当第3四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。なお、重要事象等は存在しておりません。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益は高い水準にあるものの企業の業況判断は引き続き慎重さが増しております。雇用情勢は改善している一方、人手不足感が高い水準となっており、個人消費につきましては持ち直ししておりますが、消費税率引き上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要があります。
このような状況のもと受託臨床検査業界におきましては、市場の成長はみられるものの激しい業者間競争が続いていることから、事業環境は引き続き厳しい状況にあります。
こうした中で、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高92,857百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益8,941百万円(前年同期比1.9%増)、経常利益9,234百万円(前年同期比1.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,812百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
以下に事業別の概況をご報告いたします。
臨床検査事業につきましては、新規獲得の強化を図るとともに、新規検査項目、独自検査項目、重点検査項目拡販などの深耕営業を実施し、業績の拡大を図りました。また、グループ戦略として㈱東海細胞研究所の株式を取得し、本年度より同社を連結子会社といたしました。これらにより、臨床検査事業の売上高は、前年同期比4.5%の増収となりました。
食品検査事業につきましては、㈱BMLフード・サイエンスで、食品コンサルティング、腸内細菌検査の新規獲得が堅調に推移していること、HACCPの義務化に伴いJFS規格の認証業務が増加していることから順調に推移いたしました。これらにより、売上高は前年同期比5.6%の増収となりました。
以上の結果、検査事業の売上高は88,488百万円と前年同期比4.5%の増収となりました。
医療情報システム事業につきましては、クラウド版電子カルテの普及により、業者間競争が激しくなっていることなどから売上高は前年同期比3.8%の減収となりましたが、10月からサポートセンターの完全内製化を実施したこともあり、サポート体制・利益面は改善しております。また、クラウド版電子カルテにつきましては上市に向けて準備を進めております。
その他事業につきましては、㈱岡山医学検査センターの調剤薬局事業において、昨年度の西日本豪雨による影響の回復とC型肝炎高額薬剤の処方増加が売上増加に寄与し堅調に推移しました。この結果、その他事業全体の売上高は前年同期比3.7%の増収となりました。
利益面につきましては、営業利益は前年同期比1.9%の増益となりました。当初より予定しておりました働き方改革への取り組みや、若年層の処遇改善、さらに職場改善や防災対策の強化を実施しております。
資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間期末の連結財政状態は、総資産120,531百万円(前期末比4,559百万円増)、純資産85,662百万円(前期末比4,534百万円増)、自己資本比率67.5%(前期末比1.0%増)となっています。
主な増減項目は、資産の部では、流動資産で現金及び預金が2,325百万円、受取手形及び売掛金が1,519百万円、それぞれ増加しています。負債の部では、支払手形及び買掛金が1,711百万円増加し、賞与引当金が1,308百万円減少しています。純資産の部では利益剰余金が4,150百万円増加しています。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は206百万円であります。
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりです。
当第3四半期連結累計期間の研究開発活動の成果として、独自に開発した3つの検査の受託開始がありました。
1つめは、MLPA法によるLDLR遺伝子変異解析とダイレクトシークエンスによるFH遺伝子単一部位解析です。
家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia: FH)は、高LDLコレステロール(LDL-C)血症、腱・皮膚黄色腫、早発性冠動脈疾患を主徴とする遺伝性疾患です。当社では、従来の次世代シークエンス(NGS)による関連遺伝子の全領域解析とともに、MLPA法によるLDLR遺伝子構造変異の検出が可能となりました。また、FH遺伝子単一部位解析は、原因遺伝子変異部位がすでに同定されている発端者の家族を対象に、ダイレクトシークエンス法による対象変異の単一部位解析を行います。これらの新規検査は2019年5月から受託を開始し、FHの診断ならびにその家族の保因者を発見することで、早期治療の開始や冠動脈疾患の予防に繋がる情報を提供できるようになりました。
2つめは、先天性赤血球形成異常性貧血(CDA)の遺伝子解析です。
先天性赤血球形成異常性貧血(congenital dyserythropoietic anemia:CDA)は、慢性的な貧血と黄疸を主な症状とする血液の病気であり、難病指定されています。これまで、臨床所見だけでの確定診断は困難でしたが、CDAN1、SEC23BおよびKLF1などの責任遺伝子の変異を調べることでより確実な診断が可能となりました。 当社は、名古屋大学小児科との技術連携により、保険適用が可能な次世代シークエンス(NGS)による遺伝学的検査の受託を2019年5月から開始しております。
3つめは、骨髄微小残存病変量測定の遺伝子再構成の同定検査およびモニタリング検査です。
急性リンパ性白血病(ALL)において、免疫遺伝子再構成を用いた定量的PCR法による骨髄微小残存病変量の測定は、独立した予後因子として確立されており、治療強度の判断や造血幹細胞移植の適応選択に有用です。本検査は、診断時にスクリーニングとして遺伝子再構成の同定検査を行い、免疫遺伝子再構成の塩基配列を決定して患者特異的なプライマーを作製した後、モニタリング検査で診断時の患者DNAを基準とした微小残存病変を定量的に測定します。当社は、2019年2月に日本小児血液・がん学会より本検査の実施可能施設の認定をいただき、国立病院機構名古屋医療センターとの連携により2019年6月から一般受託を開始しております。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。