第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

〔経営方針〕

当社グループは、「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」を企業理念として掲げています。グローバリゼーションや多様化する価値観から生まれる市場のニーズを汲み取り、先進のICTで新しい価値を創造し続けることで、社会に貢献することを目指します。

 

〔目標とする経営指標〕

当社グループは、事業収益の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、営業利益、経常利益、当期純利益等の利益を経営の指標として認識しています。また、資本効率の指標としては、自己資本利益率(ROE)を重視しています。

 

〔中長期的な経営戦略〕

当社グループは1966年の創業以来、お客様の業種、業務に関する知識を蓄積し、お客様に最適なサービスを提供してきました。さらにITのみならず、CRO分野などヘルスケア分野にも進出しました。また、1980年代に他社に先駆けて始めた海外展開についてもM&Aなどにより拡大を続け、グループ売上高に占める海外割合は約2割、国内外に5,000名を超える従業員を有するグローバルな企業グループに成長しました。

 

AIやIoTをはじめとしたデジタルテクノロジーが社会全般までをも変革し得るデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している昨今、このDXの進展に遅滞なく対応し、持続的に成長し続ける企業グループとなるため、2018年度から2021年度までの中期経営戦略(Determination21)では、既存事業における収益力改善や新規事業の創出・拡大などに取り組んでいます。

2019年度からは経営と執行の分離によるコーポレートガバナンス強化や、執行体制と事業ドメインの一致による機動的な事業遂行の追求、積極的な自己株式取得や増配などの株主還元強化や資本効率改善への取り組みを基本方針に加えました。また、数値目標として、2021年度の営業利益40億円及び売上高700億円達成に加え、ROE8%達成を設定しました。

 

中期経営戦略の折り返しを迎え、この2年を振り返ってみると、既存事業については、国内IT事業は計画通りに収益力が改善しつつありますが、海外IT事業の収益率改善には遅れが生じており、道半ばです。また、CRO事業については売上高の大幅減少という、中期経営戦略策定時には想定していなかった課題を抱えています。さらに新規事業については、ユニークなデジタルテクノロジーを有する企業への投資のほか、インドネシアを事業拠点とし、アジャイル開発などを得意とするMitrais Pte. Ltd. のM&Aなどを遂行したものの、当初想定していた新規事業による売上高の創出、拡大には至っていません。これらにより、当初の業績目標の達成が困難な状況となりました。

 

そこで、残る2年では、コーポレートガバナンス強化や執行体制による機動的な事業遂行は継続しつつ、まずは高収益モデルの確立に重きを置きます。今やグループ売上高の約2割を占める海外IT事業の収益率向上に注力し、進捗が遅れている事業再編やビジネス形態の見直しなどを迅速に進めます。

また、新設した投資財務戦略部により、投資及び財務戦略の構築とその戦略遂行の強化に取り組みます。グループ内資産やキャッシュの最大活用によるグループ収益への貢献を目指すほか、中長期的なビジネスモデル変革に資するM&A等による新規事業領域拡大を図ります。

さらに、DX対応も強力に推進していきます。アジャイル開発やお客様との共創モデル強化に取り組むことでDX対応ニーズをしっかり捉えていきます。また、デジタルヘルスケアサービス提供に向けて、CRO事業とグループ内のデジタルテクノロジーとの融合を進めていきます。こうした取り組みにより、グループ全体では、現在売上高の22%である当社グループのデジタル比率を、2021年度には50%に高めたいと考えています。

 

これらにより、2021年度の業績目標は売上高550億円、営業利益30億円(投資財務戦略による貢献を含まず)に変更いたします。資本効率改善や株主還元の強化も重点事項として継続し、2021年度のROE8%達成という目標は変えることなく目指してまいります。

 

DX時代では、これまで以上にお客様と我々が一緒になって最適解を導き出す「共創」が求められています。お客様そして社会との共創モデル強化に取り組み、サステナブルなグローバル企業グループとなるべく成長を続けてまいります。

 

〔買収防衛策について〕

 当社は、当社株式の大規模買付行為が行われる場合において、当社の財務及び事業の方針の決定が不適切な買収により支配されることを防止することが企業価値の向上に資することになるとの観点から、「大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」を導入しております。本対応方針は、2020年3月24日開催の第54回定時株主総会決議に基づいて更新しており、その有効期間は2023年3月開催予定の当社第57回定時株主総会終結の時までとなっております。詳細につきましては当社ホームページをご覧ください。(https://www.cac-holdings.com/ir/soukai.html)

 

  ① 本対応方針に関する基本方針

 当社グループは情報化戦略の立案、システム構築、システム運用管理などのITサービスを主たる事業としており、顧客企業各々の情報システムのニーズに適合したサービスを継続的に提供しております。その結果、特定の企業及びその業界において多くの業務経験を積み、特有の業務知識・ノウハウを習得したことで、顧客企業から高い評価をいただき、顧客企業との信頼関係を維持しております。そのことこそが、同業他社との競争において、当社グループの重要な強みとなっており、同時に当社グループの企業価値の源泉となっていると認識しております。したがって、各顧客企業と当社との取引関係についての十分な理解なくして、当社グループの企業価値や買付提案の妥当性を判断するのは容易でない場合があります。

 大規模買付行為に応じるか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべき事項と考えますが、そのためには当該買付者及び当社取締役会の双方から、上記のような事業の背景を踏まえた今後の経営方針、事業計画に加え、特に顧客あるいは業界という観点からの今後の営業方針・政策などについての適切かつ十分な情報が株主の皆様に提供されることが必要不可欠であります。

 また、大規模買付行為によって株主の皆様が不測の不利益を被ることを防止するとともに、株主の皆様の利益のために、当社取締役会が、当該買付者に対して買付提案の改善を要求する、あるいは場合によっては当社取締役会が代替案を提示するためのルール(大規模買付ルール)が必要であると考えております。

 当社はこのような基本的な考え方のもとで、本対応方針を導入しております。

 

  ② 本対応方針の概要

 当該買付者には、大規模買付行為の実施前に、株主の皆様及び当社取締役会の判断のために十分な情報の提供を求めるものとします。

 当社取締役会は、必要情報の全てを受領後、一定の期間内に大規模買付行為に関する当社取締役会としての意見を取りまとめ、公表致します。

 当該買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は、たとえ大規模買付ルールが遵守されても大規模買付行為が株主の皆様の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合は、当社取締役会は株主の皆様の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当てやその他適法かつ相当な対抗措置のうち、当社取締役会が適切と判断する対抗措置をとることができるものとします。

 なお、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を避けるために、当社取締役会は、当該買付者に対する対抗措置をとるか否か及び対抗措置の停止その他重要な判断について、社外取締役、社外監査役並びに必要に応じて選任される社外有識者で構成される特別委員会の勧告を必ず取得するものとし、当該勧告を最大限尊重するものとします。

 当社取締役会が大規模買付行為に対して対抗措置を講じることを決定した場合は、法令及び証券取引所規則等に則って適時適切な開示を行い、また、当該買付者以外の株主、投資者に不利益を与えることのないよう適切な手続を実施します。

 以上のとおり、本対応方針は当社株式の大規模買付行為に対し、株主の皆様が判断するのに必要な情報と時間を確保するためのルールを設定し、当該買付者がこのルールを遵守しない場合や大規模買付行為が株主の皆様の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合などに対抗措置を講ずることを定めたものでありますので、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業活動その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生防止及び発生した場合の適切な対処に努めてまいります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①  競争環境について

当社グループが属する情報サービス産業においては、投資対効果に対する顧客の厳しい要請、内外の新規参入企業の増加等によって事業環境が大きく変化してきています。それに伴って、当社グループは日々熾烈な受注獲得競争を展開しています。
 このような厳しい受注競争が継続する状況においては、人員の不稼働による損失やプロジェクト採算悪化を招く場合があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  特定顧客及び特定業種への依存度について

当社グループの売上高は、特定顧客、特定業種への依存度が高くなっています。
 特定顧客及び特定業種向け売上高比率が高いことは、当社グループの強みであり、特徴でもありますが、特定顧客におけるIT投資行動の変化や経営変動、特定業種における事業環境の急変、制度変更等によって当社グループの経営成績や営業活動に影響を与える可能性があります。

 

③  海外での事業活動について

当社グループは経営戦略の一環として海外での事業拡大に取り組んでおり、当社グループの業績に占めるその割合も拡大しています。海外での事業活動は、各地域における政治や経済、為替等の動向、様々な法的規制、商習慣、社会的混乱等、様々な影響下にあり、これらにより海外での事業活動が悪影響を被った場合は、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  投資有価証券の投資先の経営成績や財政状態の悪化等に伴う影響について

当社グループが保有している投資有価証券は、特定の取引先及び資本・業務提携先の株式が過半を占めており、投資先企業の業績や財政状態の急激な悪化等による実質価額の下落リスクが内在しています。
 今後、投資先が属する業界の景気動向や経営環境の変化等によって当該株式の実質価額が著しく下落した場合には、保有株式の減損処理の実施によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  情報セキュリティについて

当社グループは、業務遂行上、顧客が保有する様々な機密情報を取り扱う機会が多く、慎重な対応と、より厳格な情報管理体制の構築、徹底が求められています。
 このような機密情報に関し、万一、何らかの理由で紛失、破壊、漏洩等が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下あるいは失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績や財政状態、事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  プロジェクト管理について

一括請負契約のシステム開発では、想定以上に開発工数が超過した場合、売上原価率の悪化により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。特に近年は、ビジネスの必要性に即した短納期化、及び技術の複雑化が進み、開発の難易度が増大してリスクが高まる傾向にあります。
 当社グループでは、全社レベルのプロジェクト管理組織を設置するなど不採算プロジェクトの発生防止や早期発見のための対策を導入しています。しかし、これらの取組みによっても、不採算プロジェクトの発生を完全には防止できない可能性があります。

 
 

⑦  サービス中断の可能性について

当社グループは、システム運用管理サービス、人事BPOサービスを提供しております。これらのサービスは、システムダウンや自然災害等により、その提供が中断する可能性があります。
 このような事態が起きた際に速やかな復旧が可能となるよう、当社グループでは施策の整備を図っております。しかしながら、想定を超える災害の発生などにより当社グループのサービス提供が滞った場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑧  人材の確保・育成について

当社グループの事業展開においては、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材を確保することが重要です。しかしながら、現在の情報サービス産業では他産業との人材の獲得競争が激しく、人材の確保・育成が計画通りに進まない可能性があります。その場合、事業推進に制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号  平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績

当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)の売上高は、国内IT事業にて既存顧客のIT需要が旺盛であった一方、CRO事業にて大型案件の終了や案件縮小等により大幅減収となったこと等から、前年度比1.6%増加の506億83百万円に留まりました。利益については、CRO事業の大幅減収の影響等により、営業利益は同7.9%減少の13億14百万円となり、経常利益は同8.1%減少の12億57百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、来期以降の収益性を向上させる積極施策として、不採算事業の整理や一部保有資産の評価についての見直し等を実施した結果、31億99百万円を特別損失に計上した一方、投資有価証券売却益52億99百万円を特別利益に計上したことから、同13.7%増加の15億円となりました。

 

セグメント別の状況は次のとおりです。売上高につきましては外部顧客への売上高を表示しています。

 

<国内IT>
 売上高は、信託銀行向けや製造向け等が伸長したことにより、316億53百万円(前年度比6.9%増)になりました。セグメント利益については、増収の影響等により、16億40百万円(同57.4%増)になりました。

 

<海外IT>

 売上高は、第4四半期(2019年10月1日~2019年12月31日)よりインドネシアを事業拠点とするMitrais Pte. Ltd.(以下、Mitrais)を連結子会社としたこと等から104億61百万円(前年度比12.7%増)になりました。セグメント利益については、Mitrais 株式の取得にあたり関連費用が発生したものの、Mitraisの連結子会社化による増益と、インド子会社を中心に行っている収益確保に向けた事業構造改革によって販売管理費が減少したこと等から、46百万円のセグメント損失(前年度は3億8百万円のセグメント損失)になりました。

 

<CRO>

 売上高は、大型案件の終了や案件縮小等から、85億68百万円(前年度比22.1%減)になりました。セグメント利益については、コスト削減に努めたものの、減収が大きく影響し固定費を吸収しきれず、2億78百万円のセグメント損失(前年度は6億93百万円のセグメント利益)になりました。

 

当社グループでは、中期経営戦略(2018年度~2021年度)に基づき、既存事業における収益力改善や新技術へのシフト、及び新規事業領域の創出に注力しています。

当連結会計年度の既存事業領域では、国内IT分野において、感情認識AIを活用したアプリケーションの開発や、計測機器に触れることなく心拍数を測るソフトウェアを利用したサービスの開始、RPAサービスの展開など新技術へのシフトに向けた取り組みを行い、海外IT分野においては収益改善に向けた事業構造改革を推進しました。ヘルスケア分野においては、新ビジネスである化合物ライブラリー事業(QualityLead)にて複数の大手製薬会社の参画が決定する等、本格稼働に向けた準備が進んでいます。

新規事業領域では、今後普及が進むと予測されるアジャイル開発手法のノウハウやベストプラクティスを有するMitraisの株式を取得しました。

 

今後も収益力の改善に取り組むとともに、デジタルトランスフォーメーションに向けて新たなテクノロジーを活用した事業を推進していきます。詳しくは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

前年度比(%)

国内IT(百万円)

24,865

4.5

海外IT(百万円)

8,778

10.2

CRO(百万円)

6,481

△15.5

合計(百万円)

40,124

1.8

 

(注) 1.金額は売上原価で表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

受注高

前年度比(%)

受注残高

前年度比(%)

国内IT(百万円)

32,332

9.3

7,385

10.1

海外IT(百万円)

10,060

△10.2

3,548

12.1

CRO(百万円)

8,406

△10.3

5,906

△2.7

合計(百万円)

50,799

1.3

16,840

5.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

前年度比(%)

国内IT(百万円)

31,653

6.9

海外IT(百万円)

10,461

12.7

CRO(百万円)

8,568

△22.1

合計(百万円)

50,683

1.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自  2018年1月1日

至  2018年12月31日)

当連結会計年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アステラス製薬株式会社

5,188

10.4

 

2.当連結会計年度におきましては、外部顧客への販売実績のうち、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて13億41百万円減少して、456億26百万円となりました。

流動資産は14億91百万円減少して、224億71百万円となりました。主な変動要因は、受取手形及び売掛金が10億2百万円増加、仕掛品が1億21百万円増加、前払費用が3億58百万円増加した一方、有価証券が29億99百万円減少したこと等によるものです。

固定資産は1億49百万円増加して、231億55百万円となりました。主な変動要因は、建物及び構築物が2億74百万円増加、新ビジネスへの設備投資に伴い建設仮勘定が10億17百万円増加、Mitraisの連結子会社化に伴い顧客関連資産が6億73百万円増加した一方、保有資産の売却等に伴い投資有価証券が17億91百万円減少したこと等によるものです。

セグメント別の資産の状況は次のとおりです。

<国内IT>

セグメント資産は、事業収益に伴う現金及び預金の増加の影響等により、139億46百万円(前年度比16億73百万円増加)となりました。

<海外IT>

セグメント資産は、Mitraisの連結子会社化の影響等により、90億56百万円(前年度比33億43百万円増加)となりました。

<CRO>

セグメント資産は、のれんの減損損失計上の影響等により、46億78百万円(前年度比5億88百万円減少)となりました。

<全社資産>

各報告セグメントに配分していない全社資産は、主に当社が有する資産であります。全社資産は、保有資産の売却等に伴う有価証券及び投資有価証券の減少並びにMitrais株式の取得及び自己株式の取得に伴う現金及び預金の減少の影響等により、179億46百万円(前年度比57億69百万円減少)となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて17億18百万円増加して、198億29百万円となりました。

流動負債は17億93百万円増加して、125億54百万円となりました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金が5億11百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が19億82百万円増加した一方、短期借入金が8億57百万円減少したこと等によるものです。

固定負債は75百万円減少して、72億75百万円となりました。主な変動要因は、連結子会社の一部事業撤退・縮小等に伴い関係会社事業損失引当金が12億24百万円増加した一方、1年内返済予定への振替に伴い長期借入金が19億99百万円減少したこと等によるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて30億59百万円減少して、257億97百万円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益により15億円増加、剰余金の配当により7億89百万円減少したことにより、7億11百万円増加した一方、自己株式が29億1百万円増加、保有資産の売却等に伴いその他有価証券評価差額金が11億30百万円減少したこと等によるものです。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1億4百万円の収入となりました(前連結会計年度比31億72百万円の収入減)。これは主に、税金等調整前当期純利益が33億58百万円、減価償却費が5億78百万円、減損損失が14億84百万円、関係会社事業損失引当金の増加額が12億21百万円あった一方、投資有価証券売却損益が51億47百万円、法人税等の支払額が21億57百万円あったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、35億23百万円の収入となりました(前連結会計年度比11億61百万円の収入増)。これは主に、投資有価証券の売却による収入が67億28百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が12億76百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が18億73百万円あったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、63億24百万円の支出となりました(前連結会計年度比40億13百万円の支出増)。これは主に、短期借入金の減少額が8億16百万円、自己株式の取得による支出が29億99百万円、配当金の支払額が7億89百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が15億7百万円あったこと等によるものです。

 

以上の結果、当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比27億47百万円減少し、89億78百万円となりました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。その作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与える見積り、判断が必要になります。当社グループは、過去の実績又は現在の状況下で合理的と考えられる前提等に基づいて一貫した見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性が含まれるため、実際の結果が異なる場合があります。

連結財務諸表の作成においては、以下の会計方針が見積り及び判断に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

a. 繰延税金資産及び繰延税金負債

当社グループは、財務諸表と税務上の資産・負債との間に生ずる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産については、各社において将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な金額を限度として計上しております。

 

b. 有価証券の減損処理

当社グループは、中長期的な取引関係の維持・拡大のために、特定の非公開企業の株式を所有しております。当社グループは当該株式の実質価額が著しく低下した場合、投資有価証券の評価損を計上しております。また、投資先企業の急激な業績変動等により、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

c. 退職給付費用

退職給付費用及び債務は、年金数理計算において設定される前提条件に基づいて算出されております。前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等が含まれます。これらの前提条件の変動によって退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。

 

d. のれん

当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

 

② 経営成績の分析

経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりであります。

 

③ 財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」ことで、持続的に成長し続ける企業グループとなることを目指しています。現在推進している、2018年度から2021年度を期間とした中期経営戦略においては、新たな事業やサービスの創出、最先端のデジタルテクノロジーを保有する企業との資本・業務提携やM&A等を継続的に検討しています。

これらに必要な資金につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応することを考えていますが、必要に応じ、資金調達(金融機関からの借入や各種社債の発行等)することも含めて対応してまいります。

 

⑥ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、中期経営戦略の最終年度である2021年度に目指す重要な指標として、営業利益30億円、ROE8%を定めています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 取得による企業結合

 当社は、2019年9月24日開催の取締役会において、インドネシアを主要拠点とするIT企業のMitrais Pte. Ltd.の発行済株式の全部の取得及び子会社化について決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、「先進的なITシーズの創出と付加価値化」を目的として、株式会社シーエーシーを中心とした事業会社並びに日本、中国、インドに開設したR&Dセンターにおいて進めております。当連結会計年度は特に人工知能/機械学習の研究開発に取り組みました。当社グループの研究開発は、特定のセグメントに区分できない技術調査・研究から構成されております。当連結会計年度における研究開発費の総額は180百万円であり、主な研究開発成果は以下のとおりです。

Deep Learning等の機械学習による、人及び人が関係する物事の認識と支援を対象としたAI技術の研究を行いました。特に人に関する画像からのAI認識技術については、具体的な複数の製品の開発に取り組みました。
  また、同研究に加え、表情や感情、動作や発話など、人そのものに関する画像や音声などのデータとともに、人が関わるモノやコトに関する各種センシングデータを、AIとIoTにより複合的に認識し、人を中心に効果的に支援する技術活用「Human Centered Technology」を想定した実証実験・ソリューション開発に取り組んでおります。