当連結会計年度における世界経済は、米国における大統領の政策動向やアジア及び中東情勢等、先行き不透明感
が払拭されず、不安定さを抱えたままの状況でした。一方我が国経済におきましては、企業収益や雇用環境は一定
の改善は見られるものの、個人消費の回復には至らないまま推移しました。
このような状況の中、当社グループは総合教育企業として、社会環境の変化に応じた成長戦略の推進、事業の再
構築とシナジー効果の追求を行ってまいりました。また、不採算の校舎・教室についてスクラップアンドビルドを
推し進めてまいりました。
なお、乳幼児を対象とした小規模保育施設を運営するJBSナーサリー株式会社を完全子会社化とすることを平成29
年3月27日開催の取締役会において決議し、保育事業について今後さらに拡大していく準備を整えております。
この結果、当連結会計年度における売上高は6,926百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益が335百万円(前年同
期比3.6%増)、経常利益が402百万円(前年同期比5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が192百万円(前
年同期比126.7%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
a.教育事業
予備校部門におきましては、前期の厚木校に続き、3月末で金沢文庫校を閉鎖統合し、大学受験市場の縮小と多様
化への事業再編を継続して行っており、生徒数は減少したものの、演習授業「THE TANREN」や夏冬の合宿を通じ売
上単価及び利益率の向上を図ってまいりました。また「城南AO推薦塾」におきましても、多様化する顧客ニーズ
を適確に捉え、安定した生徒数と合格実績を上げております。
個別指導部門におきましては、直営教室では売上高はほぼ前期並みを維持する一方で、不採算教室を積極的に整
理統合し、利益率の改善も進めてまいりました。フランチャイズ教室につきましても利益体質の強化を目指し、加
盟基準を厳格化したため加盟金売上は減少しましたが、新規加盟教室を厳選するとともに、既存教室の安定した売
上拡大を図ってまいりました。
映像授業部門におきましては、映像授業専門教室「河合塾マナビス」を当連結会計年度に3校の新規開校を行い、
各校舎においても生徒数・売上高とも増加いたしました。
さらに、児童教育部門の乳幼児育脳教室「くぼたのうけん」・児童英語教室「ズー・フォニックス・アカデミ
ー」・東京都認証保育所「城南ルミナ保育園」、大学生の就職活動を支援する「城南就活塾」等、乳幼児から社会
人まで幅広い層のニーズに応える体制を有しております。
また、前連結会計年度に子会社化したTOEFL等の留学試験対策専門予備校を運営する「株式会社リンゴ・エル・エ
ル・シー」も、実践英語教育へのニーズの高まりを受け、売上高を増加させると同時に、グローバル人材の育成を
見据えた大学入試改革への対応を能動的に進めております。
この結果、当連結会計年度のセグメント売上高は6,611百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は223百万
円(前年同期比28.5%減)となりました。
b.スポーツ事業
前連結会計年度に子会社化した「株式会社久ケ原スポーツクラブ」が通期で業績に寄与するとともに、運営する
久ケ原スイミングクラブの会員数は順調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度のセグメント売上高は315百万円(223.1%増)、セグメント利益は111百万円(前年同
期比879.4%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,249百万円となりました。当連結
会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、441百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益
328百万円を計上したこと、減価償却費187百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、121百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による
支出が97百万円、投資有価証券の取得による支出が89百万円あったことなどに対して、敷金及び保証金の回収による収入が103百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、96百万円の支出となりました。これは配当金の支払額が80百万円あった
ことなどによるものであります。
主に募集要項に基づき、直接生徒を募集しております。
|
セグメント・部門別 |
当連結会計年度(千円)
|
前年同期比(%) |
|
|
|
予備校部門(現役高校生) |
1,923,361 |
△13.4 |
|
予備校部門(高校卒業生) |
577,717 |
7.1 |
|
|
個別指導部門(直営) |
1,973,434 |
△2.2 |
|
|
個別指導部門(FC) |
333,709 |
△3.4 |
|
|
映像事業部門 |
996,786 |
22.4 |
|
|
デジタル教材・児童教育部門 |
565,939 |
9.0 |
|
|
その他 |
240,016 |
72.7 |
|
|
教育事業 計 |
6,610,966 |
0.2 |
|
|
|
スポーツ部門 |
315,093 |
223.1 |
|
スポーツ事業 計 |
315,093 |
223.1 |
|
|
合計 |
6,926,059 |
3.5 |
|
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.予備校の各校舎に併設している個別指導教室の売上高につきましては、個別指導部門に含めております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは『生徒第一主義』を基本方針とし、「城南予備校」では、生徒の学力を確実に伸ばすために、進学プロデューサー及び教科アドバイザーを設置することにより、丁寧な指導を行っております。
近年の多様化するニーズに柔軟に対応できるよう、個別指導教室「城南コベッツ」の直営及びフランチャイズ展開や、映像授業専門教室「河合塾マナビス」の展開を推進することにより、エリア・マーケットの拡大を図っております。
また、乳幼児を対象とする事業として「くぼたのうけん」や児童英語教室「ズー・フォニックス・アカデミー」の教室展開を進めるとともに、東京都認証保育所「城南ルミナ保育園」と子会社である株式会社JBSナーサリーが運営する小規模保育施設においてノウハウを共有し、事業の拡大を図ってまいります。
さらに、子会社である株式会社久ケ原スポーツクラブにおいてスポーツ事業を、株式会社リンゴ・エル・エル・シーにおいては実践英語の分野のみならず、大学入試制度改革への対応も進めてまいります。
これにより当社グループ全体で、総合教育ソリューション企業としての使命を全うし、社会の要請に応えることを通して収益の向上を図り、経営基盤の強化を目指しております。
当社グループは、安定的な経営基盤の確保と株主利益の増大を重視し、経営効率を高めて企業価値を増大するという観点から、売上高経常利益率及びROE(株主資本利益率)の向上を目標としております。
当社グループが事業展開する学習塾市場においては、異業種の参入を受けながら年々、競争が激化しております。同時に、国内における少子化問題の進行と大学入試制度改革等による顧客ニーズの多様化やICT化、グローバル化など、社会環境の変化のスピードがますます速くなっております。当社グループは、このような環境にフレキシブルに対応し、一生を通じた一人一人の主体的な学びを支援してまいります。そして、ステークホルダーとともに企業価値の最大化を追求し、民間教育を牽引する存在となります。
当社グループは、様々な層における多様な教育ニーズを掘りおこすことによって、垂直及び水平展開を進めながら事業領域の拡大を図り、総合教育ソリューション企業としての業態を確立していくことを重要課題としております。
予備校部門におきましては、進行する少子化のもと、安定した利益を確保するために競合との差別化を図り、質の高い教育サービスの提供を行ってまいります。また、子会社である株式会社リンゴ・エル・エル・シーが運営する留学試験対策専門予備校「LINGO L.L.C.」のノウハウを生かし、英語教育改革への対応を進めております。
個別指導部門につきましては、演習授業等の導入により他社との差別化を明確にし、幅広い年齢層の生徒募集に注力してまいります。フランチャイズ教室においては全国展開を進めるとともに、質的な向上も図り、ブランド力の強化を進めてまいります。
児童教育部門では乳幼児育脳教室「くぼたのうけん」及び児童英語教室「ズー・フォニックス・アカデミー」の着実な展開を行うとともに、東京都認証保育所「城南ルミナ保育園」と子会社である株式会社JBSナーサリーが運営する小規模保育施設においてノウハウを共有してシナジー効果を高め、待機児童の解消や女性の社会進出を後押しする、将来性のある社会貢献事業として拡大を図ってまいります。
また、映像授業部門では映像授業専門教室「河合塾マナビス」の校舎展開にも引き続き注力してまいります。
さらに、「久ケ原スポーツクラブ(スイミングスクール及びスポーツジム)」の運営につきましても、顧客層の開拓を図り、新たな事業領域の拡大を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(少子化による需要の低下について)
構造的な少子化傾向がこのまま継続し、市場の縮小と受験競争の緩和が進み、業界全体に対する需要の低下が続いた場合、当社グループにおいても業績に影響を与える可能性があります。
(競合について)
当社グループが属する教育業界は、当社グループと同様に教育事業を展開する大小の集団塾、個別指導塾が乱立しています。特に、当社グループの現在の出店地及び今後の出店候補地は、いずれも生徒人数が多く、中・高校生の通学利便性の高い地域であるため、当社グループと顧客対象を同じくする他社の店舗が多数存在するとともに、新規参入の可能性があります。
当社グループでは、生徒第一主義を基本方針として、生徒一人一人の目標を捉えた教科別学力別クラス編成、進学プロデューサー、教科アドバイザーによる生徒指導、個別指導教室の併設により競合先との差別化を図っておりますが、更なる競争激化によって当社グループの市場占有率が停滞した場合、当社グループの経営成績にも影響が出る可能性があります。
(校舎・教室展開について)
当社グループの業績拡大には校舎・教室数の増加が寄与しているため、適切な物件が確保できない場合や、当社グループの知名度が低く、ドミナント形成に時間を要する地域では、業績の停滞につながる可能性があります。
(講師の確保について)
当社グループでは、授業を担当する講師の多くを非常勤講師に依存しているため、当社グループの求める水準の講師の確保や育成が計画通りに行えない場合には、サービスの質的低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。
(個人情報の取扱いについて)
当社グループでは、生徒の個人情報を扱っております。その管理にあたりましては、厳重な管理体制のもとで遂行し、第三者が不当に触れることがないように、合理的な範囲内でセキュリティの強化に努めておりますが、何らかの原因により個人情報が流出した場合、顧客における信用低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。
(自然災害・感染症の発生について)
当社グループでは、大規模な地震等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症に対して、対策本部を設置するなど、万全の体制を整備してその対策を講じておりますが、こうした自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、電力供給の停止による交通やネットワークの遮断、照明不足、感染者・感染地の隔離等が起こりえます。その結果、長期にわたり授業等の実施が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は平成29年3月27日開催の取締役会において、JBSナーサリー株式会社の発行済株式全株を譲り受けることを決議し、平成29年4月5日付で同社株主との間で株式譲渡契約書を締結し、平成29年5月1日に同社株主との間で株式の譲渡を実行しております。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照下さい。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産につきましては、6,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ110百万円増加いたし
ました。これは主に現金及び預金の増加が204百万円、建物及び構築物の減少が53百万円あったことなどによるもの
であります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債につきましては、2,116百万円となり、前連結会計年度末に比べ2百万円減少いたしまし
た。これは主に前受金の減少が53百万円、退職給付に係る負債の増加が38百万円あったことなどによるものであり
ます。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産につきましては、4,420百万円となり、前連結会計年度末に比べ113百万円増加いたし
ました。これは主に利益剰余金の増加が112百万円あったことなどによるものであります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は6,926百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。そのうち、教育事業では予備校部門が2,501百万円(同9.4%減)、個別指導部門が2,307百万円(同2.4%減)、映像授業部門が996百万円(同22.4%増)、デジタル教材及び児童教育部門は連結子会社である株式会社ジー・イー・エヌの売上を加え565百万円(同9.0%増)、その他は連結子会社である株式会社リンゴ・エル・エル・シーの売上を加え240百万円(同72.7%増)となりました。スポーツ部門では株式会社久ケ原スポーツクラブの売上が315百万円(同223.1%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は4,840百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,750百万円(同2.7%増)となりました。業態拡大に伴う人件費が増加したことなどによります。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は77百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。これは、受取賃貸料が増加したことなどによります。また、営業外費用は9百万円(同10.3%減)となりました。これは、前連結会計年度に為替差損を計上したことに対し当連結会計年度は計上しなかったことなどによります。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損失は74百万円(前連結会計年度比61.8%減)となりました。これは、前連結会計年度にのれん減損損失を計上したことに対し当連結会計年度は計上しなかったことなどによります。