第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 今後の経済情勢につきましては、今秋に予定されている消費増税が及ぼす個人消費への影響、為替や米国発の貿易摩擦の動向が懸念され、景気の先行きに対する見方は慎重になっております。

 当業界におきましても、ユーザ企業における情報化投資計画は比較的堅調でありましたが、先行きの景況感が及ぼす影響が懸念されております

 当社グループにおきましては、このような経営環境、産業動向のもと「コンピュータ市場の変化、技術の進捗状況に対応し、顧客の皆様のニーズにマッチしたサービスの提供ができるよう、常に変化を先取りし積極的に提案する営業姿勢の更なる徹底」を基本姿勢として事業展開を図ることが重要であると考えております。

 当社における営業活動の基本方針は、業務別組織に立脚した業種別SEがその業種におけるシステム開発・導入を繰り返し経験することでその業種固有の業務ノウハウを蓄積するとともにその経験に基づいたパッケージ商品の開発と強化を進めること、新しいシステム化需要を他のユーザに展開すること、新たなITを活用した提案を行うことであり、更に会計、人事・給与に関連するシステムを連携させてERPとして提案することであります。

 次期においても、次の経営戦略を掲げ、より一層の業績の向上に取り組んでまいる所存であります。

 ①商品の特性に応じた商品化戦略について

当社はさまざまな業種別パッケージ商品を手掛けており、商品化の進捗、市場における競争力、ポジションによって目指すべき商品化へのアプローチ方法は2つに大別されると考えております。

完成度や市場での認識度の高いパッケージ商品であれば、先ず業界大手の企業の案件を受注することでその業種の業務を広くカバーしたシステムを作り、そこでの経験を活かした商品を完成させて中堅グループ以下の企業群で展開を推進してまいります。そしてより多くの社数・導入経験を積み重ね、更なる機能強化を図るとともにパッケージ商品としての完成度を高めながら、導入済みユーザ(業界大手の企業)に対して改善提案を行ってまいります。

一方、商品としての完成度や市場での認識度に劣るパッケージ商品については、先ずユーザの求める機能や一定のサービスに特化したシステムを開発し、同業他社への拡充改善の提案や販売実績の積み重ねを通じて商品力を強化し、より大きな、より会社中枢のシステム提案の機会へとつなげてまいりたいと考えております。又、トータルシステムといえども一つひとつは小さなサブシステムの集合、機能の集合であるといえますので、複数のサブシステムの経験と蓄積がトータルシステムの基礎になり得ると考えております。

 これら2つのアプローチ方法に共通していることは「商品化の実行」であり、これを次期における大きな目標とします。

 ②開発費制度の変更について

 トータルシステムであろうとサブシステムであろうとその業務について普遍的・業界共通の機能を実現しようとしたとき、その開発費をファーストユーザ1社からの受注金額で全てを賄うことは困難が予想されます。

 そこで、次期からは各営業部門がより柔軟に、よりダイナミックに商品化を促進できるよう、開発費の一定の金額までは各営業部門を管轄する執行役員の裁量に委ねることいたしました。これにより、更なる商品化や商品強化を活性化し、競争力を高めてまいります。

 ③中長期的な課題について

当社がこれから目指すところは、「工数×単価」のビジネスからの脱却であります。

システム開発の需要はこれからも拡大が見込まれておりますが、労働人口は縮小に向かっております。当社においても、従業員数を毎年10%増やす様なことはこの数年間の推移を見ても困難であります。そのような環境下においても成長を持続させるには工数や時間を売るのではなく、システムの利用によりもたらされる価値・便益を買っていただくビジネスに向かわなければならないと考えております。

そして価値を提供する企業に転換できたとき、ソフトウェア開発売上は業務分析、フィット・アンド・ギャップ分析、外部インターフェース開発、帳票画面開発、移行を含む導入支援業務のみとなり、開発費により開発したシステムの対価は現在の導入時一括販売からシステムの利用に応じて月々の利用料として回収する取引形態に変貌を遂げるものと予測しております。

 但し、価値・便益を提供する企業になっても業種別組織と業種特化SEによるシステムに基づくERPを当社データセンターで責任をもって運用させていただくというビジネスを変えることはありません。今後もユーザ・ファーストの精神で情報システムをトータルで支援する企業であり続けたいと考えております。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。これらのリスクに対して当社グループは、発生の防止及び発生時における対処について、最善と考えられる施策を行い事業活動に務める方針であります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)当社の事業内容及び業績変動要因について

 当社グループは、「情報サービス産業」に属し、情報処理業務(電算機・通信ネットワーク等の運用・保守・管理業務等)、ソフトウェア開発業務(業種別・業務別アプリケーションソフト開発、制御系ソフト開発、グループウェアソフト開発等)、ファシリティ業務(データ入力、キーパンチャー派遣等)、及び当社グループが開発したシステムに必要な機器販売業務等の事業を行っております。

 コンピュータ関連技術は、ハードウェア面ではダウンサイジング化、ソフトウェア面ではネットワーク化等技術進歩が急速であります。

 高性能OA機器の普及により、汎用機を主とした業務売上の伸びが鈍化する一方でWeb型のホスティングサービス、ハウジングサービス業務の増加が進んでおり、又それに伴うソフトウェア開発業務売上が増加してくるなど、事業内容が変化してまいりました。今後も、得意先の情報化投資の動向等によっては、当社の業務内容や業績に影響を与える可能性があります。

(2)顧客情報の漏洩について

 当社は、事業遂行に関連して、顧客の機密情報を有しております。これらの機密情報については、その管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社の社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や信用力の低下が当社業績に影響を与える可能性があります。

(3)情報ネットワークのセキュリティについて

 当社は、ホストコンピュータやサーバーを外部からの物理的侵入が困難な当社所有コンピュータ専用ビル(データセンター)に設置しております。又、インターネットにより外部から社内ネットワークに侵入された場合には重大な障害が発生する事態も想定されるため、インターネットを経由して顧客との間で情報を受付け又は提供するシステムにおいては、インターネットと社内ネットワークの接続ポイントを限定し、認証システムにより許可されたユーザからの特定データのみ通過させるファイアウォールやルータを設置する等の厳重な管理を実施しております。しかし、セキュリティホール等によりハッカー、クラッカー等が進入した場合、ネットワークに重大な障害を与える可能性があります。

(4)品質問題について

 当社の主な製品はソフトウェアであります。ソフトウェア開発は無形物の製作であるという特性があります。ソフトウェア品質管理ではソフトウェアに要求される品質を経済的に達成するための一定基準を設け、計画・実行・統制を行い、最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて取り組んでおりますが、開発時点では予期せぬシステム設計上の瑕疵や不具合或いは、プログラムのバグ等の発生によりユーザよりクレームや損害賠償請求等を受ける可能性が皆無ではなく、この場合、当社業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の拡大を背景に製造業を中心に企業業績の改善が見られましたが、後半に入り米国発の通商問題や資源価格上昇への懸念により景気後退リスクが意識されるとともに、相次ぐ自然災害の影響を受け、景気は軟調に推移いたしました。

当業界におきましては、景気の先行きに対する懸念はあるものの好調な企業収益を背景としてユーザ企業における設備投資計画は高い水準を維持しており、人手不足を背景にした省力化のための投資需要の拡大も相まって堅調に推移しました。具体的には、AIやIoT(Internet of Things)等の最新技術を活用した商品開発やサービスの提供に期待が寄せられております。

このような環境のなかで、当社グループは、システムインテグレータとして、多様化するお客様のニーズにフレキシブルに対応するため、業種別ソリューション、アウトソーシング、ネットワークの3つの基本戦略を掲げ、積極的に営業展開を進めてまいりました。

具体的には、システム運用業務売上の拡大、②業種別ERPの促進、③人材育成の拡充を重点施策として掲げ、取り組んでまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は、149億4百万円(前期比11.4%増)、経常利益32億48百万円(同10.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億35百万円(同10.4%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 ①情報処理・ソフトウェア開発業務

当業務は、システム運用業務、ソフトウェア開発業務、及びファシリティサービス業務の3つで構成されております。

システム運用業務においては、最重点課題として取り組んだ成果が受注の増加に結びつき増収増益となり、ソフトウェア開発業務においても、受注が堅調に推移したことに加え、プロジェクト管理の徹底により増益となりました。又、ファシリティサービス業務においても増収を実現いたしました。

 その結果、売上高は129億19百万円(前期比8.4%増)、利益は26億5百万円(前期比10.6%増)となりました

②機器販売業務

 ソフトウェアの導入や更新に伴うハードウェアの更新需要等の大幅な増加により、売上高は16億34百万円(前期比49.0%増)、利益は2億17百万円(前期比43.7%増)となりました。

 ③リース等その他の業務

 事務機器のレンタルによる収入は堅調であったものの、事務機器の販売による収入が前会計年度の反動減となり、売上高は3億50百万円(前期比3.3%減)、利益は71百万円(前期比0.4%減)となりました

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが28億42百万円の増加(前期比 5億27百万円増)、投資活動によるキャッシュ・フローが16億40百万円の減少(前期比 3億16百万円減)、財務活動によるキャッシュ・フロー7億22百万円の減少(前期比 1億22百万円減)となりました。

 この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4億80百万円増加し、20億6百万円となりました。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、28億42百万円の増加となりました。主として、税金等調整前当期純利益32億42百万円及び減価償却費4億46百万円によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、16億40百万円の減少となりました。主として、投資有価証券の取得による支出50億78百万円、投資有価証券の売却による収入13億80百万円、及び有価証券の償還による収入23億46百万円によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、7億22百万円の減少となりました。主として、配当金の支払額7億35百万円によるものです。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年1月1日

至 平成30年12月31日)

前年同期比(%)

情報処理・ソフトウェア開発業務

(千円)

12,919,193

108.4

合計(千円)

12,919,193

108.4

 (注)1.金額は販売金額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年1月1日

至 平成30年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

情報処理・ソフトウェア開発業務

4,843,687

161.8

1,952,343

99.4

機器販売業務

1,632,097

151.8

69,940

96.9

合計

6,475,784

159.2

2,022,283

99.3

 (注)1.金額は販売金額によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.その他上記業務以外の業務につきましては、継続業務が大半であり、サービス内容も多岐にわたり把握することが困難なため記載を省略しております。

 

(3)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年1月1日

至 平成30年12月31日)

前年同期比(%)

情報処理・ソフトウェア開発業務

(千円)

12,919,193

108.4

機器販売業務(千円)

1,634,356

149.0

リース等その他の業務(千円)

350,880

96.7

合計(千円)

14,904,431

111.4

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績につきまして、当該割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度末の資産合計は、前会計年度末に比べて14億2百万円増加して275億78百万円となりました。

 流動資産は、現金及び預金の増加等により前連結会計年度末に比べて11億93百万円増加し、固定資産は、投資有価証券の増加等により前連結会計年度末に比べて2億8百万円増加しました。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて4億72百万円増加して50億14百万円となりました。

 流動負債は、買掛金の増加等により前連結会計年度末に比べて7億28百万円増加し、固定負債は、繰延税金負債の減少等により前連結会計年度末に比べて2億55百万円減少しました。

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末に比べて9億29百万円増加して225億63百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上により28億42百万円の増加(前期比 5億27百万円増)、投資活動によるキャッシュ・フローは主に投資有価証券の取得による支出、投資有価証券の売却による収入、及び有価証券の償還による収入により16億40百万円の減少(前期比 3億16百万円減)、財務活動によるキャッシュ・フローは主に配当金の支払により7億22百万円の減少(前期比 1億22百万円減)となりました。

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は149億4百万円(前期比11.4%増)、経常利益32億48百万円(同10.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億35百万円(同10.4%増)となりました。なお、セグメントの業績は業績等の概要 (1) 業績の項目をご参照ください。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、仕入債務の弁済費用や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資は、営業用・事務用器具備品等の増設及び更新、業種別パッケージ商品の開発及び拡充、投資有価証券の保有等によるものであります。

 なお、保有する投資有価証券のほとんどは純投資目的であり、長期保有を前提として流動性及び安定的な利回りが確保できるかどうかを重視して選別投資しており、上場株式、REIT、市場性のある債券を中心に投資しております。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と財政状態の安定性の確保を基本方針としております。

 運転資金の調達につきましては、短期・長期にかかわらず、自己資金でまかなうことを基本としております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は20億6百万円であります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、情報処理・ソフトウェア開発業務において、IoT(Internet of Things)等の最新技術を活用した商品開発やサービスの提供にかかる研究開発活動を実施いたしており、当連結会計年度における研究開発費の総額は74百万円であります。