | ― | ― |
合計 | 2,220,596 | 92.43 | 1,464,956 | 96.64 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
セグメントの名称 | 当事業年度 (自 平成26年10月21日 至 平成27年10月20日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
建設コンサルタント事業 | 2,271,604 | 100.85 |
不動産賃貸等事業 | 174,463 | 103.14 |
合計 | 2,446,068 | 101.01 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主要相手先別の販売実績は、次のとおりであります。
相手先 | 前事業年度 (自 平成25年10月21日 至 平成26年10月20日) | 当事業年度 (自 平成26年10月21日 至 平成27年10月20日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
新潟県 | 1,081,794 | 44.67 | 1,092,508 | 44.66 |
国土交通省 | 618,323 | 25.53 | 733,407 | 29.98 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の当社を取り巻く経営環境の見通しといたしましては、国土の防災・保全対策関連の増加は予測されますが、建設コンサルタント市場全体の規模は大幅な増加は考えにくく、さらに価格のみならず高品質を目指しての受注競争はより一層激化が進み、厳しい環境が続くものと予想されます。
こうした状況のもと、当社の主たる事業である地質、防災、土木設計において培った技術力を発揮し、事業量を確保し、さらに再生エネルギーをはじめとした環境関連部門に対しては、特に積極的な経営資源を投入し業容の拡大に努めます。
当社といたしましては、創業以来、蓄積されたノウハウを最大限活用し、絶え間なく積上げた技術力を駆使し、積極的に受注の確保に努め、高品質の成果品の提供を最重要課題とします。また、さらなる低コスト化を目指し、収益の向上に努めてまいります。
当社の有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のようなものがあります。当社は、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年1月18日)現在において判断したものであります。
(1)国および地方自治体への高い受注依存
当社は、国および地方自治体、特に新潟県を主要顧客としており、これらの官公庁に対する受注依存度は80%以上と高い比率となっております。このため、当社の受注環境は、政府の構造改革の影響を強く受け、今後大幅な公共事業の縮減が実施される場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格競争について
公共事業費の抑制傾向が継続し今まで以上に価格競争が厳しくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)季節変動について
当社の主要事業である建設コンサルタント事業は、主要顧客が国および地方自治体であるため、受注契約の工期が事業年度末の3月に集中する傾向にあります。この影響で、当社の売上高も事業年度の上半期に多く計上されるため、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。
(4)有利子負債について
当社は、その他事業として不動産賃貸業を営んでおりますが、不動産を取得する為の資金調達により、一時的に有利子負債が増加し、流動比率が低下することがあります。現時点においては、当社の経営を圧迫するには至っておりませんが、今後の金利水準および営業キャッシュ・フローの推移により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)固定資産の評価について
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、グルーピングされた固定資産について回収可能額を測定し、その結果、回収可能額が帳簿価額を下回る場合はその差額を減損損失として認識することとされており、今後も事業環境の変化などにより資産価値が低下した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、『「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」』に記載しているとおりです。
当社の財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に次の重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得見込み及びタックスプランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を検討しており、将来減算一時差異等のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した部分についてのみ、繰延税金資産を計上しております。今後、課税所得が見込み通り発生しない場合には、繰延税金資産の回収可能性について再度検討する必要があり、その結果、繰延税金資産の取崩が必要となる場合があります。
②投資有価証券の評価
その他有価証券で時価のあるものについては、期末日の時価が取得価額に比べて著しく下落したものを減損の対象としております。将来、株式市況や投資先の業績が悪化した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
③業務損失引当金
当社は、期末日現在における未成業務の損失発生見込額について、合理的に見積り、引当計上しております。
④固定資産の減損損失
当社は、固定資産の減損の兆候を判定するにあたっては、グルーピングされた資産について、主要な物件については社外の不動産鑑定士による不動産調査価額により、その他の物件については固定資産税評価額等に基づく正味売却価額により算定した回収可能価額及び会計基準に基づくその他判定基準により実施しております。減損の兆候が発生した場合には、将来キャッシュ・フロー等を見積り、回収見込額を測定して減損損失を計上する可能性があります。
(2)当事業年度の経営成績の分析
「1業績等の概要 (1)業績」を参照願います。
(3)当事業年度の財政状態に関する分析
当事業年度末の財政状態は、前事業年度末に比べ以下のとおりとなりました。
(資産)
資産合計は、54億2千1百万円(前事業年度末比5千1百万円増)となりました。
主な増減内訳は、完成業務未収入金(同8千4百万円増)、有形固定資産(同5千5百万円減)、投資有価証券(同3千6百万円増)等であります。
(負債)
負債合計は、33億8千9百万円(前事業年度末比2千4百万円減)となりました。
主な増減内訳は、短期借入金(同1億5千万円減)、1年内償還予定の社債(同2億円増)、1年内返済予定の長期借入金(同1億1千7百万円減)、未払法人税等(同8千5百万円減)、未成業務受入金(同6千7百万円増)、社債(同2億円減)、長期借入金(同2億4千6百万円増)等であります。
(純資産)
純資産合計は、20億3千2百万円(前事業年度末比7千5百万円増)となりました。
主な増減内訳は、利益剰余金(同4千7百万円増)等であります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
「1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」を参照願います。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
今後のわが国経済の見通し、及び建設コンサルタント業界の市場環境につきましては、引き続き厳しい状況が続くものと予想されますことから、当社としましては、従来から取り組んでいる総合評価落札方式への対応をより一層強化するとともに、技術提案力・コスト競争力・顧客との信頼確保に注力し、収益性向上に向けた原価管理の徹底ならびに諸経費削減などの諸策を継続的に実行していくことにより、業績向上に努めていく方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年1月18日)現在において判断したものであります。