第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「私たちは、全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献する」という経営理念のもと、「絶えざる革新」により、変化する環境に対応し、人の一生を支援する事業を通じて、企業価値の向上と、株主のみなさまをはじめとする全てのステークホルダーへの貢献を追求しています。

 

(当社グループの組織価値観)

経営理念

私たちは、全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、
日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献します

経営目標

私たちは、人の一生にかかわる企業として、地域一、日本一、そして世界一を目指します

社是

私たちは、常に創意工夫をし、絶えざる革新を心がけます

3つの原則

1.私たちは、ひとりひとりを大切にします

2.私たちは、高い志を持ち、仕事を通じて成長します

3.私たちは、常に感動づくりを心がけます

 

 

(2) 優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題

 我が国においては、国民の年齢構成や人口動態が変化することにより、少子高齢化が加速しています。当社グループにとって、少子高齢化は成長戦略の重要な要素であり、課題でもあります。社会構造もグローバル化や高度なデジタル化がますます進行し、多様化してきています。今後当社グループは、学習塾事業、語学関連事業、保育事業、介護事業、人材育成・紹介事業、フードサービス事業をコア事業と位置づけ、一生支援事業を行っていきたいと考えています。

 学習塾事業においては、更に多様化する未来を見据え、学習を通じて自主性を持った子どもたちを育てていきたいと考えています。未来を生きるために必要な自主性を育む教育サービスである「リーチング」を独自能力として更に磨いていくことが課題であります。また、大学入試制度、英語教育の抜本的な改革、教育のオンライン化の進行など教育環境も変化し、多様化する顧客ニーズへの対応も課題であります。

 語学関連事業では、日本国内だけでなく、グローバルな語学教育事業を拡大していきたいと考えています。将来の労働人口の減少は日本国内の産業にも大きく影響してきます。海外からの留学生に日本語教育を行い、技能実習生の教育に携わることも当社グループの重要なミッションであります。また、日本国民のグローバルなコミュニケーションの道具としての英会話力向上により、将来のグローバル化に対応できる人材を育成していきたいと考えています。グローバル化が進むにつれ、各国の文化・慣習などを把握して対応することが課題であります。

 保育事業においては、待機児童の問題が少子化の加速により徐々に解消されていくことを鑑み、出店スピードを抑制しながら、学習塾の特性を活かした知育を実現し、社会からの要請に応えていきたいと考えています。しかしながら、他社同様、保育士不足は依然問題であると認識しており、保育士の確保と質の高い保育サービスを提供することが課題であります。

 介護事業においては、高齢人口が急速に増加する中で、現在は入居者等の健康を考慮し、機能改善を図っておりますが、これまで以上に健康維持・改善や認知機能の低下防止などさらなる質の高い介護サービスを提供することが課題であります。フードサービス事業においても、高齢者への配食による健康維持や予防につなげていくことが課題であります。

 人材育成・紹介事業においては、当社グループをはじめ保育事業や介護事業を営んでいる事業者へ技術力の高い人材を育成し紹介していくことが社会的使命だと考えています。日本人の育成・紹介を展開するだけでなく、海外からの留学生や技能実習生、特定技能資格で働く外国人など、国境を越えた人材育成と地域貢献も課題と捉え、取り組んでおります。外国人が日本国内で保育士や看護師、介護士等の資格を取得するためには日本語能力だけでなく、専門知識も身につけてもらうことが必須であり、これまで培ってきた学習塾事業のノウハウをどう活かしていくかが課題であります。

 

 新型コロナウイルス感染症については、2023年5月8日以降は5類感染症に移行し、対面でのコミュニケーション、交流がとりやすくなりました。しかしながら、決して油断することなく、学習塾をはじめとする直接顧客対応が必要な事業においては、引き続き感染防止対策を徹底し、顧客の安全と安心を第一に考え、最善を尽くしてまいります。日本語教育や海外事業については、留学生などの人の往来が活発になってきており、今後の事業拡大に向けて積極的に活動してまいります。

 

(3) 中長期的な経営戦略

当社グループは、少子高齢化や教育改革など環境の変化に対応し、「総合教育企業」から「人の一生に寄り添い、社会に貢献できる企業」としての展開を進めております。2020年には、「ステキな大人が増える未来をつくる」を当社のグループビジョンとして掲げました。

重要課題は「収益性向上」と「人材育成」です。「収益性向上」を実現していくためには、従業員1人当たりの生産性を向上させることにより、事業所ごとの収益性を向上させる必要があります。適正な利益を生み出すことにより、株主や従業員への還元と未来への投資に繋げていきたいと考えております。「人材育成」については、業態にかかわらず人材の交流を積極的に行うとともに、人事評価の見直しを行うことによって従業員の成長を促していきたいと考えております。また、今後市場拡大が見込める人口増加率の高い国や地域で事業を展開していくとともに、日本国内での人手不足を補うため、外国人材の活用支援も強化します。

すべての事業において、今後の基軸となるのは将来性です。学習塾事業から始まり、介護事業を含む多くの事業を展開しながら私たちが培ってきたノウハウと強みを活かし、さらに質を高め、京進だからこそできるサービスや商品の開発を進めてまいります。

 

具体的には、以下の3つの戦略テーマを推進いたします。

1.収益性向上

  ①少数精鋭での運営による1人当たりの生産性向上

  ②事業部ごと・事業所ごとの収益性向上

  ③社員満足度向上

 

2.人材育成

  ①メリハリの利いた人事評価と成果に見合った処遇への改善

  ②積極的な人事交流とダイナミックな組織編制

  ③リーチングのさらなる促進

  ④風通しの良い職場環境の実現

 

3.その他

  ①グローバルな事業展開

  ②新規事業展開

  ③独自性の追求

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、顧客や社会から評価された結果としての集客及び収益性の向上を目指しており、経営指標としては、各事業において顧客数・売上高・営業利益を重視しております。長期的な経営指標の目標としては、顧客数・売上高の成長と同時に経常利益率の向上を重視しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

「日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献する」ことを経営理念として掲げる当社グループにとってのサステナビリティとは、事業を通して社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できるような状態を目指すことです。その実現に向けて、顧客、取引先、従業員、株主はもちろん、環境や社会とのエンゲージメントも非常に重要であると考え、1975年の創業以来、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切に、サステナビリティを重視した経営を実践しております。

 

(2)ガバナンス

企業価値を高め、社会からの信頼を得ることが持続的な成長の実現に繋がると考えております。その実現のため、経営環境の変化に対応した迅速な意思決定と経営の健全性を追求する体制を構築しております。

当社グループでは、代表取締役社長 立木康之が議長を務める内部統制会議を月1回開催しております。構成メンバーは、取締役8名、執行役員7名、補欠の監査等委員である監査部長1名です。内部統制会議では、持続可能性の観点で当社グループの企業価値を向上させるため、サステナビリティに係る当社グループの在り方を提言することを目的として、サステナビリティに係る課題や方針等の検討、協議を行い、取締役会へ報告します。

 

代表取締役社長 立木康之が議長を務める経営会議においては、サステナビリティに関する重要課題に関するリスク及び機会に対応するための実行計画の立案、目標の進捗管理を行い、その内容を、毎月取締役会へ報告しております。

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。経営会議及び内部統制会議で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行っております。

 

(3)戦略

 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社グループでは、乳幼児から、小中学生・高校生、社会人、高齢者までを対象とした保育、語学教育、学習指導、介護等のサービスを提供しています。したがって、「人」こそが、最大の資産であり、個人の成長が、組織の成長に繋がるという基本的な考え方に立って、人的資本経営を進めております。さらに海外での事業展開や、保育園の運営等を通じ、多様な人材が活躍できるよう推進しています。

 

 1)経営理念と人材への考え方

「私たちは、全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献します」という経営理念を掲げ、また、行動原則でもある「3つの原則」には「私たちは、高い志を持ち、仕事を通じて成長します」と謳っています。従業員への還元を約束し、自ら成長する企業風土を醸成しています。

 

 2)育成制度と自己成長促進

育成と成長の3本柱として、「経営品質向上プログラム」「アメーバ経営」「リーチング」を掲げて取り組んでいます。

経営品質向上プログラム

(経営の質を高める)

「顧客本位」「独自能力」「社員重視」「社会との調和」の4要素を基本として経営の質を高めていくために、セルフアセスメントや研修を進め、さらに各部の経営計画策定で、実践をしている。

アメーバ経営システム

(経営マインドの醸成)

それぞれのサービス拠点で、生産性を上げるための経営システムを導入。経営会議や研修を通じて、経営的なマインドの醸成を進めている。

リーチング

(独自の成長手法)

考え方を理解し、実践する研修の実施。「リーチング」という独自の成長手法を反映したアプリや日報システムを設計し、自らが立てた夢や目標を、スモールステップで達成できるように促している。

 

研修制度は、階層別、職種別、入社年度別等に、体系的に設計を行っています。上位職を目指すための研修は立候補制で行っており、自ら成長意欲を持って参加してもらう機会を設けています。

 

 3)人的資本の拡充

自律的にキャリア構築をすることと、新たなチャレンジを推奨するために、下記のような取組を行っています。

自己申告書

毎年1回、個々人が成長結果を振り返り、新たな職場希望(部門・職場)を提出することで異動促進を行う。

社内公募制度

自分から手を挙げて、グループ会社を含めたキャリアチェンジへの挑戦を促進している。

キャリア研修

新入社員へのライフプラン研修、29歳社員対象の人生設計「アンダー30研修」を実施。

支援制度

「自学習慣支援制度」を設けて、資格取得等を目指す社員への援助を行っている。「保育士資格取得支援制度」では、保育士の資格取得をするための費用と検定料を援助している。

 

 

 4)職場環境や組織風土

経営理念「物心両面の豊かさ」に則り、心身ともに健康で働き続けられるための職場環境や、制度設計を行っています。風土形成においては、「対話」「笑顔」「感謝」を大切にし、下記のような取り組みを行っています。

社員面談制度

上司による面談とは別に、他部署の部長職が1:1で面談を行い、キャリア構築への補助や、悩みや課題解決に努めている。

社内外相談窓口

社内での相談窓口を設けて、笑顔あふれる職場づくりを進めている。メンタルヘルスを含めた健康等の悩みについては、専門的な社外EAP窓口を契約し啓蒙活動も行っている。

トップメッセージレポート

全従業員がトップからの方針や考えを毎月動画で視聴し、その内容に関するレポートを提出する。そのレポートを、トップ自らがイントラネット上で確認・返信する運用をしている。

表彰制度

互いに称え合い、感謝をする風土醸成のために、全社員が一同に会した前で表彰される表彰式の開催や、それぞれの部門での表彰等を行っている。

 

 

 

(4)リスク管理

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスク管理委員会において行っております。

当社グループで選定して設置したリスク管理委員会は以下です。

J-SOX委員会

J-SOX対応及び運用についての検討・情報共有

コンプライアンス委員会

コンプライアンス体制の高度化、社内への啓蒙活動

安全対策委員会

安全で安心なサービス提供や労務環境に影響を与える要因抽出・管理、体制構築、改善策検討実施

関係会社リスク委員会

関係会社に関するリスクの抽出・解決策検討

事業継続計画(BCP)委員会

事業継続計画の立案・問題点抽出

衛生委員会

従業員の福祉向上と企業活動の健全な発展のための問題検討・計画立案・体制構築

ハラスメント防止委員会

パワハラ・セクハラ防止の体制構築・改善策検討

 

各委員会で課題となった重要なリスクは、年2回実施しているリスク管理委員会で報告します。同委員会での協議を経て戦略、計画に反映し、対応状況は、内部統制会議においてモニタリングし、その内容を適宜取締役会へ報告します。

サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ、当社の将来の持続的発展に影響を与える事業リスクについて内部統制会議の中でより詳細な検討を行い、共有しております。

また、内部統制会議においては、上記の他、労務環境についての報告、協議や、内部監査及び外部の財務諸表監査についての報告と共有など、当社グループのガバナンス強化に関係する重要なテーマについても取り上げ、協議を行っております。

 

(5)指標及び目標

当社グループでは、上記の(3)戦略 2)~4)に記載をした人材に関する取り組みに関して、当社においては、継続的かつ具体的な取り組みを行っておりますが、連結グループへは展開途上にあるため、連結グループにおける記載が困難であります。したがって、次の指標及び目標については、提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績(2022年)

多様性:女性管理職比率

30%

27.1%

育成:ES調査の成長実感

70%

59.6%

職場環境:有給取得日数

15日

13.9日

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 安全・安心に関するリスク

・顧客、従業員の安全・安心

当社グループは、何よりも安全・安心を重要と考えています。全校舎電子錠システムを採用し、モニターカメラを設置しチェックする体制の確立など、学習塾事業においては、安全に安心して通える環境の提供は必須であります。保育事業、介護事業、フードサービス事業においては、アレルギー性物質の混入や食中毒等が発生しないよう各種マニュアルの制定・研修の実施等、体制を整えています。その他の事業でも、お客様が安全に安心してご利用いただけるサービスの提供を最重要事項として位置づけ、活動を行っています。また、従業員が安全・安心に働けることも重視しており、特に心のケアができる体制を強化することが重要であり、外部の相談窓口等とも提携し体制を整えています。しかしながら、顧客や従業員の安全を脅かす事態が発生した場合、社会的信用の低下により業績等に大きな影響を与える可能性があります。

 

・海外事業

当社グループでは、海外にて学習塾事業、語学関連事業の拠点を運営しています。海外での事業は、各国の法律・規則、税制などの変化、自然災害の発生、政治情勢及び経済情勢の変化、商習慣や文化の相違、戦争や紛争、テロの発生等により影響を受ける可能性があります。当社グループでは、拠点のある各国、地域の動向等情報収集に努めているものの、これらの国・地域において上記事象が発生・顕在化することにより、事業継続に支障をきたし、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・個人情報の取り扱い

当社グループでは、多数の個人情報を有しております。これらに関しては、顧客情報保護方針に基づいた管理を徹底し、内部監査部門の各拠点監査等により漏洩等の未然防止を徹底しております。しかしながら、何らかの原因により情報が流出した場合は、社会的信用の低下により業績等に影響を与える可能性があります。

 

② 自然災害の発生に関するリスク

当社グループが事業を展開している地域において、大規模な地震・水害等の自然災害が発生した場合、事業継続が困難となる可能性があります。当社グループでは、事業拠点における施設・設備の安全対応、災害マニュアルの浸透徹底や訓練の実施、従業員等安否確認システムの整備や各事業所へ備蓄品を配備するなど、お客様及び従業員の安全確保と事業が継続できる体制の構築に努めておりますが、首都直下型地震や南海トラフ地震等の想定を上回る大災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新型コロナウイルス等のパンデミックに関するリスク

当社グループが事業を展開している地域において、新型コロナウイルス等の感染症が発生した場合、海外からの留学生を顧客対象とする事業や、対面によるサービス提供を中心とする事業において、業務遂行が困難となる可能性があります。当社グループでは、オンライン環境の整備など有事に備えて体制の整備に努めております。しかしながら、新型コロナウイルス等の感染症が世界的に流行し、長期に渡る海外渡航制限や複数施設での大規模クラスターの発生等により、事業活動の運営が困難になった場合には、売上減少や感染症対応費用の増加により、業績等に影響を与える可能性があります。

 

④ 法的規制に関するリスク

・子育て支援にかかる法的規制

当社グループが展開する保育事業において、国や地方自治体の子育て支援事業に関連する方針が変更され、保育所の設置・運営に関する法律の改定が行われた場合や、補助金制度の見直しが行われた場合、当社グループの保育事業活動が制約を受ける可能性があります。また、何らかの事由により、現在運営している認可保育所や東京都認証保育所などの許認可が取り消された場合には、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・外国人受け入れにかかる法的規制

当社グループが展開する日本語教育事業、海外の語学関連事業において、入国管理局及び国の外国人受け入れに関連する法的規制の制定・改定が行われた場合、計画どおりの留学生の受け入れができず、当社グループの語学教育活動が制約を受ける可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のように想定外の事態が顕在化した場合においても、入国制限及び行動制限措置等により、計画どおりの留学生の受け入れができなくなった場合には、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・介護事業にかかる法的規制

介護サービス事業は介護保険法の影響を強く受けており法律の制定・改定が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。当社グループでは、介護サービスを提供する関連会社において、マニュアルの整備や研修を充実させ、適切な事業経営に努めております。しかしながら、何らかの理由により指定の取消又は停止処分を受けた場合には、業績等に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 企業の存続に関わるリスク

・人材の不足

当社グループでは人材が重要な経営資源であり、サービス提供を行う従業員の確保と育成は提供価値の質に関わるものであり、企業規模の拡大成長には不可欠で重要な要素となっております。また、保育事業における保育士、介護事業における介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士等、有資格者によるサービスが法的に義務付けられている事業もあります。当社グループでは、要員計画に基づいた採用活動で人材要件に沿った人材確保をするとともに、育成についても、職種別・階層別等のさまざまな研修の充実を行い、独自のリーダー育成制度等により人材育成に努めております。しかしながら、今後、採用環境の急激な変化により人材の確保や育成が計画どおりに行えない場合には、出店計画の遂行やサービスの提供に支障をきたし、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・システムトラブル

当社グループでは、コンピュータネットワークシステム上で基幹システムを構築しており、顧客情報の管理、請求管理等を行っております。また、インターネット上で提供しているオンラインサービスも実施しています。災害や事故の発生に備えてシステム会社とのメンテナンス契約、バックアップ体制を整えております。しかしながら、予期せぬ規模の災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、顧客へのデータ提供等に支障をきたし、業績等に影響を与える可能性があります。

 

 

⑥ 業績変動に関わるリスク

・集客時期の偏り

当社グループの学習塾事業、語学関連事業では、入学や卒業等により生徒数が大きく変動し、学校の新学期である春期が最も少なく、その後増加していく傾向にあります。新学期開始時期と、その他の季節講習の時期は、新規顧客の集客時期となります。集客時期に想定外の事態が発生し、集客が進まなかった場合、通期の業績等に影響を与える可能性があります。

 

・出店計画の変更

拠点の開設に当たっては、中長期の出店計画とマーケティングデータをもとに、顧客の安全性の確保等を重視して物件選定を行っております。競合環境の大きな変化や物件確保が計画どおりに進まない場合、出店計画が変更になり、業績等に影響を与える可能性があります。

 

のれんの減損や子会社株式の評価減

当社グループでは、成長戦略の一環として積極的なM&Aを行っており、のれんや子会社株式を保有しております。買収した子会社の業績不振により、のれんの減損や子会社株式の評価減を行った場合、業績等に影響を与える可能性があります。

 

・固定資産の減損

 当社グループでは、事業所の新設等に伴い設備投資を行っており、設備等の有形固定資産を有しております。当該資産への投資が将来的に回収できるかどうかを定期的に検討し、将来的に投資金額を回収できないと判断する場合、減損を認識することとなります。このような場合、業績等に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動制限や水際対策の緩和などにより、経済活動の正常化が進み、景気の持ち直しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や円安による資源価格及び原材料価格の高騰、国内においては急激な物価上昇等もあり、先行き不透明な状況が続いております。一方で、当社を取り巻く環境は、国際的な人の往来が再開され、国内・オーストラリアの語学学校への留学生の入学数も堅調に推移しております。

 

学習塾事業においては、少子化による学齢人口の減少が継続する中で、多様な価値観・教育ニーズに対応した学びの提供が求められております。そのような中で、コロナ禍でオンライン授業・AI技術を活用した教育のデジタル化が進んだことに加えて、異業種からの参入など業界再編の流れは加速しており、企業間の競争環境は厳しさを増しております。語学関連事業においては、日本国内の人手不足を補うため、外国人材の活用支援を更に進める必要があり、語学教育を強化することが必須となります。保育事業においては、待機児童問題は解消に向かいつつあるものの、保育士不足に関する課題は残っており、教育や保育に関する国内の関心は非常に高まっております。また介護事業においては、高齢者人口の増加傾向は2042年まで続くと予想されており、高齢者向けのサービス需要が拡大していることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で、高齢者ケアのさらなる必要性が社会的に認識されました。

このような情勢のもと、当社グループにおいては、長期的な事業拡大を支え、時代の流れと社会の要請に対応するため、2018年3月に”人の一生に関わる「一生支援事業」を展開する企業への変革”として中期ビジョンを見直しました。また、2020年12月には、「ステキな大人が増える未来をつくる」企業になることを当社のグループビジョンとして掲げ、収益性向上と人材育成を重要課題と認識し、さらなる成長を目指しております。

当連結会計年度は、保育・介護事業、語学関連事業の売上の増加により、創業以来最高売上高を7期連続で更新しました。保育事業の園児数、介護事業の顧客数を堅調に伸ばしたことに加え、国内・オーストラリアの語学学校の留学生も大幅に増加し、当連結会計年度の営業利益は前年を上回る結果となりました。また、業績不振となった子会社に対するのれん、及び閉鎖・移転等が決定した校・教室に関する固定資産に対する減損損失として509百万円を計上しました。

 

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は25,420百万円(前年比6.5%増)となり、前年に比べ1,551百万円増加しました。営業利益は470百万円(前年比23.7%増)となり、前年に比べ90百万円増加しました。経常利益は385百万円(前年比5.4%増)となり、前年に比べ19百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は△316百万円(前年は7百万円の純損失)となり、前年に比べ308百万円減少しました。期中平均の顧客数(FC事業部における末端生徒数含む。)は、37,856名(前年比1.1%増)となりました。

 

セグメント別の概況は、以下のとおりです。

<学習塾事業>

学習塾事業においては、脳科学に基づく独自の学習法「リーチング」の定着や、ICTを活用した学習管理の仕組みとひとりひとりを大切にする指導が、顧客からの支持を得ております。しかしながら、季節講習及び新学期開始時期における入室数が前年に及ばなかったことから、期中平均生徒数は前年同期比96.7%となりました。

この結果、当連結会計年度のセグメントの経営成績は、売上高10,711百万円(前年比2.9%減)、セグメント利益は1,840百万円(同16.0%減)となりました。

 

 

<語学関連事業>

日本語教育事業においては、2022年3月より母国で待機中の学生が入国し、新規の学生の募集も堅調に進んだことから、期中平均生徒数は前年同期比161.8%となり、売上・利益ともに前年同期を大きく上回りました。英会話事業においては、オーストラリアの英会話学校で2022年2月に入国が再開されて以降、入室数が回復したことから、期中平均生徒数は前年同期比102.5%となりました。国際人材交流事業においては、国外での活動が制限される中、日本在留の有能な外国人を特定技能人材として国内企業に紹介する活動に注力しました。キャリア支援事業においては、当社グループ及び連結子会社で介護の資格取得スクール「介護のキャンパス」を運営し、介護人材の育成に取り組みました。

この結果、当連結会計年度のセグメントの経営成績は、売上高3,721百万円(前年比56.4%増)、セグメント損失は144百万円(前年は647百万円のセグメント損失)となりました。

 

<保育・介護事業>

保育事業においては、順調に園児数が増加し、期中平均園児数は前年同期比103.6%となり、それに伴い売上・利益ともに前年を上回りました。介護事業においては、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底するとともに、入居率とサービス利用率の向上に努め、期中平均顧客数は前年同期比101.4%となりました。フードサービス事業においては、在宅ワークの増加による企業からの受注が減るなど、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けておりますが、新規顧客獲得に向けた営業活動や原価率改善への取り組みを行いました。

この結果、当連結会計年度のセグメントの経営成績は、売上高10,987百万円(前年比5.1%増)、セグメント利益は361百万円(同86.9%増)となりました。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は21,191百万円となり、前連結会計年度末に比べ463百万円増加しました。流動資産は6,012百万円となり同1,228百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金の増加1,153百万円、その他の流動資産の増加59百万円等です。固定資産は15,178百万円となり、同765百万円減少しました。有形固定資産は11,192百万円(同310百万円減少)となりました。主な要因は、建物及び構築物の減少359百万円リース資産の増加108百万円、その他の有形固定資産の減少55百万円等です。無形固定資産は1,094百万円(同516百万円減少)となりました。主な要因は、のれんの減少567百万円等です。投資その他の資産は2,892百万円(同61百万円増加)となりました。主な要因は、繰延税金資産の増加41百万円、その他の資産の増加46百万円等です。

 

当連結会計年度末の負債合計は17,817百万円となり、前連結会計年度末に比べ777百万円増加しました。流動負債は8,980百万円となり、同1,041百万円増加しました。主な要因は、短期借入金の増加700百万円、未払金の増加88百万円、前受金の増加69百万円等です。固定負債は8,837百万円となり、同263百万円減少しました。主な要因は、長期借入金の減少375百万円、リース債務の増加138百万円等です。

 

当連結会計年度末の純資産合計は3,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ314百万円減少しました。主な要因は、退職給付に係る調整累計額の増加51百万円、利益剰余金の減少374百万円等です。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末17.8%から1.9ポイント下降し、15.9%になりました。

 

 

  (3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより3,804百万円となり、前連結会計年度末に比べ924百万円増加しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益54百万円、減価償却費906百万円、減損損失509百万円、のれん償却額244百万円、法人税等の支払426百万円等が発生しました。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,420百万円の収入となり、前連結会計年度末に比べ238百万円の減少(△14.4%)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出229百万円、有形固定資産の取得による支出378百万円等が発生しました。この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、629百万円の支出となり、前連結会計年度末に比べ326百万円の減少(107.7%)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増額700百万円、長期借入れによる収入1,200百万円、長期借入金の返済による支出1,608百万円等が発生しました。この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、132百万円の収入となり、前連結会計年度末に比べ1,551百万円の増加(前年は1,418百万円の支出)となりました。

 

 (4) 生産、受注及び販売の実績

a.生産及び受注実績

当社グループは、サービスの提供を主たる業務としておりますので、生産及び受注の実績については、該当事項はありません。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年6月1日

至 2023年5月31日)

前年同期比

顧客数(人)

金額(百万円)

顧客数(人)

金額(%)

学習塾事業

26,389

10,711

27,286

97.1

語学関連事業

7,359

3,721

6,175

156.4

保育・介護事業

4,108

10,987

3,983

105.1

合計

37,856

25,420

37,444

106.5

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.顧客数は、期中平均の在籍人数を記載しております。

3.販売の数量につきましては、表示すべき適当な指標はありませんので、記載を省略しております。

4.学習塾事業の顧客数には、京進の個別指導「スクール・ワン」のフランチャイズ教室の末端生徒数を含めて記載しております。

 

 

 (5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えています。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は主に手元の自己資金及び借入金により充当しています。

また、当社グループは、将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え、十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めています。必要な資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入金によって調達しており、資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当することで確保しています。

なお、今後の不測の事態に備えて金融機関からは十分な融資枠を確保しています。中長期的に将来の成長が見込める分野についてはM&Aや事業基盤強化のための投資等を今後も積極的に推進していきたいと考えています。

 

 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としています。これらの見積りについて過去の実績や合理的と判断される入手可能な情報等を勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。