第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

このような経済環境のもと受託臨床検査業界におきましては、2024年度は2年毎に実施されている診療報酬改定の年度にあたり、診療報酬(検体検査)の引き下げに加えて、人件費等の上昇や業者間競争が続いていることから事業環境としては引き続き厳しい状況にあります。

こうした中で、当中間連結会計期間の業績は、売上高71,373百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益5,170百万円(前年同期比0.9%増)、経常利益5,359百万円(前年同期比1.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益3,426百万円(前年同期比2.1%増)となりました。当社グループの売上高につきましては、新型コロナウイルス関連検査の受託数は減少したものの、新型コロナウイルス関連検査以外の受託数が堅調に推移したことにより増収となりました。また、利益につきましては、増収に加えて収益性向上に関する各種取り組みの効果もあり増益となりました。

以下に事業別の概況をご報告いたします。

臨床検査事業につきましては、新規獲得の強化を図るとともに、既存ユーザーに対する新規検査項目・独自検査項目・重点検査項目拡販等の深耕営業を実施することで業績の拡大を図りました。この結果、臨床検査事業の売上高は前年同期比2.0%の増収となりました。

食品衛生事業につきましては、食品コンサルティングで店舗点検の受注が増加したことや、腸内細菌検査の受託数が堅調に推移したことで、売上高は前年同期比4.5%の増収となりました。

以上の結果、検査事業の売上高は前年同期比2.1%の増収となりました。

医療情報システム事業につきましては、Qualis Cloud販売の一時停止により、新規販売が低調であったことや、オンライン資格確認等システムの需要が一巡したことに伴い導入が減少したことで前年同期比1.0%の減収となりました。

その他事業につきましては、治験実施医療機関支援(SMO)業務で大型案件への対応が終了したことに加えて、調剤薬局事業で診療報酬(薬価)引き下げの影響の他、新型コロナウイルス治療薬の処方箋枚数や発熱外来の患者数が減少しました。これらにより、前年同期比10.5%の減収となりました。

 

 

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の連結財政状態は、総資産173,485百万円(前期末比2,494百万円増)、純資産131,989百万円(前期末比1,849百万円増)、自己資本比率73.6%(前期末と変わらず)となっています。

主な増減項目は、資産の部では流動資産で現金及び預金が6,525百万円、流動資産その他が1,022百万円、それぞれ減少した一方、流動資産で受取手形及び売掛金が1,226百万円、固定資産で建設仮勘定が8,636百万円、それぞれ増加しています。負債の部では流動負債で未払法人税等が1,364百万円、支払手形及び買掛金が747百万円、それぞれ増加した一方、流動負債その他が1,832百万円減少しています。純資産の部では利益剰余金が1,880百万円増加しています。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期に比べ17,298百万円減少し、63,765百万円となりました。各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は、以下のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、9,386百万円の資金収入(前年同期比1,607百万円収入減)となりました。主な増減項目は、売上債権の増減額で前年同期が668百万円の収入だったのに対し当中間期は1,279百万円の支出となったこと、及び仕入債務の増減額で前年同期が1,144百万円の支出だったのに対し当中間期は747百万円の収入となったことが挙げられます。加えて、法人税等の還付金で1,070百万円の収入減となっております。

投資活動によるキャッシュ・フローは、13,380百万円の資金支出(前年同期比4,046百万円支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が4,069百万円増加したことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,579百万円の資金支出(前年同期比776百万円支出減)となりました。これは主に配当金の支払額が781百万円減少となったことなどによるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は114百万円であります。

当中間連結会計期間の研究開発成果としては、信州大学医学部人工聴覚器学講座(宇佐美真一特任教授)との技術連携により、先天性難聴の新たな検査として2024年3月から受託を開始した症候群性難聴の「アッシャー症候群」と「鰓耳腎症候群」に続き、9月から「エプスタイン症候群」、「ウォルフラム症候群」、「アルポート症候群」、「クリオピリン関連周期熱症候群」、「チャージ症候群」、先天性QT延長症候群の一種である「ジャーベル・ランゲ‐ニールセン症候群(JLNS)」の6疾患について、保険適用が可能な遺伝学的検査を開始しました。これら症候群性難聴は、遺伝性難聴のうち難聴以外の症状を呈することのある症候群で、診断には遺伝子検査が有効です。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。