文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
〔経営方針〕
当社グループは、「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」を企業理念として掲げています。グローバリゼーションや多様化する価値観から生まれる市場のニーズを汲み取り、先進のICTで新しい価値を創造し続けることで、社会に貢献することを目指します。
〔目標とする経営指標〕
当社グループは、事業収益の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、営業利益、経常利益、当期純利益等の利益を経営の指標として認識しています。また、資本効率の指標としては、自己資本利益率(ROE)を重視しています。
〔中長期的な経営戦略〕
AIやIoTをはじめとするデジタルテクノロジーが、個人の生活から企業活動、社会全般までを大きく変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の波が急速に押し寄せています。私たちシステムインテグレーターやアウトソーサーに求められる能力も大きく変わりつつあります。
当社グループは、この激変する時代において、社会のニーズを常に汲み取りながら、持続的に成長し続ける企業グループとなるため、当社グループの新たな企業理念「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」を掲げた中期経営戦略(2018年度~2021年度)を策定し取り組んでいます。
2018年度は、以下の取組みを推進しました。
国内・海外IT事業では、感情認識AIを活用したサービスを複数立ち上げたほか、RPA(Robotic Process Automation)サービスの提供、ブロックチェーン技術を利用した保険関連サービスの開発など、デジタルテクノロジーを活用した新サービスへの取組みが進みました。しかしながら、海外IT事業での収益力改善に向けた取組みは進捗に遅れがあり、次年度以降の大きな課題と認識しています。
一方、CRO事業では、低採算案件の解消やコスト適正化等を進めた結果、収益力の改善に至りました。また、周辺事業拡大の第1弾として、化合物共有ライブラリー事業を立ち上げました。
新規事業領域の創出・拡大への取組みについては、M&A案件を成約に至らせることはできませんでしたが、ユニークなデジタルテクノロジーを有する国内外のスタートアップ企業への投資等を行いました。
また、CSR活動として、障害者スポーツ「ボッチャ」の積極的な支援を行い、社会認知を高めました。
2019年度からは、中期経営戦略のコンセプトに「株主価値の最大化」を加え、コーポレートガバナンス強化や資本効率改善、株主還元強化等の施策を盛り込んだ以下の基本方針に沿ってグループ経営を進め、企業価値向上を通じた株主価値の最大化を図ってまいります。また、これに伴い、中期経営戦略の最終年度である2021年度の数値目標として、従来の連結売上高700億円、営業利益40億円の他にROE8%を加え、達成に向け取り組んでまいります。
① 経営と執行の分離によるガバナンス強化
コーポレートガバナンスの強化とスピーディーな経営を目指し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離します。取締役会はグループ全体の経営方針や戦略の決定と、執行役員による業務執行の監督を行い、執行役員は取締役会の方針に沿った業務執行に専念します。
② 意思決定の迅速化による機動的な事業遂行
当社グループの既存事業を、国内IT事業を中心とした「コアICT領域」、「中国領域」、「インド領域」及び国内CRO事業を中心とした「ヘルスケア領域」の4つに区分し、それに新規事業を担う「未来領域」を加え、合計5つの事業ドメインを設置します。各事業ドメインには責任者となる執行役員を配置し、各自の事業成長を追求すると同時に成果責任を明確に問うことで、事業の拡大と収益力向上を図ります。事業ドメインごとの取組みは以下のとおりです。
コアICT領域では、株式会社シーエーシーを中間親会社とし、その傘下に国内IT子会社5社と、日系企業向けにサービスを提供している海外子会社2社(CAC AMERICA CORPORATION 及び CAC EUROPE LIMITED)を配置し、事業を推進していきます。当領域内でのデジタルトランスフォーメーションへの取組みを加速するとともに、同一顧客、同一サービスに対する戦略や体制の一本化などを進め、機動的で柔軟なサービスの提供を目指します。
中国領域及びインド領域では、経済やIT市場の著しい成長を機と捉え、現地ビジネスの拡大を図ります。中国領域では、成長分野であるデジタルビジネス拡大のため、営業力の強化やサービスメニューの多様化などに取り組みます。また、シナジー効果が期待できる現地スタートアップ企業への投資なども行います。インド領域では、ハードウェア販売が中心である既存ビジネスのサービス化へのシフト、不採算事業の切り離し、低採算事業の立て直しを行うことで、利益の改善を図ります。
ヘルスケア領域では、AI、RPAの継続活用やサービスプロセスの見直しなどにより、生産性の向上とサービス品質の強化に努めます。また、営業の体制やプロセスを見直し、受注力の強化を図ります。さらに、周辺事業として、化合物共有ライブラリー事業を推進するとともに、新たな事業創出に取り組みます。
未来領域については、コアICT領域拡大の一翼を担える企業や、IoT、AI、ブロックチェーン、クラウド、セキュリティ、ロボティクスなどのデジタルテクノロジーを保有する企業などとの資本・業務提携やM&Aを目指します。また、事業提携先となり得るスタートアップ企業などへの出資も継続します。
③ 資本効率改善と株主還元の強化
事業による持続的な利益成長、安定的かつ継続的な配当、積極的な自己株式の取得等を組み合わせ、資本効率改善と株主への積極的な利益還元により、企業価値の向上を図ります。資本効率の指標としては、中期経営戦略の最終年度となる2021年度のROE8%達成を目標として取り組んでいきます。
④ 株主との価値共有促進
譲渡制限付株式報酬制度を導入し、当社の社外取締役を除く取締役のほか、一定の当社子会社等の取締役、当社及び当社子会社等の取締役を兼務しない執行役員並びに当社及び当社子会社等の従業員を対象に報酬の一部を普通株式で支給することで、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めてまいります。
〔買収防衛策について〕
当社は、当社株式の大規模買付行為が行われる場合において、当社の財務及び事業の方針の決定が不適切な買収により支配されることを防止することが企業価値の向上に資することになるとの観点から、「大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」を導入しております。本対応方針は、2017年3月23日開催の第51回定時株主総会決議に基づいて更新しており、その有効期間は2020年3月開催予定の当社第54回定時株主総会終結の時までとなっております。詳細につきましては当社ホームページをご覧ください。(https://www.cac-holdings.com/ir/soukai.html)
当社グループは情報化戦略の立案、システム構築、システム運用管理などのITサービスを主たる事業としており、顧客企業各々の情報システムのニーズに適合したサービスを継続的に提供しております。その結果、特定の企業及びその業界において多くの業務経験を積み、特有の業務知識・ノウハウを習得したことで、顧客企業から高い評価をいただき、顧客企業との信頼関係を維持しております。そのことこそが、同業他社との競争において、当社グループの重要な強みとなっており、同時に当社グループの企業価値の源泉となっていると認識しております。したがって、各顧客企業と当社との取引関係についての十分な理解なくして、当社グループの企業価値や買付提案の妥当性を判断するのは容易でない場合があります。
大規模買付行為に応じるか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべき事項と考えますが、そのためには当該買付者及び当社取締役会の双方から、上記のような事業の背景を踏まえた今後の経営方針、事業計画に加え、特に顧客あるいは業界という観点からの今後の営業方針・政策などについての適切かつ十分な情報が株主の皆様に提供されることが必要不可欠であります。
また、大規模買付行為によって株主の皆様が不測の不利益を被ることを防止するとともに、株主の皆様の利益のために、当社取締役会が、当該買付者に対して買付提案の改善を要求する、あるいは場合によっては当社取締役会が代替案を提示するためのルール(大規模買付ルール)が必要であると考えております。
当社はこのような基本的な考え方のもとで、本対応方針を導入しております。
当該買付者には、大規模買付行為の実施前に、株主の皆様及び当社取締役会の判断のために十分な情報の提供を求めるものとします。
当社取締役会は、必要情報の全てを受領後、一定の期間内に大規模買付行為に関する当社取締役会としての意見を取りまとめ、公表致します。
当該買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は、たとえ大規模買付ルールが遵守されても大規模買付行為が株主の皆様の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合は、当社取締役会は株主の皆様の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当てやその他適法かつ相当な対抗措置のうち、当社取締役会が適切と判断する対抗措置をとることができるものとします。
なお、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を避けるために、当社取締役会は、当該買付者に対する対抗措置をとるか否か及び対抗措置の停止その他重要な判断について、社外取締役、社外監査役並びに必要に応じて選任される社外有識者で構成される特別委員会の勧告を必ず取得するものとし、当該勧告を最大限尊重するものとします。
当社取締役会が大規模買付行為に対して対抗措置を講じることを決定した場合は、法令及び証券取引所規則等に則って適時適切な開示を行い、また、当該買付者以外の株主、投資者に不利益を与えることのないよう適切な手続を実施します。
以上のとおり、本対応方針は当社株式の大規模買付行為に対し、株主の皆様が判断するのに必要な情報と時間を確保するためのルールを設定し、当該買付者がこのルールを遵守しない場合や大規模買付行為が株主の皆様の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合などに対抗措置を講ずることを定めたものでありますので、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの事業活動その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生防止及び発生した場合の適切な対処に努めてまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 競争環境について
当社グループが属する情報サービス産業においては、投資対効果に対する顧客の厳しい要請、内外の新規参入企業の増加等によって事業環境が大きく変化してきています。それに伴って、当社グループは日々熾烈な受注獲得競争を展開しています。
このような厳しい受注競争が継続する状況においては、人員の不稼働による損失やプロジェクト採算悪化を招く場合があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定顧客及び特定業種への依存度について
当社グループの売上高は、特定顧客、特定業種への依存度が高くなっています。
特定顧客及び特定業種向け売上高比率が高いことは、当社グループの強みであり、特徴でもありますが、特定顧客におけるIT投資行動の変化や経営変動、特定業種における事業環境の急変、制度変更等によって当社グループの経営成績や営業活動に影響を与える可能性があります。
③ 海外での事業活動について
当社グループは経営戦略の一環として海外での事業拡大に取り組んでおり、当社グループの業績に占めるその割合も拡大しています。海外での事業活動は、各地域における政治や経済、為替等の動向、様々な法的規制、商習慣、社会的混乱等、様々な影響下にあり、これらにより海外での事業活動が悪影響を被った場合は、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 投資有価証券の投資先の経営成績や財政状態の悪化等に伴う影響について
当社グループが保有している投資有価証券は、特定の取引先及び資本・業務提携先の株式が過半を占めており、投資先企業の業績や財政状態の急激な悪化等による実質価額の下落リスクが内在しています。
今後、投資先が属する業界の景気動向や経営環境の変化等によって当該株式の実質価額が著しく下落した場合には、保有株式の減損処理の実施によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報セキュリティについて
当社グループは、業務遂行上、顧客が保有する様々な機密情報を取り扱う機会が多く、慎重な対応と、より厳格な情報管理体制の構築、徹底が求められています。
このような機密情報に関し、万一、何らかの理由で紛失、破壊、漏洩等が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下あるいは失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績や財政状態、事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ プロジェクト管理について
一括請負契約のシステム開発では、想定以上に開発工数が超過した場合、売上原価率の悪化により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。特に近年は、ビジネスの必要性に即した短納期化、及び技術の複雑化が進み、開発の難易度が増大してリスクが高まる傾向にあります。
当社グループでは、全社レベルのプロジェクト管理組織を設置するなど不採算プロジェクトの発生防止や早期発見のための対策を導入しています。しかし、これらの取組みによっても、不採算プロジェクトの発生を完全には防止できない可能性があります。
⑦ サービス中断の可能性について
当社グループは、システム運用管理サービス、人事BPOサービスを提供しております。これらのサービスは、システムダウンや自然災害等により、その提供が中断する可能性があります。
このような事態が起きた際に速やかな復旧が可能となるよう、当社グループでは施策の整備を図っております。しかしながら、想定を超える災害の発生などにより当社グループのサービス提供が滞った場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
⑧ 人材の確保・育成について
当社グループの事業展開においては、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材を確保することが重要です。しかしながら、現在の情報サービス産業では他産業との人材の獲得競争が激しく、人材の確保・育成が計画通りに進まない可能性があります。その場合、事業推進に制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 経営成績
当連結会計年度(2018年1月1日~2018年12月31日)において、当社グループでは、本年度から開始した中期経営戦略に基づき、既存事業における収益力改善や新技術へのシフト、及び新規事業領域の創出に注力しました。
既存事業については、主にCRO事業において、低採算案件の解消やコスト適正化等、収益力改善に向けた取組みが進みました。また、デジタルシフトに向け、新たなテクノロジーを活用した事業を推進しました。その結果、感情認識AIを活用したサービスの伸展や、RPA(Robotic Process Automation)サービスの提供、ブロックチェーン技術を利用した保険関連サービスの開発など様々な取組みが進みました。
新規事業領域については、ユニークなデジタルテクノロジーを有する国内外のスタートアップ企業への投資等を実施しました。
当連結会計年度の売上高は、海外事業の再構築に伴って前年度に売却した海外子会社2社の非連結化の影響をはじめとする海外IT事業の減収等により、499億6百万円(前年度比6.3%減)となりました。
利益については、CRO事業における収益力の改善やコスト削減等により、営業利益は14億26百万円(同104.3%増)、経常利益は13億68百万円(同90.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、国内IT事業でのソフトウエアの減損などによる特別損失があったものの、投資有価証券売却益により特別利益を計上したことから、13億19百万円(同19.9%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。売上高につきましては外部顧客への売上高を表示しています。なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前年度の数値は新たなセグメントに組み替えて表示しています。
<国内IT>
売上高は、前年度並みに推移し、296億23百万円(前年度比2.3%減)となりました。セグメント利益も前年度並みの10億41百万円(同1.9%増)となりました。
<海外IT>
売上高は、前年度に実施した事業再編の影響や、インド子会社、アメリカ子会社の減収の影響等により92億80百万円(前年度比21.0%減)となりました。セグメント利益については、事業再編の影響(営業赤字の子会社を売却)等により、3億8百万円のセグメント損失(前年度は6億円のセグメント損失)となりました。
<CRO>
売上高は、前年度並みに推移し、110億2百万円(前年度比1.8%減)となりました。セグメント利益は低採算案件の解消やコスト削減等により6億93百万円(同150.3%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.金額は売上原価で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.当連結会計年度におきまして、海外ITセグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは、翌連結会計年度以降に売上計上予定の複数の大型ハードウエア案件の受注を当連結会計年度に獲得したためであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
2.前連結会計年度におきましては、外部顧客への販売実績のうち、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて69億49百万円減少して、471億76百万円となりました。
流動資産は1億88百万円増加して、242億73百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金が8億36百万円増加、有価証券が22億99百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が18億34百万円減少、商品が4億17百万円減少したこと等によるものです。
固定資産は71億38百万円減少して、229億3百万円となりました。主な変動要因は、減損損失計上の影響等によりソフトウエアが21億26百万円減少、保有資産の売却及び時価の減少に伴い投資有価証券が35億65百万円減少、繰延税金資産(投資その他の資産)が8億72百万円減少したこと等によるものです。
セグメント別の資産の状況は次のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前年度の数値は新たなセグメントに組み替えて表示しております。
<国内IT>
セグメント資産は、ソフトウエアの減損損失計上の影響等により、124億80百万円(前年度比31億23百万円減少)となりました。
<海外IT>
セグメント資産は、減収に伴う売掛金やたな卸資産の減少の影響等により、57億12百万円(前年度比17億41百万円減少)となりました。
<CRO>
セグメント資産は、前年度並みに推移し、52億67百万円(前年度比1億53百万円増加)となりました。
<全社資産>
各報告セグメントに配分していない全社資産は、主に当社が有する資産であります。全社資産は、保有する投資有価証券の売却及び時価の減少の影響等により、237億15百万円(前年度比22億38百万円減少)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて33億77百万円減少して、183億19百万円となりました。
流動負債は3億60百万円減少して、107億60百万円となりました。主な変動要因は、未払法人税等が11億57百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が5億3百万円減少、短期借入金が7億97百万円減少したこと等によるものです。
固定負債は30億17百万円減少して、75億58百万円となりました。主な変動要因は、繰延税金負債(固定負債)が31億96百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて35億71百万円減少して、288億57百万円となりました。主な変動要因は、株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益により13億19百万円増加、剰余金の配当により6億82百万円減少したこと等により、6億37百万円増加した一方、保有資産の売却及び時価の減少に伴いその他有価証券評価差額金が37億23百万円減少、退職給付に係る調整累計額が4億59百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32億76百万円の収入となりました(前連結会計年度比42億91百万円の収入増)。これは主に、税金等調整前当期純利益が23億51百万円、減価償却費が7億66百万円、減損損失が21億31百万円、売上債権の減少額が15億21百万円、法人税等の還付額が5億77百万円あった一方、投資有価証券売却益が34億79百万円、法人税等の支払額が4億45百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、23億62百万円の収入となりました(前連結会計年度比20億54百万円の収入増)。これは主に、有価証券の減少額が2億円、投資有価証券の売却による収入が53億16百万円あった一方、無形固定資産の取得による支出が4億82百万円、投資有価証券の取得による支出が29億8百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、23億10百万円の支出となりました(前連結会計年度比1億14百万円の支出増)。これは主に、短期借入金の減少額が5億46百万円、配当金の支払額が6億82百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が8億56百万円あったこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比33億36百万円増加し、117億25百万円となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。その作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与える見積り、判断が必要になります。当社グループは、過去の実績又は現在の状況下で合理的と考えられる前提等に基づいて一貫した見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性が含まれるため、実際の結果が異なる場合があります。
連結財務諸表の作成においては、以下の会計方針が見積り及び判断に重要な影響を及ぼすと考えております。
a. 繰延税金資産及び繰延税金負債
当社グループは、財務諸表と税務上の資産・負債との間に生ずる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産については、各社において将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な金額を限度として計上しております。
b. 有価証券の減損処理
当社グループは、中長期的な取引関係の維持・拡大のために、特定の非公開企業の株式を所有しております。当社グループは当該株式の実質価額が著しく低下した場合、投資有価証券の評価損を計上しております。また、投資先企業の急激な業績変動等により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
c. 退職給付費用
退職給付費用及び債務は、年金数理計算において設定される前提条件に基づいて算出されております。前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等が含まれます。これらの前提条件の変動によって退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
d. のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
② 経営成績の分析
経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」ことで、持続的に成長し続ける企業グループとなることを目指しています。現在推進している、2018年度から2021年度を期間とした中期経営戦略においては、新たな事業やサービスの創出、最先端のデジタルテクノロジーを保有する企業との資本・業務提携やM&A等を継続的に検討しています。
これらに必要な資金につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応することを考えていますが、必要に応じ、資金調達(金融機関からの借入や各種社債の発行等)することも含めて対応してまいります。
⑥ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、中期経営戦略の最終年度である2021年度に目指す重要な指標として、営業利益40億円、ROE8%を定めています。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発は、「先進的なITシーズの創出と付加価値化」を目的として、株式会社シーエーシー及び株式会社きざしカンパニーを中心とした事業会社並びに日本、中国、インドに開設したR&Dセンターにおいて進めております。当連結会計年度は特に人工知能/機械学習、知識グラフにもとづく情報検索技術、機械学習及びレコメンド技術をベースとしたアドテクノロジーのプラットフォームエンジンの研究開発に取り組みました。当社グループの研究開発は、特定のセグメントに区分できない技術調査・研究から構成されております。当連結会計年度における研究開発費の総額は2億18百万円であり、主な研究開発成果は以下のとおりです。
(1)人工知能/機会学習に関する研究
Deep Learning等の機械学習を用いたAI技術の研究を画像認識の分野を中心に行いました。特に感情認識などの人に関する画像からのAI認識技術については、具体的な製品の開発に取り組みました。現在は、同研究に加え、画像だけでない「人を対象とするAI活用」を想定した実証実験・ソリューション開発を進めています。
(2)知識グラフにもとづく情報検索技術の研究開発
判例や特許文献などを対象とした自然言語解析技術の研究開発を実施しました。従来よりも高度な情報検索の実現を可能とします。今後、実証実験及び事業化の推進に取り組んでまいります。
(3)アドテクノロジー プラットフォーム技術の研究開発
アドテクノロジーに関する諸研究を行いました。特に閲覧者の行動履歴から広告コンバージョン確率を予測するAIシステムの開発を行い、事業化を行いました。