第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、総合教育ソリューション企業として、生徒第一主義を実践し、生徒一人ひとりの意欲を最大限に引き出し、輝かしい未来への可能性を広げます。

また、社員のチャレンジ精神と自主性を尊重します。

そして、私たちに繋がる全ての仲間の成長とともに企業価値の最大化を目指し、民間教育を牽引する存在となることを目指します。

 

(2) 経営環境

当業界におきましては、少子化による受験競争の大幅な緩和や異業種からの参入など、競争が厳しくなっております。一方、政府によるGIGAスクール構想による全国の学校でのICT環境整備、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による全国の小学・中学・高校の休校対応による在宅学習サービスへの需要の増加など、経営環境は大きく変化しております。

 

(3) 対処すべき課題

当社の属する学習塾業界は、日本国内における少子化の進行による学齢人口の減少により、市場が縮小しております。また、大学受験における現役合格志向の高まりによる浪人生の減少、AO入試や推薦入試など受験方法の多様化やグローバル化による英語教育への需要増加など顧客ニーズが多様化しており、より一人ひとりのニーズに即した個別最適化した学習サービスの提供がを課題として認識しております。

このような課題に対処し、当社グループが総合教育ソリューション企業として、たくましい知性・しなやかな感性を育む能力開発のLeading Companyとなり、企業価値の最大化を図るために次のような取り組みを行っております。

 1.「学びの最適化」を追求

 2.「教育ソリューション事業」の戦略的展開

 3.付加価値の高い「幼少教育事業」の確立

 4.「収益構造改革」の断行

 5.「クレド経営」に基づいた人財育成

まず、「学びの最適化」の追求と収益構造改革の断行の一環として、本事業年度をもって、基幹事業であった「城南予備校」の運営を全て終了し、「城南予備校DUO」への転換を終えました。経費の適正化による収益構造の改善を見込んでおり、今後は「城南予備校DUO」を事業の柱として成長させるべく、ブランド力強化・生徒獲得に注力してまいります。

「教育ソリューション事業」の戦略的展開として、学校への教材や授業提供に加え、WEB学習システム「デキタス」が“経済産業省「未来の教室」実証事業”に採択されたことを契機に、多くの学校・学習塾法人などへの導入が進んでおります。また、「デキタス」「デキタス・コミュ」「Jシリーズ映像授業」は新型コロナウイルス感染拡大防止のための学校休業中の学習支援としても利用者が増加しておりますので、在宅学習への対応も強化してまいります。

付加価値の高い「幼少教育事業」の確立として、M&Aや業務提携を行ってまいりました。当社グループのさまざまな乳幼児教育サービスを1か所で受けられる「城南ブレインパーク」を2020年4月に開校し、子会社である株式会社フェアリィーの小規模認可保育所を新規開園しております。

そして、経営基盤の強化として、持続的な成長に不可欠な人材の採用、育成を積極的に進めております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(少子化と教育制度改革について)

当業界におきましては国内の少子化の進行による市場縮小と、文部科学省の推進する教育改革及びそれに伴う大学入試改革等による顧客ニーズの多様化と更なる競争の激化が想定され、当社グループにおいても業績に影響を与える可能性があります。

 

(競合について)

当社グループが属する教育業界は、当社グループと同様に教育事業を展開する大小の集団塾、個別指導塾が乱立しています。特に、当社グループの現在の出店地及び今後の出店候補地は、いずれも生徒人数が多く、通学利便性の高い地域であり、当社グループと顧客対象を同じくする他社の店舗が多数存在するとともに、異業種からの新規参入の可能性があります。

当社グループでは、生徒第一主義を基本方針として、生徒一人ひとりの目標を捉えたきめ細かい指導に対応するため、集団授業と個別指導教室を融合させ、AIを取り入れた指導を行う新たな形態の教場を展開するなど、競合先との差別化を図っておりますが、更なる競争激化によって当社グループの市場占有率が停滞した場合、当社グループの経営成績にも影響が出る可能性があります。

 

(校舎・教室展開について)

当社グループの業績拡大には校舎・教室数の増加が寄与しているため、適切な物件が確保できない場合や、当社グループの知名度が低く、ドミナント形成に時間を要する地域では、業績の停滞につながる可能性があります。

 

(人材の確保について)

当社グループでは、乳幼児から社会人までを対象とする多様で質の高い教育サービスを提供していくため、人材の確保・育成が重要な課題と認識しております。そのため、事業運営を担う社員や授業を行う講師及びアルバイト人員についても、当社グループの求める水準の人材の確保や育成が計画通りに行えない場合には、サービスの質的低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。

 

(減損会計への対応について)

当社グループでは、校舎・教室等設備の有形固定資産や学習システム等の無形固定資産及び子会社買収に伴うのれんを計上しております。これらの固定資産の資産価値につきましては、事業の収益性が計画値を下回るような場合には減損損失を計上する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。

 

(個人情報の取扱いについて)

当社グループでは、生徒の個人情報を扱っております。その管理にあたりましては、厳重な管理体制のもとで遂行し、第三者が不当に触れることがないように、合理的な範囲内でセキュリティの強化に努めておりますが、何らかの原因により個人情報が流出した場合、信用低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。

 

(自然災害・感染症の発生について)

当社グループでは、大規模な地震等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症に対して、対策本部を設置するなど、万全の体制を整備してその対策を講じておりますが、こうした自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、電力供給の停止による交通やネットワークの遮断、照明不足、感染者・感染地の隔離や外出制限等のため、一部の施設・教場について対面指導の取りやめや新規入学生徒の受け入れ制限が起こりえます。その結果、長期にわたり授業等の実施が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症についても対策本部を設置し、施設及び教場の除菌対策・衛生管理を徹底していくとともに、時差出勤やリモート勤務を実施しております。さらに当社が導入しているデジタル教材を使用した在宅学習指導も行うなど様々な対策を行っておりますが、今後も同感染症が拡大・再発していくような場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における世界経済は、通商問題を巡る動向や中国経済の先行き、英国のEU離脱等の動向に留意が必要な状況で推移する中、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、経済活動が抑制され、急速に減速しました。

我が国の経済は、消費税率引き上げ後の消費者マインドの低下が続くなか、感染症による個人消費の落ち込み、輸出・生産の弱含み、雇用情勢の悪化等、大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。今後も感染症の影響は続くと見込まれ、先行きが見通せない状況にあります。

当業界におきましては、少子化による受験競争の大幅な緩和や異業種からの参入など、競争が厳しくなっております。一方、政府によるGIGAスクール構想による全国の学校でのICT環境整備、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による全国の小学・中学・高校の休校対応によるオンライン学習サービスへの需要の増加など、変化に直面しております。

そのような状況の中、当社グループは、未来を生き抜くためのたくましい知性としなやかな感性を育む教育を提供する総合教育ソリューション企業として、積極的なM&Aや既存事業の見直しなどを通じ、対象年齢層の拡大、事業構造改革を加速してまいりました。

このような事業構造改革に伴う費用の増大、予備校事業の再編による売上高の減少及び新型コロナウイルス感染症が拡大した影響により、当連結会計年度は売上高、営業利益、経常利益とも業績予想を下回る結果となりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は、6,746百万円(前年同期比2.8%減)、営業損失は679百万円(前年同期の営業損失は385百万円)、経常損失は658百万円(前年同期の経常損失は359百万円)、3月に横浜校の土地建物を売却し、1,178百万円の固定資産売却益を特別利益に計上したことから親会社株主に帰属する当期純利益が299百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純損失は540百万円)となりました。

 

a.教育事業

教育事業におきましては、従来の集団授業を行う「城南予備校」の運営を本年3月に全て終了し、AIを使った自立学習とプロ講師による指導、徹底したICT学習管理を行う「城南予備校DUO」へ移行しました。「城南予備校DUO」は3月末時点で東京都に6校、神奈川県に6校、千葉県に1校、埼玉県に1校の全14校舎となりました。

個別指導部門では、個別指導教室「城南コベッツ」を全国に展開しております。城南予備校DUOでの好評を受け、「城南コベッツ」にもAIによる個別最適化学習を導入し、一定の売上高を確保しております。

映像授業部門では、「河合塾マナビス」が、映像授業のニーズ拡大を背景に、これまで培ったノウハウを活かして規模を拡大しており、安定した売上高となっております。

児童教育部門におきましては、積極的なM&Aにより事業の拡大を進めてまいりました。昨年11月には連結子会社である株式会社ジー・イー・エヌを吸収合併し、経営管理の一元化、業務の合理化、事業運営の拡大を推進しました。昨年12月には保育園を運営する連結子会社JBSナーサリー株式会社を株式会社城南ナーサリーへ社名変更するなど、グループ内での連携強化に努めてまいりました。また、2020年度に開校する育脳とSTEAM教育の複合型スクール「城南ブレインパーク」を自由が丘と立川に開校するための準備・プロモーション活動を行いました。この「城南ブレインパーク」は、当社複数の乳幼児向け教育サービスを1か所で受講できるものとなっております。

“経済産業省「未来の教室」実証事業”に採択された、当社のWEB学習システム「デキタス」は多くの学校、自治体、学習塾で導入が進んでおります。さらに「デキタス」「デキタス・コミュ」「Jシリーズ映像授業」は、経済産業省「学びを止めない未来の教室」に参画しており、新型コロナウイルス感染症による学校休業対策としても国内外にサービスの提供を行っております。

この結果、当連結会計年度の外部顧客への売上高は6,388百万円(前年同期比3.1%減)となりました。

 

b.スポーツ事業

子会社である「株式会社久ケ原スポーツクラブ」には、約3千人が在籍しております。当クラブの在籍者において、当クラブが運営する学童保育やWEB学習システム「デキタス」の利用者も増加しております。その結果、スポーツと勉強の両立が可能となり、スポーツクラブの定着率が向上しております。

この結果、当連結会計年度の外部顧客への売上高は357百万円(前年同期比2.2%増)となりました。

 

 

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,846百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、168百万円の支出となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益398百万円を計上したこと、減損損失191百万円、減価償却費188百万円があったことなどに対して、固定資産売却益を1,178百万円計上していることによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,393百万円の収入となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が1,672百万円、敷金及び保証金の回収による収入が240百万円あったことなどに対して、有形固定資産の取得による支出が429百万円あったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、131百万円の支出となりました。これは配当金の支払額が83百万円、リース債務の返済による支出が35百万円あったことなどによるものであります。

 

② 販売の状況

a. 販売方法

 主に募集要項に基づき、直接生徒を募集しております。

 

b. 販売実績

(単位:千円)

セグメント・部門別

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日

前年同期比(%)

 

予備校部門(現役高校生)

703,498

△45.1

予備校部門(高校卒業生)

248,713

△46.3

個別指導部門(直営)

1,726,250

△4.3

個別指導部門(FC)

307,193

0.1

映像事業部門

1,373,723

8.8

デジタル教材・児童教育部門

1,629,948

39.4

その他

399,231

31.6

教育事業 計

6,388,560

△3.1

 

スポーツ部門

357,636

2.2

スポーツ事業 計

357,636

2.2

合計

6,746,196

△2.8

 

(注) 1.予備校部門におきましては、校舎の統合・再編を進めており、売上が減少しております。

2.デジタル教材・児童教育部門におきましては、保育園の新規開園等により売上が増加しております。

3.上記の販売実績は内部売上消去後の金額となります。

4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

売上高は、教育事業の予備校部門において、校舎の統合・閉鎖を行ったことにより、売上が減少しました。一方、児童教育部門における子会社増加や、映像授業部門の「河合塾マナビス」の売上は増加しました。また、スポーツ事業のスポーツ部門「久ケ原スポーツクラブ」において、会員増加や全身型EMSトレーニングや学童保育、スイミングに通う生徒へのWEB学習システム提供により売上増が増加しました。その結果、6,746百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における売上原価は5,366百万円(前連結会計年度比0.8%増)、販売費及び一般管理費は2,058百万円(同2.7%増)となりました。これは広告宣伝費や人件費など減少した一方、前連結会計年度において、株式会社アイベック、株式会社フェアリィーを連結子会社化したことなどによるものです。

 

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は35百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。また、営業外費用は和解金を計上したことなどにより14百万円(同51.0%増)となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度における特別利益は1,363百万円となりました(前連結会計年度比937.7%増)。これは城南予備校横浜校1号館を売却したことにより固定資産売却益を計上したこと、保育事業に係る補助金を計上したことなどによるものです。また、特別損失は307百万円(同39.3%増)となりました。これは減損損失を191百万円、固定資産圧縮損を73百万円計上したことなどによります。

 

(財政状態)

当連結会計年度末の総資産につきましては、6,564百万円となり、前連結会計年度末に比べ63百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,092百万円、関係会社株式が35百万円増加した一方、建物及び構築物が158百万円、土地が281百万円、のれんが174百万円、敷金及び保証金が340百万円、投資有価証券が93百万円減少したことなどによるものであります。

負債につきましては、2,622百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円減少いたしました。これは主に未払金が53百万円、未払法人税等が22百万円、前受金が82百万円増加した一方、資産除去債務が315百万円減少したことなどによるものであります。

純資産につきましては、3,941百万円となり、前連結会計年度末に比べ104百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が55百万円増加、土地再評価差額金を取り崩したことにより160百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が81百万円減少したことなどによるものであります。

 

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに成長のための投資やリスク対応の資金の確保と、株主への安定的な利益還元との最適なバランスを考慮し実施していくことを基本としております。

当連結会計年度においては、近年の多様化するニーズに対応できるよう、新たな教育コンテンツの開発への対応に加え、事業ポートフォリオ改善のスピードを上げるべく、積極的に投資を進めてまいりました。中でも、今後、成長が期待される個別指導部門の「城南コベッツ」や映像授業部門の「河合塾マナビス」、更に、AIによる個別学習とプロ講師による個別指導を提供する新たな形態の「城南予備校DUO」など、新規開校やリニューアル開校への投資を行ってまいりました。また、戦略的なM&A・アライアンスによる企業価値向上も図ってまいりました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は429百万円、無形固定資産の取得による支出は52百万円となりました。

これらの投資のための資金は、自己資金にて賄っております。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。