当事業年度におけるわが国の経済は、堅調な企業収益を背景に設備投資や雇用環境の改善が継続するなど回復基調が継続しておりますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響、地政学リスクなど引き続き留意が必要な環境の下で推移いたしました。
当社の属する学習塾業界におきましては、少子高齢化による学齢人口の減少傾向が続く中、教育制度改革、学習指導要領の変更など、今後の産業構造は大きな変化が予想されます。また、AIやオンラインサービスなどテクノロジーの進化により当業界への参入企業も多様化するなど、生徒の獲得競争はこれまで以上に激化が予想されます。
このような状況のもと、当社は、中期経営計画「Dynamic Challenge 2017」に掲げる3つの成長戦略、「教育力の強化」「都市部ドミナント戦略×サービスポートフォリオ拡充」「ベネッセグループ連携による付加価値向上」を力強く推進してまいりました。
当事業年度におきましては、「都市部ドミナント戦略」や最適メディアの選択によって広告宣伝費を抑制しながらも、効率性高く顧客接点の拡大を図ったことにより、問合せ数、新規入会者数はともに堅調に推移いたしました。また、中期経営計画の成長戦略「教育力の強化」への取組みとして、ホスピタリティを基軸としたお客様にご満足いただける高品質・高付加価値なサービスを追求し、ご提供してまいりましたことが在籍生徒数の増加に繋がるなど着実な好循環を創出しております。
結果として、2017年オリコン日本顧客満足度ランキングにおいて「高校受験 個別指導塾 首都圏」にて同ランキング史上初となる5年連続の第1位を、また「2017年オリコン日本顧客満足度ランキング 大学受験 個別指導塾 現役 首都圏」において、2年連続となる第1位を受賞いたしました。
「都市部ドミナント戦略」への取組みとして、3月には東京個別指導学院恵比寿教室(東京都)、同五反田教室(東京都)、6月には同町屋教室(東京都)、関西個別指導学院芦屋教室(兵庫県)、同JR茨木駅前教室(大阪府)、12月には東京個別指導学院久我山教室(東京都)、2月には同朝霞台教室(埼玉県)、同駒沢大学教室(東京都)、同秋葉原教室(東京都)、同人形町教室(東京都)を新規開校したほか、在籍生徒数の増加にともなう教室キャパシティ拡大への対応につきましても、増床や移転などを積極的に実施いたしました。加えて、既存の個別指導教室に併設する形で、ベネッセ文章表現教室 新百合ヶ丘教室(神奈川県)、同武蔵浦和教室(埼玉県)を新規開校し、拠点ごとのサービスポートフォリオ拡充に努め、個別指導教室との連携強化を進めております。
以上の結果、売上高は授業料売上高の増収に加え、講習会売上並びにサイエンス教室・文章表現教室事業、その他事業も概ね堅調に推移したことから19,175百万円と前年同期と比べ1,266百万円(7.1%)の増収となりました。
営業利益は、2,634百万円と前年同期と比べ328百万円(14.2%)の増益、経常利益は、2,636百万円と前年同期と比べ328百万円(14.2%)の増益、当期純利益は、1,744百万円と前年同期と比べ306百万円(21.3%)の増益となりました。
なお、2018年3月には新たに東京個別指導学院新御徒町教室(東京都)、同中目黒教室(東京都)、同西船橋教室(千葉県)を開校いたしました。2020年に予定されている大学入試改革・学習指導要領改訂など、事業環境の変化を乗り越え次の成長ステージを目指すべく、この3ヵ年行ってまいりました中期経営計画をふまえ、2019年2月期より新3ヵ年中期経営計画「 To go for the NEXT ~ ホスピタリティ経営2020~」を始動します。
当社の強みであるホスピタリティをコアにした人財育成メソッドに磨きをかけることで持続的な事業成長を実現してまいります。
今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ566百万円増加し、7,773百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの原因は次のとおりであります。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,366百万円の収入(前事業年度は1,490百万円の収入)となりました。
これは、主に、法人税等の支払い等があったものの、税引前当期純利益による収入があったことによるものであります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
これは、主に、新規開校12教室(個別指導塾10教室、サイエンス文章表現(個別指導教室との併設)2教室)、既存教室のリニューアル及び教室移転等に係る設備改善工事による支出があったことによるものであります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,411百万円の支出(前事業年度は1,357百万円の支出)となりました。
これは、主に、配当金の支払いを行ったことによるものであります。
当社は、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産、受注の実績は、該当事項はありません。
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部門 |
第35期 (自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日) |
前年同期比 |
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生徒数(人) |
金額(千円) |
構成比(%) |
生徒数(%) |
金額(%) |
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個別指導塾 |
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小学生 |
3,008 |
1,532,093 |
8.0 |
108.5 |
108.6 |
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中学生 |
11,451 |
6,969,214 |
36.3 |
106.2 |
106.7 |
|
高校生 |
15,849 |
10,375,216 |
54.1 |
106.2 |
107.3 |
|
個別指導塾計 |
30,308 |
18,876,524 |
98.4 |
106.4 |
107.2 |
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その他事業計 |
― |
298,764 |
1.6 |
― |
99.8 |
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合計 |
― |
19,175,289 |
100.0 |
― |
107.1 |
(注) 1 生徒数は、期中平均の在籍人数を記載しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 その他事業は、サイエンス教室・文章表現教室事業、CCDnet事業他であります。
文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「『やればできるという自信』『チャレンジする喜び』『夢を持つ事の大切さ』我々は、この3つの教育理念を世界に広める事業を通じ、1人ひとりの大切な人生を輝かせる事に全力を尽くす。」との社是に基づいて持続的な企業価値の向上を実現することを基本方針としております。
当社は、株主重視の経営という観点から、株主価値の向上による財務体質の強化が重要であると認識し、株主資本利益率(ROE)を意識した財務体質の構築、収益の確保に努めていきたいと考えております。また、経営活動における事業効率の指標として、売上高営業利益率10%を長期安定的に実現出来るように努めてまいります。
当社は新しい中期経営計画「To go for the NEXT~ホスピタリティ経営2020~」の取組みがスタートいたしました。
現在、日本の教育産業は大きな変革期を迎えております。そのような中、当社は時代に即した新サービスの開発や、確かな成果が確認できたドミナント戦略の継続など持続的成長の仕組みを推進致します。また、当社の最大の強みであるホスピタリティをコアとした継続的な人財育成メソッドに磨きをかけ、変革期を追い風として捉えられるよう更なる飛躍を目指します。
①新サービス開発
2020年大学入試改革に向けた英語4技能対策
2020年に改訂される学習指導要領を見据えた講座開設を行います。
長年当社で培った個別指導の一人一人に合わせたノウハウとベネッセで開発したオンライン英会話の技術を組み合わせ、資格検定試験まで導く新たな英語4技能対策のスタイルを確立します。今後もベネッセグループのシナジーを活かした取り組みを進めます。
②ドミナント出店を継続
毎年8教室を目安に新規ドミナント出店
前中期経営計画「Dynamic Challenge 2017」におけるドミナント出店は、業界の常識を覆し「地域における在籍生徒数の増加」「1教室ごとの販売効率の良化」という確かな成果を生み出してきました。これを踏まえ、引き続き都市部を中心に毎年8教室を目安とするドミナント出店を実行していく予定です。
③人財育成の体系化
「TEACHERS’SUMMIT」のブラッシュアップ
「TEACHERS’SUMMIT」とは、全教室で「実践を通して学ぶ」「主体的に働く」を仕組み化したものです。教室長とパートナーである講師が「教室年間計画」を教室毎に作成し、「キックオフ会」「中間報告会」「最終報告会」等を各地域で開催。その年間のサイクルの中で、他の教室の取り組みや改善策を互いに学び合い高め合うナレッジ共有の仕組みです。「最終報告会」では各地域のベストプラクティス教室をパートナー(講師)自身の投票で決定し、その集大成として毎年3月に開催する「TEACHERS’SUMMIT」にて、地域代表教室のプレゼンテーションを聞き、参加者全員による投票で「最優秀ベストプラクティス教室」を決定します。ホスピタリティ研修の体系化と併せ、一層磨きをかけることで当社独自の人財育成メソッドとして確立してまいります。
上記3つを成長戦略の概要とし、ホスピタリティをコアとした人財育成メソッドに磨きをかけることで、持続的な事業成長を実現致します。
当社の経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の季節性による変動について
当社は、夏、冬、春の講習会及び2月、3月、4月に生徒募集活動を通常よりも活発に行っております。その結果、生徒数、各種売上高は増加する傾向にあります。また、経費面でも生徒募集の広告宣伝費、その他経費も集中して発生する可能性があります。
(2) 少子化と当社の今後の方針について
当社の属する学習塾業界は、長期にわたる出生率低下に伴う少子化により、学齢人口の減少という大きな問題に直面しております。また、2020年に迎える大学入試改革などの目まぐるしい環境変化の中で、入試選抜方法の多様化・複雑化により、入試を目的とした生徒・保護者の教育環境の変化及び将来の進路選択に対する不安が高まる可能性があり、当業界内での生徒数確保の競争激化もこれまで以上となるものと想定されます。このような状況の下、当社は中期経営計画「To go for the NEXT~ホスピタリティ経営2020~」に掲げる、新たなステージでの飛躍を目指すとともに、長期にわたり安定的・持続的に成長するために、より一層の教育力の強化に努め、さらに人口集中地域への新規開校を行い、更なる規模拡大を目指してまいりますが、今後、少子化が急速に進展した場合、及び同業間でコモディティ化する現状に特色が打ち出せない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3) 人材確保及び育成について
当社は、事業展開上約9千人のアルバイト講師を雇用しております。もし、優秀な講師の継続的採用及び育成が困難になった場合、業績に多大な影響を与える可能性があります。
(4) 個人情報の取扱いについて
当社は、効率的な学習指導を行うため、3万人を超える生徒・保護者の個人情報をデータベース化し管理しております。もし、何らかの原因によって情報が流出した場合には、信用を失い、業績に多大な影響を与える可能性があります。
(5) 自然災害のリスクについて
当社は、9都府県(個別指導塾240教室、ベネッセサイエンス教室4教室・ベネッセ文章表現教室15教室等)に出店し、生徒へ学習指導を行なっております。もし、地震や台風などの大規模な自然災害等により、教室における直接の被害の発生や、各種規制などによって通常の営業活動の継続に支障をきたす場合、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
資本業務提携契約
株式会社ベネッセホールディングスと、資本業務提携契約を締結しております。
資本業務提携契約の要旨は次のとおりであります。
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内容 |
・顧客獲得及び教材開発・販売に関する相互協力 ・データベース及びLMS(Learning Management System:ラーニング・マネージメント・システム)等個別指導サービス開発に関する相互協力など |
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提携先 |
株式会社ベネッセホールディングス(岡山県岡山市北区) |
該当事項はありません。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成には、資産、負債、収益及び費用の報告数値、並びに偶発債務の開示に影響を与える見積りを必要とします。主に売掛債権、たな卸資産、投資その他の資産、法人税等、及び偶発債務について見積り、継続して評価を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
〔資産〕
資産合計は11,414百万円(前事業年度末比888百万円の増加)となりました。
この増加は、主に現金及び預金、営業未収入金が増加したことによるものであります。また、敷金及び保証金、有形固定資産が増加しておりますが、これは、主に、新規開校12教室(個別指導塾10教室、サイエンス文章表現(個別指導教室との併設)2教室)、既存教室のリニューアル及び教室移転等に係る設備改善工事によるものであります。
〔負債〕
負債合計は2,828百万円(前事業年度末比555百万円の増加)となりました。
この増加は、主に、未払法人税等、前受金及び未払金が増加したことによるものであります。
〔純資産〕
純資産合計は8,585百万円(前事業年度末比333百万円の増加)となりました。
この増加は、剰余金の配当金支払いを行ったものの、当期純利益を計上したことに伴う利益剰余金の増加によるものであります。これにより、自己資本比率は75.2%(前期は78.4%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4) 経営成績の分析
当事業年度の業績の概況につきましては、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(1) 業績」をご参照ください。