第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の継続的な拡大に加え、堅調な個人消費に支えられ、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、労働市場においては、人手不足の深刻化に伴い人件費の上昇が各社の経営に影響を与えており、物価上昇とあいまって、事業環境は依然として予断を許さない状況が続いております。

 また、当社グループの主要な事業にあたる学習塾業界におきましては、こうした経済状況に加え、少子化の進行や大学入学共通テストをはじめとする入試制度改革による入試方法の多様化により、教育ニーズはより個別化・多様化が求められる傾向にあるため、個別のニーズに対応する質の高い教育サービスの提供が一層重要となっております。

 こうした環境のもと、少子化を前提としたビジネスモデルである当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針としております。

 進学個別指導塾の「TOMAS」をはじめ、家庭教師派遣の「名門会」、幼児教育の「伸芽会」など、幅広い年齢層に合わせたサービスを展開することで、多様な顧客層の期待に応えるべく努めてまいりました。また、学校法人との連携を深める「スクールTOMAS」や、体験型教育プログラムにより子どもたちの人格形成・情操教育をサポートする「プラスワン教育」のサービスを通じて、市場の変化に柔軟に対応し、独自の価値を提供し続けることで競争力を強化しております。

 また、ヒューリック株式会社のグループ会社になったことでさらに連携が強化されたことに加え、当社、ヒューリック株式会社およびコナミスポーツ株式会社との3社で開発を進めている教育特化型ビル「こどもでぱーと」が2025年4月に中野(東京都)とたまプラーザ(神奈川県)に同時開業し、当社グループの1歳からの「囲い込み戦略」がより推進されるだけでなく、教育分野における市場優位性と相互シナジーを発揮し、「子どもたちの未来のために」よりよい教育サービスの提供が可能となりました。

 そのほか、株式会社伸芽会とコナミスポーツ株式会社をはじめ、株式会社プラスワン教育と株式会社UNI SOUND、当社と株式会社リトプラ、株式会社スクールTOMASと株式会社ジェイ・エス・ビー・ネットワークなど、異業種との提携により、社会的価値を創出することでさらなる成長発展を目指します。

 加えて、2025年9月1日に持株会社体制へ移行したことにより、持株会社である当社が、当社グループ全社の戦略的意思決定を行い、各事業会社はその運営に関する業務に注力できる体制となりました。これにより事業ポートフォリオ全体のリスクを俯瞰的に把握し、経営資源の最適配分を行うとともに経営環境の変化に柔軟に対応し、持続的な成長の実現に取り組んでまいります。

 なお、当中間連結会計期間においては、売上高は前中間連結会計期間を上回り増収となった一方、セグメント別では主力事業であるTOMASは生徒数が期首で計画に対し下振れ、成長が鈍化、伸芽会は託児事業、学童事業の生徒数は順調に推移したものの受験局での生徒数が減少したことにより減収、名門会とスクールTOMASは増収となりました。

 さらに、既存校の賃料の上昇および新校開校に伴う地代家賃の増加、優秀な人材の定着のためのベースアップをおこなったことによる人件費、採用コストの増加、新校開校に伴う広告宣伝費が増加したほか、グループ統合顧客データベースの活用による業務効率化、グループシナジー効果の発揮、顧客サービス価値の最大化を実現するためのDX施策への戦略的な投資コストなどにより費用が一時的に増加いたしました。

 

 以上の結果、売上高は16,762百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は779百万円(前年同期比46.6%減)、経常利益は800百万円(前年同期比45.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は552百万円(前年同期比38.2%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりとなります。

①TOMAS(トーマス)[学習塾事業部門]

 完全1対1の進学個別指導による高品質な教育サービスを提供し、売上高は8,400百万円(前年同期比0.1%増)、内部売上を含むと8,444百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

 当中間連結会計期間におきましては、TOMAS湘南台校(神奈川県)、TOMAS仙川校(東京都)、TOMAS新川崎校(神奈川県)、TOMAS鵜の木校(東京都)を新規開校、TOMAS国立校(東京都)、TOMAS門前仲町校(東京都)、TOMAS中野校(東京都)、TOMAS松戸校(千葉県)、TOMAS大泉学園校(東京都)をリニューアルいたしました。

②名門会 [家庭教師派遣教育事業部門]

 100%プロ社会人講師による教育指導サービスの提供に加え、全国区へ事業展開を図っており、売上高は2,370百万円(前年同期比4.4%増)となりました。

 当中間連結会計期間におきましては、MEDIC名門会京都駅前校(京都府)を新規開校、名門会星ヶ丘駅前校(愛知県)をリニューアルいたしました。

③伸芽会 [幼児教育事業部門]

 名門幼稚園・名門小学校受験業界でトップクラスの合格実績を誇る既存事業「伸芽会」に加え、受験対応型の長時間英才託児事業「伸芽’Sクラブ(しんが~ずくらぶ)」の2つのブランドの充実を図り、売上高は3,095百万円(前年同期比0.8%減)、内部売上を含むと3,119百万円(前年同期比0.8%減)となりました。

 当中間連結会計期間におきましては、伸芽会こどもでぱーとたまプラーザ教室(神奈川県)、伸芽’Sクラブ託児こどもでぱーとたまプラーザ校(神奈川県)、伸芽’Sクラブ学童こどもでぱーとたまプラーザ校(神奈川県)、伸芽’Sクラブ学童こどもでぱーと中野校(東京都)、伸芽’Sクラブ託児吉祥寺校(東京都)を新規開校いたしました。

④スクールTOMAS [学校内個別指導事業部門]

 学校内個別指導塾「スクールTOMAS」の営業展開を推し進め、売上高は1,839百万円(前年同期比7.9%増)となりました。

⑤プラスワン教育 [人格情操合宿教育事業部門]

 情操分野を育む多彩な体験学習サービスの提供を行い、売上高は1,045百万円(前年同期比4.4%減)、内部売上を含むと1,051百万円(前年同期比4.4%減)となりました。

 当中間連結会計期間におきましては、TOMAS体操スクール目黒校(東京都)をリニューアルいたしました。

⑥その他の事業

 売上高は11百万円(前年同期比19.1%増)、内部売上を含むと74百万円(前年同期比6.5%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の総資産は、営業未収入金、前払費用、有形固定資産、無形固定資産、繰延税金資産、敷金及び保証金の増加、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末と比較して713百万円減少し、21,396百万円となりました。

 負債は、未払法人税等の減少、未払金、賞与引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務、その他の固定負債(リース債務)の増加等により、前連結会計年度末と比較して382百万円増加し、10,457百万円となりました。

 純資産は、利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末と比較して1,095百万円減少し、10,938百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,727百万円減少し、6,225百万円(前連結会計年度末8,952百万円)となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は21百万円(前年同期に得られた資金は3,248百万円)となりました。

 これは主に、税金等調整前中間純利益823百万円、減価償却費316百万円、退職給付に係る負債の増加額76百万円、売上債権の増加額△1,013百万円、前払費用の増加額△161百万円、未払金の増加額502百万円、法人税等の支払額△493百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,041百万円(前年同期に使用した資金は378百万円)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出△756百万円、無形固定資産の取得による支出△278百万円、投資有価証券の取得による支出△80百万円、投資有価証券の売却による収入97百万円、敷金及び保証金の差入による支出△80百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,707百万円(前年同期に得られた資金は1,845百万円)となりました。

 これは主に、配当金の支払額△1,695百万円等によるものです。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

(会社分割による持株会社体制への移行)

当社は、2025年4月18日開催の取締役会において、2025年9月1日を効力発生日として、当社を吸収分割会社とする会社分割により、当社が営む学習塾、英語スクール事業および生徒募集勧誘事業を当社の完全子会社である株式会社TOMAS(以下「TOMAS」という。)に承継させることを決議し、同日付でTOMASとの間で吸収分割契約を締結いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

(業務提携契約)

当社は2025年6月12日開催の取締役会において、当社子会社である株式会社プラスワン教育(以下「プラスワン教育」という。)と株式会社GRACEの子会社であるUNI SOUND株式会社(以下「UNI SOUND」という。)との間で業務提携契約を締結することを決議し、同日付で同契約を締結いたしました。

契約先

契約年月日

契約の内容

株式会社プラスワン教育

UNI SOUND株式会社

2025年6月12日

プラスワン教育は当社グループの会員や当社グループの社員に対しUNI SOUNDのサービスをご案内し、UNI SOUNDは、紹介を受けた方との間で中古楽器の買取・販売を行い、当社はその仲介を担います。本取り組みはリユースの促進を通じて、「持続可能な消費モデル」の実現や「環境負荷の軽減」にもつながると考えております。こうした社会的価値の創出とあわせて、本提携を契機に両社のさらなる発展を目指してまいります。