文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「和、信頼、技術」を社是とし、豊かな人間性と高い技術の融和を目指すとともに、企業理念として「常に発展する技術者集団」、「発展の成果を社会に常に還元する企業」を掲げ、「ソフトウェア開発及びプロダクト・サービスの提供」を通じて社会的課題の解決に取り組み、企業価値の継続的向上を図ることで社会、お客様、株主に貢献することを経営の基本としております。
以上の理念のもと、事業執行にあたっての基本方針は、以下のとおりであります。
・上質なサービスの提供
・顧客第一主義
・ソフトウェア生産技術でトップ
また、目指す企業像は以下のとおりであります。
“社員がイキイキと働き、業界・顧客に一目置かれ、業績をきちんと上げ続ける企業”
(2)経営環境及び経営戦略
人工知能、IoT、ビッグデータといった先端技術が社会に革新的な変化をもたらす「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が進行する現在、世界中のあらゆる企業がその産業構造やビジネスの変革を迫られております。
現在整備が進められている第5世代移動通信システム(5G)もまた、これまで実現の難しかった新しいサービスを生み出し、人々の暮らしに劇的な変化をもたらすと期待されております。様々な産業で「モノ」から「コト」(「製品」から「サービス/体験」)へのシフトが企業の競争力を決定づける重要なテーマとなっており、ソフトウェア企業にはこの変化を見据えた経営が求められます。
このような事業環境のもと、当社が安定した収益基盤を確立し、持続的な成長を実現するための基本戦略は次のとおりであります。
①システム開発事業の基盤拡大
DXが進むにつれ、ユーザーが感じる価値を重視した新しいシステムとその基盤となる従来型システムは、ともに重要性を増していきます。当社は、これまで培ってきた従来型のシステム開発事業を着実に成長させるとともに、お客様のDXに貢献するシステム開発分野を積極的に開拓してまいります。また、DX時代に即したソフトウェア開発スキームの在り方をお客様と確立し、自社の競争力を高めてまいります。
②新たな収益源となるビジネスの創出
安定した収益基盤の確立に向け、自社開発のプロダクトやサービスをベースにした新ビジネスの創出・拡大に取り組んでまいります。また、それらを活用した企画提案を既存のお客様への深耕策としても積極的に展開し、新たな受注機会の創出とパートナーシップの強化を図ってまいります。
なお、現在は文教分野向けのソリューションに注力しております。教育現場では、情報リテラシー教育が活発化する中で、ICTを利活用した授業の導入が積極的に進められております。当社は、情報化のニーズが堅調な文教市場において、パソコン教室におけるシステム管理業務の負荷軽減を実現するソリューションを中心に、優れた製品とサービスの提供により、効率的かつ効果的な学校ICT環境の実現に貢献してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、「持続的な成長の実現」という観点から、売上高と営業利益を重視した経営に取り組んでおります。中期的に、売上高350億円の達成、売上高営業利益率10%以上の継続的な確保を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
情報サービス業界は、クラウドコンピューティングに代表されるソフトウェアのサービス化とグローバル競争の加速といった変化の中にあります。技術面では、次世代のネットワーク制御技術やモバイル関連技術はもとより、デジタル時代を支える先端技術が日進月歩で進化しております。
このような変化の中で当社は、システム開発事業の基盤拡大と新たな収益源となるビジネスの創出を基本戦略として、持続的な成長と安定した収益基盤の確立を目指しております。そのために対処すべき課題は次のとおりであります。
①オープンシステム事業の収益基盤拡大
当社は、流通・サービス、公共インフラ、官公庁等、持続的な成長に資する事業領域を「安定的な収益基盤となる事業」と位置付け、部門を越えた迅速な選択と集中を加速し、更なる収益力の強化を進めてまいります。
また、デジタル時代におけるビジネスモデルの変革や開発スタイルの変化への適応を図るとともに、継続的に生産性の向上に取り組むことで当社の優位性を確保し、更なる事業の拡大を目指してまいります。
②人的パワーの拡充
ソフトウェア開発関連事業では、開発に携わる技術者一人ひとりのスキルと組織力がお客様の信頼の源泉となります。このために当社では、「プロパー社員による開発体制」と「品質」にこだわる企業文化の醸成に努めており、新卒者を中心とした採用と研修制度の充実を積極的に推進しております。
更に、デジタル時代のソフトウェア技術者像として、先端技術に明るく、お客様とともに考え、お客様のビジネスに貢献する「デザインするプログラマー」を掲げ、キャリア育成を進めております。
③先端技術の積極活用
デジタル革命が進行する今日、人工知能、ビッグデータ、クラウドサービス、第5世代移動通信システム(5G)といった先端技術や新しい開発スタイルへの適応は不可欠であります。当社は、これら先端技術の積極活用を推進する組織として「開発推進部」を設置しております。技術の修得はもとより、受託案件への提案や社内業務への適用を積極的に進め、企業としての競争力を高めるとともに、新たな成長に向けた事業領域の創出に取り組んでまいります。
④プロダクト・サービスビジネスの拡大
当社は、主力のソフトウェア開発関連事業に加えて、新たな収益源となるビジネスを創出するため、自社プロダクトや自社サービスを主軸としたビジネスの構築・拡大を進めております。このため、既存プロダクトの競争力強化及び新製品・新サービスの創出に向けた研究開発活動を積極的に進めてまいります。また、外部研究機関との共同研究をはじめ、ビジネス開発・販売チャネルの強化に必要な業務提携を推進いたします。併せて、システム開発事業とのシナジーにより、全事業の収益力向上に努めてまいります。
(新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、事業所閉鎖や出勤停止、外出自粛に伴う事業所への出勤人数の抑制等が発生する可能性があります。当社ではソフトウェア開発関連事業を継続し、お客様へ安定したサービスを提供できるよう、テレワーク環境の充実を図るとともに、分散開発体制の更なる拡大に取り組んでおります。
以上のことから、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経営方針等への重要な影響はないと判断しております。
当社が認識している経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年7月2日)現在において当社が判断したものであります。
<当社の事業環境に関するリスク>
当社の主力事業は、情報通信システムのソフトウェア開発であることから、お客様である通信事業者、メーカー、サービス企業等の設備投資動向及び経営成績の影響を受けることが予想されます。
<品質に関するリスク>
大規模・複雑化、短納期化するソフトウェア開発においては、仕様の追加や変更要望、仕様・進捗に関するお客様との認識の不一致等により開発費が増大したり、納入後の不具合等により修復に要する費用が追加発生するリスクがあります。
またソフトウェアの品質、納期遅延に関する賠償責任、知的所有権侵害による訴訟や、特許に関するトラブル等、法的なリスクと損害が発生する可能性があります。
当社では、受注段階での見積精度を向上し、開発段階においてはプロジェクト管理及び品質管理の強化を図ることで、リスクの低減に努めております。
<情報セキュリティに関するリスク>
ソフトウェア開発では、お客様の企業情報や個人情報等のデータを取り扱うことがあります。このため、当社の責任による紛失、破壊、漏洩等が発生した場合、信用力の低下や発生した損害に対する賠償金の支払い等の発生リスクがあります。
当社では、ISO/IEC 27001認証に基づく情報セキュリティマネジメントシステムの整備・運用により、業務情報の厳格な管理に努めております。また、近年ますます高度化・巧妙化するサイバー攻撃への備えとして、コンピュータセキュリティインシデントに対応するための専門チームであるCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置し、セキュリティインシデントに関連する情報の収集・分析、並びに対応方針や手順の策定等に努めております。
<大規模災害等の発生に関するリスク>
地震、水害、火災等の大規模災害、インフルエンザ等の集団感染等が発生した場合、事業活動の中断や著しい縮小を余儀なくされ、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社では事業を中断させるような緊急事態が起こった場合に備え、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し、改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。
<新型コロナウイルス感染症に関するリスク>
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、プロジェクトの中止、お客様の投資抑制、事業所閉鎖や出勤停止、外出自粛に伴う事業所への出勤人数の抑制等が発生し、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社ではソフトウェア開発事業を継続し、お客様へ安定したサービスを提供できるよう、テレワーク環境の充実と情報セキュリティ対策の強化を図るととともに、分散開発体制の更なる拡大に取り組んでおります。
<経営成績等の状況の概要>
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、堅調な内需や企業収益の改善を背景に緩やかな拡大基調となりました。しかしながら、夏以降の相次ぐ自然災害や消費税率引き上げによる個人消費の低迷、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等により、年後半には景気の減速感が急速に高まりました。
情報サービス業界では、幅広い分野でシステム投資が堅調に推移いたしました。特に当社事業区分におけるオープンシステム分野では、流通、サービス、官公庁、金融、教育、医療等、幅広い業種でICTの戦略的な活用が進められました。
通信システム分野では、革新的なサービスを提供するための通信インフラとして期待されている第5世代移動通信システム(5G)の商用サービスが始まり、インフラ整備とその活用に向けた取り組みが社会的関心度の高まりとともに様々な領域へと広がりをみせております。
このような事業環境の中で、当社は受注環境の良好なオープンシステム分野の公共と流通・サービスの2つの事業領域を安定的な収益基盤となる分野と位置付け、収益基盤拡大に注力するとともに、通年採用により開発人員の拡充を進めました。
この結果、当事業年度の財政状態における当事業年度末の資産は、前事業年度末に比べ2,677百万円増加し、42,807百万円となりました。当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ1,078百万円増加し、7,933百万円となりました。当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ1,598百万円増加し、34,874百万円となりました。
当事業年度の経営成績は、売上高は30,825百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は3,337百万円(前年同期比8.5%増)、経常利益は3,411百万円(前年同期比8.6%増)、当期純利益は2,293百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
なお新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への影響はありませんでした。
次にセグメント別の概況をご報告いたします。なお、文中における金額につきましては、セグメント間の内部振替前の数値となります。
①ソフトウェア開発関連事業
ⅰ)通信システム
主にノードシステム関連及びモバイルネットワーク関連の売り上げが減少したことにより、売上高は9,626百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
イ)ノード
交換システム関連の売り上げが減少したことにより、売上高は2,411百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
ロ)モバイルネットワーク
業務用無線関連の売り上げが減少したことにより、売上高は2,147百万円(前年同期比20.2%減)となりました。
ハ)ネットワークマネジメント
次世代ネットワーク(NGN)関連の売り上げは増加しましたが、固定網インフラ関連の売り上げが減少したことにより、売上高は5,066百万円(前年同期比3.1%減)となりました。
ⅱ)オープンシステム
公共関連の売り上げが増加したことにより、売上高は18,027百万円(前年同期比13.5%増)となりました。
イ)公共
官公庁向けシステム関連の売り上げが増加したことにより、売上高は5,976百万円(前年同期比19.3%増)となりました。
ロ)流通・サービス
流通システム関連及びインターネットビジネス関連の売り上げが増加したことにより、売上高は7,088百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
ハ)金融
決済システム関連の売り上げは減少しましたが、その他の勘定系システム関連の売り上げが増加したことにより、売上高は1,581百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
ニ)その他
企業向け情報システム関連の売り上げが増加したことにより、売上高は3,380百万円(前年同期比29.8%増)となりました。
ⅲ)組み込みシステム
車載システム関連の売り上げは増加しましたが、OA機器関連の売り上げが減少したことにより、売上高は1,376百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
②その他
文教ソリューション関連の売り上げが増加したことにより、売上高は1,795百万円(前年同期比48.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2,386百万円増加し、当事業年度末には18,434百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,995百万円(前年同期比40.8%増)となりました。
これは、税引前当期純利益3,408百万円(前年同期比9.5%増)及び仕入債務の増加560百万円(前年同期比598.7%増)が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は93百万円(前年同期比70.6%減)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出100百万円(前年同期比50.1%減)があったものの、定期預金の払戻による収入1,100百万円(前年同期比56.0%減)となったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は702百万円(前年同期比77.0%減)となりました。
これは、配当金の支払702百万円(前年同期比2.7%減)があったものの、当事業年度は自己株式の取得による支出が0百万円(前年同期は2,333百万円)となり、大きく減少したことが主な要因であります。
(3)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメント及び事業の区分 |
生産実績(千円) |
増減率(%) |
||
|
|
|
ノード |
2,411,479 |
△9.0 |
|
|
|
モバイルネットワーク |
2,150,847 |
△20.1 |
|
|
|
ネットワークマネジメント |
5,072,512 |
△3.0 |
|
|
通信システム |
9,634,839 |
△8.9 |
|
|
|
|
公共 |
5,976,809 |
19.3 |
|
|
|
流通・サービス |
7,088,625 |
5.4 |
|
|
|
金融 |
1,580,563 |
2.8 |
|
|
|
その他 |
3,381,002 |
29.6 |
|
|
オープンシステム |
18,027,000 |
13.5 |
|
|
|
組み込みシステム |
1,376,065 |
△3.7 |
|
|
ソフトウェア開発関連事業 |
29,037,904 |
4.1 |
||
|
その他 |
1,789,852 |
47.5 |
||
|
合 計 |
30,827,757 |
6.0 |
||
(注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値となります。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
セグメント及び事業の区分 |
受注高 (千円) |
増減率 (%) |
受注残高 (千円) |
増減率 (%) |
||
|
|
|
ノード |
2,531,077 |
△1.2 |
632,281 |
23.3 |
|
|
|
モバイルネットワーク |
2,183,406 |
△16.4 |
349,141 |
11.3 |
|
|
|
ネットワークマネジメント |
4,697,587 |
△15.0 |
723,393 |
△33.8 |
|
|
通信システム |
9,412,071 |
△12.0 |
1,704,817 |
△11.2 |
|
|
|
|
公共 |
5,700,943 |
5.8 |
724,558 |
△27.6 |
|
|
|
流通・サービス |
7,429,987 |
11.2 |
2,335,618 |
17.1 |
|
|
|
金融 |
1,710,455 |
15.6 |
292,568 |
78.7 |
|
|
|
その他 |
3,727,066 |
44.4 |
854,235 |
68.3 |
|
|
オープンシステム |
18,568,451 |
15.1 |
4,206,979 |
14.8 |
|
|
|
組み込みシステム |
1,321,403 |
△12.4 |
219,964 |
△20.0 |
|
|
ソフトウェア開発関連事業 |
29,301,926 |
3.4 |
6,131,761 |
4.6 |
||
|
その他 |
1,889,726 |
52.8 |
399,676 |
30.8 |
||
|
合 計 |
31,191,653 |
5.5 |
6,531,437 |
5.9 |
||
(注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値となります。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメント及び事業の区分 |
販売実績(千円) |
増減率(%) |
||
|
|
|
ノード |
2,411,613 |
△8.9 |
|
|
|
モバイルネットワーク |
2,147,966 |
△20.2 |
|
|
|
ネットワークマネジメント |
5,066,884 |
△3.1 |
|
|
通信システム |
9,626,464 |
△8.9 |
|
|
|
|
公共 |
5,976,809 |
19.3 |
|
|
|
流通・サービス |
7,088,625 |
5.3 |
|
|
|
金融 |
1,581,568 |
2.9 |
|
|
|
その他 |
3,380,466 |
29.8 |
|
|
オープンシステム |
18,027,469 |
13.5 |
|
|
|
組み込みシステム |
1,376,266 |
△3.9 |
|
|
ソフトウェア開発関連事業 |
29,030,199 |
4.1 |
||
|
その他 |
1,795,656 |
48.6 |
||
|
合 計 |
30,825,856 |
5.9 |
||
(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値となります。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ |
7,770,276 |
26.7 |
7,724,876 |
25.1 |
|
ヤフー株式会社 |
3,786,118 |
13.0 |
3,965,088 |
12.9 |
|
富士通株式会社 |
3,881,272 |
13.3 |
3,388,503 |
11.0 |
<経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容>
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年7月2日)現在において当社が判断したものであります。
(1)財政状態の分析
当事業年度末の資産は、前事業年度末に比べ2,677百万円増加し、42,807百万円(前年同期比6.7%増)となりました。これは、現金及び預金の増加3,886百万円が主な要因であります。
負債は、前事業年度末に比べ1,078百万円増加し、7,933百万円(前年同期比15.7%増)となりました。これは、買掛金の増加560百万円、退職給付引当金の増加211百万円が主な要因であります。
純資産は、前事業年度末に比べ1,598百万円増加し、34,874百万円(前年同期比4.8%増)となりました。これは、利益剰余金の増加1,591百万円が主な要因であります。自己資本比率は81.5%となりました。
(2)経営成績の分析
①売上高
当事業年度における売上高の概況は、<経営成績等の状況の概要>(1)財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。
②売上原価、販売費及び一般管理費
当事業年度の売上原価は23,560百万円(前年同期比5.9%増)となり、売上高に対する売上原価の割合は76.4%(前年と同水準)となりました。
当事業年度の販売費及び一般管理費は3,927百万円(前年同期比3.9%増)、売上高に対する販売費及び一般管理費の割合は12.7%(前年同期比0.3ポイント減)となりました。販売費及び一般管理費の主な増加要因は、開発体制の拡充を目的とした通年採用の実施や新人の研修期間長期化による人件費の上昇等によるものであります。
③営業利益、経常利益、当期純利益
当事業年度の営業利益は3,337百万円(前年同期比8.5%増)、経常利益は3,411百万円(前年同期比8.6%増)、売上高経常利益率は11.1%(前年同期比0.3ポイント増)となりました。
当事業年度の当期純利益は2,293百万円(前年同期比9.8%増)、1株当たり当期純利益は163.38円となりました。なお、潜在株式が存在しませんので、1株当たり当期純利益の希薄化はありません。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、<経営成績等の状況の概要>(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社の主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、営業活動で得られる資金及び内部資金で手当てできると考えております。
資金の運用につきましては、資金の流動性確保を第一とし、一部について、信用リスク、金利等を考慮し、元本割れの可能性が極めて低いと判断した金融商品で運用しております。
当事業年度における流動比率は431.0%となり、高い流動性を確保しております。
新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の受注状況により一時的に資金の流動性が低下する可能性はありますが、当面必要な運転資金は充分に確保しており、事業の継続や雇用の維持が困難となる等、資金繰りの不安はないと考えております。配当による株主還元や、採用、人材育成、設備の更新等の投資についても、計画的に実施する予定であります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成に際し、重要な会計方針及び過去の実績や現状に基づいた見積りによる判断を行っており、特に以下の項目については重点的な分析を行っております。
なお、実際の結果は、見積りによる不確実性のため異なる結果となる場合があります。
①収益の認識
当社はソフトウェアの請負契約のうち当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる請負契約については、工事進行基準により収益を認識しております。工事進行基準を適用するにあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度について信頼性をもって見積もっておりますが、その見積りが変更された場合には、当事業年度においてその影響額を損益として処理することとなります。その他の売上高については、お客様が納品物や提供サービスを検収した時点で、契約又は注文に基づく受注金額を計上しております。
また、当事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。
なお、当事業年度末においては該当案件がないため、受注損失引当金の計上はありません。
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、ソフトウェアの開発は技術者が集まって開発を行う集合型から、テレワークを活用した分散型開発へ急速に移行しております。開発環境の急激な変化はソフトウェア生産能力の一時的な低下に繋がる可能性がありますが、当社は先端技術の積極活用による生産性の向上と、長年培ったプロジェクト管理能力により、不採算案件の発生防止と工事進捗の見積精度の更なる向上に取り組んでおります。今後も工事進行基準による収益認識を継続する見通しであり、また、2022年3月期期首からの収益認識に関する会計基準等の適用に向けて着実に準備を進めております。
②固定資産の減損
当社は固定資産の減損に係る会計基準において対象とされる固定資産について、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行います。
なお、当事業年度においては減損の兆候がある固定資産がないため、減損損失の計上はありません。
③繰延税金資産
当社は毎事業年度継続してタックススケジュールを見直し、将来年度の課税所得の見積りと将来減算一時差異の解消見込みを検討し、将来回収可能部分につき、資産計上しております。
なお、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、税金費用が計上される可能性がありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況下において、当社は平常時と同水準の受注残及び稼働を維持しており、現時点では繰延税金資産の回収可能性に問題はないと認識しております。
④退職給付債務
当社は退職給付債務の計算を外部機関に委託しており、従業員の残存勤務期間や退職率等の設定は直近の統計数値に基づいて算出しております。割引率や年金資産の期待運用収益率等の見積数値と実績が異なる場合、又は見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
割引率については、当事業年度末時点の社債の市場利回りで算出した0.5%を採用しております。
該当事項はありません。
当社は、「プロダクト・サービスビジネスの拡大」を重要な経営課題と位置付け、新製品の創出を目的とした研究開発活動を推進しております。また、そのための専門組織として、経営企画本部の配下に技術推進部を設置しております。
当事業年度における研究開発活動の金額は
①リモートファイルアクセスに関する研究開発
2018年10月より販売しているリモートアクセスシステム『alpha V-Worker』について、更に製品価値を高める研究開発を進め、追加機能を実装いたしました。外出先や移動中のモバイル環境から、自社オフィスに設置されたファイルサーバへのより安全なアクセスを実現することで、近年の企業活動に深刻な影響を与える情報漏洩リスクの低減を図ります。
②PCの環境復元(※1)に関する研究開発
2018年10月より販売している環境復元システム『V-Recover』について、対応機器の拡大及びシステム導入を支援するための研究開発を進め、追加機能を実装いたしました。
(※1)PCを再起動・停止するだけで利用前の状態に戻すことを“環境復元”と言います。PCに不要なデータを残さないことから情報漏洩リスクの低減、誤操作によるトラブル・意図的な改竄の防止、外部からの攻撃や侵入の防御、クリーンな状態のPC環境の維持等に活用されております。