当社は設立以来、迅速で精度の高い検査を提供してまいりました。またその検査領域は、一般検査から特殊検査まで4,000項目に及んでおります。これは、「豊かな健康文化を創造する」との基本方針のもと、市場ニーズのキャッチ、先端技術の導入そして精度管理を積極的に推進してきた結果であります。
当社グループは今後も、臨床検査事業をメインに、この分野における「品質と生産性向上への弛まぬ挑戦」を続けることにより、持続的成長と更なる企業価値の向上に努めてまいります。
特に昨今、医療制度改革が急速に進展する中で、「医療の効率化」や「質の向上」が強く求められており、当社を取り巻く経営環境も大きく変化しております。こうした環境の変化に柔軟かつスピード感のある対応を図るとともに、潮流を的確に捉えたシステム、サービスの提供により、医療のIT化に貢献する企業をめざしてまいります。
また、ISO9001および臨床検査室に特化したマネジメントシステムである「ISO15189」を取得し品質の向上を図ることで顧客満足度を高めてまいります。更に企業の社会的責任の観点から、ISO14001の取得をグループ全体に拡大することにより環境保全にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
連結売上高経常利益率 ‥‥‥‥‥‥10%
連結株主資本利益率 ‥‥‥‥‥‥ 8%
キャッシュフローの重視
2020年度は、第7次中期経営計画(2018年度~2020年度)の最終年にあたります。第7次中期経営計画においては、グループビジョンである『医療界に信頼され選ばれる企業をめざす』の成長期と位置づけており、第6次中期経営計画での施策を更に進化させつつ、新たな課題にも取り組んでまいります。コンセプトは「地域完結型ラボ」を最大限に活かした、各市場に合わせた営業/検査体制の充実、検査のサービスラインとして検査項目の充実、新たな検査技術への対応、トップ企業として検査品質管理(精度管理/工程管理)のさらなる向上、企業のプレゼンス向上も含め、医療界への貢献活動を活発化させることとし、更なる品質・サービスの向上を目差してまいります。また、これらを支える経営管理の強化にも取り組んでまいります。
受託臨床検査業界は、政府による医療制度改革や診療報酬改定など医療政策の影響や、市場が成熟している中で企業数が多いことから価格競争に陥りやすく、また業者間競争が一段と激しさを増していることから、今後も受託価格は弱含みで推移することが予測されます。
従って、こうした環境にも耐えうる強固な企業体質、収益基盤の確立が急務となります。検査受託体制については、メインラボであるBML総合研究所において、次世代シークエンサーや質量分析装置をもちいた新たな検査法の開発、ならびに更なる自動化への挑戦として細菌学検査等の分野での検討を進めてまいります。また、地域完結型ラボにおいてはユーザーサービス向上のため、検査項目の拡大を行い、結果報告の迅速化を推進してまいります。さらに、ITの分野では、電子カルテのクラウド化やユーザー向け臨床検査システムの機能向上・刷新を実施し、サービスの向上に努めてまいります。一方、特に集配業務において、報告書の電子化を推進することや検体受付処理の効率化により、固定費の低減に取り組んでまいります。これらによりさらなる品質・生産性の向上とユーザーサービスの充実を図り、臨床検査事業の競争力の強化をめざしてまいります。
②企業価値向上への取り組み
企業価値向上への取り組みとして、キャリアプランの明確化、人事ローテーション・人材交流の活性化による人材育成、ならびに働きがいのある人事制度の構築・運用に取り組みます。また、従業員およびその家族の健康保持・増進を推進し、健康で働きやすい職場環境の構築を進めてまいります。さらにダイバーシティの推進として、女性のキャリア形成を目的とした各種施策の実施を一層推し進めてまいります。
③新型コロナウイルスに対する取り組み
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループにおいては、引き続き新型コロナウイルスの感染防止に取り組みながら、日本医療の後方支援企業としての役割を果たしていくため、多くの新型コロナウイルス感染症の検査が提供できるようキャパシティの拡大、検査体制の強化に取り組んでまいります。
(1) 当業界に対する法的規制等に関するリスク
当社グループのメインビジネスである臨床検査事業は、「臨床検査技師等に関する法律」により、衛生検査所の開設および、その設備ならびに管理組織等において規制の対象となっております。今後この法律の変更や規制強化等が実施された場合には、その遵守のため当社グループの活動の制限やコスト増加につながる可能性があります。
(2) 保険点数の改定による価格下落リスク
当社グループのメインビジネスである臨床検査事業は、大部分の検査項目について検査項目毎に診療報酬の基礎となる保険点数が定められております。この保険点数は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が2年毎に改定することが慣例となっております。国民医療費の抑制策として、こうした診療報酬体系の変更や医療機関に対する料率引下げが実施された場合、当社グループの受託価格への影響から、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 品質管理に伴うリスク
当社グループのメインビジネスである臨床検査事業は、精度管理が極めて重要であるため、米国CAP(米国臨床病理医薬会)の認定施設としてサーベイプログラムを運用している他、ISO15189の認証を取得して厳格な精度管理体制を敷いています。しかしながら、不測の事態により検査精度が損なわれる等の可能性があります。こうした状況で賠償請求を受ける事態が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業戦略上のリスク
当社グループは、医療IT化のインフラである電子カルテの開発・販売等その事業確立のための投資を行っていますが、電子カルテを取り巻く環境の変化に当社の戦略が功を奏さずその投資が期待されるリターンをもたらさなかった場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報漏洩リスク
当社グループは、大量の患者個人情報及びその検査データを保有しておりますが、そのセキュリティーを確保し、安心して信頼性の高い情報を利用していただくことが医療情報サービス企業としての責務と考え、情報システムセキュリティーの制度であるISO27001及び個人情報の適切な取扱いを整備するプライバシーマークの認証を取得しております。しかしながら、昨今の企業情報漏洩に関する犯罪の増加と悪質化のため、こうした個人情報が流出するなどの不測の事態が生じた場合は、企業の信用失墜及び患者個人のプライバシーが侵害され、社会的制裁を受けることによる業績の悪化と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)新型コロナウイルスに関する影響
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループは感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や時差出勤・在宅勤務等を実施しておりますが、さらに感染が拡大した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
以上のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響につきましては、不確実性を含むことから予見することが困難であるため記載しておりません。なお、将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況その他経営に重要な影響を及ぼす事象について、当社グループは「リスクマネジメント基本規程」および「リスクマネジメント推進規程」を定め、その基本方針に基づき代表取締役社長を最高責任者としてリスクマネジメント推進体制を整えて様々なリスクに対して管理を行っております。
基本方針に謳うリスクマネジメントの目的は「リスクを未然に防ぐこと」ですが、万が一危機が発生した場合は、「危機管理委員会規程」に則り組織横断的な危機管理委員会を開催して事態を沈静化させ、原因調査、対策の立案と実施、再発防止策の策定と実施を行います。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により景気は足下で大幅に下押しされ厳しい状況となりました。
このような状況のもと受託臨床検査業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により患者の受診控えが発生したと想定され、医療機関からの検査受託数が減少いたしました。また、激しい業者間競争が続いていることから事業環境は引き続き厳しい状況にあります。
こうした中で、当連結会計年度の業績は、売上高120,732百万円(前期比3.1%増)、営業利益9,763百万円(前期比6.6%減)、経常利益10,211百万円(前期比6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,375百万円(前期比4.1%減)となりました。
なお、第4四半期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上・利益ともに計画が未達成となりました。
以下に事業別の概況をご報告いたします。
臨床検査事業につきましては、新規ユーザー獲得の強化を図るとともに、新規検査項目、独自検査項目、重点検査項目拡販などの深耕営業を実施し、業績の拡大を図りました。また、グループ戦略として㈱東海細胞研究所の株式を取得し、本年度より同社を連結子会社といたしました。これらにより、臨床検査事業の売上高は、前期比3.3%の増収となりました。
食品検査事業につきましては、㈱BMLフード・サイエンスの食品コンサルティングでHACCPの義務化に伴うJFS規格の認証業務や店舗点検が増加しました。また、腸内細菌検査の新規ユーザー獲得も堅調に推移したことで、売上高は前期比4.8%の増収となりました。
以上の結果、検査事業の売上高は115,022百万円と前期比3.3%の増収となりました。
医療情報システム事業につきましては、クラウド版電子カルテの普及により、業者間競争が激しくなっていることなどから売上高は前期比3.4%の減収となりましたが、10月からサポートセンターの完全内製化を実施したことで、サポート体制・利益面は改善しております。また、クラウド版電子カルテにつきましては、引き続き上市に向けて準備を進めております。
その他事業につきましては、㈱岡山医学検査センターの調剤薬局事業において、診療報酬改訂(薬価)の影響はあったものの新店舗の開設に伴う売上貢献や、昨年度の西日本豪雨による影響の回復、C型肝炎高額薬剤の処方増加が売上に寄与し堅調に推移しました。この結果、その他事業全体の売上高は前期比3.0%の増収となりました。
利益面につきましては、営業利益は前期比6.6%の減益となりました。主な減益の要因は、第4四半期に新型コロナウイルス感染症の感染拡大により検査受託数が減少したことや、当初より予定しておりました働き方改革への取り組みで、一部、計画よりも多く人材の採用を実施したことによるものです。さらに若年層の処遇改善、職場改善や防災対策の強化を実施しております。
当期末の連結財政状態は、総資産116,273百万円(前期末比301百万円増)、純資産80,422百万円(前期末比704百万円減)、自己資本比率65.4%(前期末比1.1%減)となっています。
主な増減項目は、資産の部では、流動資産で現金及び預金が678百万円、受取手形及び売掛金が419百万円、それぞれ減少している一方、有形固定資産で土地が494百万円、無形固定資産合計が471百万円増加しております。負債の部では、支払手形及び買掛金が739百万円増加し、未払法人税等が525百万円減少しています。
純資産の部では利益剰余金が4,713百万円増加している一方、自己株式が5,552百万円減少しております。
当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ957百万円減少し、48,246百万円となりました。各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,771百万円の資金収入(前期比263百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が668百万円の収入減となった一方で、売上債権の増減額(△は増加)が478百万円の収入(前期は1,052百万円の支出)となったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,213百万円の資金支出(前期比1,272百万円支出増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が430百万円、有形固定資産の取得による支出が336百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,784百万円の資金支出(前期比5,742百万円支出増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が5,577百万円増加したことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績を検査区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価額にて算出しており、消費税等は含まれておりません。
検査の受託から報告までの所要日数が極めて短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を検査区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.総販売実績に対する売上の割合が10%以上の相手先はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a.売上高
売上高は前連結会計年度に比べ、3,603百万円増加(3.1%増収)の120,732百万円となりました。
以下に事業別の概況をご報告いたします。
臨床検査事業につきましては、新規ユーザー獲得の強化を図るとともに、新規検査項目、独自検査項目、重点検査項目拡販などの深耕営業を実施し、業績の拡大を図りました。また、グループ戦略として㈱東海細胞研究所の株式を取得し、本年度より同社を連結子会社といたしました。これらにより、臨床検査事業の売上高は、前期比3.3%の増収となりました。
食品検査事業につきましては、㈱BMLフード・サイエンスの食品コンサルティングでHACCPの義務化に伴うJFS規格の認証業務や店舗点検が増加しました。また、腸内細菌検査の新規ユーザー獲得も堅調に推移したことで、売上高は前期比4.8%の増収となりました。
以上の結果、検査事業の売上高は115,022百万円と前期比3.3%の増収となりました。
医療情報システム事業につきましては、クラウド版電子カルテの普及により、業者間競争が激しくなっていることなどから売上高は前期比3.4%の減収となりましたが、10月からサポートセンターの完全内製化を実施したことで、サポート体制・利益面は改善しております。また、クラウド版電子カルテにつきましては、引き続き上市に向けて準備を進めております。
その他事業につきましては、㈱岡山医学検査センターの調剤薬局事業において、診療報酬改訂(薬価)の影響はあったものの新店舗の開設に伴う売上貢献や、昨年度の西日本豪雨による影響の回復、C型肝炎高額薬剤の処方増加が売上に寄与し堅調に推移しました。この結果、その他事業全体の売上高は前期比3.0%の増収となりました。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度に比べ、3,580百万円増加の78,481百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度と比べ1.1%増加の65.0%となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ709百万円増加の32,487百万円となりました。販売費及び一般管理費率は前連結会計年度と比べ0.3%減少の26.9%となりました。
c.流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は76,610百万円(前連結会計年度末77,679百万円)となり、1,069百万円減少しました。主たる原因として現金及び預金が678百万円、受取手形及び売掛金が419百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
d.固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は39,663百万円(前連結会計年度末38,292百万円)となり、1,370百万円増加しました。主たる原因として有形固定資産の土地が494百万円、無形固定資産合計が471百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。
e.負債
当連結会計年度末における負債の残高は35,850百万円(前連結会計年度末34,844百万円)となり、1,006百万円増加しました。主たる原因として、支払手形及び買掛金が739百万円増加し、未払法人税等が525百万円減少したことなどによるものです。
f.純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は80,422百万円(前連結会計年度末81,127百万円)となり、704百万円減少しました。主たる原因として株主資本が818百万円減少したことなどによるものです。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー及び資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
g.キャッシュ・フロー
当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ957百万円減少し、48,246百万円となりました。各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,771百万円の資金収入(前期比263百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が668百万円の収入減となった一方で、売上債権の増減額(△は増加)が478百万円の収入(前期は1,052百万円の支出)となったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,213百万円の資金支出(前期比1,272百万円支出増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が430百万円増加、有形固定資産の取得による支出が336百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,784百万円の資金支出(前期比5,742百万円支出増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が5,577百万円増加したことなどによるものです。
h.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、当社グループが検査を行うために使用する試薬及び容器の購入のほか、製造活動及び一般管理活動に伴う人件費ならびに経費等の営業費用によるものであります。
i.財務政策
当社グループは、現在運転資金については営業キャッシュ・フローで賄うことを目標としております。借入れによる資金調達に関しましては、運転資金について期限一年以内の短期借入金で調達することが一般的であります。生産設備などで資金に不足が生じた場合には原則として長期借入金で賄うこととしております。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すことにより、借入金に関しては設備投資資金充当後の余剰資金を順次返済に充てて借入金残高を減少させることにしております。
重要性が乏しいと考えられることから、記載を省略いたします。
当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。
当連結会計年度の研究開発活動の成果として、独自に開発した3つの検査の受託開始がありました。
1つめは、MLPA法によるLDLR遺伝子変異解析とダイレクトシークエンスによるFH遺伝子単一部位解析です。
家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia: FH)は、高LDLコレステロール(LDL-C)血症、腱・皮膚黄色腫、早発性冠動脈疾患を主徴とする遺伝性疾患です。当社では、従来の次世代シークエンス(NGS)による関連遺伝子の全領域解析とともに、MLPA法によるLDLR遺伝子構造変異の検出が可能となりました。また、FH遺伝子単一部位解析は、原因遺伝子変異部位がすでに同定されている発端者の家族を対象に、ダイレクトシークエンス法による対象変異の単一部位解析を行います。これらの新規検査は2019年5月から受託を開始し、FHの診断ならびにその家族の保因者を発見することで、早期治療の開始や冠動脈疾患の予防に繋がる情報を提供できるようになりました。
2つめは、先天性赤血球形成異常性貧血(CDA)の遺伝子解析です。
先天性赤血球形成異常性貧血(congenital dyserythropoietic anemia:CDA)は、慢性的な貧血と黄疸を主な症状とする血液の病気であり、難病指定されています。これまで、臨床所見だけでの確定診断は困難でしたが、CDAN1、SEC23BおよびKLF1などの責任遺伝子の変異を調べることでより確実な診断が可能となりました。当社は、名古屋大学小児科との技術連携により、保険適用が可能な次世代シークエンス(NGS)による遺伝学的検査の受託を2019年5月から開始しております。
3つめは、骨髄微小残存病変量測定の遺伝子再構成の同定検査およびモニタリング検査です。
急性リンパ性白血病(ALL)において、免疫遺伝子再構成を用いた定量的PCR法による骨髄微小残存病変量の測定は、独立した予後因子として確立されており、治療強度の判断や造血幹細胞移植の適応選択に有用です。本検査は、診断時にスクリーニングとして遺伝子再構成の同定検査を行い、免疫遺伝子再構成の塩基配列を決定して患者特異的なプライマーを作製した後、モニタリング検査で診断時の患者DNAを基準とした微小残存病変を定量的に測定します。当社は、2019年2月に日本小児血液・がん学会より本検査の実施可能施設の認定をいただき、国立病院機構名古屋医療センターとの連携により2019年6月から一般受託を開始しております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は