国民医療費は、高齢化の進展と高額医薬品の普及、また医療の技術が進歩していく中で、毎年増加傾向にあり、今後も拍車がかかる見通しであることから、各種の医療制度改革が実施され医療費抑制に向けた様々な取り組みが行われております。
受託臨床検査業界におきましては、2年毎に実施されている診療報酬改定年度に当たらず、検体検査に係る保険点数(公定価格)の引下げはなかったものの業者間競争が続いていることから事業環境は引き続き厳しい状況にあります。
当社としましては、平成29年度は第6次中期経営計画(平成27年度~平成29年度)の最終年度にあたり、ビジョンとしております『医療界に信頼され選ばれる企業をめざす』を達成すべく、引き続き品質・サービスの向上に取り組んでおります。
こうした中で、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高86,694百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益7,989百万円(前年同期比0.2%減)、経常利益8,325百万円(前年同期比1.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,128百万円(前年同期比2.5%増)となりました。利益面につきましては、品質・サービスの向上の為、人的投資、設備投資を積極的に実施したことや、雇用の安定などを目的として、非正規従業員に対する処遇改善を実施したこと、並びに検体の運送にかかる費用等が増加しました。
以下に事業別の概況をご報告いたします。
臨床検査事業につきましては、現場と本部の連携を強化し、病院・クリニック市場の開拓を図るとともに、大型施設への提案営業、既存ユーザーへの重点検査項目拡販などの深耕営業、地方ラボ・分離ラボを活用したラボ活用戦略を実施し、業績の拡大を図りました。この結果、臨床検査事業の売上高は、前年同期比2.0%の増収となりました。
食品衛生事業につきましては、㈱BMLフード・サイエンスで、ノロウイルス検査、商品品質コンサルティングが堅調であったことから順調に推移いたしました。これらにより、売上高は前年同期比1.1%の増収となりました。
以上の結果、検査事業の売上高は82,433百万円と前年同期比1.9%の増収となりました。
医療情報システム事業につきましては、診療所版電子カルテ「クオリス(Qualis)」と「メディカルステーション(MS)」のラインアップにより、新規契約の獲得と既存ユーザーへのリプレイスを推進しました。また、新規契約の獲得につきましては、大手販社との関係強化を実施しており、堅調に推移しております。これらにより、売上高は前年同期比5.0%の増収となりました。
その他事業につきましては、㈱岡山医学検査センターの調剤薬局事業の売上が、当期4月に開設しました新店舗の売上貢献で増加し、その他事業全体の売上高は前年同期比15.8%の増収となりました。
当第3四半期連結会計期間末の連結財政状態は、総資産107,756百万円(前期末比3,511百万円増)、純資産74,774百万円(前期末比4,127百万円増)、自己資本比率66.0%(前期末比1.5%増)となっています。
主な増減項目は、資産の部では、流動資産で現金及び預金が2,990百万円、受取手形及び売掛金で826百万円、それぞれ増加しています。純資産の部では利益剰余金が3,653百万円増加しています。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は250百万円であります。
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりです。
昨年度受託を始めたEGFR遺伝子変異解析version2.0は、薬剤耐性遺伝子変異であるT790Mを有する肺癌にも有効な第三世代の分子標的治療薬オシメルチニブの投与対象者を選定することを目的としています。平成29年7月より、血漿から抽出した血中遊離DNA(cfDNA)検体にも適用を拡大し、新たなコンパニオン検査として受託を開始しました。また、クリゾチニブの投与対象肺癌患者を選定するROS1融合遺伝子mRNA検査も同年9月より開始しました。
難病の遺伝学的検査としては、同年7月より脆弱X症候群ならびに脆弱X症候群関連疾患(FXTAS・FXPOI)の遺伝子解析、同年9月より脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子解析の受託を開始しました。
感染症の核酸検査では、6種類のヘルペスウイルスをセットで同時定量するヘルペスウイルス群核酸検出検査の受託を同年8月より開始しました。
血液疾患の分野では、同年9月より、新規キメラ遺伝子mRNA定量検査として、DAZAP1/MEF2D定量、AML1/EVI1定量、MLL/ELL定量の3項目の受託、同年10月より、JAK2、MPL、CALRの3種類の遺伝子をセットで測定するMPN(骨髄増殖性腫瘍)遺伝子変異解析の受託を開始しました。
また、近年、HCV排除後の肝発がんにTLL1の遺伝子多型が遺伝的要因として関わっていることが報告されました。新たな研究検査として、同年12月よりTLL1遺伝子多型解析の受託を開始しました。本検査により、肝発がんリスクの高い患者群を絞り込むことが可能となり、肝がんの早期発見・治療につながります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループは従業員数が938名減少し、臨時雇用者数が1,107名増加しております。これは主に、従業員の範囲を見直し、従来従業員数に含まれていた契約社員・嘱託社員等を、臨時雇用者に含めて集計したことなどによるものです。
なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
当第3四半期累計期間において、当社は従業員数が238名減少し、臨時雇用者数が495名増加しております。これは主に、従業員の範囲を見直し、従来従業員数に含まれていた契約社員・嘱託社員等を、臨時雇用者に含めて集計したことなどによるものです。
なお、従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。