文中に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創業時から継承してきた「本気でやる子を育てる」という教育理念と「目標に向かって真剣に取り組む人間の創造」という経営理念を実践し、進学塾としての本来価値である学力伸長と志望校合格の実現に留まらず、あらゆる物事に本気で真剣に取り組む姿勢、自ら設定した目標の実現に向けて果敢に挑戦するチャレンジ精神、問題を発見し解決する力、困難にあっても本気で粘り強くやり抜く力を身につけた子供たちの育成を目指しております。
グローバル化と技術革新が急速に進行する世界の中で日本が発展していくためには、将来を予測し、自ら問題や課題を発見・解決していくことのできる優秀な人材の育成が求められています。当社グループは、受験指導を通じて、日本の未来を支える人材育成に寄与し、教育企業としての社会的使命と責任を果たしてまいります。
同時に企業体として、永続的な成長を実現できる経営基盤を確立し、企業価値の最大化を目指してまいります。
(2)経営環境と経営戦略等
学習塾・予備校業界を取り巻く経営環境は、少子化による学齢人口の減少に伴い、市場全体が伸び悩むという厳しい状況にあります。当社グループにおきましても少子化の影響を避けることはできないものの、当社グループが事業を展開している首都圏においては、首都圏外と比べ学齢人口減少の程度は少なく、地域によっては低年齢層を中心に増加の傾向も見られます。
又、当社グループは、進学塾としてのブランド力の源泉であり、集客力向上のための大きなファクターである「難関上位校への合格実績」を伸長させることにより他社との差別化を図り、業容を拡大するという基本戦略を推進しておりますが、潜在顧客である難関上位校の志望者数は、少子化の中にあっても安定的に推移しております。
更に、当社グループにおける難関上位校への合格者数は毎年着実に伸長しており、合格実績(合格者数)の伸長に伴い同業他社に対する競争力も年々高まっております。特に、高校受験市場においては、開成高校、早慶高校をはじめとする難関私国立高校への圧倒的な合格実績により、首都圏におけるトップブランドとして、顧客の皆様から大きな期待と信頼をいただけているものと自負しております。
加えて、2020年以降のコロナ禍を契機に、生活様式や価値観が大きく変化する中で、オンライン教育が急速に普及するとともに、Webやデジタル技術を活用した教育サービスや学習コンテンツ、学習支援ツール等への需要が一層高まっており、このようなニーズへの対応が課題であると同時に新たなビジネスチャンスとなっております。
以上の状況を踏まえて、当社グループは、“子どもたちの未来を育む独自の価値を提供し続け、教育企業No.1を目指す”という企業目標の実現に向け、2021年3月期~2024年3月期の中期経営計画を策定し取り組んでおります。
経営戦略といたしましては、「本気でやる子を育てる」という教育理念の徹底実践を起点に、生徒の本気を引き出す授業によって成績向上と志望校合格を実現し、その結果、顧客満足度を高めて地域の評判を獲得し、市場支持を拡充することで業容拡大を図るという戦略(当社では「合格実績戦略」といいます。)を推進してまいります。又、学力伸長・志望校合格という進学塾としての本来価値と前向きな人生を歩む素地・豊かな人生を送る礎となる姿勢と能力を身につけさせるという独自の付加価値(当社では「ワセ価値」といいます。)を両輪にコア事業を強化し、着実にシェア拡大を図るとともに、コロナ禍による社会変容等を背景とした新規ニーズに呼応した新たなサービスの創出と事業領域拡大に努め、中長期の業容拡大を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画及び年度予算で設定した連結売上高、連結経常利益の達成度を、経営上の目標の達成状況を判断するための指標としております。又、事業運営におきましては、収益の基盤となる塾生数の動向を、重要な指標として注視しております。
収益性の指標といたしましては、「売上高経常利益率」を重視しており、中期的には8%超、長期的には10%超を目標に経営効率の向上に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、前記に記載の経営戦略を推進していくうえで、以下の事項を優先課題として取り組んでまいります。
1、高品質な教育サービスを支える人材の、採用と育成に注力してまいります。
2、教務システムの改善、低学年戦略の拡充、小中学部と大学受験部との連携強化、入試制度改革への対応等に注力し、業容拡大を推進してまいります。
3、DXを推進し、新規サービスの提供やサービス品質向上による顧客満足度向上を図るとともに、業務効率改善を実行してまいります。
4、個別指導事業の拡大、英語教育・オンライン校の拡充、海外事業の推進等により、新たな収益基盤を構築してまいります。
5、ESGを持続的な企業価値向上のための基盤と認識し、ガバナンス体制強化等の諸施策に取り組むとともに、内部統制システムとリスク管理の強化に注力し、永続的な成長を実現できる組織体制を構築してまいります。
又、財務面では、健全で安定的な財務基盤を維持しながら、成長への投資と株主還元とのバランスがとれた資金配分を行うことが課題と認識しております。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難なため記載をしておりません。
又、以下は当社グループの事業活動等に係る全てのリスクを網羅したものではなく、記載した以外のリスクも存在しております。
文中の将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)少子化と当社グループの経営戦略について
当社グループが属する学習塾・予備校業界は、出生率の低下等による少子化の問題に直面しております。少子化の影響は、在籍生徒数の減少という直接的なものにとどまらず、学校数やその定員の減少、あるいは、入学試験の平易化が起こることにより、入塾動機の希薄化、通塾率の低下に繋がる可能性があります。
このような状況下、当社グループといたしましては引き続き、難関上位校への合格実績伸長を入塾動機及び通塾率の向上に繋げ、又、計画的な校舎展開により塾生を確保し、事業の拡大を図っていく方針であります。
現状では、少子化の中でも、当社グループにとっての潜在顧客である難関上位校への志望者数は安定的に推移しており、経営戦略に基づいて業績を伸ばしていくことは十分可能だと考えておりますが、今後、少子化が更に進行した場合、あるいは、当社グループが注力している難関校受験指導へのニーズが低下した場合には、塾生数の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材の確保及び育成について
当社グループが質の高い教育サービスを継続的に提供し、経営計画に基づき業容拡大を図っていくためには、人材の確保及び育成が重要課題であります。そのため、要員計画に沿った人材確保に向け、新卒・中途・非常勤職員の採用活動を計画的に実施するとともに、勤労意欲向上と採用力強化につながる人事制度の構築に取り組んでおります。
又、育成につきましても、階層別・職種別研修に注力し人材の早期育成を図っております。
しかしながら、今後、採用環境の急激な変化等により人材が十分に確保できない場合、あるいは、人材育成が計画どおりに進捗しなかった場合には、経営計画の遂行が遅延し、質の高い教育サービスが提供できないこと等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)生徒の安全管理について
当社グループは、安全かつ学力向上に繋がる学習環境のご提供を重要課題として事業運営にあたっております。2020年夏以降は、新型コロナウイルス感染防止のため、一部の子会社を除き、宿泊を伴う合宿の開催を中止いたしておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症の収束により宿泊型の合宿を再開することとなった場合は、従前同様に、生徒の安全と健康管理を最優先事項として細心の注意をもって運営にあたってまいります。又、日常の事業運営におきましても、引き続き、防犯カメラの設置や巡回警備等により安全管理を徹底するとともに、株式会社野田学園が経営する学生寮におきましても、寮生の安全・健康管理に加え、精神面でのサポートにも配慮した体制の整備に努めてまいります。
しかしながら、今後、万一、何らかの事情により当社若しくは子会社の管理責任が問われる事態が発生した場合には、当社グループの信頼性や評判の低下に繋がり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報の管理について
当社グループでは、顧客及び職員に関わる多数の個人情報を保有し利用しております。そのため、個人情報の管理については、グループ全体の重要な課題と認識し、当社内に、個人情報保護対策チームを設置してプライバシーマークを取得するとともに、継続的に管理体制の見直しと管理レベルの向上を図っております。子会社につきましても、当社が主導して、個人情報の適切な管理に努めております。
しかしながら、万一、当社グループが保有する個人情報が流出した場合には、信用失墜による塾生数の減少または損害賠償請求などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)大規模災害の発生による影響について
当社グループでは、大規模な地震・火災等の災害の発生に備えて、管理体制の整備に努めておりますが、万一、当社グループが事業展開をする地域において、想定を上回る規模の大規模災害が発生した場合には、長期にわたり複数エリアの校舎において授業の提供が困難となり、又、コンピュータシステムのトラブル等により顧客サービスに支障をきたす状況が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)四半期ごとの収益変動について
当社グループにおきましては、通常授業(スポット的な講座や模試を含む。)の他に、春・夏・冬の講習会及び夏期合宿、正月特訓を行っており、通常授業のみ実施する月に比べ、講習会、夏期合宿、正月特訓が実施される月の売上高が高くなります(2020年の夏以降は、新型コロナウイルス感染防止のため、一部の子会社を除き、宿泊を伴う合宿の開催は中止しております。)。又、各講習会が実施される時期に重点をおいて生徒募集を行う関係で、収益の基礎となる塾生数は期首から月を追うごとに増加し、1月にピークを迎えるという推移を示しております。対して、営業費用の中で大きなウエイトを占める校舎の地代家賃、人件費、賃借料等の固定的費用は期首より毎月発生するため、第1四半期の収益性が他の四半期と比較して低くなる傾向にあります。
なお、最近2連結会計年度の各四半期の売上高及び経常利益の推移は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
|
|||
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
4,422,397 |
7,521,515 |
6,616,858 |
6,893,086 |
25,453,857 |
|
構成比率(%) |
17.4 |
29.5 |
26.0 |
27.1 |
100.0 |
|
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
△679,819 |
1,018,668 |
455,036 |
283,814 |
1,077,700 |
|
構成比率(%) |
△63.0 |
94.5 |
42.2 |
26.3 |
100.0 |
|
|
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
|||
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
5,231,689 |
8,481,792 |
7,025,045 |
7,812,558 |
28,551,086 |
|
構成比率(%) |
18.3 |
29.7 |
24.6 |
27.4 |
100.0 |
|
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
△408,578 |
1,328,999 |
343,544 |
577,398 |
1,841,364 |
|
構成比率(%) |
△22.2 |
72.2 |
18.7 |
31.3 |
100.0 |
(7)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルスの感染拡大により社会・経済活動が大きく制約され、景気に深刻な影響を及ぼしております。当社グループにおきましては、生徒・保護者及び従業員の健康と安全を第一義とし、2020年6月以降は、Zoomを活用した「双方向Web授業」と「対面授業」を選択受講できる体制の整備や、模擬試験を自宅で受験できる受験サポートアプリの導入等により、継続的な学習環境と指導サービス提供のための様々な施策を講じ、業績伸長を図ってまいりました。本有価証券報告書提出日現在において、新型コロナウイルス感染症の収束は見通せないものの、引き続き現状のサービス提供体制を継続し、事業計画に沿って収益を伸ばしていくことは可能であると考えております。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染状況が今後どのように推移するかは不透明な状況にあります。そのため、今後、再度長期にわたる外出制限の発令や複数の大規模クラスター発生等により、円滑な事業活動を維持できなくなる事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)校舎物件の確保について
当社グループが運営する学習塾は全て首都圏にあり、今後も、首都圏を中心に校舎を展開していく方針ですが、適切な物件を適切な時期に確保できない場合には、校舎新設計画の遅延等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)株式会社四谷大塚との提携塾契約について
当社が提携塾契約を締結している株式会社四谷大塚は、中学受験指導の草分け的存在でありますが、大学受験指導を主たる事業とする株式会社ナガセが完全子会社化しております。
当該提携塾契約の主たる内容は、株式会社四谷大塚の発行する教材類を一定の掛け率(割引価格)で購入できること、同社のカリキュラムに準拠して指導すること、並びに同社の公認テスト会場として、当社がその代行的な業務を行うことができること等が定められており、1997年9月の契約締結以来、円滑に更新(2年ごとに自動更新)されております。
当社は、中学受験指導において、株式会社四谷大塚のカリキュラムに準拠した指導を行っており、合格実績も提携塾の中でトップクラスにあることから、当該契約の更新に支障はないものと考えております。又、何らかの理由により当該契約が更新されなかった場合の影響は、割引価格による教材購入ができなくなること、並びに公認テスト会場の運営ができなくなること等、限定的なものであり、その場合においても、株式会社四谷大塚の指導カリキュラムの継続は可能であり、又、当社がこれまでに培った独自のノウハウ(志望校別カリキュラム及び教材の開発等)により新しいカリキュラムを立ち上げることも十分に可能であると考えております。
当社は引き続き、株式会社四谷大塚との提携関係を維持していく方針でありますが、万一、契約更新ができなくなった場合には、公認テスト会場としてのサービスの提供に支障がでること、あるいは新しい指導カリキュラムへの移行に時間を要すること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)「早稲田アカデミー個別進学館」のフランチャイズ展開について
「早稲田アカデミー個別進学館」ブランドにつきましては、当社が直営校を展開するほか、フランチャイズシステムによる校舎展開を行っております。
フランチャイズ加盟者に対しては、当社から、校舎運営及び教務システムや講師育成面での継続的な指導とサポートを行い、高品質で均質な指導サービスを提供できる体制の整備に努めております。
更に、当社とフランチャイズ加盟者が一体となり、「早稲田アカデミー個別進学館」ブランドの優位性とブランドイメージの向上を図るための様々な施策に注力しております。
当社は今後も、フランチャイズ加盟者への指導、支援に努めてまいりますが、万一、フランチャイズ加盟者が経営する当該ブランド校舎において重大な事故が発生し、若しくは契約違反にあたる事態が生じた場合は、当該ブランドのイメージ低下に留まらず、「早稲田アカデミー」ブランド全体に対する信頼性の低下等に繋がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)減損損失について
当社グループは、有形固定資産やのれん等の固定資産を保有しております。これらの資産については減損会計を適用し、毎年、減損の兆候について精査し、減損処理が必要と判断される場合は適切に処理することとしております。そのため、将来において、買収した会社の事業計画が達成できない場合はのれん等の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業の収益性が著しく低下した場合には、保有する有形固定資産やのれん等に係る減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)敷金・差入保証金の保全、回収について
当社グループが展開する校舎の多くは、賃借物件を利用しております。新規で賃貸借契約を締結するに際しては、可能な限り賃貸人の経営状況等の確認を行うとともに、契約条件も近隣相場や採算性を十分考慮して決定しております。又、契約締結後も、主管部署が中心となり賃貸人の状況変化の把握に努めております。
しかしながら、賃貸人全ての状況変化を適時に把握することは困難であるため、賃貸人に急激な状況変化が生じた場合には、敷金・差入保証金の保全・回収ができない可能性があります。
(13)法令遵守について
当社グループが営む事業に関連する主な法令・条例としては、特定商取引に関する法律、個人情報の保護に関する法律、青少年保護育成に関する条例、著作権法、不当景品類及び不当表示防止法等があります。当社グループでは、法令違反を予防する体制の整備、従業員への継続的な教育の実施などにより、法令遵守体制の強化に努めております。
しかしながら、将来にわたり、関連法令に基づく損害賠償請求等に係る訴訟を提訴される事案が生じる可能性が皆無とは言い切れず、万一、そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及びその分析につきましては、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及
に伴い緊急事態宣言等が解除され、経済社会活動には正常化に向けた動きが見られました。しかしながら、新たな
変異株による感染再拡大に加え、ウクライナ情勢の緊迫化による経済活動の停滞が懸念され、先行き不透明な状況
で推移いたしました。
学習塾業界におきましては、教育制度改革への対応に加え、コロナ禍を契機としたオンライン教育へのニーズの
高まりや、GIGAスクール構想で進められている教育環境のデジタル化といった大きな変化の中で、価値観の多様化
や社会環境の変化に応じた教育サービスの提供が求められております。
このような状況下、当社グループにおきましては、コロナ禍においても、子どもたちに安全・安心な“学びの
場”と、成績向上につながる“質の高い学習指導”を継続的に提供することに全力で取り組んでまいりました。
当社におきましては、顧客の皆様のご要望に応え、“対面授業”と“双方向Web授業”とを選択受講できるデュ
アル形式の授業「早稲アカDUAL」を継続するとともに、2021年4月には小学6年生・中学3年生を対象とした「オ
ンライン校」を開校するなど、コロナ禍で通塾が不安な方や、首都圏外にお住まいの皆様にも、対面授業と同品質
の難関志望校別対策授業を受講いただける体制を構築いたしました。また、生徒・保護者向けポータルサイト「早
稲田アカデミーOnline」のアプリ化や答案提出アプリ「早稲田アカデミーEAST」の機能拡充などICTを活用した学
習環境の向上と家庭学習支援ツールの充実に取り組んでまいりました。
教務面につきましては、中学受験コースにおいて、小学1・2年生向けの教材・テストの改善、小学3年生の理
科・社会の授業で使用する映像のメンテナンスを行い、受講生が実体験に近い印象を持つことにより理解度を高め
るための工夫を進めるなど、低学年戦略の拡充や教材・カリキュラムのメンテナンスに努めました。高校受験コー
スでは、海外と国内とをオンラインで結び、「聞く・話す」の技能を高める“オンライン英語”を10,000名近い生
徒に受講いただいており、英語技能の向上に着実な成果が出ているとの手応えを感じております。
更に、難関校合格に向けた指導体制の強化に取り組み、今春の入試においても堅調に合格実績を伸長させること
ができました。
又、中期経営計画(2021年3月期~2024年3月期)で定める重点施策の一つである「個別指導部門の拡充展開」
の一環として、2010年より株式会社明光ネットワークジャパンと共同開発・相互展開を行ってきた「早稲田アカデ
ミー個別進学館事業(以下「個別進学館事業」という。)」を当社グループ単独で運営していくこととし、株式会
社明光ネットワークジャパングループが営む「個別進学館事業」を承継するために、同社が簡易新設分割により設
立した“株式会社個別進学館”を2021年11月30日付で当社の完全子会社とした後、2022年3月1日付で当社に吸収
合併いたしました。今後は、高学力層向け個別指導におけるNo.1ブランドの確立に向け、グループ内における集団
指導と個別指導のシナジー効果をこれまで以上に強化させるとともに、フランチャイズシステムの活用により事業
展開を一層加速させることで、中長期目標として掲げる“首都圏での個別指導ブランド 100 校体制”の早期実現
を目指してまいります。
子会社各社におきましては、株式会社野田学園がコロナ禍の影響により高卒部門を中心に集客に苦戦したもの
の、他の子会社各社の業績は、海外子会社を含め、いずれも増収増益と順調に推移いたしました。
校舎展開につきましては、当社において、2021年7月に品川校・豊洲校・早稲田アカデミー個別進学館豊洲校、
2022年2月に早稲田アカデミー個別進学館戸越校、3月に流山おおたかの森校、又、子会社である株式会社集学舎
において2022年3月に鎌取校を新規開校するとともに、2021年11月に個別進学館12校を株式会社明光ネットワーク
ジャパングループより譲り受けた結果、当連結会計年度末の当社グループ直営校は180校となりました。
当連結会計年度における期中平均(4月~3月平均)塾生数は、小学部24,937人(前期比15.5%増)、中学部
16,268人(同9.9%増)、高校部2,423人(同6.2%減)、合計で43,628人(前期比12.0%増)となりました。各学
部とも、小学1~3年、中学1年、高校1年といった低学年層が大きく伸長しており、中長期的な収益拡大と合格
実績伸長に繋がる良好な学年構成となっております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高28,551百万円(前期比12.2%増)、営業利益1,821百万円(前期比71.2%増)、経常利益1,841百万円(前期比70.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,108百万円(前期比109.4%増)となりました。
費用面では、業容拡大及び学習環境改善や顧客サービス向上のための設備・システム投資に伴い、人件費・校舎
の地代家賃・原材料費・減価償却費等が増加している一方、継続的に取り組んできた費用統制が奏功し、売上高経
常利益率につきましては6.4%と前期より2.2ポイント改善いたしました。
当社グループの事業は、単一セグメントのためセグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより5,128百万円となり、前連結会計年度末に比べ、104百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,841百万円、減価償却費1,093百万円、のれん償却額146百万円等が収入要因となり、他方、前受金の減少額83百万円、法人税等の支払額607百万円等が支出要因となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、2,645百万円の収入となり、前連結会計年度末に比べ、745百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出685百万円、有形固定資産の取得による支出605百万円、資産除去債務の履行による支出180百万円、差入保証金の差入による支出138百万円等が支出要因となりました。
この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、1,701百万円の支出となり、前連結会計年度末に比べ1,261百万円支出が増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出370百万円、リース債務の返済による支出256百万円、配当金の支払額417百万円が支出要因となりました。
この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,044百万円の支出(前年同期は1,946百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産及び受注の状況
当社グループは、生徒に対して授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。また、受注実績につきましても、該当事項はありません。
ロ.販売実績
品目別の販売実績は次のとおりであります。
|
品目 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
比較増減 |
||
|
生徒数(人) |
金額(千円) |
生徒数(人) |
金額(千円) |
金額(千円) |
|
|
小学部 |
21,591 |
13,999,966 |
24,937 |
16,176,704 |
2,176,737 |
|
中学部 |
14,796 |
9,576,571 |
16,268 |
10,707,380 |
1,130,808 |
|
高校部 |
2,582 |
1,647,624 |
2,423 |
1,572,086 |
△75,537 |
|
その他 |
- |
229,695 |
- |
94,915 |
△134,780 |
|
合計 |
38,969 |
25,453,857 |
43,628 |
28,551,086 |
3,097,229 |
(注)1.生徒数は、期中平均(4~3月の平均)の在籍人数を記載しております。
2.収益認識会計基準等を適用したことに伴い、当連結会計年度の期首より、一部の品目別金額の集計区分を変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的に判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当社グループは、企業価値極限化を実現するための「最適資本構成を図る」を財務方針としております。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末比105百万円増加の7,904百万円となりました。これは、営業未収入金128百万円の増加が主な要因であります。
固定資産は、前連結会計年度末比971百万円増加の11,759百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末比532百万円増加の5,583百万円、無形固定資産は、前連結会計年度末比411百万円増加の1,764百万円、投資その他の資産は、前連結会計年度末比27百万円増加の4,411百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の資産総額は、前連結会計年度末比1,077百万円増加し、19,663百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末比420百万円増加の4,914百万円となりました。これは、未払法人税等154百万円、未払費用80百万円、前受金134百万円の増加が主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末比229百万円増加の3,317百万円となりました。これは、資産除去債務563百万円の増加と長期借入金309百万円の減少が主な要因であります。
なお、有利子負債(1年内返済予定の長期借入金、1年内返済予定のリース債務、長期借入金、リース債務)は、前連結会計年度末比498百万円減少の609百万円であります。有利子負債の構成比率は3.1%となっております。
この結果、当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末比650百万円増加し、8,232百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末比426百万円増加の11,431百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益1,108百万円と配当金の支払418百万円、その他有価証券評価差額金137百万円の減少が主な要因であります。また、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、期首利益剰余金114百万円が減少しております。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の59.2%から58.1%となりました。また、1株当たり純資産額は、606円22銭となりました。
なお、当連結会計年度末の構成比率は、流動資産40.2%、固定資産59.8%、流動負債25.0%、固定負債16.9%(負債41.9%)、純資産58.1%となっております。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度におきましては、前期に引き続き、生徒の皆様に安全・安心な“学びの場”と、より質の高い学習指導を継続的にご提供することに注力してまいりました。保護者の皆様からのご要望に応え、Zoomを活用した「双方向Web授業」と「対面授業」とを選択受講できる「デュアル形式」のサービスを継続するとともに、ICTを活用した家庭学習支援ツールやオンラインでのサービス拡充に取り組んできたことが生徒・保護者の皆様からのご支持に繋がり、収益の基礎となる塾生数は、期中平均で前期比12.0%増と順調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、前期比12.2%増の28,551百万円となりました。
(営業利益・経常利益)
売上原価につきましては、前期比10.2%増の20,684百万円、売上高構成比率としては、前期比1.3ポイント低下の72.4%となりました。
売上原価の中で最も大きなウエイトを占める労務費につきましては、サービス品質向上に向けて講師職を中心に校舎に配置する要員を増加させたことに加え、業績向上に伴い従業員賞与の支給率を引き上げたことにより、前期比8.4%増の10,183百万円となりました。
原材料費につきましては、塾生数増加に連動した教材・模試仕入の増加や、オンライン英語教育及びカリキュラムテスト必修化による外注費の増加等により前期比15.4%増の3,843百万円となりました。
校舎物件に係る地代家賃につきましては、前期比9.2%増の3,446百万円となりましたが、その主な要因は新校6校開校と既存校の塾生数増加に伴う増床です。
販売費及び一般管理費につきましては、前期比7.6%増の6,045百万円、売上高構成比率としては前期比0.9ポイント低下の21.2%となりました。
労務費につきましては、業績向上に伴う本社従業員の賞与支給率引き上げや本社機能強化に伴う要員増により、前期比8.9%増の2,149百万円となりました。広告宣伝費につきましては、集客のための広告宣伝及び人材採用に係る募集活動を強化したことにより、前期比8.5%増の1,180百万円となりましたが、Webを活用した費用対効果の高い宣伝活動に努めたこと等により、売上高構成比率は前期比0.2ポイント低下となる4.1%に抑制することができました。
以上の結果、営業利益は前期比71.2%増の1,821百万円、経常利益は前期比70.9%増の1,841百万円となりました。
なお、当社が「経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載)」としている連結売上高経常利益率につきましては、6.4%(前期比2.2ポイント改善)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度におきましては、特別利益・特別損失ともに計上すべき事項はなく、税金等調整前当期純利益に法人税等合計733百万円を反映した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比578百万円増加(109.4%増)の1,108百万円となり過去最高益を更新することとなりました。
ハ.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、前受制度となっている売上債権と翌月支払となっている営業活動において必要な労務費、教材費等の仕入債務の支払とのギャップに対する支出によるもののほか、広告宣伝費等の販売費及び一般管理費であります。
投資を目的とした資金需要は、校舎施設関連及び情報システムに係る設備投資、並びに持続的な成長のための投資等があります。
今後の資金需要の内、設備投資につきましては、「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
(資金管理)
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
資金は、原則として当社で集中管理し、当社グループ内の余剰資金の有効活用を図っております。当社グループ内における新規の設備投資資金の調達については、諸条件を勘案し決定いたしますが、すべて当社の事前承認に基づいております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は609百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,128百万円となっております。
(1)提携塾契約
株式会社四谷大塚と提携塾契約を締結しております。提携塾契約とは、主に株式会社四谷大塚の発行する教材類とテストの一部を一定の掛け率で取引すること、及び株式会社四谷大塚のカリキュラムに準拠して指導すること、株式会社四谷大塚の公認テスト会場として、その代行的な業務が行えること等が盛り込まれた契約であります。
当該契約は、1997年9月1日より発効し、有効期間は2年であり、その後は2年ごとに自動更新されることに
なっております。
(2)業務・資本提携の解消及び株式会社個別進学館の株式取得に関する契約の締結
当社は、2021年10月29日開催の取締役会決議に基づき、2021年11月30日付で株式会社明光ネットワークジャパン(以下、「明光ネットワークジャパン」という。)との業務・資本提携を解消いたしました。あわせて、当社は、明光ネットワークジャパンが簡易新設分割により設立し、同社及び同社の完全子会社である株式会社MAXISエデュケーションが保有する「早稲田アカデミー個別進学館事業」を承継及び譲り受けした株式会社個別進学館の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。
本株式取得の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の注記事項(企業結合等関係)に記載しております。
(3)完全子会社の吸収合併
当社は、2021年12月24日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社個別進学館を吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結、2022年3月1日付で吸収合併いたしました。
本吸収合併の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の注記事項(企業結合等関係)に記載しております。
該当事項はありません。