第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループにおける経営方針につきましては、業務別組織に立脚した業種別SEがその業種におけるシステム開発・導入を繰り返し経験することでその業種固有の業務ノウハウを蓄積するとともにその経験に基づいたパッケージ商品の開発と強化を進めること、新しいシステム化需要を他のユーザに展開すること、新たなITを活用した提案を行うことであり、更に会計、人事・給与に関連するシステムを連携させてERPとして提案することであります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

 今後の経済情勢につきましては、夏に開催が予定されている東京2020オリンピック・パラリンピックを契機とした消費活動の活性化に期待が寄せられているものの、依然として米中貿易摩擦が混迷を極めており、世界経済の不確実性が高まり、当面は企業収益の低迷が続くものと予想されます。

 当業界におきましても、ユーザ企業において景気の不透明感が情報化投資計画に及ぼす影響が懸念されておりますが、キャッシュレス対応、モバイル機器を活用したテレワーク、情報システムのクラウド化など、社会の変化に伴うシステム開発の需要は今後も根強く存在するものと予想されます

 次期においても、次の経営戦略を掲げ、より一層の業績の向上に取り組んでまいる所存であります。

 ①商品化の促進

当社の商品戦略は「商品化の促進」及び「大規模開発」の2本柱としておりましたが、これからは「商品化の促進」及び「複数の小規模開発」の2本柱とし、最終的には「商品化の促進」の1本化を目指してまいります。なお、大規模開発とは開発期間が1年を超えるプロジェクトであります。

これまでは業種別に熟練したSEが既存のパッケージ商品をベースにフィット&ギャップ分析を実施し、ギャップ部分の開発を行うことでユーザのコスト感ならびに納期要求と当社のコスト、品質、納期、及び成長のバランスを図りながら取り組んでまいりました。

しかし、この開発手法ではユーザの要求に応えようとすることで開発の範囲は広がるとともに、管理工数や検証工数の増大をもたらし、納期と品質確保のためにSEの労働時間が長くなる状況が続いてまいりました。

そこで、これからの商品化戦略ではカスタマイズはしない、またはこれまでより減らす方針で進めることとしました。具体的には、フィット&ギャップ分析の実施後は運用の改善提案を先ず考える。つまり、当社の提供するシステムに業務を合わせていただき、過去に蓄積されたデータの移行支援、導入支援、外部インターフェースに関する開発など、工数を必要最小限に留められるようにしてまいります。

 ②ソフトウェアベンダーからシステムサービスプロバイダーへの移行

 「商品化」が実現すると、予め当社の負担で開発した知的財産を利用してもらう形態となりますので、ソフトウェア開発業務売上はシステム開発やカスタマイズに投入した原価に利潤を加えた額を一括計上する形から、システムの利用の都度またはシステム利用の従量に応じたシステム利用料としての継続取引に変わることになります。すなわちソフトウェアの開発・提供を行うソフトウェアベンダーからシステムサービスの提供を行うサービスプロバイダーへ重心を移してまいります。

 移行の過渡期においてはシステム利用料売上の増加よりソフトウェア一括売上の減少の方が上回る事態もあり得ますが、中長期的には投入工数の減少による原価低減の効果で収益性が向上するとともに一層の経営の安定を実現できると考えております。

 ③研究開発費の活用

当社にはSEの経験とノウハウが存在しますが、ユーザに提供する「商品」の形態になっているものはまだ僅かにすぎません。

そこで、商品化を促進させるため当期において2億54百万円の研究開発投資を実施いたしました。

この投資に対する果実である売上はまだ期待する水準にほど遠い状況ではありますが、投資対効果について測定と検証をしっかり行うことを前提に、次期におきましても当期を上回る投資を行い、これまで投資したものと併せて受注とシステム利用料売上の拡大を目指してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。これらのリスクに対して当社グループは、発生の防止及び発生時における対処について、最善と考えられる施策を行い事業活動に務める方針であります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)当社の事業内容及び業績変動要因について

 当社グループは、「情報サービス産業」に属し、情報処理業務(電算機・通信ネットワーク等の運用・保守・管理業務等)、ソフトウェア開発業務(業種別・業務別アプリケーションソフト開発、制御系ソフト開発、グループウェアソフト開発等)、ファシリティ業務(データ入力、キーパンチャー派遣等)、及び当社グループが開発したシステムに必要な機器販売業務等の事業を行っております。

 コンピュータ関連技術は、ハードウェア面ではダウンサイジング化、ソフトウェア面ではネットワーク化等技術進歩が急速であります。

 高性能OA機器の普及により、汎用機を主とした業務売上の伸びが鈍化する一方でWeb型のホスティングサービス、ハウジングサービス業務の増加が進んでおり、又それに伴うソフトウェア開発業務売上が増加してくるなど、事業内容が変化してまいりました。今後も、得意先の情報化投資の動向等によっては、当社の業務内容や業績に影響を与える可能性があります。

(2)顧客情報の漏洩について

 当社は、事業遂行に関連して、顧客の機密情報を有しております。これらの機密情報については、その管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社の社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や信用力の低下が当社業績に影響を与える可能性があります。

(3)情報ネットワークのセキュリティについて

 当社は、ホストコンピュータやサーバーを外部からの物理的侵入が困難な当社所有コンピュータ専用ビル(データセンター)に設置しております。又、インターネットにより外部から社内ネットワークに侵入された場合には重大な障害が発生する事態も想定されるため、インターネットを経由して顧客との間で情報を受付け又は提供するシステムにおいては、インターネットと社内ネットワークの接続ポイントを限定し、認証システムにより許可されたユーザからの特定データのみ通過させるファイアウォールやルータを設置する等の厳重な管理を実施しております。しかし、セキュリティホール等によりハッカー、クラッカー等が進入した場合、ネットワークに重大な障害を与える可能性があります。

(4)品質問題について

 当社の主な製品はソフトウェアであります。ソフトウェア開発は無形物の製作であるという特性があります。ソフトウェア品質管理ではソフトウェアに要求される品質を経済的に達成するための一定基準を設け、計画・実行・統制を行い、最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて取り組んでおりますが、開発時点では予期せぬシステム設計上の瑕疵や不具合或いは、プログラムのバグ等の発生によりユーザよりクレームや損害賠償請求等を受ける可能性が皆無ではなく、この場合、当社業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響により自動車や生産用機械など輸出産業の落ち込みが目立ち、消費税率の引き上げや大型台風の襲来など相次ぐ自然災害の発生により、企業収益は伸び悩む展開となりました。

当業界におきましては、ユーザ企業において、景況感が弱含むにつれ、情報化投資計画の見直しを迫られる企業も一部見受けられるものの、労働力不足や働き方改革の推進を背景とした合理化・省力化のためのシステム開発需要は堅調に推移しており、AIやIoT(Internet of Things)、モバイル通信の次世代規格である「5G」の普及等、最新技術を活用した商品開発やサービスの提供にますます期待が寄せられております。

このような環境のなかで、当社グループは、システムインテグレータとして、多様化するお客様のニーズにフレキシブルに対応するため、業種別ソリューション、アウトソーシング、ネットワークの3つの基本戦略を掲げ、積極的に営業展開を進めてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は153億円(前期比2.7%増)、経常利益36億61百万円(同12.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25億69百万円(同14.9%増)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 ①情報処理・ソフトウェア開発業務

当業務は、システム運用業務、ソフトウェア開発業務、及びファシリティサービス業務の3つで構成されております。

当連結会計年度においては、ソフトウェア開発業務及びファシリティサービス業務が前年対比で横ばいであったものの、重点的に取り組んだシステム運用業務が堅調に推移いたしました。その結果、売上高は136億37百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は29億49百万円(同13.2%増)となりました。

②機器販売業務

当業務は、当社で開発したシステムに必要なハードウェアの販売等であります。

 当連結会計年度においては、複数の大型取引のあった前連結会計年度の反動減により販売数量が落ち込んだものの、利幅の大きい機器の受注が堅調に推移いたしました。その結果、売上高は12億88百万円(前年同期比21.2%減)、営業利益は2億29百万円(同5.5%増)となりました

 ③リース等その他の業務

 当業務は、各種事務用機器のリース、ビル・マンションの不動産賃貸業務であります。

 当連結会計年度においては、不動産賃貸業務や事務機器の賃貸等による収入は堅調であったものの、収益性の低い事務機器の販売による収入が増加いたしました。その結果、売上高は3億74百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は61百万円(同13.6%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが18億63百万円の増加(前期比 9億79百万円減)、投資活動によるキャッシュ・フローが15億6百万円の減少(前期比 1億33百万円増)、財務活動によるキャッシュ・フローが8億28百万円の減少(前期比 1億6百万円減)となりました。

 この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4億72百万円減少し、15億34百万円となりました。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、18億63百万円の増加となりました。主として、税金等調整前当期純利益36億76百万円及び法人税等の支払額10億32百万円によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、15億6百万円の減少となりました。主として、投資有価証券の取得による支出67億50百万円、投資有価証券の売却による収入26億44百万円、及び有価証券の償還による収入29億45百万円によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、8億28百万円の減少となりました。主として、配当金の支払額8億28百万円によるものです。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成31年1月1日

至 令和元年12月31日)

前年同期比(%)

情報処理・ソフトウェア開発業務

(千円)

13,637,554

105.6

合計(千円)

13,637,554

105.6

 (注)1.金額は販売金額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成31年1月1日

至 令和元年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

情報処理・ソフトウェア開発業務

5,250,347

108.4

2,495,217

127.8

機器販売業務

1,467,697

89.9

248,993

356.0

合計

6,718,044

103.7

2,744,210

135.7

 (注)1.金額は販売金額によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.その他上記業務以外の業務につきましては、継続業務が大半であり、サービス内容も多岐にわたり把握することが困難なため記載を省略しております。

 

(3)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成31年1月1日

至 令和元年12月31日)

前年同期比(%)

情報処理・ソフトウェア開発業務

(千円)

13,637,554

105.6

機器販売業務(千円)

1,288,644

78.8

リース等その他の業務(千円)

374,252

106.7

合計(千円)

15,300,451

102.7

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績につきまして、当該割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて48億16百万円増加して322億64百万円となりました。流動資産は、その他流動資産及び売掛金の増加等により前連結会計年度末に比べて7億64百万円増加し、固定資産は、投資有価証券の増加等により前連結会計年度末に比べて40億51百万円増加しました。

(負債の部)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて11億38百万円増加して60億23百万円となりました。

 流動負債は、未払金の増加等により前連結会計年度末に比べて2億91百万円増加し、固定負債は、繰延税金負債の増加等により前連結会計年度末に比べて8億47百万円増加しました。

(純資産の部)

 当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加等により前連結会計年度末に比べて36億77百万円増加して262億41百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上により18億63百万円の増加(前期比 9億79百万円減)、投資活動によるキャッシュ・フローは主に投資有価証券の取得による支出及び有形固定資産の取得による支出により15億6百万円の減少(前期比 1億33百万円増)、財務活動によるキャッシュ・フローは主に配当金の支払により8億28百万円の減少(前期比 1億6百万円減)となりました。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4億72百万円減少し、15億34百万円となりました。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は153億円(前期比2.7%増)、経常利益36億61百万円(同12.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25億69百万円(同14.9%増)となりました。なお、セグメントの業績は業績等の概要 (1) 業績の項目をご参照ください。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、仕入債務の弁済費用や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資は、営業用・事務用器具備品等の増設及び更新、業種別パッケージ商品の開発及び拡充、投資有価証券の保有等によるものであります。

 なお、保有する投資有価証券のほとんどは純投資目的であり、長期保有を前提として流動性及び安定的な利回りが確保できるかどうかを重視して選別投資しており、上場株式、REIT、市場性のある債券を中心に投資しております。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と財政状態の安定性の確保を基本方針としております。

 運転資金の調達につきましては、短期・長期にかかわらず、自己資金でまかなうことを基本としております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は15億34百万円であります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、情報処理・ソフトウェア開発業務において、IoT(Internet of Things)等の最新技術を活用した商品開発やサービスの提供にかかる研究開発活動を実施いたしており、当連結会計年度における研究開発費の総額は254百万円であります。