当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、政府及び日銀による継続的な経済対策及び金融政策等の実施を背景に、緩やかな景気回復基調が続いております。消費者物価は横ばいで推移し、個人消費は総じて持ち直しの動きが続いているものの、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など我が国の景気を下押しするリスクには一層の留意が必要となっております。
このような状況下、当社は、当期で2年目を迎える中期経営計画「Dynamic Challenge 2017」において「持続的な成長による社会的企業価値の向上」を目指し、3つの成長戦略「教育力の強化」「都市部ドミナント戦略×サービスポートフォリオ拡充」「ベネッセグループ連携による付加価値向上」を推進しております。中でも「教育力の強化」は当社経営の根幹を成す最も重要な戦略と位置付けております。当社の事業成長の源泉は「人の活力」であり、従業員ロイヤルティの向上が高品質・高付加価値な教育サービスの提供を可能にすると捉え、継続的な従業員育成に注力しております。その成果として当事業年度も顧客満足度に関する外部評価において高校受験や大学受験の指標で第1位を受賞するなど、従業員育成を起点とした顧客満足・ロイヤルティ向上が着実に好循環を創出しています。
このような取り組みを背景に、クロスメディアによる広告宣伝活動強化やコールセンターの生産性向上などマーケティング改革の奏功が相俟って、対前期で問合せ数、新規入会者数ともに増加し、在籍生徒数は12月には31,901名と過去最高を更新しております。特に、前述の「教育力の強化」を背景とする大学受験指導に対する外部からの評価の高さもその要因として、高校生の在籍生徒数が大幅に増加しております。
また、在籍生徒数増加に対応する講師数確保につきましては、地域拠点に設置した講師採用センターにおいて、拠点毎に取りまとめた採用活動を行うことで効率的に優秀な講師を採用し、その育成に注力して参りました。
当事業年度におきましては、3月に戸越教室(東京都品川区)、祖師ヶ谷大蔵教室(東京都世田谷区)、天神教室(福岡県福岡市中央区)、5月に東中野教室(東京都中野区)、6月に西国分寺教室(東京都国分寺市)の合計5教室を新規開校いたしました。また、既存教室においても、在籍生徒数増加に対応するための移転や増床、増席を積極的に実施いたしました。加えて、既存の個別指導教室に併設する形でのBenesse 文章表現教室の新規開校を加速化させています。3月には、自由が丘教室(東京都目黒区)、広尾教室(東京都港区)、仙川教室(東京都調布市)、戸塚教室(神奈川県横浜市戸塚区)、9月には大井町教室(東京都品川区)、麻布十番教室(東京都港区)、川崎教室(神奈川県川崎市川崎区)、成城コルティ教室(東京都世田谷区)の計8教室を新規開校いたしました。既存の個別指導教室においてサービスポートフォリオ拡充を進め、個別指導サービスとの双方向での幅広い需要喚起及び顧客接点の拡大を図っております。
以上の結果、授業料売上高、講習会売上高の増収、並びにBenesse サイエンス教室、Benesse 文章表現教室、CCDnet(インターネットを介した個別指導)等、その他事業も概ね堅調に推移したことから、売上高は17,909百万円(前期比4.8%増)となりました。一方、在籍生徒数が過去最高を更新し続けている状況、さらには今後の安定的な成長を見据えた教室移転・リニューアル等の教室キャパシティの向上、及び優秀な講師の採用・育成等、積極的な投資の実行によりコストが一時的に増加したものの、在籍生徒数が堅調に推移し、増収による増益が貢献した結果、営業利益は2,305百万円(前期比4.0%増)、経常利益は2,308百万円(前期比3.8%増)、当期純利益は1,438百万円(前期比4.0%増)と、5期連続で増収増益を達成いたしました。
「『やればできるという自信』『チャレンジする喜び』『夢を持つ事の大切さ』我々は、この3つの教育理念を世界に広める事業を通じ、1人ひとりの大切な人生を輝かせる事に全力を尽くす。」との社是に基づいて今後も持続的な企業価値の向上を実現して参ります。
今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3,808百万円増加し、7,207百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの原因は次のとおりであります。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,490百万円の収入(前事業年度は1,644百万円の収入)となりました。
これは、主に、法人税等の支払い等があったものの、税引前当期純利益による収入があったことによるものであります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,675百万円の収入(前事業年度は513百万円の支出)となりました。
これは、主に、新規開校13教室(個別指導塾5教室、サイエンス文章表現(個別指導教室との併設)8教室)、既存教室のリニューアル及び教室移転等に係る設備改善工事による支出があったものの、定期預金満期により収入増となっております。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,357百万円の支出(前事業年度は868百万円の支出)となりました。
これは、配当金の支払いを行ったことによるものであります。
当社は、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産、受注の実績は、該当事項はありません。
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部門 |
第34期 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
前年同期比 |
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生徒数(人) |
金額(千円) |
構成比(%) |
生徒数(%) |
金額(%) |
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個別指導塾 |
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小学生 |
2,771 |
1,411,225 |
7.9 |
100.6 |
101.0 |
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中学生 |
10,787 |
6,532,371 |
36.5 |
100.1 |
98.8 |
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高校生 |
14,925 |
9,666,446 |
54.0 |
110.5 |
109.5 |
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個別指導塾計 |
28,483 |
17,610,043 |
98.3 |
105.4 |
104.6 |
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その他事業計 |
― |
299,236 |
1.7 |
― |
117.6 |
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合計 |
― |
17,909,280 |
100.0 |
― |
104.8 |
(注) 1 生徒数は、期中平均の在籍人数を記載しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 その他事業は、Benesseサイエンス・文章表現教室事業、クラスベネッセ事業、CCDnet事業であります。
当社は、平成27年4月に公表しました新中期経営計画「Dynamic Challenge 2017」を着実に実行することにより、業績回復に注力するフェーズから、更なる成長と新たな価値創出を目指すフェーズへの転換を果たしております。
「教育力の強化」においては、各教室で講師によって作成された「教室年間計画」の運用の精度向上に努めております。これは、講師自ら教室の年間運営に積極的に取り組み、教室間・地域間で横展開することによって全社的な教務力向上に繋げているものであります。講師の目標や成果に対する意識を高め、教室としてのチームの成長による一層の講師力強化を実現します。加えて、前期に設置しました進路指導センターと教室との更なる連携強化を図り、各教室へのサポートや情報提供を積極的に行うことで、一層の進路指導力の向上を目指しております。
「都市部ドミナント戦略×サービスポートフォリオ拡充」においては、個別指導塾事業を核とした積極的な出店、及びサービスポートフォリオ拡充による顧客接点の拡大を推進しております。人口集中が進む都市部において、引き続きドミナント戦略に基づき個別指導塾教室の新規開校、既存教室の増床・増席によるリニューアル等を行って参ります。なお、次期の新規開校は10教室を計画しております。サービスポートフォリオ拡充については、顧客ニーズの高い既存の個別指導塾教室への併設による「Benesse文章表現教室」を新規開校する等、マーケティング効率を高め、より幅広い学年層にアプローチすることで地域へのブランド浸透を図ります。
「ベネッセグループ連携による付加価値向上」については、ベネッセグループ企業として、引き続きグループ内で連携した効率的なマーケティングを行って参ります。また、2020年教育改革を見据えた英語4技能に対応する事業の開発、テスト実施等も、グループ内に蓄積された教育に関するノウハウ、人材、スケールメリット等を最大限に活用して推進して参ります。学習サービスのバリエーションを拡大し、より多くのお子さまのサポートを行って参ります。
「経営基盤の強化・効率化」については、持続的な成長に不可欠な人材の採用、育成を積極的かつ効率的に進めて参ります。講師については、地域ごとに採用センターを設置することで安定的な採用を強化し、採用後の研修制度も更なる充実を図っております。
更に、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)活動の取り組みも始めております。国内の児童養護施設において、CCDnet(ネット教室)を活用した学びの機会を創出しております。当社の事業活動を通じた社会への価値創造にも積極的に取り組む所存でおります。
中期経営計画「Dynamic Challenge 2017」の最終年度となる次期の見通しにつきましては、売上高18,800百万円(前期比5.0%増)、営業利益2,560百万円(前期比11.0%増)、経常利益2,561百万円(前期比11.0%増)、当期純利益1,690百万円(前期比17.5%増)を見込んでおります。なお、高校生在籍生徒数の大幅増加といった在籍構造などの変化や、新事業の成長率等を勘案し、成長戦略を着実に達成していくため、最終年度におきまして中期経営目標を下方に見直しております。
当社の経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の季節性による変動について
当社は、夏、冬、春の講習会及び2月、3月、4月に生徒募集活動を通常よりも活発に行っております。その結果、生徒数、各種売上高は増加する傾向にあります。また、経費面でも生徒募集の広告宣伝費、その他経費も集中して発生する可能性があります。
(2) 少子化と当社の今後の方針について
当社の属する学習塾業界は、長期にわたる出生率低下に伴う少子化により、学齢人口の減少という大きな問題に直面しております。また、2020年に迎える大学入試改革などの目まぐるしい環境変化の中で、入試選抜方法の多様化・複雑化により、入試を目的とした生徒・保護者の教育環境の変化及び将来の進路選択に対する不安が高まる可能性があり、当業界内での生徒数確保の競争激化もこれまで以上となるものと想定されます。このような状況の下、当社は中期経営計画「Dynamic Challenge 2017」に掲げる、新たなステージでの飛躍的を目指すとともに、長期にわたり安定的・持続的に成長するために、より一層の教育力の強化に努め、さらに人口集中地域への新規開校を行い、更なる規模拡大を目指してまいりますが、今後、少子化が急速に進展した場合、及び同業間でコモディティ化する現状に特色が打ち出せない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3) 人材確保及び育成について
当社は、事業展開上約8千人のアルバイト講師を雇用しております。もし、優秀な講師の継続的採用及び育成が困難になった場合、業績に多大な影響を与える可能性があります。
(4) 個人情報の取扱いについて
当社は、効率的な学習指導を行うため、3万人を超える生徒・保護者の個人情報をデータベース化し管理しております。もし、何らかの原因によって情報が流出した場合には、信用を失い、業績に多大な影響を与える可能性があります。
(5) 自然災害のリスクについて
当社は、9都府県(個別指導塾230教室、Benesse サイエンス教室4教室・Benesse 文章表現教室13教室等)に出店し、生徒へ学習指導を行なっております。もし、地震や台風などの大規模な自然災害等により、教室における直接の被害の発生や、各種規制などによって通常の営業活動の継続に支障をきたす場合、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
資本業務提携契約
株式会社ベネッセホールディングスと、資本業務提携契約を締結しております。
資本業務提携契約の要旨は次のとおりであります。
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内容 |
・顧客獲得及び教材開発・販売に関する相互協力 ・データベース及びLMS(Learning Management System:ラーニング・マネージメント・システム)等個別指導サービス開発に関する相互協力など |
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提携先 |
株式会社ベネッセホールディングス(岡山県岡山市北区) |
該当事項はありません。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成には、資産、負債、収益及び費用の報告数値、並びに偶発債務の開示に影響を与える見積りを必要とします。主に売債債権、たな卸資産、投資その他の資産、法人税等、及び偶発債務について見積り、継続して評価を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
〔資産〕
資産合計は10,525百万円(前事業年度末比109百万円の増加)となりました。
この増加は、主に、現金及び預金が減少したものの、営業未収入金が増加したことによるものであります。また、敷金及び保証金、有形固定資産が増加しておりますが、これは、主に、新規開校13教室(個別指導塾5教室、サイエンス文章表現(個別指導教室との併設)8教室)、既存教室のリニューアル及び教室移転等に係る設備改善工事によるものであります。
〔負債〕
負債合計は2,272百万円(前事業年度末比28百万円の増加)となりました。
この増加は、主に、未払法人税等、未払消費税等及び未払金が減少したものの、前受金及び未払費用が増加したことによるものであります。
〔純資産〕
純資産合計は8,252百万円(前事業年度末比81百万円の増加)となりました。
この増加は、剰余金の配当金支払いを行ったものの、当期純利益を計上したことに伴う利益剰余金の増加によるものであります。これにより、自己資本比率は78.4%(前期は78.5%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4) 経営成績の分析
当事業年度の業績の概況につきましては、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(1) 業績」をご参照ください。