文中に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創業時から継承してきた「本気でやる子を育てる」という教育理念と「目標に向かって真剣に取り組む人間の創造」という経営理念を実践し、学力伸長・志望校合格の実現に留まらず、あらゆる物事に本気で真剣に取り組む姿勢、自ら設定した目標の実現に向けて果敢に挑戦するチャレンジ精神、問題を発見し解決する力、困難にあっても本気で粘り強くやり抜く力を身につけた子供たちの育成を目指しております。
グローバル化と技術革新が急速に進行する世界の中で日本が発展していくためには、将来を予測し、自ら問題や課題を発見・解決していくことのできる優秀な人材の育成が求められています。当社グループは、受験指導を通じて、日本の未来を支える人材育成に寄与し、教育企業としての社会的使命と責任を果たしてまいります。
同時に企業体として、継続的かつ安定的に業容拡大を実現できる経営基盤を確立し、企業価値の最大化を目指してまいります。
(2)経営環境と経営戦略等
学習塾・予備校業界を取り巻く経営環境は、少子化による学齢人口の減少に伴い、市場全体が伸び悩むという厳しい状況にあります。当社グループにおきましても少子化の影響を避けることはできないものの、当社グループが事業を展開している首都圏においては、首都圏外と比べ学齢人口減少の程度は少なく、地域によっては低年齢層を中心に増加の傾向も見られます。
又、当社グループは、進学塾としてのブランド力の源泉であり、集客力向上のための大きなファクターである「難関上位校への合格実績」を伸長させることにより他社との差別化を図り、業容を拡大するという基本戦略を推進しておりますが、潜在顧客である難関上位校の志望者数は、少子化の中にあっても安定的に推移しております。
更に、当社グループにおける難関上位校への合格者数は毎年着実に伸長しており、合格実績(合格者数)の伸長に伴い同業他社に対する競争力も年々高まっております。特に、高校受験市場においては、開成高校、早慶高校をはじめとする難関私国立高校への圧倒的な合格実績により、首都圏におけるトップブランドとして、顧客の皆様から大きな期待と信頼をいただけているものと自負しております。
上記に加え、今後は、コロナ禍がもたらした社会変容や、教育制度改革・国際化の進行により、教育産業を取り巻く環境も大きく変化していくものと推察されます。特に、コロナ禍を契機に生活様式・行動様式が大きく変化する中で、オンライン教育が急速に普及するとともに、Webやデジタル技術を活用した教育サービスやコンテンツ、学習支援ツール等への新規需要が一層高まっていくと思われます。
これらの状況を踏まえて、当社グループは、“子どもたちの未来を育む独自の価値を提供し続け、教育企業No.1を目指す”という企業目標の実現に向けて、2021年3月期~2024年3月期の中期経営計画を策定し取り組んでおります。
経営戦略といたしましては、「本気でやる子を育てる」という教育理念の徹底実践を起点に、生徒の本気を引き出す授業によって成績向上と志望校合格を実現し、その結果、顧客満足度を高めて地域の評判を獲得し、市場支持を拡充することで業容拡大を図るという戦略(当社では「合格実績戦略」といいます。)と、受験指導を通じて学力伸長・志望校合格だけでなく、前向きな人生を歩む素地・豊かな人生を送る礎となる姿勢と能力を身につけさせるという独自の付加価値(当社では「ワセ価値」といいます。)を両輪に他社との差別化を明確化してコア事業を強化し、着実にシェア拡大を図っていくことを基本戦略としております。更に、新規ニーズにも迅速に対応し、新たなサービスを創出することで一層の業容拡大を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画及び年度予算で設定した連結売上高、連結経常利益の達成度を、経営上の目標の達成状況を判断するための指標としております。又、事業運営におきましては、収益の基盤となる塾生数の動向を、重要な指標として注視しております。
収益性の指標といたしましては、「売上高経常利益率」を重視しており、中期的には5%超、長期的には10%超を目標に経営効率の向上に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の拡がりは、社会・経済に大きな影響を及ぼしており、今後も社会変容は一層進み、感染症が収束に向かった後も消費者の価値観や行動は大きく変化することと思われます。
学習塾業界におきましても厳しい経営環境が続くことが懸念されますが、一方では、様々な制約が課せられる困難な状況の中で、子どもたちにとって安全で安心な学習環境と、成績向上に繋がる質の高い教育サービスへの期待とニーズは一層高まるものと思われます。
このような環境下、当社グループにおきましては、いち早く変化・変革に対応し、社会や顧客の皆様からの要望にタイムリーに応え、教育企業としての責務を果たすとともに、中期経営計画に基づき業容拡大の推進と企業価値向上に努めてまいります。
中期的には、以下の事項を対処すべき事業上の重点課題として取り組んでまいります。
1、サービス品質の向上により顧客満足度を向上させるため、人材育成の強化と、ICTを活用した新規サービスの提供に取り組みます。
2、教務システムの改善、低学年戦略の拡充、大学受験部と小中学部との連携強化、入試制度改革への対応等に注力してコア事業を強化し、合格実績戦略を推進してまいります。
3、オンライン校の開設、海外事業の推進、英語教育ブランドの展開により教育サービスを創出し、新たな収益基盤を構築してまいります。
4、業務効率改善と働き方改革の推進により経営基盤を強化するとともに、内部統制システム及びリスク管理を強化して、永続的な成長を実現できる組織体制を構築してまいります。
また、財務面では、健全で安定的な財務基盤を維持しながら、成長への投資と株主還元に関してもバランスのとれた資金配分を行うことが課題と認識しております。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難なため記載をしておりません。
また、以下は当社グループの事業活動等に係る全てのリスクを網羅したものではなく、記載した以外のリスクも存在しております。
文中の将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)少子化と当社グループの経営戦略について
当社グループが属する学習塾・予備校業界は、出生率の低下等による少子化の問題に直面しております。少子化の影響は、在籍生徒数の減少という直接的なものにとどまらず、学校数やその定員の減少、あるいは、入学試験の平易化が起こることにより、入塾動機の希薄化、通塾率の低下に繋がる可能性があります。
このような状況下、当社グループといたしましては引き続き、難関上位校への合格実績伸長を入塾動機及び通塾率の向上に繋げ、また、計画的な校舎展開により塾生を確保し、事業の拡大を図っていく方針であります。
現状では、少子化の中でも、当社グループにとっての潜在顧客である難関上位校への志望者数は安定的に推移しており、経営戦略に基づいて業績を伸ばしていくことは十分可能だと考えておりますが、今後、少子化が更に進行した場合、あるいは、当社グループが注力している難関校受験指導へのニーズが低下した場合には、塾生数の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材の確保及び育成について
当社グループが運営する学習塾は全て直営の形態をとっており、質の高い教育サービスを継続的に提供し、経営計画に基づき業容拡大を図っていくためには、人材の確保及び育成が重要課題であります。そのため、要員計画に沿った人材確保に向け、新卒・中途・非常勤職員の採用活動を計画的に実施するとともに、勤労意欲向上と採用力強化につながる人事制度の構築に取り組んでおります。
また、育成につきましても、階層別・職種別研修に注力し人材の早期育成を図っております。
しかしながら、今後、採用環境の急激な変化等により人材が十分に確保できない場合、あるいは、人材育成が計画どおりに進捗しなかった場合には、経営計画の遂行が遅延し、質の高い教育サービスが提供できないこと等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)生徒の安全管理について
当社グループは、安全かつ学力向上に繋がる学習環境のご提供を重要課題として事業運営にあたっております。2020年夏以降は、新型コロナウイルス感染防止のため、株式会社野田学園を除き、宿泊を伴う合宿の開催を中止いたしておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症の収束により宿泊型の合宿を再開することとなった場合は、従前同様に、生徒の安全と健康管理を最優先事項として細心の注意をもって運営にあたってまいります。また、日常の事業運営におきましても、引き続き、防犯カメラの設置や巡回警備等により安全管理を徹底するとともに、株式会社野田学園が経営する学生寮におきましても、寮生の安全・健康管理に加え、精神面でのサポートにも配慮した体制の整備に努めてまいります。
しかしながら、今後、万一、何らかの事情により当社若しくは子会社の管理責任が問われる事態が発生した場合には、当社グループの信頼性や評判の低下に繋がり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報の管理について
当社グループでは、顧客及び職員に関わる多数の個人情報を保有し利用しております。そのため、個人情報の管理については、グループ全体の重要な課題と認識し、当社内に、個人情報保護対策チームを設置してプライバシーマークを取得するとともに、継続的に管理体制の見直しと管理レベルの向上を図っております。子会社につきましても、当社が主導して、個人情報の適切な管理に努めております。
しかしながら、万一、当社グループが保有する個人情報が流出した場合には、信用失墜による塾生数の減少または損害賠償請求などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)大規模災害の発生による影響について
当社グループでは、大規模災害の発生に備えて、管理体制の整備に努めておりますが、万一、当社グループが事業展開をする地域において、想定を上回る規模の大規模災害が発生した場合には、長期にわたり複数エリアの校舎において授業の提供が困難となり、又、コンピュータシステムのトラブル等により顧客サービスに支障をきたす状況が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)四半期ごとの収益変動について
当社グループにおきましては、通常授業(スポット的な講座や模試を含む。)の他に、春・夏・冬の講習会及び夏期合宿、正月特訓を行っており、通常授業のみ実施する月に比べ、講習会、夏期合宿、正月特訓が実施される月の売上高が高くなります(ただし、2020年の夏以降は、新型コロナウイルス感染防止のため、株式会社野田学園を除き、宿泊を伴う合宿の開催は中止しております。)。又、各講習会が実施される時期に重点をおいて生徒募集を行う関係で、収益の基礎となる塾生数は期首から月を追うごとに増加し、1月にピークを迎えるという推移を示しております。対して、営業費用の中で大きなウエイトを占める校舎の地代家賃、人件費、賃借料等の固定的費用は期首より毎月発生するため、第1四半期の収益性が他の四半期と比較して低くなる傾向にあります。
なお、最近2連結会計年度の各四半期の売上高及び経常利益の推移は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
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|||
|
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
4,639,835 |
7,679,488 |
6,100,919 |
6,190,873 |
24,611,117 |
|
構成比率(%) |
18.9 |
31.2 |
24.8 |
25.1 |
100.0 |
|
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
△483,714 |
1,258,697 |
292,064 |
95,907 |
1,162,954 |
|
構成比率(%) |
△41.5 |
108.2 |
25.1 |
8.2 |
100.0 |
|
|
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
|
|||
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
4,422,397 |
7,521,515 |
6,616,858 |
6,893,086 |
25,453,857 |
|
構成比率(%) |
17.4 |
29.5 |
26.0 |
27.1 |
100.0 |
|
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
△679,819 |
1,018,668 |
455,036 |
283,814 |
1,077,700 |
|
構成比率(%) |
△63.0 |
94.5 |
42.2 |
26.3 |
100.0 |
(7)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルスの感染拡大により社会・経済活動が大きく制約され、景気に深刻な影響を及ぼしております。当社グループにおきましては、生徒・保護者及び従業員の健康と安全を第一義とし、2020年6月以降は、Zoomを活用した「双方向Web授業」と「対面授業」を選択受講できる体制の整備や、模擬試験を自宅で受験できる受験サポートアプリの導入等により、継続的な学習環境と指導サービス提供のための様々な施策を講じ、収益回復に取り組んでまいりました。本有価証券報告書提出日現在においては、新型コロナウイルス感染症の収束は見通せないものの、コロナ禍にあっても現状のサービス提供体制を継続し、事業計画に沿って収益を確保していくことは可能であると考えております。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大は未だ続いており、感染力が強いとされる変異株の拡がりも懸念され、先行きは不透明な状況にあります。そのため、今後、長期にわたる外出制限の発令や複数の大規模クラスター発生等により、円滑な事業活動を維持できなくなる事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)校舎物件の確保について
当社グループが運営する学習塾は全て首都圏にあり、今後も、首都圏を中心に直営方式にて校舎を展開していく方針ですが、適切な物件を適切な時期に確保できない場合には、校舎新設計画の遅延等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)株式会社四谷大塚との提携塾契約について
当社が提携塾契約を締結している株式会社四谷大塚は、中学受験指導の草分け的存在でありますが、大学受験指導を主たる事業とする株式会社ナガセが完全子会社化しております。
当該提携塾契約の主たる内容は、株式会社四谷大塚の発行する教材類を一定の掛け率(割引価格)で購入できること、同社のカリキュラムに準拠して指導すること、並びに同社の公認テスト会場として、当社がその代行的な業務を行うことができること等が定められており、1997年9月の契約締結以来、円滑に更新(2年ごとに自動更新)されております。
当社は、中学受験指導において、株式会社四谷大塚のカリキュラムに準拠した指導を行っており、合格実績も提携塾の中でトップクラスにあることから、当該契約の更新に支障はないものと考えております。又、何らかの理由により当該契約が更新されなかった場合の影響は、割引価格による教材購入ができなくなること、並びに公認テスト会場の運営ができなくなること等、限定的なものであり、その場合においても、株式会社四谷大塚の指導カリキュラムの継続は可能であり、又、当社がこれまでに培った独自のノウハウ(志望校別カリキュラム及び教材の開発等)により新しいカリキュラムを立ち上げることも十分に可能であると考えております。
当社は引き続き、株式会社四谷大塚との提携関係を維持していく方針でありますが、万一、契約更新ができなくなった場合には、公認テスト会場としてのサービスの提供に支障がでること、あるいは新しい指導カリキュラムへの移行に時間を要すること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)「早稲田アカデミー個別進学館」のフランチャイズ展開について
当社と株式会社明光ネットワークジャパンが共同開発する高学力層向け個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」は、両社が各々直営校を展開するほか、株式会社明光ネットワークジャパンにおいてフランチャイズ展開を推進しております。
フランチャイズ加盟者に対しては、株式会社明光ネットワークジャパンが行う経営指導に加え、当社からも教務・講師育成面での継続的な指導とサポートを実施し、高品質で均質な教務サービスを提供できる体制の整備を図っております。
更に、当社と、株式会社明光ネットワークジャパン及びフランチャイズ加盟者が一体となり「早稲田アカデミー個別進学館」の優位性並びにブランドイメージの向上を図るための様々な施策に注力しております。
しかしながら、万一、当社や株式会社明光ネットワークジャパンの指導が及ばない範囲で、フランチャイズ加盟者が経営する当該ブランド校舎において重大な事故が発生し、若しくは契約違反にあたる事態が生じた場合、「早稲田アカデミー個別進学館」全体のブランドイメージの低下や、「早稲田アカデミー」ブランドに対する信頼性の低下等に繋がり、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。
(11)減損損失について
当社グループは、有形固定資産やのれん等の固定資産を保有しております。これらの資産については減損会計を適用し、毎年、減損の兆候について精査し、減損処理が必要と判断される場合は適切に処理することとしております。そのため、将来において、買収した会社の事業計画が達成できない場合はのれん等の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業の収益性が著しく低下した場合には、保有する有形固定資産やのれん等に係る減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)敷金・差入保証金の保全、回収について
当社グループが展開する校舎の多くは、賃借物件を利用しております。新規で賃貸借契約を締結するに際しては、可能な限り賃貸人の経営状況等の確認を行うとともに、契約条件も近隣相場や採算性を十分考慮して決定しております。又、契約締結後も、主管部署が中心となり賃貸人の状況変化の把握に努めております。
しかしながら、賃貸人全ての状況変化を適時に補足することは困難であるため、賃貸人に急激な状況変化が生じた場合には、敷金・差入保証金の保全・回収ができない可能性があります。
(13)法令遵守について
当社グループが営む事業に関連する主な法令・条例としては、特定商取引に関する法律、個人情報の保護に関する法律、青少年保護育成に関する条例、著作権法、不当景品類及び不当表示防止法等があります。当社グループでは、法令違反を予防する体制の整備、従業員への継続的な教育の実施などにより、法令遵守体制の強化に努めております。
しかしながら、将来にわたり、関連法令に基づく損害賠償請求等に係る訴訟を提訴される事案が生じる可能性が皆無とは言い切れず、万一、そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及びその分析につきましては、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症により、企業収益や雇用環境が急速に悪化し、厳しい状況が続きました。政府による各種経済対策の効果もあり、一時的には景気持ち直しの動きが見られたものの、緊急事態宣言の再発出による経済活動へのマイナス影響も懸念され、先行きは極めて不透明な状況となっております。
当社グループが属する教育業界におきましては、2021年より開始された「大学入学共通テスト」や小学校での英語教科化等の制度改革による変化への対応に加え、コロナ禍を契機に急速にニーズが高まっているオンライン教育や、ICTを活用した教育コンテンツ・学習指導への取り組みが求められております。
このような状況下、当社グループにおきましては、生徒・保護者の皆様と従業員の安全・安心を最優先に、感染防止対策に万全を期し、質の高い学習指導を継続的に提供することに全力で取り組んでまいりました。2020年4月よりZoomを活用した「双方向Web授業」を開始、同年6月からは、学校の長期休校により学習進度や受験準備が遅れることに対して不安を抱える生徒・保護者の皆様の気持ちに寄り添い、ご家庭の希望にできる限り応えるべく、「対面授業」と「双方向Web授業」とを選択受講いただけるデュアル形式のサービスを継続してまいりました。また、各講習会の時期には、小中学校の休暇日程短縮に対応した時間割編成により授業時間の確保を図るとともに、正月特訓においてもデュアル形式の授業を行い、受験直前期の学習機会の確保と志望校合格に向けた指導に注力いたしました。
ICTを活用した自宅学習支援ツールとしては、各種模擬試験等を自宅で受験できる受験サポートアプリ「早稲田アカデミーEAST」(ご家庭で受験した解答用紙をスマートフォンやタブレットで簡単にアップロードして提出できるシステム)を5月より提供開始するとともに、記述式の添削課題や宿題提出、質問対応等、活用範囲を広げるための機能拡充に取り組みました。また、1回の認証(ログイン)を行うだけでオンデマンド授業映像の視聴、Web帳票閲覧、家庭学習用Web教材の利用等、当社が提供するWebサービスを安全かつスムーズに利用いただける機能として「早稲田アカデミーOnline」サービスを開始いたしました。
教務面では、生徒一人ひとりの成績向上と志望校合格の実現に向け、教材・カリキュラムの充実や教務研修の強化、難関校対策特別コースの拡充等に取り組みました。これらの取り組みにより、今春の入試においては、開成高校111名、早慶高校1,748名、御三家中学448名、早慶中学495名をはじめ難関校への合格実績が飛躍的に伸長いたしました。
更に、受験に対応した英語4技能の習得を目標とするオンライン英語学習サービス「Online English Education」を開始するとともに、中学受験で最難関校を目指す低学年向けの映像コンテンツの開発を進めてまいりました。
中長期の業容拡大に向けた重点課題である「人材育成」に関しては、新人講師を早期育成するための研修強化、オンライン型の研修実施、事務職員の研修体制の見直し等、より効果的かつ効率的な従業員教育の実施に向けて、研修体系の再構築に取り組んでまいりました。
国内の子会社各社におきましても、感染防止対策を徹底し、質の高い授業サービスの提供に努めてきた結果、塾生数は概ね想定したレベルまで回復することができております。海外子会社2社におきましては、コロナ禍による外出制限が続き対面授業が実施できない中、「双方向Web授業」による継続的な指導に注力しており、ニューヨーク校・ロンドン校ともに、塾生数は前期を上回り堅調に推移いたしました。
当連結会計年度における期中平均塾生数(4~3月の12か月平均)は、小学部21,591人(前期比3.7%増)、中学部14,796人(前期比2.6%減)、高校部2,582人(前期比16.7%減)、合計で38,969人(前期比0.4%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、4月には全学部合計の塾生数が前年同期比7.6%減という厳しい状況でのスタートとなりましたが、質の高い“学び”を継続的にご提供することにより、3月単月では前年同期比8.9%増と大きく改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高25,453百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,064百万円(前期比9.0%減)、経常利益1,077百万円(前期比7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益529百万円(前期比31.5%減)となりました。
当社グループの事業は、当連結会計年度より報告セグメントを単一セグメントに変更しておりますので、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより5,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ、3,409百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益952百万円、減価償却費921百万円、のれん償却額130百万円等が収入要因となり、他方、売上債権の増加額328百万円等が支出要因となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,900百万円の収入となり、前連結会計年度末に比べ、374百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入192百万円等が収入要因となり、他方、有形固定資産の取得による支出274百万円、無形固定資産の取得による支出107百万円、差入保証金の差入による支出213百万円等が支出要因となりました。
この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、439百万円の支出となり、前連結会計年度末に比べ293百万円支出が増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入2,074百万円、自己株式の処分による収入663百万円が収入要因となり、他方、長期借入金の純減額157百万円、リース債務の返済による支出243百万円、配当金の支払額318百万円等が支出要因となりました。
この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,946百万円の収入となり、前連結会計年度末に比べ2,946百万円収入が増加いたしました。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産及び受注の状況
当社グループは、生徒に対して授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。また、受注実績につきましても、該当事項はありません。
ロ.販売実績
教育関連事業の品目別の販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは当連結会計年度より、教育関連事業の単一セグメントへ変更いたしました。この変更により、販売実績を「報告セグメント別」から「教育関連事業の品目別」へ変更しております。
|
品目 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
比較増減 |
||
|
生徒数(人) |
金額(千円) |
生徒数(人) |
金額(千円) |
金額(千円) |
|
|
小学部 |
20,825 |
12,974,641 |
21,591 |
13,999,966 |
1,025,325 |
|
中学部 |
15,192 |
9,430,301 |
14,796 |
9,576,571 |
146,270 |
|
高校部 |
3,099 |
2,022,970 |
2,582 |
1,647,624 |
△375,346 |
|
その他 |
- |
140,789 |
- |
229,695 |
88,905 |
|
合計 |
39,116 |
24,568,701 |
38,969 |
25,453,857 |
885,155 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.生徒数は、期中平均(4~3月の平均)の在籍人数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的に判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当社グループは、企業価値極限化を実現するための「最適資本構成を図る」を財務方針としております。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末比3,713百万円増加の7,798百万円となりました。これは、新株の発行等に伴う現金及び預金3,415百万円の増加が主な要因であります。
固定資産は、前連結会計年度末比451百万円減少の10,787百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末比319百万円減少の5,050百万円、無形固定資産は、前連結会計年度末比215百万円減少の1,352百万円、投資その他の資産は、前連結会計年度末比83百万円増加の4,384百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の資産総額は、前連結会計年度末比3,262百万円増加し、18,586百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末比579百万円増加の4,493百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金117百万円、未払法人税等186百万円の増加が主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末比79百万円減少の3,087百万円となりました。これは、長期借入金154百万円の減少が主な要因であります。
なお、有利子負債(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内返済予定のリース債務、長期借入金、リース債務)は、前連結会計年度末比121百万円減少の1,107百万円であります。有利子負債の構成比率は6.0%となっております。
この結果、当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末比500百万円増加し、7,581百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末比2,762百万円増加の11,004百万円となりました。これは、 新株の発行等に伴う資本金及び資本剰余金の増加2,147百万円、親会社株主に帰属する当期純利益529百万円と配当金の支払318百万円が主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の53.8%から59.2%となりました。また、1株当たり純資産額は、583円59銭となりました。
なお、当連結会計年度末の構成比率は、流動資産42.0%、固定資産58.0%、負債40.8%(流動負債24.2%、固定負債16.6%)、純資産59.2%となっております。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新年度生集客の最も重要な時期である2020年2月~4月に入試報告会や入塾説明会等の集客イベントの中止を余儀なくされ、政府や自治体からの休業要請に応えて授業を休講した影響も加わり、期首の塾生数が前年同期を7.6%下回る厳しい状況でのスタートとなりました。
しかしながら、4月よりZoomを活用した「双方向Web授業」をいち早く開始し、6月以降は「双方向Web授業」と「対面授業」とを選択受講できる「デュアル形式」のサービス提供に切り替え、質の高い学習指導を継続的にご提供してきたことが生徒・保護者の皆様からのご支持に繋がり、四半期毎の売上高は、前年同期比で第1四半期が4.7%減、第2四半期が2.1%減、第3四半期が8.5%増、第4四半期が11.3%増と、当初の予想を大きく上回るスピードで回復することができました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、前期比3.4%増の25,453百万円となりました。
売上高伸長の要因としては、前述のとおり、生徒・保護者の皆様の安全・安心を第一義に、質の高い学習環境を継続的にご提供してきたことに加え、中期経営計画において重点課題として掲げている“指導サービスの品質向上”への取り組みや、難関校への合格実績の大幅伸長が顧客の皆様からの信頼と期待の向上に繋がり、収益の基礎となる塾生数が好調に伸長を続けてきたことによるものと分析しております。
(営業利益・経常利益)
売上原価につきましては、前期比5.8%増の18,770百万円、売上高構成比率としては、前期比1.6ポイント上昇の73.7%となりました。
売上原価の中で最も大きなウエイトを占める労務費につきましては、サービス品質向上に向けた講師職の増員及び教務アシストスタッフの配置並びに合格実績等の業績に連動したインセンティブの増加等により、前期比4.2%増の9,393百万円となりました。
原材料費につきましては、主に、オンライン英語教育の本格導入及びカリキュラムテスト必修化等による外注費の増加により前期比29.1%増の3,331百万円となりました。
また、「双方向Web授業」の実施等に伴い通信費、教材配送に係る運賃等が前期を上回って推移いたしました。
販売費及び一般管理費につきましては、前期比1.6%減の5,619百万円、売上高構成比率としては、前期比1.1ポイント低下の22.1%となりました。
労務費につきましては、本社機能強化に向けた要員増と業績に連動したインセンティブの増加により、前期比13.0%増の1,973百万円となりました。広告宣伝費につきましては、第1四半期に広告宣伝活動を抑制したこと、Webを活用した費用対効果の高い宣伝活動に努めたこと等により、前期比22.2%減の1,088百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前期比9.0%減の1,064百万円、経常利益は前期比7.3%減の1,077百万円となりました。
なお、当社が「経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載)」としている連結売上高経常利益率につきましては、4.2%(前期比0.5ポイント低下)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度におきまして、新型コロナウイルス感染拡大防止のために一部校舎で休講した期間に支給した休業手当に係る緊急雇用安定助成金20百万円、連結子会社による固定資産売却益5百万円を特別利益に、新型コロナウイルス感染拡大防止のため政府や自治体からの休業要請を受けて休講した期間に発生した固定費等98百万円、連結子会社が保有する不動産物件の売却意思決定等に伴う減損損失41百万円等を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比243百万円減少(31.5%減)の529百万円となりました。
ハ.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、前受制度となっている売上債権と翌月支払となっている営業活動上において必要な労務費、教材費等の仕入債務の支払とのギャップに対する支出によるもののほか、広告宣伝費等の販売費及び一般管理費であります。
投資を目的とした資金需要は、校舎施設関連及び情報システムに係る設備投資、並びに持続的な成長のための投資等があります。
今後の資金需要の内、設備投資につきましては、「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
(資金管理)
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
資金は、原則として当社で集中管理し、当社グループ内の余剰資金の有効活用を図っております。当社グループ内における新規の設備投資資金の調達については、諸条件を勘案し決定いたしますが、すべて当社の事前承認に基づいております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響による資金需要等に備えるため、取引先金融機関より2020年4月20日付で2,000百万円の資金の借入を実行いたしましたが、2021年3月の期日をもって一括返済しております。
また、2021年3月16日付の公募による新株式の発行及び自己株式の処分、同年3月17日付の第三者割当による自己株式の処分、同年3月29日付のオーバーアロットメントによる株式の売出しに関連して行う第三者割当による新株式の発行により、総額2,747百万円を調達いたしました。この資金は、2023年3月末までの「新規開校及び既存校のリニューアル等に伴う設備投資資金」、「顧客サービス拡充及び業務効率改善を目的としたソフトウェア開発等に係る設備投資資金」に充当するとともに、上記の「新型コロナウイルスの影響による資金需要等に備えた短期借入金の返済資金の一部」に充当する予定であります。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は1,107百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,233百万円となっております。
(1)提携塾契約
株式会社四谷大塚と提携塾契約を締結しております。提携塾契約とは、主に株式会社四谷大塚の発行する教材類とテストの一部を一定の掛け率で取引すること、及び株式会社四谷大塚のカリキュラムに準拠して指導すること、株式会社四谷大塚の公認テスト会場として、その代行的な業務が行えること等が盛り込まれた契約であります。
当該契約は、1997年9月1日より発効し、有効期間は2年であり、その後は2年ごとに自動更新されることに
なっております。
(2)業務・資本提携契約
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契約会社名 |
契約の相手方 |
契約の名称 |
契約締結日 |
契約の内容 |
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株式会社早稲田アカデミー |
株式会社明光ネットワークジャパン |
業務提携契約 |
2010年8月27日 |
①高学力層向け個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」の共同開発及び相互展開 ②教育情報・受験情報・地域情報等の共有と相互提供 ③教材・指導コンテンツ・研修コンテンツ類の共同開発並びに相互提供 ④相互協力による人材育成 |
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資本提携契約 |
2010年9月9日 |
株式の相互保有 |
該当事項はありません。