当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策、日銀の金融政策による円安や株高の流れ、また原油安の恩恵などにより、主要企業を中心に一部で急速に業績が回復しております。また、株高や主要企業を中心とした賃上げの流れにより消費マインドも好転し、首都圏を中心に個人消費にも回復の兆しが出てまいりました。しかしながら、一方で中国をはじめとするアジア経済の減速懸念やギリシャ債務問題などにより、世界経済の先行きはいまだ不透明であります。
当社グループが属する美容業界におきましても、高所得者層を中心に底堅い動きがでてきており、本格的な業績回復への期待がもてる状況にはなってきておりますが、実質賃金が依然として上昇に転じていないことなどから、美容業界全体の業績回復は、限定的なものであると見込まれます。
当社グループにおきましても、客単価は着実に上昇している一方で、来店客数の回復ペースは鈍く、首都圏の直営サロンを中心に既存店売上高は、徐々に回復しつつあるものの、全体的には大きく改善するまでには至っておりません。
このような状況のもと、当社グループは、安易な安売り競争に走ることなく、従来通り優秀なスタッフを育成し、質の高いサービスを提供し続けることにより、顧客の支持を得て安定した業績を維持しております。当連結会計年度におきましては、不採算店を閉店し、各店の収益力の強化に重点をおいて経営を行ってまいりました。その結果、直営サロン運営事業及びBSサロン運営事業を中心に、売上高は前年同期に比較して減収となりました。
一方で、新規事業におきましては、当社の創造性を活かしたブライダルサロンの展開や、海外事業等に引き続き注力しておりますが、主に営業人員の増員により人件費を中心に販売費及び一般管理費の増加が先行したため、営業利益は減益となりました。
また、特別損失として、平成27年5月18日から開始された当社株式公開買付けに係る法務費用として支払手数料が発生したこと、及び平成27年度の税制改正により、法人税率の引き下げや繰越欠損金の控除限度額の引き下げが決定した影響で繰延税金資産が大幅に減少し、法人税等調整額が発生することなどにより、当期純利益も大幅な減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,716,523千円(前連結会計年度比4.3%減)、営業利益78,970千円(前連結会計年度比33.4%減)、経常利益84,672千円(前連結会計年度比32.0%減)、当期純利益37,785千円(前連結会計年度比52.4%減)となりました。
事業の概況につきましては以下のとおりであります。
日本全国に展開するBSサロン(フランチャイズサロン)のフラッグシップサロンとして、首都圏主要地域を中心に直営サロン12店舗を展開しております。
第1四半期連結会計期間より、ブライダルサロンであるモッズ・ヘア オン アンダーズ東京は直営サロン運営事業よりヘアメイク事業にセグメントを変更し、準直営サロンであったモッズ・ヘア青葉台店は契約形態の変更によりBSサロンへ転換いたしました。また、不採算店であったモッズ・ヘア渋谷店を閉店し、新たに神奈川県横浜市にモッズ・へアみなとみらい店をオープンいたしました。
直営サロン運営事業の当連結会計年度の売上高は、不採算店であった渋谷店を閉店した影響などから989,627千円(前年同期比4.8%減)と減収となりましたが、セグメント利益は、収益力の改善から15,464千円(前年同期比62.7%増)と大幅な増益となりました。
「モッズ・ヘア」では、本部、加盟店という従来のフランチャイズ関係ではなく、共に一つのブランドをシェアするという意味で、ブランドシェアサロン、BSサロンと呼んでおります。当連結会計年度において、国内におきましては、新規出店が3店舗(モッズ・ヘア十勝音更店、モッズ・ヘアMEN上尾店、モッズ・ヘア中目黒店)、準直営サロンからの転換が1店舗(モッズ・ヘア青葉台店)、閉店が4店舗(モッズ・ヘア社店、モッズ・ヘア松戸店、モッズ・ヘア新潟店、モッズ・ヘア熊本店)となりました。海外におきましては台湾において1店舗(モッズ・ヘア中山店)を新規出店、韓国において3店舗を新規出店、3店舗を閉店いたしました。その結果、当連結会計年度末日現在において、国内70店舗、韓国23店舗、台湾5店舗の計98店舗となっております。
BSサロン運営事業の当連結会計年度の売上高は、地方における消費回復の遅れなどから、577,011千円(前年同期比%2.6減)、セグメント利益は、242,896千円(前年同期比13.7%減)となりました。
当社は、「モッズ・ヘア」の原点であるフランス・パリのスタジオワーク専門のヘアメイクチームのプロフェッショナル精神を引き継いだ「モッズ・ヘア」ヘアメイクチームを有しております。
当社のヘアメイクチームは、ヘアメイクアーティストのエージェンシーとして「パリコレクション」や「東京コレクション」などへの参加や、CM・ファッション雑誌など年間3,000ページ以上を手掛けるなど、国内及び海外で高い評価を得ております。当社のヘアメイクチームの作品は「モッズ・ヘア」をブランディングするうえでクリエーションの柱であり、サロンスタイルなどのアイデアソースとしても重要な役割を担っております。
また、前連結会計年度より当社のヘアメイクチームのクオリティを一般顧客に提供することを目的にブライダル事業を展開しております。平成26年6月にオープンしたモッズ・ヘア オン アンダーズ東京は、当社グループが展開する初めてのブライダルサロンでありますが、一般の美容売上よりもブライダルに係る売上の割合が高いため、第1四半期連結会計期間より直営サロン運営事業からヘアメイク事業へセグメントを変更しております。
当連結会計年度におきましては、モッズ・ヘア オン アンダーズ東京の売上高が加算された一方で、大口受注が減少した結果、売上高はわずかながら減収となりました。セグメント利益におきましても、大口受注の減少、およびモッズ・ヘア オン アンダーズ東京が、収益貢献するまでには至っていないため、減益となりました。
ヘアメイク事業の当連結会計年度の売上高は、198,874千円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益は、10,397千円(前年同期比31.5%減)となりました。
(美容室支援事業)
当社グループでは、国内83店舗を擁する「モッズ・ヘア」サロンの事業展開を通じて、様々なスケールメリットが創出されます。それをサービス化し、クレジット手数料軽減サービスを一般のサロンに提供する美容室支援事業などを行っております。
また、前連結会計年度より、美容室サロン経営に特化したPOS・経営分析システムの共同開発及び販売事業を行っており、既に直営サロン及びBSサロンで展開しておりますが、来期以降、一般のサロンにも展開していく予定であります。なお、美容室支援事業は、前連結会計年度までその他のセグメントに含めておりましたが、業績も順調に拡大していることから、当連結会計年度より独立したセグメントとして表示しております。
クレジット手数料軽減サービスにつきましては、大口顧客の他社への切り替えがあったものの契約件数は引き続き順調に伸ばすことができました。美容室支援事業の当連結会計年度の売上高は、67,687千円(前年同期比11.1%増)、セグメント利益は、25,085千円(前年同期比12.3%増)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び財務活動によるキャッシュ・フローがプラスとなる一方、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなり、348,441千円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
営業活動の結果、獲得した資金は30,502千円(前連結会計年度は獲得した資金167,886千円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益72,277千円、減価償却費35,689千円、未払消費税等の増加19,320千円、リース投資資産の増加19,203千円、法人税等の支払による資金の減少16,850千円などによるものであります。
投資活動の結果、使用した資金は57,210千円(前連結会計年度は使用した資金91,875千円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出19,724千円、差入保証金の差入による支出17,870千円、事業譲受による支出15,000千円及び貸付による支出16,730千円などによるものであります。
財務活動の結果、獲得した資金は17,230千円(前連結会計年度は使用した資金27,936千円)となりました。これは自己株式の処分による資金の獲得50,619千円及び配当金の支払い33,388千円などによるものであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
直営サロン運営事業 | 92,354 | 33.6 |
BSサロン運営事業 | 73,306 | 5.2 |
ヘアメイク事業 | ― | ― |
その他 | ― | ― |
合計 | 165,661 | 19.4 |
(注) 1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
直営サロン運営事業 | 989,627 | △4.8 |
BSサロン運営事業 | 460,334 | △6.3 |
ヘアメイク事業 | 198,874 | △1.7 |
その他 | 67,687 | 11.1 |
合計 | 1,716,523 | △4.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
美容室運営事業につきましては、個人事業者を含め競合が数多く存在する業界であり、より強い競争力が求められます。多様化するお客様のニーズ、お客様の期待するホスピタリティに応えるためには、優秀なスタイリストの早期育成が必須条件となります。また、安定的な業績を上げていくためには、スタイリストをはじめとしたサロンスタッフの定着が重要となります。当社グループはモッズ・ヘアアカデミーによるオリジナルメソッドに基づいた教育システムをより一層充実させ、より短期間でスタイリストを育成できる環境を作り上げていく必要があります。また、より長く安心してサロンスタッフが働ける充実した職場環境も同時に整備していかなければなりません。
また、昨今の美容にかかわる技術水準の進歩は目覚ましく、現在は、独自の美容技術による優位性を独占的に享受できる環境にはありません。従いまして、今後も幅広い顧客の支持を確保していくためには、創造的なスタイルの提案を継続的に行っていく必要があると認識しております。当社グループは、スタジオワークに端を発するモッズ・ヘアの歴史と強みを生かし、ヘアのプレタポルテというモッズ・ヘアのコンセプトを最大限に活用して顧客の支持をより強固なものにして参ります。
その一方で、少子高齢化による市場規模の縮小にも対処していかなければなりません。モッズ・ヘアのメインターゲットである「働く女性」層以外にも顧客層を拡大していくために、M&Aをはじめ様々な可能性を追求して参ります。また、ブランドの枠にとらわれない美容業界全般に対するサービスの提供も視野に入れて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
当社グループにおける営業収益の大部分は、日本国内の経済動向に大きく影響を受けます。主要な事業である美容室運営事業におきまして、その動向如何により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの美容室運営事業は気象状況の影響を受けやすく、季節感を感じる7月、12月、卒業・入学・入社などのシーズンにあたる3月は年間を通して大きな需要期となります。しかしながら冷夏暖冬などの天候不順や予測不能な気象状況により、当社グループの事業展開や経営状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの美容室運営事業は現在、海外の提携先と契約し、提携先所有の商標を使用したブランド(ライセンスブランド)を基盤とし運営しております。提携先とは良好な関係を維持しておりますが、契約更改時における契約内容や条件の変更があった場合、当社グループの経営成績や事業展開に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの美容室運営事業には、国家資格を有する美容師の採用が必要であり、また、当該事業の経営成績は、顧客から高い支持を受けている美容師の売上高に依存する傾向があります。そのため、優秀な技術者が多数退職した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは店頭での顧客管理上、多くの個人情報を有しております。これらの情報の管理、取り扱いについては社内ルールを制定し、セキュリティシステムの改善を常に図り、管理体制を整え万全を期しております。今後も個人情報の管理は徹底してまいりますが、情報流出や漏洩が発生した場合、当社グループの社会的信用力の低下等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、美容業を中心とした企業の買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。当社グループは対象企業との統合効果を最大限に高めるために、当社グループの企業文化や経営戦略との統合を図りますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発事象の開示項目、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき行っているため、実際の結果は、これらと異なる場合があります。特に当社グループの連結財務諸表の作成にあたって実施した見積り及び判断は、その実質価額の判断、将来需要や市況予測、各種統計数値の前提設定及び実現可能性等様々な要因を考慮して行っております。
当社グループは、積極的に当社ブランドの海外展開、特にアジア市場への展開をはかっております。海外展開におきましては、法制、税制、流通など地域特性によるビジネスリスクに加え、模倣ブランドや模倣品など知的財産権に関するリスク、為替リスク並びに地域・国民の対日感情など多岐にわたり存在します。事業面では、これらのリスクを最小限にすべく充分な検証を行うとともに、組織体制を整え、対策を講じたうえで海外展開を進めておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの営業活動地域において大規模地震、台風等の自然災害が発生した場合、被災状況によっては、正常な事業活動ができなくなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発事象の開示項目、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、その実質価額の判断、将来需要や市況予測、各種統計数値の前提設定及び実現可能性等様々な要因を考慮して行っておりますが、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき行っているため、実際の結果とは異なる場合があります。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ21,815千円減少し、1,466,376千円となりました。主な要因は、未収入金の減少37,915千円、繰延税金資産の減少19,742千円、のれんの増加15,537千円、及びリース投資資産の増加16,422千円などによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ76,860千円減少し、682,718千円となりました。主な要因は、未払金の減少81,047千円、未払消費税等の増加13,838千円などによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ55,045千円増加し、783,657千円となりました。主な要因としましては、当期純利益37,785千円、配当金の支払33,437千円、及び自己株式の処分による自己株式の減少25,737千円、その他資本剰余金の増加24,881千円などによるものであります。
当連結会計年度の概要は「1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりでありますが、そのポイントは主に次のとおりであります。
売上高は、1,716,523千円と前連結会計年度に比べ76,820千円減少(前連結会計年度比4.3%減)いたしました。これは、主に直営サロン運営事業において不採算店を閉店したことに伴う直営店売上の減少、地方における消費回復の遅れの影響による国内ロイヤリティ収入の減少、及びヘアメイク事業部における大口取引の減少によるスタジオ売上の減少などによるものであります。
一方、不採算店を閉店したことで直営サロン運営事業において採算性が大幅に改善され、粗利率は前連結会計年度に比べ0.8%上昇し29.1%となっております。この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ9,061千円の減少(前連結会計年度比1.8%減)にとどまりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ30,597千円増加(前連結会計年度比7.9%増)いたしました。これは主に営業力強化のため、役員報酬、給与・手当、法定福利費などの人件費が前連結会計年度に比べ19,685千円増加したこと、及び貸倒引当金繰入額が9,310千円増加したことなどによるものであります。
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ39,658千円減少(前連結会計年度比33.4%減)し、経常利益におきましても、前連結会計年度に比べ39,801千円減少(前連結会計年度比32.0%減)いたしました。
特別損益項目の主なものとしては、当社株式の公開買付実施に伴い発生した支払手数料10,000千円、店舗閉鎖損失2,378千円が発生いたしました。
以上の結果、当期純利益は前連結会計年度に比べ41,543千円減少し(前年同期比52.4%減)し、37,785千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概要は「1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。