第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

(全般的概況)

当連結会計年度における我が国経済は、政府による経済対策や日銀の金融緩和策により、企業収益は堅調に推移し、雇用・所得情勢にも改善の動きがみられるなど、穏やかな景気回復基調で推移いたしました。一方、原油価格の下落や新興国経済の減速による影響、金融市場の変動などが懸念され、先行き不透明な状況が続きました。

当業界におきましては、グローバル化に対応した人材の育成を目指して、大学入試制度や英語教育の大幅な改革、学校教育におけるICT活用の推進等が検討される中で、新たな事業領域の開拓や、インターネットを活用した教育・学習支援サービスの開発が積極的に行われております。また、社会的に少子高齢化対策が求められている状況下、保育・幼児教育や介護分野での事業拡大や新規参入の動きも見られております。

このような経営環境の中で、当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)におきましては、塾生獲得に大きく影響する難関上位校への合格実績伸長に注力するとともに、講師研修の強化や教材・カリキュラムのメンテナンスに取り組み、授業品質と教科指導力の向上を図ってまいりました。更に、英語の4技能を習得するための新たな教育プログラムとして、IBS国立ラボにおける小学校低学年向けDEEコースの開発に着手いたしました。

また、業務効率の改善並びに人材の適正配置を図るため、校舎の規模・役割に応じた営業時間の設定とそれに伴う業務フローの変更及び休日設定の見直しに取り組むとともに、将来の持続的な発展に向けて、従業員の勤労意欲向上と人材採用力を強化するために、専門家を交えた人事制度改革プロジェクトを始動させました。

経営課題である利益率改善に向けては、費用削減のための社内プロジェクトを推進し、外注費・事務消耗品費・通信費・光熱費等の低減を図るとともに、予算管理レベルの向上に取り組みました。

子会社である株式会社野田学園におきましても、塾生数が期首から前期を上回って推移したことに加え、費用統制への取り組みが奏功し、増収増益を達成することができました。

平成27年8月19日付で連結子会社となった株式会社水戸アカデミーにつきましては、エリアトップ校を目指す英才教育の実践により培ってきた「水戸アカデミー」のブランド力を更に向上させるため、生徒・保護者のニーズに適ったきめ細かい指導に注力した結果、子会社化以降も塾生数が伸長し、収益も堅調に推移いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は20,190百万円(前期比3.8%増)、営業利益1,018百万円(前期比34.5%増)、経常利益1,017百万円(前期比38.8%増)、固定資産売却益9百万円等を特別利益に、校舎移転等に係る固定資産処分損30百万円、合宿盗難補償費用26百万円等を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は584百万円(前期比39.1%増)となりました。

 

 セグメント別の概況は次のとおりです。

   ①教育関連事業

当事業におきましては、顧客から期待される高品質な教育サービスを継続的に提供するために、新入社員研修の改善や、難関校受験指導技術の向上に向けた講師研修体制の見直しに取り組むとともに、中学入試における合格実績伸長を図るため、各種イベントや特別キャンペーンの実施などにより小学部低学年層の集客に注力いたしました。また、当社ブランドの認知度向上を図るため、「ブランドムービー」の放映やターミナル駅でのフラッグ広告の掲出等、新たな広報戦略による宣伝活動に努めました。

校舎展開といたしましては、7月に集団指導校舎併設型の個別指導校舎として、「早稲田アカデミー個別進学館横浜校」、3月に小中学生対象の集団指導校舎「江古田校」を新規出校し、当連結会計年度末の校舎数は、グループ合計で153校(当社149校、株式会社野田学園2校、株式会社水戸アカデミー2校)となりました。

期中平均塾生数につきましては、小学部14,719人(前期比5.0%増)、中学部13,750人(前期比1.7%増)、高校部3,188人(前期比2.2%増)、合計では31,657人(前期比3.3%増)となり、全学部とも前期を上回って順調に推移いたしました。

以上の結果、教育関連事業の売上高は20,134百万円(前期比3.8%増)、セグメント利益3,300百万円(前期比10.4%増)となりました。

 

   ②不動産賃貸

当事業におきましては、賃貸物件の稼働率向上に努めた結果、売上高108百万円(前期比9.7%増)、セグメント利益20百万円(前期比43.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

  当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ151百万円増加し、1,709百万円となりました。その要因は、営業活動による収入が1,360百万円、投資活動による支出が638百万円、財務活動による支出が570百万円となったことであります。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益970百万円、減価償却費686百万円等が収入要因となり、他方、未払消費税等の増減額186百万円、法人税等の支払額335百万円等が支出要因となりました。

 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,360百万円の収入となり、前連結会計年度末に比べ、226百万円収入が減少いたしました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出199百万円、差入保証金の差入による支出96百万円、定期預金の増減額349百万円等が支出要因となりました。

 この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、638百万円の支出となり、前連結会計年度末に比べ、557百万円支出が増加いたしました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出142百万円、リース債務の返済による支出163百万円、配当金の支払額249百万円等が支出要因となりました。

 この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、570百万円の支出となり、前連結会計年度末に比べ、222百万円支出が減少いたしました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産及び受注の状況

当社グループは、生徒に対して授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。また、受注実績につきましても、該当事項はありません。

 

(2)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を報告セグメント別に示すと次のとおりであります。

報告セグメント別・品目

 前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

 当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

 比較増減

生徒数(人)

金額(千円)

生徒数(人)

金額(千円)

 金額(千円)

教育関連事業

30,649

19,397,201

31,657

20,134,577

737,376

小学部

(14,016)

(9,009,533)

(14,719)

(9,463,721)

454,188

中学部

(13,514)

(8,153,822)

(13,750)

(8,420,424)

266,602

高校部

(3,119)

(2,079,988)

(3,188)

(2,158,032)

78,044

その他

(153,857)

(92,398)

△61,458

不動産賃貸

98,852

108,459

9,606

合計

30,649

19,496,054

31,657

20,243,036

746,982

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.生徒数は、期中平均の在籍人数を記載しております。

4. ( )内は教育関連事業の内数を表しております。

 

3【対処すべき課題】

(1)対処すべき課題

 学習塾業界におきましては、少子化による学齢人口の減少という厳しさが続いているものの、大学入試改革や小学校における英語必修化等、政府主導で様々な教育改革が推進される中で、ビジネス領域拡大への機運が高まっております。このような状況下、当社グループにおきましては、難関校への合格実績伸長と顧客サービスの品質向上、新たな顧客層の獲得に繋がる新商品開発に努めるとともに、経営効率の改善に取り組み、業容拡大を図ってまいります。対処すべき優先課題として、以下の事項に取り組んでまいります。

・校舎運営に必要な人材獲得と、人材の育成及び活用

・授業及び付帯サービスの品質向上による集客力強化

・校舎展開エリア内の各地域における公立トップ高校への合格実績伸長

・当社に対するロイヤリティの高い小・中学部卒塾生の高校部への継続率向上

・ICT活用による顧客サービス向上と業務の効率化推進

・業務の標準化やアウトソーシングの活用等による経営効率の改善

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大量買付行為であっても、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大量買付行為に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。

 ただし、株式の大量買付行為の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性をもたらすなど、当社の企業価値及び株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資するとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な時間や情報が十分に提供されないものもありえます。

 そのような行為に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大量買付者との交渉などを行う必要があると考えております。

②基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上によって、株主、投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、前記①の基本方針の実現に資する特別な取組みとして、当社が行ってきた以下の施策を引き続き実施してまいります。

イ.当社の企業価値の源泉

 当社は、昭和51年に「早稲田大学院生塾」として発足して以来、教育理念として「本気でやる子を育てる」、経営理念として「目標に向かって真剣に取り組む人間の創造」を一貫して掲げ、自分たちの力で日本一の学習塾になろうとの目標のもと、学習塾としての原点を見失うことなく、「成績向上と志望校合格」という生徒・保護者の期待とニーズに応えることを最優先に、質の高い授業の提供に努めております。

 そして、当社の企業価値は、教育理念、経営理念、従業員と経営陣の信頼関係に基礎をおく組織力、組織力を生み出す企業文化、多くの利害関係者との間の信頼関係、その他の有形無形の財産に源泉を有するものであります。

 当社が、かかる教育理念・経営理念に基づいて、顧客や従業員への貢献を実現すれば、自ずとコーポレートビジョンが実現され、業績向上を通じて、広い意味で社会への貢献を実現できるとともに、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させていくことができるものと考えております。

ロ.企業価値向上への取組み

 当社のコア事業は進学塾経営であり、その事業運営においては「本気でやる子を育てる」という教育理念に基づき、単に志望校に合格することだけを目的とするのではなく、受験勉強を通じて、「自らの力で考え、困難を乗り越えていける子供を育てる」ことを基本方針としてまいりました。

 当社としては、このような基本方針のもと、当社の企業価値を向上させるため、学習塾事業に関する経営戦略を策定し、それを推進しております。更に、経営組織として磐石な収益基盤を確立し、企業価値の最大化を目指していくために、学習塾事業で獲得したノウハウや教育コンテンツ等を活用した新たな事業領域の開拓に、積極的に取り組んでまいります。

ハ.コーポレート・ガバナンスについて

 当社は、時代のニーズと経営環境の変化に迅速に対応することができ、かつ健全で効率的な経営組織の構築を目指しております。同時に、経営の透明性・客観性を高め、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する組織と、正確でタイムリーな情報開示を行い得る体制作りを目指していきたいと考えております。

 現状の体制につきましては、後記、「第4 提出会社の状況 6.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりですが、今後も、当社は、株主の皆様、顧客の皆様(生徒・卒業生及びその保護者)、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの皆様からの信頼を一層高めるべく、法令・ルールの遵守を徹底し、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に努め、企業としての社会的責任を果たしてまいります。

ニ.業績に応じた株主の皆様に対する利益還元

 当社は多数のステークホルダーの皆様に御支持いただくことが当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させていくための重要な要素であると考えております。中でも株主の皆様への利益還元を強化していくことは重要な経営課題のひとつと認識し、今後も、安定的な経営基盤の確立と株主資本利益率の向上に努めるとともに、株主の皆様への利益還元を更に強化するべく経営努力を継続してまいります。


③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取

 組み

当社は、定時株主総会において株主の皆様からご承認をいただき、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)を定めております。

本プランは、大量買付者が遵守すべきルールを明確にし、株主及び投資家の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大量買付者との交渉の機会を確保することを目的としております。そして、大量

買付者が本プランにおいて定められる手続に従うことなく大量買付行為を行う場合や、大量買付者が本プランに定める手続に従って大量買付行為を行う場合であっても、当社取締役会が当該大量買付行為の内容を検討し、大量買付者との協議、交渉等を行った結果、その買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する大量買付行為であると認められる場合に、当社取締役会によって対抗措置が講じられる可能性があることを明らかにし、これらを

適切に開示することにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資さない当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対して警告を行うものであります。

本プランの対象となる当社株式の大量買付行為とは、買付け等の結果、a.当社の株券等の保有者が保有する当社の株券等に係る株券等保有割合の合計またはb.当社の株券等の公開買付者が所有しまたは所有することとなる当社の株券等及び当該公開買付者の特別関係者が所有する当社の株券等に係る株券等所有割合の合計のいずれかが20%以上となる者(当該買付け等の前にa.又はb.のいずれかが20%以上である者を含む。)による買付け等又は買付け等の提案としております。

  本プランにおける対抗措置は、原則として、株主の皆様に対し、大量買付者及びその関係者による権利行使が認められないとの行使条件並びに当社が当該大量買付者及びその関係者以外の者から当社株式と引換に新株予約権を取得する旨の取得条項等を付すことが予定される新株予約権の無償割当てを実施するものとなっております。

本プランにおいては、対抗措置の発動または不発動について取締役会の恣意的判断を排除するため、当社取締役会が、取締役会から独立した委員のみから構成される「独立委員会」の判断を最大限尊重して、対抗措置の発動または不発動を決定することとしております。また、独立委員会が対抗措置の発動に際して、予め株主総会の承認を得るべき旨を勧告した場合、または独立委員会への諮問後であっても、当社取締役会が株主総会の開催に要する時間的余裕等の諸般の事情を勘案した上で、善管注意義務に照らして、株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主の皆様の意思を確認するための株主総会を招集し、大量買付者に対して対抗措置を発動するか否かの判断を、株主の皆様に行っていただきます。

 なお、本プランの有効期間は平成30年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとされております。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合または当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとしております。

 

④前記取組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことについての取締役会の判断及びその理由

 前記②に記載の取組みは、当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で策定されており、前記①の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

 また、前記③に記載の取組みは、当社株式に対する大量買付行為がなされた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、また当社取締役会が株主の皆様のために代替案を提示し、大量買付者と交渉を行うこと等を可能とするために必要な情報や時間を確保することにより、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保または向上することを目的として導入されるものであり、会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。

 更に、本プランは、

・買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること

・株主意思を重視していること

・独立性の高い社外者(独立委員会)の判断を重視していること

・合理的な客観的要件が設定されていること

・独立した地位にある専門家の助言を取得できること

・デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと

等の理由から、前記①に記載の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
 なお、記載事項中、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)少子化と今後の事業方針について

当社グループが属する学習塾・予備校業界は、出生率の低下等による少子化の問題に直面しております。少子化の影響は、在籍生徒数の減少という直接的なものにとどまらず、学校数やその定員の減少、あるいは、入学試験の平易化が起こることにより、入塾動機の希薄化、通塾率の低下に繋がる可能性があります。

このような状況下、当社といたしましては引き続き、中学受験においては御三家中学(男子は、開成・麻布・武蔵の各中学校、女子は、桜蔭・女子学院・雙葉の各中学校)及び早慶附属中学を中心とした難関中学への合格実績、高校受験においては、開成高校・早慶附属高校を中心とした私立難関高校及び国立・都県立難関高校への合格実績による差別化、大学受験においては、東大及び早稲田・慶應・上智大学等の難関大学への合格実績伸長を、当社への入塾動機及び通塾率の向上に繋げ、また、計画的な校舎展開により塾生を確保し、事業の拡大を図っていく方針であります。子会社である株式会社水戸アカデミー並びに株式会社野田学園におきましても、難関校への合格実績伸長により集客力向上を図っていく方針であります。

しかしながら今後、少子化が更に進行した場合、あるいは、当社グループが注力している難関校受験指導へのニーズが低下した場合には、塾生数の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)四半期ごとの収益変動について

当社グループ収益の大半を占める学習塾運営におきましては、通常の授業(スポット的な講座や模試を含む。)の他に、春・夏・冬の講習会及び夏期合宿、正月特訓を行っており、通常授業のみ実施する月に比べ、講習会、夏期合宿、正月特訓が実施される月の売上高が高くなります。また、各講習会が実施される時期に重点をおいて生徒募集を行う関係で、収益の基礎となる塾生数は期首から月を追うごとに増加し、1月にピークを迎えるという推移を示しております。対して、営業費用の中で大きなウエイトを占める校舎の地代家賃、人件費、賃借料等の固定的費用は期首より毎月発生するため、第1四半期の収益性が他の四半期と比較して低くなる傾向にあります。

 

なお、最近2連結会計年度の各四半期の売上高及び経常利益の推移は以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

3,555,369

5,906,556

4,889,412

5,092,437

19,443,776

構成比率(%)

18.3

30.4

25.1

26.2

100.0

経常利益又は経常損失(△)(千円)

△632,525

950,198

161,281

254,017

732,971

構成比率(%)

△86.3

129.6

22.0

34.7

100.0

 

 

当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

3,725,075

6,156,622

5,058,369

5,250,472

20,190,540

構成比率(%)

18.4

30.5

25.1

26.0

100.0

経常利益又は経常損失(△)(千円)

△571,941

1,076,765

275,743

237,111

1,017,678

構成比率(%)

△56.2

105.8

27.1

23.3

100.0

 

 

(3)人材の確保及び育成について

当社グループが運営する学習塾は全て直営の形態をとっており、今後も、質の高い教育サービスを継続的に提供しつつ、経営計画に基づく校舎展開を円滑に推進していくためには、優秀な人材の確保及び育成が重要課題であります。そのため、要員計画に沿った人材確保に向け、新卒・中途・非常勤職員の採用活動を計画的に実施するとともに、勤労意欲向上と採用力強化につながる人事報酬制度の構築に取り組んでおります。

また、階層別・職種別研修に注力し人材の早期育成を図っております。

しかしながら、今後、採用環境の変化により校舎運営に必要な人材が十分に確保できない場合、あるいは、人材育成が計画どおりに進捗しなかった場合には、事業計画の遂行が遅延したり、質の高い教育サービスが提供できないこと等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)個人情報の管理について

当社グループでは、顧客及び職員に関わる多数の個人情報を保有し利用しております。そのため、個人情報の管理については、グループ全体の重要な課題と認識し、当社内に情報セキュリティ委員会、個人情報保護対策チームを設置してプライバシーマークを取得するとともに、継続的に管理体制の見直しと管理レベルの向上を図っております。子会社につきましても、当社が主導して、個人情報の適切な管理に努めております。

しかしながら、万一、当社グループが保有する個人情報が流出した場合には、信用失墜による塾生数の減少または損害賠償請求などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)事業拠点が首都圏に集中していることについて

当社グループが運営する学習塾は全て首都圏にあり、今後も、首都圏を中心に建物を賃借し、直営方式にて校舎を展開していく方針ですが、適切な物件を適切な時期に確保できない場合には、校舎新設計画の遅延等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合に関する影響について

当社グループが事業を展開する地域には多数の競合先があります。当社グループは、難関校入試における合格者数を増加させること等により競合他社との差別化を図り、塾生の確保・増加に努めておりますが、当社グループ出身者の合格実績が低下した場合、競合先の合格実績が相対的に上昇した場合、あるいは、塾生のニーズに合致した適切な教育サービスを提供できなかった場合には、塾生数の減少を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)生徒の安全管理について

当社グループは、安全かつ学力向上に繋がる学習環境の提供に努めております。とりわけ当社が開催する夏期合宿、子会社である株式会社野田学園が開催する特訓授業「サマーヴィレッジ」「ウインターヴィレッジ」は、一定期間ホテルに宿泊をして実施するため、生徒の安全と健康管理を最優先事項として運営にあたっております。また、株式会社野田学園が経営する学生寮につきましても、寮生の安全・健康管理及び精神面でのサポートに配慮した体制の整備に努めております。

生徒の安全管理につきましては、防犯カメラの設置や巡回警備の強化等を図るとともに、安全管理・防犯対策に関する従業員教育を徹底し、継続的に管理体制の強化に努めてまいりますが、今後、万一、何らかの事情により当社若しくは子会社の管理責任が問われる事態が発生した場合には、当社グループの信頼性や評判の低下に繋がり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)株式会社四谷大塚との提携塾契約について

当社が提携塾契約を締結している株式会社四谷大塚は、中学受験指導の草分け的存在でありますが、大学受験指導を主たる事業とする株式会社ナガセが完全子会社化しております。

当該提携塾契約の主たる内容は、株式会社四谷大塚の発行する教材類を一定の掛け率(割引価格)で購入できること、同社のカリキュラムに準拠して指導すること、並びに同社の公認テスト会場として、当社がその代行的な業務を行うことができること等が定められており、平成9年9月の契約締結以来、円滑に更新(2年ごとに自動更新)されております。

当社は、中学受験指導において、株式会社四谷大塚のカリキュラムに準拠した指導を行っており、合格実績も提携塾の中でトップクラスにあることから、当該契約の更新に支障はないものと考えております。また、何らかの理由により当該契約が更新されなかった場合の影響は、割引価格による教材購入ができなくなること、並びに公認テスト会場の運営ができなくなること等、限定的なものであり、その場合においても、株式会社四谷大塚の指導カリキュラムの継続は可能であり、また、当社がこれまでに培った独自のノウハウ(志望校別カリキュラム及び教材の開発等)により新しいカリキュラムを立ち上げることも十分に可能であると考えております。

当社は引き続き、株式会社四谷大塚との提携関係を維持していく方針でありますが、万一、契約更新ができなくなった場合には、公認テスト会場としてのサービスの提供に支障がでること、あるいは新しい指導カリキュラムへの移行に時間を要すること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)大規模自然災害・感染症の発生による影響について

当社グループでは、大規模な自然災害や新型インフルエンザ等の感染症に対して、管理体制の整備に努めておりますが、万一、当社グループが事業展開をする地域において、これら自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、長期にわたり複数エリアの校舎において授業の提供が困難となり、また、コンピュータシステムのトラブル等により顧客サービスに支障をきたす状況が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (10)「早稲田アカデミー個別進学館」のフランチャイズ展開について

当社と株式会社明光ネットワークジャパンが共同開発する高学力層向け個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」は、両社が各々直営校を展開するほか、株式会社明光ネットワークジャパンにおいてフランチャイズ展開を推進しております。

フランチャイズ展開にあたっては、フランチャイズ加盟者に対し、株式会社明光ネットワークジャパンが行う経営指導に加え、当社からも教務・講師育成面での継続的な指導とサポートを実施し、高品質で均質な教務サービスを提供できる体制の整備を図っております。

更に、当社と、株式会社明光ネットワークジャパン及びフランチャイズ加盟者が一体となり「早稲田アカデミー個別進学館」の優位性並びにブランドイメージの向上を図るための様々な施策に注力しております。

しかしながら、万一、当社や株式会社明光ネットワークジャパンの指導が及ばない範囲で、フランチャイズ加盟者が経営する当該ブランド校舎において重大な事故が発生し、若しくは契約違反にあたる事態が生じた場合、「早稲田アカデミー個別進学館」全体のブランドイメージの低下や、「早稲田アカデミー」ブランドに対する信頼性の低下等に繋がり、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。

 

 (11)敷金・差入保証金の保全、回収について

当社グループが展開する校舎の多くは、賃借物件を利用しております。新規で賃貸借契約を締結するに際しては、可能な限り賃貸人の経営状況等の確認を行うとともに、契約条件も近隣相場や採算性を十分考慮して決定しております。また、契約締結後も、主管部署が中心となり賃貸人の状況変化の把握に努めております。

しかしながら、賃貸人の調査確認は必ずしも完璧に行えるとは言い切れない面もあり、賃貸人の状況によっては、敷金・差入保証金の保全・回収ができない可能性があります。

 

 (12)法令遵守について

当社グループが営む事業に関連する主な法令としては、特定商取引に関する法律、著作権法、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法等があります。当社グループでは、誇大・虚偽広告や不当な勧誘行為等を行わないための予防体制の構築、他者の著作権を侵害しないためのチェック体制の整備、従業員教育の実施などにより、法令遵守体制の強化に努めております。

しかしながら、将来にわたり、関連法令に基づく損害賠償請求等に係る訴訟を提訴される可能性が皆無とは言い切れず、万一、そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (13)文教政策・教育制度の大幅な変更について

入学試験や学習指導要領等の教育制度や、その前提となる文教政策は行政により様々な変更がなされます。当社グループは、教務部・大学受験部が中心となって制度変更に関する早期情報収集に努め、必要に応じて、教材・カリキュラムの改訂やコース仕様の見直し等の対応を行っております。これまでは、制度変更に伴う混乱や対応の遅れが生じたことはなく、今後も柔軟かつ適時の対応ができるものと考えておりますが、万一、突然、予期せぬ変更がなされたり、現行の入試制度が根本から揺らぐような大きな変更が生じた場合、それらに対応したカリキュラムや教材の作成、教場の変更、人員の配置等に時間を要することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)提携塾契約

 株式会社四谷大塚と提携塾契約を締結しております。提携塾契約とは、主に株式会社四谷大塚の発行する教材類とテストの一部を一定の掛け率で取引すること、及び株式会社四谷大塚のカリキュラムに準拠して指導すること、株式会社四谷大塚の公認テスト会場として、その代行的な業務が行えること等が盛り込まれた契約です。

 当該契約は、平成9年9月1日より発効し、有効期間は2年であり、その後は2年ごとに自動更新されることに

なっております。

 

(2)業務・資本提携契約

契約会社名

契約の相手方

契約の名称

契約締結日

契約の内容

株式会社早稲田アカデミー

株式会社明光ネットワークジャパン

業務提携契約

平成22年8月27日

①高学力層向け個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」の共同開発及び相互展開

②教育情報・受験情報・地域情報等の共有と相互提供

③教材・指導コンテンツ・研修コンテンツ類の共同開発並びに相互提供

④相互協力による人材育成

資本提携契約

平成22年9月9日

株式の相互保有

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析につきましては、以下のとおりでありま

  す。

 

 (1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的に判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

 (2) 財政状態の分析

 当社グループは、企業価値極限化を実現するための「最適資本構成を図る」を財務方針としております。

 当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比463百万円(4.0%)増加し、12,187百万円となりました。構成比率は、流動資産31.6%、固定資産68.4%、負債合計46.3%、純資産53.7%となっております。

 流動資産は、前期末比622百万円(19.3%)増加の3,853百万円となり、増加の内訳は、現金及び預金、前払費用の増加等であります。

 固定資産は、前期末比158百万円(△1.9%)減少の8,334百万円となりました。うち、有形固定資産が前期末比156百万円(△3.3%)減少の4,613百万円となり、無形固定資産は、前期末比6百万円(△1.3%)減少の501百万円となりました。また、投資その他の資産は、前期末比4百万円(0.1%)増加の3,218百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債総額は、前期末比98百万円(1.8%)増加の5,637百万円となりました。構成比率は流動負債26.9%、固定負債19.3%となっております。

 流動負債は、前期末比90百万円(2.8%)増加の3,284百万円となり、増加の内訳は、未払金及び未払法人税等の増加と未払消費税等の減少等であります。

 固定負債は、前期末比7百万円(0.3%)増加の2,353百万円となり、増加の内訳は、退職給付に係る負債、リース債務及び資産除去債務の増加と長期借入金の減少等であります。

 なお、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、1年内返済予定のリース債務、社債、長期借入金、リース債務)は、前期末比128百万円(△16.4%)減少の658百万円であります。有利子負債の構成比率は5.4%となっております。

 当連結会計年度末の純資産額は、前期末比364百万円(5.9%)増加の6,549百万円となりました。その内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益及び配当金の支払等であります。

 

 以上の結果、自己資本比率は、前期末の52.8%から53.7%となりました。また、1株当たり純資産額は、785円81銭となりました。

 

 (3) 経営成績の分析

当連結会計年度におきましては、顧客満足度の向上と、集客力強化につながる難関校への合格実績伸長を図るために、従業員研修の強化及び教材・カリキュラムの充実に努めました。また、収益体質の強化を図るため、業務効率の改善と各種経費の削減に取り組みました。

以上の結果、売上高は20,190百万円(前期比3.8%増)、営業利益1,018百万円(前期比34.5%増)、経常利益1,017百万円(前期比38.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益584百万円(前期比39.1%増)と前期に続き、増収増益で推移いたしました。

売上高増加の要因は、収益の基礎となる塾生数(期中平均)が前期比3.3%増の31,657人と順調に推移したことに加え、学校別入試対策講座等の特別講座や合宿・正月特訓の受講生が増加したことが寄与いたしました。

費用面につきましては、売上原価が14,862百万円(前期比0.9%増)、販売費及び一般管理費が4,309百万円(前期比8.8%増)となりました。

売上原価につきましては、非常勤職員の給与や人材派遣費の伸びが抑えられたことにより、労務費が前期比3.5%増となったこと、印刷物の発注方法の見直しにより外注費が減少したこと、顧客サービス及び経費の見直しにより、保険料・通信費・事務消耗品費等の低減が図れたことなどにより、売上原価率は73.6%となり前期と比べ2.1%低下いたしました。

販売費及び一般管理費につきましては、ブランディング戦略に基づく宣伝媒体の見直しや採用広告の強化等により広告宣伝費が前期比15.9%増加したこと、進学情報誌や受験資料集の作成、無料模試の実施等により販売促進費が増加したこと等により、売上高構成比率は21.3%となり、前期と比べ1.0%上昇いたしました。

なお、元校舎物件(旧WAC校)及び不動産賃貸物件の一部を売却したことに伴う固定資産売却益9百万円等を特別利益に、校舎移転等に係る固定資産処分損30百万円、合宿盗難補償費用26百万円等を特別損失に計上いたしております。

 

 (4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。