第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、安全・安心・感動をキーワードに「新しい足場文化と安全文化の創造」を推進し、社会に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、事業を継続的に発展させていくためには、売上高を増加させ、適正な利益確保を図っていくことが必要であると考え、「売上高経常利益率」を重要な経営指標として捉え、その向上を図る経営に努めてまいります。

 

(3)経営環境

 当社を取り巻く経営環境について、長期的には社会全体が少子高齢化に向かい、人口は減少していくものと想定されています。

 当社に関連の深い住宅業界について、新築の戸建てに対する建設需要は減衰するものの、リフォームに対する需要は堅調に推移するものと考えられます。また、建設業全体においては、従事する労働者は減少を続けており、全産業と比べても高齢化が進行しておりますが、足場施工の業界においても、人手不足と高齢化が重要な課題になっています。

 このような中、政府としては、建設分野の全てのプロセスにおいて、ICT等の新たな技術を活用し、建設現場の生産性向上を目指す「i-Construction」が推進されています。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社事業におきましては、施工サービス・足場部材を拡販し、シェア向上を図るため、営業基盤の強化、施工力の強化、商品力の強化を中心に取り組んでおります。

 会社の対処すべき課題としましては、具体的には、施工サービス事業において、大手ハウスメーカーとの関係強化や施工スタッフの採用強化、足場に関するさらなる安全の確保、社内検定や資格制度の推進による施工技術の向上と魅力ある施工スタッフ制度の拡充、情報技術を利用した施工効率の向上など、製商品販売事業においては、施工サービス事業との情報共有による商品開発、新たな販売チャネルの開拓などを課題として取り組んでおります。

 今後とも経営品質の向上に努め、売上高、利益を適正に確保してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当事業年度末現在において判断したものであります。

① 住宅着工戸数の動向について

 当社は、住宅関連産業を通して事業展開を行っておりますので、例えば建築基準法の改正、消費税率引き上げ、および住宅ローン減税等の優遇策の今後の動向により、大幅に新設住宅着工戸数が減少した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 施工力の変動

 当社は、ビケ足場施工サービスを事業の柱としておりますが、施工スタッフの数、すなわち施工力が事業運営に大きな影響を及ぼします。その結果、施工力が計画的に確保できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。

③ 原材料価格の変動

 当社は、ビケ足場および一般仮設機材の製造を行っており、原材料価格の著しい変動が、製品原価の高騰を招いた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ その他

 当社は、事業展開上、様々なリスクがあることを認識し、それらを出来る限り事前に防止、分散あるいは回避するように努めております。しかしながら、当社が事業を遂行するにあたり、経済情勢、金融・株式市場、法的規制や災害およびその他の様々な影響が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国の経済は、海外経済の回復を背景に輸出が好調に推移し、企業収益も堅調さが続く中、設備投資も増加基調となり、景気回復が鮮明となりましたが、雇用情勢が着実な改善を続けることで、企業の人手不足感が強まりました。

 当社に関連の深い住宅業界におきましては、住宅着工戸数は前年同期と比べ緩やかに減少し、中でも住宅ローンの低金利と相続税対策を背景に好調が続いていた集合住宅などの貸家は減少が顕著となりました。

 こうした状況において、当社の施工サービス事業では、大手住宅メーカーや地場大手顧客との取引を拡大し、中層・大型建築物向けの受注を増やすべく新たな部署を立上げ、営業力強化に努めました。これらにより、同事業では、前年同期と比べ、売上高、利益とも増加致しました。

 製商品販売事業では、前期より進めているビケ足場及びその他仮設足場用製商品の販路開拓により、新たな販売先は順調に増加致しましたが、ビケ足場の主要な販売先での需要が伸びなかったこと、利益率の低いその他仮設足場用商品の販売割合が大幅に増加したことなどから、前年同期と比べ、売上高、利益とも減少致しました。

 以上の結果、当事業年度における売上高は8,301百万円(前年同期比0.5%増)、利益につきましては、営業利益653百万円(同9.6%減)、経常利益663百万円(同10.0%減)となり、当期純利益は395百万円(同17.8%減)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(施工サービス事業)

 施工サービス事業につきましては、売上高は6,968百万円(前年同期比2.6%増)、売上総利益は2,432百万円(同11.7%増)となりました。

 

(製商品販売事業)

 製商品販売事業につきましては、売上高は1,245百万円(前年同期比9.1%減)、売上総利益は339百万円(同14.5%減)となりました。

 

(その他)

 その他につきましては、業務受託料および保険代理店収入等で構成されており、売上高は88百万円(前年同期比11.1%減)、売上総利益は51百万円(同17.2%減)となりました。

 

b.資産、負債及び純資産の状況

(流動資産)

 当事業年度末の資産につきましては、流動資産の残高が5,027百万円となり、199百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が605百万円増加した一方、受取手形が21百万円、売掛金が70百万円、商品及び製品が54百万円、仕掛品が23百万円、賃貸用仮設材が238百万円減少したこと等によるものであります。

(固定資産)

 固定資産の残高は3,264百万円となり、153百万円増加しました。その主な要因は、構築物が54百万円、のれんが75百万円、投資有価証券が31百万円増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

 負債につきましては、流動負債の残高が1,400百万円となり、111百万円増加しました。その主な要因は、未払法人税等が90百万円、前受金が61百万円増加した一方、1年内返済長期借入金が24百万円減少したこと等によるものであります。

(固定負債)

 固定負債の残高は185百万円となり、8百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金が8百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

 純資産につきましては、残高が6,705百万円となり、248百万円増加しました。その要因は、当期純利益395百万円を計上したこと等によるものであります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して605百万円増加の2,249百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は1,069百万円(前年同期は251百万円の収入)となりました。その主な要因は、税引前当期純利益630百万円、減価償却費70百万円、のれん償却額8百万円、減損損失31百万円、売上債権の減少額108百万円、たな卸資産の減少額75百万円、賃貸用仮設材の減少額238百万円、法人税等の支払額131百万円等があったことを反映したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は265百万円(前年同期は222百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出166百万円、有形固定資産の売却による収入22百万円、事業譲受による支出120百万円等があったことを反映したものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は199百万円(前年同期は260百万円の支出)となりました。その主な要因は、配当金の支払額166百万円等があったことを反映したものであります。

③生産、受注及び販売の状況

a.施工能力

 施工用資産であるビケ部材の当社の保有高は次のとおりであります。

セグメントの名称

品目別

当事業年度

(自 2017年4月21日

至 2018年4月20日)

前年同期比(%)

施工サービス事業

施工能力㎡数(千平方メートル)

1,311

98.3

(注)当社の施工用資産は極めて多種多様にわたり、かつ同種の品目であっても仕様、構造、形式は一様ではありません。このため、保有する主要部材で施工可能な広さを建物の架㎡数で表示しております。
ここに、主要部材とは、支柱・踏板・布材・ブラケット・ジャッキベースのことであります。

b.生産実績

 当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目別

当事業年度

(自 2017年4月21日

   至 2018年4月20日)

前年同期比(%)

製商品販売事業

ビケ部材(千円)

791,180

63.0

一般仮設(千円)

293,332

104.5

 合計(千円)

1,084,512

70.6

(注)1.金額は販売価格によります。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

c.外注の状況

 当社は、製商品販売事業における製品の製造及び部品加工の大部分を外注に依存しております。その依存度は、外注費が総製造費用に対し当事業年度で37.5%を占めております。

 なお、主な外注先は、株式会社山本興業、株式会社シズカ、株式会社ホリウチ等であります。

d.商品仕入実績

 当事業年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目別

当事業年度

(自 2017年4月21日

   至 2018年4月20日)

前年同期比(%)

製商品販売事業

ビケ部材(千円)

136,001

88.7

一般仮設(千円)

85,947

123.5

 合計(千円)

221,948

99.5

 (注)1.金額は仕入価格によります。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

e.受注状況

 当事業年度の受注状況を品目別に示すと、次のとおりであります。

セグメント

の名称

品目別

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高(千円)

前年同期比

(%)

製商品

販売事業

製品

ビケ部材

803,857

86.7

25,921

58.5

一般仮設

276,301

95.9

22,617

64.3

商品

ビケ部材

42,672

59.7

496

6.9

一般仮設

77,823

123.0

783

10.1

 合計(千円)

1,200,654

88.9

49,818

52.8

 (注)1.数量については、種類が多岐にわたり表示が困難であるため記載を省略しております。

2.受注高は出荷額をベースに記載しております。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

f.販売実績

 当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

セグメント

の名称

品目別

当事業年度

(自 2017年4月21日

    至 2018年4月20日)

前年同期比(%)

施工サービス事業(千円)

6,968,135

102.6

製商品

販売事業

製品

ビケ部材(千円)

822,214

83.6

一般仮設(千円)

288,841

108.1

計(千円)

1,111,055

88.9

商品

ビケ部材(千円)

49,367

76.6

一般仮設(千円)

84,768

152.4

計(千円)

134,136

111.7

合計(千円)

1,245,192

90.9

報告セグメント計(千円)

8,213,327

100.6

その他(千円)

88,137

88.9

合計(千円)

8,301,465

100.5

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.「施工サービス事業」には、足場施工と外装施工が含まれております。

    3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第5[経理の状況]1[財務諸表等]」の注記事項、重要な会計方針をご参照ください。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する分析

 当社は、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](2)目標とする経営指標」に記載の通り、「売上高経常利益率」を重要な経営指標として捉えています。

 当事業年度においては、8.6%を目標として事業を進めましたが、結果として8.0%となりました。

 

③ 財政状態の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.資産負債及び純資産の状況」をご参照ください。

 

資本の財源及び資金の流動性

a.キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと下記のとおりであります。

 

2017年4月期

2018年4月期

自己資本比率(%)

81.3

80.9

時価ベースの自己資本比率(%)

64.1

62.3

債務償還年数(年)

0.2

0.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

317.4

5,497.6

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

2.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

b.契約債務

2018年4月20日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

区分

当期首残高

(千円)

当期末残高

(千円)

平均利率

(%)

返済期限

短期借入金

1年以内に返済予定の長期借入金

33,200

8,700

0.55

1年以内に返済予定のリース債務

2,332

2,332

長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く。)

8,700

リース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)

2,397

64

2019年

その他有利子負債

合計

46,630

11,097

 (注)1.「平均利率」については、期末借入金残高に対する加重平均利率を記載しております。

2.リース債務については、リース料総額に含まれる利息相当額を定額法により各事業年度に配分しているため、平均利率の記載をしておりません。

3.長期借入金とリース債務の貸借対照表日後5年間の返済予定額は以下のとおりであります。

 

 

1年以内

(千円)

1年超2年以内

(千円)

2年超3年以内

(千円)

3年超4年以内

(千円)

4年超5年以内

(千円)

長期借入金

8,700

リース債務

2,332

64

 

c.財務政策

当社は、運転資金及び設備投資資金については、内部資金を充てるほか、銀行等の金融機関からの借入金や社債発行により資金調達することとしております。

 2018年4月20日現在の契約債務の状況は「b.契約債務」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績の分析

 当事業年度の業績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高は横ばい、営業利益、経常利益、当期純利益は減益となりました。要因としましては、製商品販売事業における売上高減少の影響が大きく、ビケ足場の主要な販売先において、想定以上に需要が伸びず、ビケ足場の販売高が大きく減少致しました。また、同事業において、前期より進めている販路開拓は順調に推移し、ビケ足場以外のその他仮設足場用商品の販売量は増えたものの、ビケ足場と比べて利益率が低いことから、さらに利益を減少させることになりました。

 しかしながら、施工サービス事業においては、住宅着工戸数が前期を下回る中、大手住宅メーカーや地場大手顧客との取引拡大、中層・大型建築物向けの受注を増やすべく新たな部署を立上げ、営業力強化に努めるなどの取り組みを進めた結果、過去最高の売上高となりました。

 なお、当事業年度の第3四半期には、サービスセンターの移転に伴って遊休となっていた土地・建物の減損処理を行ったため、31百万円の減損損失を計上致しました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2017年4月4日開催の取締役会決議に基づき、有限会社山陽セイフティーサービスとの間で、同日付で事業を譲り受けする事業譲渡契約を締結いたしました。これを受けて2017年4月21日付で事業譲り受けを行っております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照下さい。

 

5【研究開発活動】

  研究開発は、当社営業本部製品開発部製品開発課が主管となって行っております。

  この研究の推進にあたっては、製品開発課を中心に製商品販売事業部門、及び施工サービス事業部門が協同し、顧客と一体となったマーケティングを実施して設計開発業務を推進しております。

  当事業年度における研究開発費の総額は42百万円となっており、全社共通の費用として管理しております。

 また、製品開発については年々需要が増えてきているリフォーム工事も視野に入れ、現場の安全・作業性向上・現場環境のイメージアップ等につながる独自のオリジナル製品の開発および既存部材の改良に取り組んでおります。