第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等の重大なリスクはなく、前事業年度の有価証券報告書(2020年6月22日提出)に記載した内容に重要な変更はありません。

 しかしながら、現時点において、新型コロナウイルス感染症の収束は見通しがたたず、今後も業績に大きく影響する可能性があることから、引き続き動向を注視してまいります。

 当社グループは、従来から働き方改革として、時差出勤やテレワーク・テレビ会議の活用奨励を推進してまいりました。今上期にはニューノーマル適応プロジェクトを立ち上げ、本社機能の一極集中リスクの回避ならびに管理業務の効率化、生産性向上のため、山陰事業部への一部業務移管等を推進しています。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結累計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、国内外の景気への影響が懸念されるなか、今後の経済活動、企業の経営環境および雇用情勢などの先行きは不透明な状況です。

当社グループが属する情報サービス業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークを想定したIT環境の導入・整備が進み、情報資産のクラウド化の加速などの新たなニーズが高まっています。その一方で、ソフトウェア開発やシステム基盤における新規案件の取りやめや既存案件の延伸など、マイナスの動きが一部に見られます。

当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日)における当社グループの業績は、システム基盤、サイバーセキュリティおよびコンサルティングが堅調に、システム運営管理が前期と同水準でそれぞれ推移したことにくわえ、買収した子会社の寄与があったものの、ソフトウェア開発およびシステム運営管理などにおいて、前期大型プロジェクト5件の終了による19億86百万円の反動減があり、売上高は183億30百万円(前年同期比6.2%減)となりました。

収益面においては、売上の減少にともなう利益の低下にくわえ、新型コロナウイルス感染症の拡大による、顧客企業のシステム投資計画の見直し等にともなう技術者の稼働率低下、子会社3社を取得したことによるM&A関連費用1億16百万円、うち2社ののれん償却費43百万円およびニューノーマル適応プロジェクト(注)に係る費用の計上等があり、営業利益は9億46百万円(同44.9%減)、経常利益は10億35百万円(同40.9%減)となりました。また、投資有価証券売却益があり、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億81百万円(同28.3%減)となりました。

 

(注):新型コロナウイルスとの共存を見据えた柔軟で効率的な働き方を推進するための社内改革プロジェクトのこと。フリーアドレスオフィス「THE Forest Room」の新設、山陰事業部への本社管理業務の一部移管、マーケティング視点でのホームページの全面リニューアル等に取り組んでいます。

 

なお、当社の事業セグメントは単一セグメントであり、サービスごとの業績を以下のとおり記載しています。

 

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

 (自 2019年4月1日

   至 2019年12月31日)

当第3四半期

連結累計期間

 (自 2020年4月1日

   至 2020年12月31日)

前年同期比

増減額

 増減率(%)

システム運営管理

売上高

8,985

8,933

△51

△0.6

売上総利益

2,098

2,057

△41

△2.0

売上総利益率

23.4

23.0

△0.3P

ソフトウェア開発

売上高

6,685

5,676

△1,008

△15.1

売上総利益

1,837

1,380

△456

△24.9

売上総利益率

27.5

24.3

△3.2P

システム基盤

売上高

1,827

1,867

40

2.2

売上総利益

535

550

14

2.8

売上総利益率

29.3

29.5

0.2P

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育

売上高

1,334

1,512

178

13.4

売上総利益

343

452

109

31.8

売上総利益率

25.7

29.9%

4.2P

その他

売上高

706

340

△366

△51.9

売上総利益

35

11

△23

△67.6

売上総利益率

5.0

3.4%

△1.6P

合計

売上高

19,538

18,330

△1,208

△6.2

売上総利益

4,850

4,453

△397

△8.2

売上総利益率

24.8%

24.3%

△0.5P

 

① システム運営管理

金融関連既存顧客の体制強化にともなう増員や、今期に買収した子会社の寄与、通信および公共関連既存顧客における新規案件の獲得がありました。しかしながら金融関連既存顧客における前期大型プロジェクト完了にともなう2億24百万円の反動減や要員の削減にくわえ、医療関連システム運用業務における一部案件の完了や新型コロナウイルス感染症の拡大による新規案件の落込みなどにより、売上高は89億33百万円(同0.6%減)とほぼ横ばいとなりました。

 

② ソフトウェア開発

今期に買収した子会社の寄与や、既存製造関連プロジェクトへの増員による受注拡大があったものの、公共および金融関連既存顧客における前期大型プロジェクト3件の完了にともなう13億23百万円の反動減により、売上高は56億76百万円(同15.1%減)となりました。

 

システム基盤

今期に買収した子会社の寄与や、運輸関連既存顧客におけるDX関連プロジェクトへの増員による受注拡大、公共関連既存顧客における新規案件の獲得により、売上高は18億67百万円(同2.2%増)となりました。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育

サイバーセキュリティにおけるオペレーターの増員や製品販売の増加にくわえ、コンサルティング業務の売上が増加したため、売上高は15億12百万円(同13.4%増)となりました。

⑤ その他

金融関連の一部事業の終了や、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるライセンス販売の買控えや一部案件の延期にくわえ、製品販売における前期大口受注の反動減等があり、売上高は3億40百万円(同51.9%減)となりました。

 

なお当社は、2020年7月21日、会社法第370条および当社定款第25条(取締役会決議の省略)に基づき、株式会社GIテクノスの全株式を取得することを決議し、2020年8月3日付で子会社化しました。

また当社は、2020年11月9日開催の取締役会において、株式会社ウィズ・ホールディングス(以下、WHD社)の発行済み株式の一部を取得することで子会社化し、その後当社を株式交換完全親会社とし、WHD社を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を実施することを決議し、同日付で株式譲渡契約および株式交換契約を締結しました。当該契約に基づき、WHD社を2021年1月4日付で子会社化、2021年1月27日付で完全子会社化しました。

WHD社は、1981年4月に設立した株式会社システムデザインを中核子会社とする持株会社です。茨城県および東京都をおもな事業拠点として、運輸、製造、医薬、公共、エネルギー、情報通信など幅広い分野におけるソフトウェア開発を強みとし、大手製造企業をはじめとした強固な顧客基盤を有しています。とりわけ創業以来取り組んでいる制御系システムや、エネルギーや公共、通信分野などの業務系システムなど、今後も成長が見込まれる事業領域において豊富な開発実績と業務ノウハウをもち、一層の成長が期待されます。

今回の株式取得および株式交換による完全子会社化は、顧客基盤の強化と優れた技術力の獲得にくわえ、ソフトウェア開発分野において両社がもつ業務ノウハウの共有や、協業による大型案件の生産体制の構築など、さまざまな相乗効果の創出により、付加価値の向上につながると考え、実施することとしました。

 

《経営施策の取組み状況》

近年、情報サービス業界において、RPA・AIなどのデジタル技術を活用した既存ビジネスの変革、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)の急速な進展や、システムの「所有」から「利用」への転換、IoT機器の急激な増加、高度化するサイバー攻撃など、ITをとりまく顧客ニーズが多様化し、経営環境が大きく変動しています。当社グループは、このような市場の変化を成長機会ととらえ、さらなる事業拡大に向けて取り組むべく、中期経営計画「Next 50 Episode Ⅰ 覚醒 ! (Awakening !)」(2020年3月期~2022年3月期)を策定しました。

この中期経営計画では「未来志向型企業文化の醸成」「デジタルトランスフォーメーション(DX)によるUP-GradeされたBusiness Modelの展開」「ESG(注)の推進」を3つの基本方針とし、各施策に取り組んでいます。

 

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(注):ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字。各分野への適切な対応が企業の長期的
成長の原動力となり、持続可能な社会の形成に役立つという考え方。

① 未来志向型企業文化の醸成

当社グループの持続的な成長には、人材の多様性およびイノベーションの創出が欠かせません。多様な人材の採用・育成に取り組むとともに、人材が能力を最大限発揮できるよう、組織・制度・環境を整備しています。また、未来に向けて挑戦する風土の醸成およびイノベーションの創出を進めています。

取組み実績は以下のとおりです。

・ソフトウェア開発部門において、一括受託型プロジェクトの管理強化や国内外の各拠点を含めた適正な人員配置を行なうため、グローバルイノベーションセンター(GIC)を新設

・新型コロナウイルスとの共存を見据えた柔軟で効率的な働き方を推進するため、社内改革「ニューノーマル適応プロジェクト」を開始

・株式会社インフォメーション・ディベロプメント(以下、「ID社」)が、東京本社の業務分散化や、より多様で柔軟な働き方の実現等の業務改革を推進するため、本社機能の一部を山陰事業部に移管

・当社グループ全体でアイデアや技術を共有し、新たなビジネスにつなげることを目的とした「ニューノーマル・アイデア提案表彰制度」を新設

・社内人財(注)に関するデータを一元管理し、柔軟かつ迅速に経営課題に対応した人事戦略を立案するため、人財マネジメントシステムを導入

・社員の能力向上を図るため、業務ノウハウや技術スキルの共有が可能な社内向けeラーニングシステム「ID Campus」をリリース

・当社グループや顧客にとって有益となる提案を募集し、既存の業務や慣習を見直すことを目的とした「これ止めま賞表彰制度」を新設

 

(注):当社は、社員が会社の重要な財産のひとつであるとの考えから、「人材」を「人財」と表記しています。

 

② デジタルトランスフォーメーションDX、注によるUP-GradeされたBusiness Modelの展開

近年の急激なデジタル化の流れを受けて、顧客企業は新たなテクノロジーの導入・活用を積極的に進めています。当社グループは、長年蓄積してきた顧客システムに関する業務知識やノウハウをもとに、既存のサービスソリューションにアドバンスト・テクノロジー(RPA、AI、クラウド、サイバーセキュリティ、IoT等のデジタル技術や、ITサービスマネジメントやアジャイル等の高度マネジメント手法)を組み合わせることで、顧客ニーズにあった付加価値の高い、UP-Gradeされたサービスモデルを提供します。

こうしたサービスモデルの実現に向けて、この3か年は技術者育成に重点をおき、積極的に教育投資を行なっています。また、従来のサービスをより上流工程へとシフトすることで、人月型ビジネスから成果報酬型ビジネスへ転換を図ります。既存事業の拡大にくわえ、新規領域への積極的な投資を行い、競争優位性を高め、収益性向上を図ります。

取組み実績は以下のとおりです。

・ID社が、鳥取県米子市にIDクラウドマネージドセンターを新設し、クラウド環境の設計および構築、移行後の運用保守までをサポートする「マルチクラウドソリューションサービス ID-Cross」の提供を開始

・ニューノーマル適応に向けた新たなマーケティング戦略の立案や、技術動向等の情報収集、新規商材の発掘や販売を推進するため、ID社にマーケティング部を新設

・株式会社DXコンサルティング(以下、「DX社」)が、国際的な試験機関であるEXIN社の「EXIN BCS Artificial Intelligence(AI)人工知能 Foundation」資格に対応した認定コースを日本で初めて開講

・ID社が、遠隔作業支援システムIDEye(アイディアイ)に新機能を追加し、作業効率の大幅な向上を実現

・ID社が、高度なセキュリティ製品であるSeceon OTMを活用した「ネットワーク監視&インシデント対応サービスNDR(Network Detection and Response)」の提供を開始

・DX社が、業務支援ツール(ITサービスマネジメントツール等)をリモートでも導入可能な「らくらく導入支援サービス」を開始

・ID社が、次世代のサイバーセキュリティテクノロジーに関する業界最大級のカンファレンス「PALO ALTO NETWORKS DAY 2020 VIRTUAL」にて、バーチャルブースの展示や講演を実施

・株式会社プライドが、顧客のDXにつながる独自の方法論に基づくコンサルティングサービスを評価され、情報システム学会主催の浦昭二記念賞(実践賞)を受賞

・DX社が、マルチベンダ環境下でのITシステムの開発・運用を最適化するフレームワークである、SIAM®(サービス統合管理)の上位コースを開講

・ID社が、官民さまざまな分野の識者が参加し、最新の情報セキュリティトレンドを紹介するMcAfee社主催のカンファレンス「2020 MPOWER Cybersecurity Summit」に協賛、バーチャルブースの展示を実施

(注):デジタルトランスフォーメーションとは、既存のサービスソリューションに、RPAやAI、IoTなどアドバンスト・テクノロジー(先端技術)を組み合わせることで、既存ビジネスを変革すること。

 

③ ESGの推進

当社は情報サービスの提供を通じて社会課題の解決に積極的に取り組むとともに、持続的な成長および社会価値の創造を目指します。ESG推進部を立ち上げ、環境、社会、ガバナンスの各分野での取組みを強化することで、顧客、株主、従業員などすべてのステークホルダーとともに成長・発展していけるよう努めています。

取組み実績は以下のとおりです。

・当社グループの内部統制体制の整備・運用状況を定期的に評価し、必要な改善措置を議論・検討することを目的として、グループ内部統制会議を設置

・コミュニケーションの活発化や新たなイノベーションの創出を図るため、フリーアドレスオフィス「THE Forest Room」を開設

リモートアクセスサービスの利用やサテライトオフィスの活用により、社員の多様な働き方をサポート

・従業員の健康課題を重点テーマとして取り上げ、生活習慣予防セミナーの開催や、歩行習慣アプリの導入により健康経営への取組みを強化

・従業員の環境意識を強化し、生活環境の維持・向上につなげるため、IDグループ環境強化月間「Happy Earth Challenge」を実施

・新型コロナウイルス感染拡大により活動を制限されている芸術家を支援するため、演奏動画をホームページにて公開

・「IDグループ献血DAY」を開催し、日本赤十字社により献血サポーターに認定

・慶應義塾大学に対してCOVID-19の研究費を寄付

・未来の情報産業を支える人材の発掘・育成に寄与するため、情報オリンピック日本委員会の活動に協賛

・艾迪系統開発(武漢)有限公司(以下、「ID武漢」)が、中国の華中科技大学に対し新型コロナウイルス感染対策に向けた衛生用品を寄付

・ID武漢が、中国東湖磨山景区にて従業員による清掃活動を実施

(2) 財政状態の分析

 

(資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、現金及び預金の増加12億91百万円、3件のM&Aによるのれんの増加11億43百万円および投資有価証券の増加2億74百万円などにより、前連結会計年度末に比べ26億4百万円増加し、178億54百万円となりました

 

(負債の部)

当第3四半期連結会計期間末の負債の部は、賞与引当金は前期末は6ヶ月分、当期末は3ヶ月分の引当などにより7億24百万円減少しましたが、3件のM&Aの資金調達もあり有利子負債が25億83百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ19億59百万円増加し、84億78百万円となりました。

 

(純資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、期末および中間配当金支払5億71百万円による減少がありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益7億81百万円およびその他有価証券評価差額金の増加1億40百万円などにより、前連結会計年度末に比べ6億45百万円増加し、93億76百万円となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発の金額は127百万円です。おもな取組みとして、画像分析・動画技術・音声認識の研究、スマートグラス活用の調査およびナレッジ蓄積システムに関する研究および開発を行っています。また、先端IT技術の情報収集および研究のため、米国ベンチャーキャピタルへの出資や慶應義塾大学との協業を行っています。

なお、当社グループの報告セグメントは「情報サービス事業」の単一セグメントであり、セグメント別の記載を省略しています。

 

(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析

当社グループの主な資本の財源は、内部資金および金融機関からの借入等です。当第3四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は24億20百万円、1年内返済予定の長期借入金の残高は6億12百万円、長期借入金の残高は4億97百万円です。

なお、当社グループは、資金調達の機動性と効率性を高めるため、取引銀行7行と総額39億10百万円の当座貸越契約および取引銀行5行と融資枠設定金額11億円の貸出コミットメントライン契約を締結しています。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当社は、2020年11月9日開催の取締役会において、株式会社ウィズ・ホールディングス(以下、WHD社)の発行済み株式の一部を取得することで子会社化し、その後当社を株式交換完全親会社とし、WHD社を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を実施することを決議し、同日付で株式譲渡契約および株式交換契約を締結しました。当該契約に基づき、WHD社を2021年1月4日付で子会社化、2021年1月27日付で完全子会社化しました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表」の注記事項(企業結合等関係)をご参照ください。