なお、重要事象等は存在しておりません。
わが国では、急速な高齢化の進展や医療の高度化を背景に国民医療費が過去最高を更新し、今後も増加が見込まれていることから、各種の医療制度改革が実施され、医療費抑制に向けた様々な取り組みが行われております。
受託臨床検査業界におきましては、今年度は2年毎に実施されている診療報酬改定の年度にあたらず、検体検査に係る保険点数(公定価格)の引き下げはなかったものの、激しい業者間競争が続いていることから、事業環境は引き続き厳しい状況にあります。
こうした中で、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高82,589百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益6,885百万円(前年同期比10.5%増)、経常利益7,168百万円(前年同期比8.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,271百万円(前年同期比16.2%増)となりました。
臨床検査事業の売上が堅調に推移したことから、業者間競争による価格下落や首都圏ラボを中心とした人員・設備の増強等に伴う経費増加を吸収し、前年同期比で増収増益となりました。
以下に事業別の概況をご報告いたします。
臨床検査事業につきましては、引き続きクリニック市場の開拓強化を図るとともに、大型施設へのFMS/ブランチラボ方式(検査機器・システムなどの賃貸と運営指導/院内検査室の運営受託)による提案営業、既存ユーザーへの深耕営業を進めてまいりました。この結果、臨床検査事業の売上高は、前年同期比3.5%の増収となりました。
その他検査事業につきましては、食品衛生事業において、㈱BMLフード・サイエンスで食品衛生コンサルティング事業が順調に推移いたしました。また、新検査センターを一昨年5月に稼動させ、効率的で高品質な検査体制の構築に取り組んでおります。これらにより、売上高は前年同期比5.6%の増収となりました。
以上の結果、検査事業の売上高は78,462百万円と前期比3.6%の増収となりました。
医療情報システム事業につきましては、診療所版電子カルテ「クオリス(Qualis)」と「メディカルステーション(MS)」のラインアップにより、引き続き新規契約の獲得と既存ユーザーへのリプレイスを推進し、売上高は前年同期比9.4%の増収となりました。
その他事業につきましては、㈱岡山医学検査センターの調剤薬局事業の売上が伸びたことにより、その他事業全体の売上高は前年同期比5.0%の増収となりました。
当第3四半期連結会計期間末の連結財政状態は、総資産96,788百万円(前期末比3,193百万円増)、純資産65,079百万円(前期末比3,111百万円増)、自己資本比率64.1%(前期末比0.8%増)となっています。
主な増減項目は、資産の部では、流動資産で現金及び預金が3,651百万円増加しております。負債の部では流動負債で支払手形及び買掛金が1,119百万円増加しております。また、純資産の部では利益剰余金が2,890百万円増加しています。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は197百万円であります。
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりです。
当社では、信州大学耳鼻咽喉科と共同で先天性難聴の遺伝子検査を開発し、平成24年より、遺伝学的検査(保険点数3,880点)としてインベーダー法による13遺伝子46変異のスクリーニング検査を行ってまいりました。平成27年8月より、次世代シークエンサー(NGS)を用いて解析遺伝子数を19種類、変異数を154ヶ所と大幅に増やすことで、確定診断率を向上させた新しい先天性難聴の遺伝子検査の受託を開始いたしました。NGSを用いた遺伝子検査を保険診療で実施するのは国内初となります。
また、C型肝炎の分野では、長らく電気泳動のバンドパターンで分別していたHCV-RNAジェノタイプ検査を、平成27年10月より、リアルタイムPCRによって簡便確実にタイピングする自社開発の新しい方法に変更いたしました。インターフェロンに代わるC型肝炎治療薬として複数社から新しいDAAが薬価収載されており、その適用はジェノタイプ特異的であることから、今後は保険検査であるⅠ/Ⅱ群分別だけでなく、研究検査としてジェノタイプの需要が益々高まるものと考えられます。
加えて、新規研究検査2項目を上市しております。1つはフローサイトメトリーによる高感度PNH血球測定で、平成27年11月にご案内し、平成28年1月より受託を開始しています。この検査は発作性夜間血色素尿症(PNH)の患者の予後や治療方針の決定に有用であり、ICCS(International Clinical Cytometry Society)が推奨する高感度法に準拠して、PNH血球を0.01%まで感度よく検出することを可能にしています。もう1つはY染色体微小欠失解析(AZF欠失)で、同じく平成27年11月にご案内し、平成28年1月より受託を始めています。この検査は男性不妊の原因を探るために、無精子症因子(AZF)領域のどこに微小欠失が生じているのかを調べることで、補助生殖医療のために精子を採取できる可能性を判断でき、精巣内精子採取術(TESE)の適用を検討する上で有用です。