第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における日本経済は、新興国を中心とした海外経済の減速、資源価格の大幅下落等、国際経済のリスク要因を抱え、今後の景気見通しには慎重さが見られるものの、政府の景気対策や日銀による金融政策の効果を受け、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、個人消費の面では、実質賃金の伸び悩みや、物価上昇圧力への懸念が高まり、依然として先行き不透明な状況が継続いたしました。

当業界におきましては、新しい学力像を標榜する政府の教育改革推進の影響を受けて、顧客のニーズがさらに多様化するとともに、従来の塾・予備校の運営形態にとどまらない多様な教育事業や商品が氾濫し、全体として異業種の参入を招きながら混沌とした競争市場を形成するに至っております。

このような状況で当社グループは、前期に引き続き、時代の要請に応え得る様々な教育コンテンツの開発を推し進めるとともに、積極的な事業提携による教育事業の展開と顧客層の拡大に努めてまいりました。

また、当連結会計年度には、東京都に本社を置く「株式会社久ケ原スポーツクラブ」、同じく東京都に本社を置くTOEFL等留学試験対策専門予備校「株式会社リンゴ・エル・エル・シー」を子会社化し、スポーツ・実用英語事業に参入いたしました。

なお、一部の予備校校舎及び個別指導教室の統合・閉鎖関連費用、固定資産の減損損失及び子会社ののれんを減損損失として、特別損失に計上いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は6,693百万円(前連結会計年度比8.3%増)となり、営業利益は323百万円(同2.0%増)、経常利益は383百万円(同0.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は85百万円(同71.1%減)となりました。

各セグメントの業績は次のとおりであります。

当連結会計年度より報告セグメントを「教育事業」と「スポーツ事業」の2つに区分いたしました。なお、今期よりセグメント区分の変更を行いましたので、前年同期との比較は行っておりません。

 

a.教育事業

教育事業は、「城南予備校」の予備校部門、小学生から高校卒業生までを対象とした「城南コベッツ」の個別指導部門をはじめ、乳幼児育脳教室「くぼたのうけん」・児童英語教室「ズー・フォニックス・アカデミー」・東京都認証保育所「城南ルミナ保育園」の児童教育部門、大学生の就職活動を支援する「城南就活塾」等、乳幼児から社会人まで幅広い層のニーズに応える体制を有しております。

予備校部門は、特訓プログラム「THE TANREN」や夏期・冬期の合宿を企画し、生徒の学力アップを図るとともに、一人あたりの単価アップに取り組んでおります。

小学生から高校卒業生までを対象とする個別指導部門では、低学年を中心に生徒数を伸ばし、大学受験に偏らない全方位型の教室事業の展開を拡大させております。特にフランチャイズ部門におきましては、新規オーナー加盟に加え、既存オーナーによる複数教室開校をサポートし、ブランド力向上に取り組んでおります。

長期的な顧客として継続在籍を期待できる児童教育部門では、乳幼児育脳教室「くぼたのうけん」の教室展開を加速させ、幅広い地域にわたってブランドを浸透させております。東京都認証保育所「城南ルミナ保育園立川」は、高い評価を維持し、安定した園児数を確保しております。児童英語教室「ズー・フォニックス・アカデミー」では、昨今の実践英語教育需要に応えられるよう事業展開を進めております。

また、時代の先端を行く映像授業部門におきましては、映像授業専門教室「河合塾マナビス」を今期も複数校開校し順調に業績を伸ばしております。

さらに、当連結会計年度にはTOEFL等の留学試験対策専門予備校「株式会社リンゴ・エル・エル・シー」を子会社化し、実践英語教育への本格参入を図ると同時に、グローバル人材の育成を見据えた大学入試改革への対応を能動的に進めております。

この結果、当連結会計年度の売上高は6,596百万円、営業利益は312百万円となりました。

 

 

b.スポーツ事業

当社は当連結会計年度に東京都大田区の「株式会社久ケ原スポーツクラブ」を子会社化し、当社が健康増進事業を含む総合教育機関として更なる発展を図るとともに、当社が蓄積したノウハウを活用し地域近隣の皆様のニーズに応える新たなサービスの展開を図っております。

この結果、当連結会計年度の売上高は97百万円、営業利益利益は11百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,026百万円(前連結会計年度比   812百万円減)となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、316百万円(前連結会計年度比320百万円減)の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益188百万円(同182百万円減)を計上したこと、減価償却費167百万円(同21百万円増)があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,038百万円の支出(前年同期は30百万円の収入)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が663百万円(前連結会計年度比661百万円増)あったこと、有形固定資産の取得による支出が413百万円(同313百万円増)、有価証券の取得による支出が149百万円(同90百万円減)あったことなどに対して、有価証券の売却及び償還による収入が240百万円(同40百万円増)あったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、91百万円(前連結会計年度比18百万円増)の支出となりました。これは配当金の支払額が80百万円(同16百万円増)あったことなどによるものであります。

 

2 【販売の状況】

(1) 販売方法

主に募集要項に基づき、直接生徒を募集しております。

 

(2) 販売実績

 

セグメント・部門別

 

当連結会計年度(千円)

 

前年同期比(%)

 

予備校部門(現役高校生)

2,220,647

△0.5

予備校部門(高校卒業生)

539,591

△10.6

個別指導部門(直営)

2,018,263

7.2

個別指導部門(FC)

345,471

11.1

映像事業部門

814,178

32.1

デジタル教材・児童教育部門

519,176

10.5

その他

139,001

116.6

教育事業 計

6,596,332

6.7

 

スポーツ部門

97,525

スポーツ事業 計

97,525

合計

6,693,857

8.3

 

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.予備校の各校舎に併設している個別指導教室の売上高につきましては、個別指導部門に含めております。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、様々な層における多様な教育ニーズを掘りおこすことによって、垂直及び水平展開を進めながら事業領域の拡大を図り、総合教育企業としての業態を確立していくことを重要課題としております。

予備校部門におきましては、進行する少子化のもとにおいても安定した利益を確保するために競合との差別化を図り、質の高い教育サービスの提供を行ってまいります。また、子会社である株式会社リンゴ・エル・エル・シーが運営する留学試験対策専門予備校「LINGO L.L.C.」のノウハウを生かし、今後の英語教育の変革への対応を進めております。

個別指導部門につきましては、「成績保証制度」や演習授業等の導入により他社との差別化を明確にし、幅広い年齢層の生徒募集を増強していくとともに、フランチャイズ教室においては全国展開をさらに進め、マーケットの拡大を図ってまいります。

児童教育部門では乳幼児育脳教室「くぼたのうけん」及び児童英語教室「ズー・フォニックス・アカデミー」の着実な展開を行ってまいります。
 また、映像授業部門では映像授業専門教室「河合塾マナビス」の校舎展開にも引き続き注力してまいります。

さらに、当連結会計年度に子会社化いたしました株式会社久ケ原スポーツクラブ(スイミングスクール及びスポーツジムの運営)及び株式会社リンゴ・エル・エル・シー(留学試験対策専門予備校の運営)につきまして、顧客層の開拓を図り、新たな事業領域の拡大を進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

(少子化による需要の低下について)

構造的な少子化傾向がこのまま継続し、市場の縮小と受験競争の緩和が進み、業界全体に対する需要の低下が続いた場合、当社グループにおいても業績に影響を与える可能性があります。

(競合について)

当社グループが属する教育業界は、当社グループと同様に教育事業を展開する大小の集団塾、個別指導塾が乱立しています。特に、当社グループの現在の出店地及び今後の出店候補地は、いずれも生徒人数が多く、中・高校生の通学利便性の高い地域であるため、当社グループと顧客対象を同じくする他社の店舗が多数存在するとともに、新規参入の可能性があります。

当社グループでは、生徒第一主義を基本方針として、生徒一人一人の目標を捉えた教科別学力別クラス編成、進学プロデューサー、教科アドバイザーによる生徒指導、個別指導教室の併設により競合先との差別化を図っておりますが、更なる競争激化によって当社グループの市場占有率が停滞した場合、当社グループの経営成績にも影響が出る可能性があります。

(校舎・教室展開について)

当社グループの業績拡大には校舎・教室数の増加が寄与しているため、適切な物件が確保できない場合や、当社グループの知名度が低く、ドミナント形成に時間を要する地域では、業績の停滞につながる可能性があります。

(講師の確保について)

当社グループでは、授業を担当する講師の多くを非常勤講師に依存しているため、当社グループの求める水準の講師の確保や育成が計画通りに行えない場合には、サービスの質的低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。

(個人情報の取扱いについて)

当社グループでは、生徒の個人情報を扱っております。その管理にあたりましては、厳重な管理体制のもとで遂行し、第三者が不当に触れることがないように、合理的な範囲内でセキュリティの強化に努めておりますが、何らかの原因により個人情報が流出した場合、顧客における信用低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。

(自然災害・感染症の発生について)

当社グループでは、大規模な地震等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症に対して、対策本部を設置するなど、万全の体制を整備してその対策を講じておりますが、こうした自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、電力供給の停止による交通やネットワークの遮断、照明不足、感染者・感染地の隔離等が起こりえます。その結果、長期にわたり授業等の実施が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産につきましては、6,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ196百万円増加いたしました。これは主に土地の増加が1,063百万円、建物及び構築物の増加が129百万円、現金及び預金の減少が776百万円あったことなどによるものであります。

(負債の部)

当連結会計年度末の負債につきましては、2,118百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円増加いたしました。これは主に長期繰延税金負債の増加が206百万円、資産除去債務の増加が80百万円あったことなどによるものであります。

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産につきましては、4,307百万円となり、前連結会計年度末に比べ12百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金の増加が4百万円、その他有価証券評価差額金の減少が16百万円あったことなどによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

第2「事業の状況」の1「業績等の概要」(2) キャッシュ・フローの状況に記載しております。

 

(4) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は6,693百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。そのうち、教育事業では予備校部門が2,760百万円(同2.6%減)、個別指導部門が2,363百万円(同7.7%増)、映像授業部門が814百万円(同32.1%増)、デジタル教材及び児童教育部門は連結子会社である株式会社ジー・イー・エヌの売上を加え519百万円(同10.5%増)、その他が139百万円(同116.6%増)となりました。スポーツ部門では当連結会計年度より連結子会社となった株式会社久ケ原スポーツクラブの売上として97百万円を計上いたしました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における売上原価は4,665百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,704百万円(同9.4%増)となりました。業態拡大に伴う人件費や広告宣伝費が増加しております。

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は70百万円(前連結会計年度比8.7%減)となりました。これは、前連結会計年度は為替差益を5百万円計上したことに対し、当連結会計年度は計上がなかったことなどによるものであります。また、営業外費用は11百万円(同12.2%増)となりました。これは、為替差損1百万円を計上したことなどによるものであります。

(特別損益)

当連結会計年度における特別損失は194百万円(前連結会計年度比181百万円増)となりました。これは、子会社ののれんや教室移転等に伴う減損損失177百万円及び校舎再編成損失引当金繰入額7百万円を計上したことなどによるものであります。