第2【事業の状況】

この項の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当連結会計年度は、売上高が12.4%増加、営業利益が31.9%増加となり、売上高、営業利益ともに3期連続で過去最高となりました。

AIやIoT、ディープラーニングといった新しいテクノロジーの活用が徐々に本格化し、製品やサービス、ビジネスの在り方にも変化をもたらしている中、当社グループの主要顧客である製造業もその変化に対応するため積極的な研究開発や設備投資を行っております。一方で、米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱問題など、グローバル化の進展ゆえの様々な問題が表面化しております。特に米中貿易摩擦は世界経済を巻き込んだ争いとなっており、日本にとって重要な米中両国との関係もまた予断の許さない状況にあります。足元では活発な製造業の投資につきましても、今後の動向を注視する必要があると考えております。

世界規模での経済構造の変化が進む中、日本の製造業が置かれた状況は厳しさを増しており、お客様が求めるITソリューションの水準も一層高度化かつ複雑化しております。このようなニーズにお応えするためには、お客様の課題を把握し、多様なソフトウェア、ハードウェアの中から的確かつ最適な製品を見出すことができる知見と、お客様の事業価値向上につながるソリューションを実現する技術力が非常に重要になります。引き続き先端技術の研究や社員の能力開発に努めるとともに、アルゴグラフィックスグループ全体の事業基盤を強固にするための施策に迅速に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループは、PLMソリューションの提供を主たる業務とする他、各種サーバー、PCクラスター等のシステム構築及びハードウェアの保守並びにEDAソリューションに係る業務を行っておりますが、当社グループの顧客は製造業が中心となっております。当社グループでは、製造業向けのソリューション提供を通じて習得した技術をベースに他産業における顧客の開拓に努めておりますが、依然として製造業向けの売上高比率が高い状況にあります。従いまして、製造業のIT投資の規模が縮小された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

また、主力製品である3次元設計システム「CATIA」を中心とする仕入先ダッソーシステムズ社の経営方針の大幅な変更、製品の評価により当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1 業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、自然災害に伴う一時的な経済活動の停滞や輸出の一部で弱さが見られるものの、企業収益の改善が進むとともに、雇用および所得環境の改善等もあり、全体としては緩やかな景気拡大傾向で推移しました。一方、米中貿易摩擦の激化と中国経済の減速、イギリスのEU離脱問題を始めとする各国の政情不安定化、更には本年10月に控えた消費増税などにより、経済の先行きは不透明感を増しております。

当社グループの主要取引先である自動車業界では、環境・安全性能に対する規制が一層強化されておりますが、その流れの中、燃費向上や多様な動力源への対応、運転支援システムの機能向上・改善などに関わる研究開発が活発になっております。また、半導体業界では、スマートフォンや高性能サーバー向けの需要は減速基調にありますが、車載向けは高水準を維持しており、IoT技術やAIの利用拡大に伴った用途拡大の流れも継続しております。

このような状況下、当社グループでは、各社においてそれぞれの特長を活かした事業戦略を推進しながら、グループ間の連携も促進することで事業基盤の一層の強化とビジネスの拡大に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、引き続き前向きな製造業の投資意欲に対し、多様なソリューション提案によりお客様のニーズへ対応できたことが功を奏し、売上高は45,174百万円(前期比12.4%増)となりました。営業利益につきましては、人員増及び待遇改善による人件費の上昇に加え、案件増に伴い外注費も増加したものの、増収効果が大きく、4,951百万円(前期比31.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、大幅な営業増益を達成したことから、3,530百万円(前期比36.6%増)となりました。

売上高をセグメント別にご説明いたしますと、次のとおりであります。

 

 

セグメント区分

サービス区分

前連結会計年度

当連結会計年度

比較増減

売上高

(百万円)

構成比

(%)

売上高

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

増減率

(%)

PLM事業

PLMソリューション

24,951

62.0

27,914

61.8

2,962

11.9

システム構築支援

11,674

29.1

13,627

30.2

1,952

16.7

HW保守・その他

1,718

4.3

1,760

3.9

42

2.5

小 計

38,344

95.4

43,302

95.9

4,957

12.9

EDA事業

EDAソリューション

1,831

4.6

1,871

4.1

39

2.2

合 計

40,176

100

45,174

100

4,997

12.4

上記の表においては、セグメント間の取引金額を相殺して表示しております。

 

以下、セグメント別の概要をご報告いたします。

[PLMソリューション]

次世代自動車の研究開発競争が激しくなる中、自動車業界では、開発力の強化と働き方改革の促進との両立を図りつつ、より効果的な生産開発体制の構築を目指してIT投資が活発に行われておりますが、当社の技術力と知見を活かしたソリューションの提供に努め、お客様のニーズに的確にお応えできたことが功を奏し、前連結会計年度比2,962百万円(11.9%)増加し、27,914百万円となりました。

[システム構築支援]

前期に引き続き、積極的な生産増強を背景として半導体の製造ライン工程管理システムへの需要が旺盛であったことなどから、前連結会計年度比1,952百万円(16.7%)増加し、13,627百万円となりました。

[HW保守・その他]

PLMソリューション及びシステム構築支援におけるハードウェア販売が堅調に推移したことにより保守料も増加したことから、前連結会計年度比42百万円(2.5%)増加し、1,760百万円となりました。

[EDAソリューション]

主力製品であるSX-Meisterの新バージョンについて販促活動と新規顧客開発に取り組んだこと、また、設計受託ビジネスにおいて積極的なソリューション提案を行ったことなどから、前連結会計年度比39百万円(2.2%)増加し、1,871百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,952百万円(同23.2%)増加し、15,676百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は4,271百万円となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益5,242百万円、減価償却費89百万円、のれん償却費278百万円、賞与引当金の増加額7百万円、役員賞与引当金の増加額20百万円、退職給付に係る負債の増加額166百万円、株式給付引当金の増加額60百万円、役員株式給付引当金の増加額27百万円、長期未払金の増加額1百万円、その他流動資産の減少額17百万円、仕入債務の増加額2,839百万円、前受金の増加額448百万円、未払消費税等の増加額143百万円、その他流動負債の増加額81百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額2,457百万円、リース投資資産の増加額577百万円、たな卸資産の増加額158百万円、前渡金の増加額408百万円、法人税等の支払額1,457百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は278百万円となりました。

収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入2,370百万円、差入保証金の回収による収入7百万円、投資有価証券の売却による収入20百万円、有価証券の償還による収入1,200百万円、関係会社株式の売却による収入30百万円、会員権の満期償還による収入2百万円であり、支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出2,627百万円、差入保証金の差入による支出1百万円、有形固定資産の取得による支出49百万円、無形固定資産の取得による支出11百万円、投資有価証券の取得による支出1,207百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,010百万円となりました。

支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出75百万円、配当金の支払額871百万円、非支配株主への配当金の支払額64百万円であります。

 

2 仕入等、受注及び販売の実績

(1)仕入等の実績

当連結会計年度における仕入等の実績を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント/サービス

金額(千円)

前年同期比(%)

PLM事業

 

 

PLMソリューション

22,267,122

113.6

システム構築支援

9,426,170

102.9

HW保守・その他

1,405,369

99.2

小 計

33,098,662

109.7

EDA事業

 

 

EDAソリューション

765,892

104.0

合 計

33,864,554

109.6

(注)1 「PLMソリューション」及び「システム構築支援」は主にハードウェア及びそれらに搭載するソフトウェアに係る商品仕入、社内SEコスト、外注費であります。

2 「HW保守・その他」は主に保守等に係る原価であり、主として外部からの仕入費用であります。

3 「EDAソリューション」は主に自社開発製品に係る労務費、外注費であります。

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

当連結会計年度における受注高及び受注残高の状況を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。

①受注高

セグメント/サービス

金額(千円)

前年同期比(%)

PLM事業

 

 

PLMソリューション

29,129,584

115.8

システム構築支援

13,885,871

110.4

HW保守・その他

1,764,416

97.2

小 計

44,779,871

113.2

EDA事業

 

 

EDAソリューション

1,945,154

108.1

合 計

46,725,026

113.0

(注)1 金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②受注残高

セグメント/サービス

金額(千円)

前年同期比(%)

PLM事業

 

 

PLMソリューション

5,246,822

130.5

システム構築支援

2,208,477

113.2

HW保守・その他

546,371

100.7

小 計

8,001,671

122.9

EDA事業

 

 

EDAソリューション

889,488

107.4

合 計

8,891,159

121.1

(注)1 金額は、販売価額によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント/サービス

金額(千円)

前年同期比(%)

PLM事業

 

 

PLMソリューション

27,914,629

111.9

システム構築支援

13,627,543

116.7

HW保守・その他

1,760,669

102.5

小 計

43,302,843

112.9

EDA事業

 

 

EDAソリューション

1,871,602

102.2

合 計

45,174,445

112.4

(注)1 主要な販売先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
主要な販売先の販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10以上のものはありません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

当連結会計年度における資産合計及び負債純資産合計は、以下の要因により、前連結会計年度末に比べ6,836百万円増加し、44,918百万円となりました。

①資産

流動資産は、現金及び預金が3,897百万円増加、受取手形及び売掛金が2,529百万円増加、電子記録債権が70百万円減少、リース投資資産が577百万円増加、有価証券が1,859百万円減少、商品が30百万円増加、仕掛品が128百万円増加、その他が395百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末比5,628百万円増の31,859百万円となりました。

固定資産は、有形固定資産が3百万円減少、無形固定資産が314百万円減少、投資その他の資産のうち、投資有価証券が1,534百万円増加、繰延税金資産が1百万円増加、その他が9百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末比1,207百万円増の13,059百万円となりました。

②負債

流動負債は、買掛金が2,839百万円増加、短期借入金が75百万円減少、未払法人税等が246百万円増加、賞与引当金が7百万円増加、役員賞与引当金が20百万円増加、前受金が448百万円増加、その他が245百万円増加したことにより、前連結会計年度末比3,732百万円増の12,465百万円となりました。

固定負債は、退職給付に係る負債が162百万円増加、株式給付引当金が60百万円増加、役員株式給付引当金が27百万円増加、繰延税金負債が58百万円減少、その他が1百万円増加したことにより、前連結会計年度末比194百万円増の3,121百万円となりました。

この結果、負債合計は前連結会計年度末比3,926百万円増の15,587百万円となりました。

③純資産

純資産は、利益剰余金が2,659百万円増加、その他有価証券評価差額金が182百万円増加、退職給付に係る調整累計額が2百万円増加、為替換算調整勘定が31百万円減少、非支配株主持分が96百万円増加したことにより、前連結会計年度末比2,909百万円増の29,331百万円となりました。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて4,997百万円(12.4%)増加し、45,174百万円となりました。主要取引先である製造業の旺盛な投資意欲を背景に当社を中心に業績が伸長いたしました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて1,431百万円(14.5%)増加し、11,333百万円となりました。案件増に伴う外注費の増大により売上原価が増加いたしましたが、増収効果が大きく、増益となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて232百万円(3.8%)増加し、6,382百万円となりました。人員増や待遇改善により人件費を中心に費用が増加いたしました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて1,198百万円(31.9%)増加し、4,951百万円となりました。販売管理費が増加したものの、増収に伴い利益も拡大いたしました。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて1,212百万円(30.0%)増加し、5,250百万円となりました。営業外収益358百万円の主な内訳は、受取利息36百万円、受取配当金133百万円、持分法による投資利益150百万円であり、営業外費用の主な内訳は、デリバティブ評価損36百万円であります。

(特別損益)

主な特別損失として投資有価証券評価損2百万円、関係会社株式売却損4百万円を計上いたしました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて947百万円(36.7%)増加し、3,530百万円となりました。これは、経常利益が増加したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4)キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

2015年

3月期

2016年

3月期

2017年

3月期

2018年

3月期

2019年

3月期

自己資本比率(%)

64.2

63.2

64.5

64.5

61.3

時価ベースの自己資本比率(%)

61.5

55.4

71.1

96.0

112.0

キャッシュフロー対有利子負債比率(年)

0.03

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

3,228.1

(注)上記の値の算出は、いずれも連結ベースの財務数値を用い、以下の式によっております。

自己資本比率             :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率       :株式時価総額/総資産

キャッシュフロー対有利子負債比率(年):有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ   :営業キャッシュ・フロー/利払い

・株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

・営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー「小計」に「利息及び配当金の受取額」を加えた値を使用しております。

・有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

・利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

経営に関する契約

契約会社名

相手先

契約書及び契約内容

契約期間

㈱アルゴグラフィックス

SCSK㈱

資本・業務提携に係る基本合意書

本契約は、SCSK㈱(旧社名住商情報システム㈱)との間の信頼関係を基盤として相互の事業の拡大と発展を図ることを目的とし、資本提携関係を構築するとともに、ビジネスパートナーとして製造業を対象とした基幹系及びエンジニアリング系ソリューションを総合的に展開すべく業務提携するものである。

本契約は、締結日より1年間を契約期間とするが、期間満了2ヶ月前までに当事者の一方から相手方に対して解約の意思表示がない限り、1年間自動延長される。

 

仕入に関する契約

契約会社名

相手先

契約書及び契約内容

契約期間

㈱アルゴグラフィックス

日本アイ・ビー・エム㈱

IBMビジネス・パートナー契約書

本契約は、日本アイ・ビー・エム㈱がビジネス・パートナー(以下「BP」という)をそれぞれのタイプに認定し、BPは認定されたBPタイプに基づき、「製品」及び「サービス」を取扱うことに関して定めるものである。

本契約は、2年間を契約期間として自動更新される。ただし、当事者の一方から相手方に対して契約期間満了日の3ケ月前までに書面による通知をもって、本契約を終了することができる。

㈱アルゴグラフィックス

ダッソー・システムズ㈱

Distributor Agreement

本契約は、ダッソー・システムズ㈱(以下「DS社」という)との間の、CATIAをはじめとするDS社製品の販売代理店契約である。

本契約は、期間の定めを設けていないが、必要に応じて内容を更新している。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は270,866千円であります。内訳は、㈱ジーダットが電気・電子系CADソフトの開発を行うEDA事業において253,478千円、製造業を中心とした民間企業及び官公庁向けのシステム開発を行うPLM事業において17,388千円であります。