文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、インターネット分野に軸足をおき事業拡大していくことを経営の基本方針としています。また、2021年より当社が目指す存在意義を明文化したパーパス「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」を掲げ、企業活動による持続的な成長を実現するとともに日本社会のさらなる発展に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループの重視する経営指標は、①売上高、②営業利益の2指標であります。高収益事業を開発・展開していくことにより利益率の向上を図ってまいります。また、中長期の柱に育てるべく新しい未来のテレビ「ABEMA」に先行投資をしており、投資期においても株主の皆様に中長期でご支援いただけるよう「DOE(自己資本配当率)5%以上」を経営指標の目安としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期においてメディア&IP事業と広告事業で利益を積み上げ、ゲーム事業にてヒットタイトルを生み出すことで、高収益なビジネスモデルへの転換を目指しております。
また、新しい未来のテレビ「ABEMA」と親和性の高いIP事業を強化しており、原作からマネタイズまで一気通貫できる体制を構築し、世界に通用するIP創出を追求してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループは、以下3点を主な経営課題と認識しております。
① メディア&IP事業
いつでもどこでも繋がる社会インフラ「ABEMA」の規模拡大
マネタイズ強化による収益性の向上
オリジナルIPの創出・発掘・製作・マネタイズ
② インターネット広告事業
広告効果最大化を優位性にシェア拡大
AI・DX分野の事業推進等による収益性の改善
③ ゲーム事業
継続的な新規タイトルの提供
既存タイトルの長寿命化
これらの経営課題を解決して事業拡大・成長し続けるために、事業拡大に応じた内部管理体制やコーポレート・ガバナンスの更なる充実を図りながら、人材採用・育成・活性化に積極的に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、取締役会監査等委員会設置会社として、当社グループ全体の経営を統治しており、取締役会がサステナビリティに関するリスク及び機会の監視・管理を行っております。
取締役会は、取締役8名のうち独立した社外取締役4名を含む構成とし、社外取締役は経営経験者、財務、経理、法務等の知識・専門性を有し、独立した観点から、業務執行取締役及び対象となる事案を担当する執行役員への助言を行い、業務執行の監督、会社と取締役との間の利益相反の監督などを行っており、社外からの経営監視が機能する体制となっております。
取締役会で審議されるサステナビリティに関する議案・報告事項は、人的資本、情報セキュリティ、気候変動に関する戦略等の事項について、それぞれの事項に関する担当部署の執行役員が議案や報告の内容を選定し、取締役会事務局を通じて取締役会に議案の上程や報告をしております。取締役会で審議された内容については、各業務執行取締役を通じて担当する執行役員に対し、評価を伝えられ、実効性のある取締役会による監督を可能としています。また、サステナビリティに関する議案・報告事項のうち、情報セキュリティに関するシステム監査報告以外の「緊急時のリスク管理体制」の詳細※については、担当する執行役員から、概ね週次で開催される本体役員室(経営会議)に本体役員室事務局を通じて直接報告することで緊急性・機動性を確保しております。
なお、サステナビリティ関連の決議事項等に関しては、以下の通り40議案を報告または決議しました。取締役会及び本体役員室の実施状況の詳細は「
※詳細は、「(2)リスク管理 ②情報セキュリティに関するリスク管理 b.緊急時のリスク管理体制」に記載のとおりであります。
(サステナビリティに関するガバナンスの体制図)(注1、2)

(注) 1 2025年12月12日開催の第28回定時株主総会における第3号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」及び第4号議案「監査等委員である取締役3名選任の件」が原案通り承認可決されたため、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は7名(うち社外取締役2名)、監査等委員である取締役は3名(うち社外取締役2名)全取締役の合計は10名となります。
2 指名・報酬諮問委員会は(注1)に記載の第3号議案及び第4号議案が承認可決されたため、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会はそれぞれ異なるメンバー構成(独立社外取締役が過半数を占める構成)による2つの委員会となります。
・2025年度及び2026年度の取締役会におけるサステナビリティ関連の決議事項並びに報告事項は次のとおりであります。
(2)リスク管理
当社グループでは、「
上記の他、当社グループでは、内部通報規程に基づく、内部通報制度を導入しており、内部通報窓口の設置、通報者の不利益な取り扱いからの保護、通報内容を精査する体制の構築、また内部通報制度の周知に加えて、コンプライアンス啓発施策等を実施し、リスク等の早期発見と管理をしております。
また、当社グループのリスクと機会の監視・管理を補完するための横断的な組織として、本体役員室の指揮・監督下にリスク委員会(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に詳細を記載)を設置しております。リスク委員会は、潜在リスクの早期発見を目的として、3か月に1度「セキュリティリスク」「ハラスメントリスク」等のテーマを設定し、当社グループの全社員を対象としたアンケートを実施しております。テーマ毎に毎回平均約500件のアンケート回答に対し、リスク委員会のメンバーが、回答者に対し個別にヒアリングを実施することで、リスク情報の詳細を把握し、リスク委員会にて分類・分析・検証を行っております。検証の結果、直ちに対応可能なリスクは、各リスク委員メンバーが担当部署と連携して対処する一方で、重要度が高いと判断された回答の約1割相当のリスク・機会について、本体役員室事務局を通じて担当の執行役員に報告し、個別のリスクの極小化やゼロ化といった目標の設定と実現に向けた施策等の提言をし、施策の進捗をモニタリングすることでリスクを最小化し機会の損失を防いでおります。
さらに、リスク委員会は、それらのリスク情報の中で業績への影響が3億円以上相当と見込まれるリスクや事業継続に著しい影響を及ぼす可能性があるリスク・機会について、取締役会事務局を通じて、取締役会に報告し、対象事案を担当する業務執行取締役がその指示を受け、上記同様に対処する体制となっております。
なお、当期のリスク委員会によるリスク情報の収集テーマ並びに、本体役員室への報告事項は以下のとおりであります。
①人的資本に関するリスク管理
当社グループは、人的資本に関するリスク・機会を経営上の最重要課題の一つと認識し取り組んでおり、人事本部を担当する執行役員が本体役員室において、人的資本に関する全社的なリスク・機会と人事施策について報告・提言しております。それらの報告等を受けて本体役員室にて経営戦略と連動した議論や意思決定を行った後、結果を人事本部並びに事業部等の人事部門(事業部人事)にフィードバックし、施策や対策を実施しております。また、人的資本に関するリスク・機会の中でも特に重要な人事施策・サクセッション(後継者育成)等に関する事項等は担当する執行役員より取締役会事務局を通じて、取締役会に報告し、指示・監督を受けております。
なお、人事本部では、月に1回を目安にGEPPOという社員のコンディション把握を主な目的としたアンケートを実施し、より細やかにオーバーワーク、ハラスメント、キャリア志向等の人的資本に関するリスク・機会の識別、評価、対応策の検討等を実施しており、必要に応じて結果を、人事本部を担当する執行役員が本体役員室に報告しております。
人的資本に関するリスク管理の実務体制としては、人事本部を担当する執行役員が全体を統括し、全社的な人事管理を担う人事本部が専門部署を配置し対応しております。これらの各専門部署は新卒採用や異動公募制度の運用等に加え、各種施策の実施状況、関連法規の改正動向、オーバーワーク、ストレスチェックの結果等の網羅的な評価・分析を行っている一方で、事業部人事と連携し、事業の特性に応じた現場管理を担っております。
事業の持続的成長の観点から、特に重要度の高い項目として識別している人的資本に関するリスク・機会とその管理体制は次のとおりであります。
a. 優秀な人材確保と多様性の実現に関するリスク管理体制
人事本部では、採用戦略室を中心に採用戦略を策定・実行しつつ、優秀な人材の採用状況を継続的にモニタリングしております。また、当社グループ全体の入退社人数や退職率に加え、女性管理職比率等の多様性に関する指標について、担当の執行役員より、本体役員室に報告し、必要な施策の議論を行い、継続的にそれらの指標をモニタリングすることで優秀な人材確保と多様性に関するリスク・機会についての管理を行っております。また、その中でも特に重要な人事施策は、担当の執行役員より取締役会事務局を通じて、取締役会に報告し、指示・監督を受けております。
b. サクセッション(後継者育成)に関するリスク管理体制
人事本部では、社長研修(次世代の経営人材育成のため、二代目経営者候補として選抜した16名の従業員に向けた特別カリキュラムによる研修)の実施を機にサクセッションラダー(各階層のリーダーごとのサクセッションプラン)開発室を新設し、経営層及び各階層のリーダー育成を目的とする育成プログラムの開発や全社的なサクセッションラダー構築を推進し、計画的な後継者育成に取り組んでおります。これらの施策の進捗状況は、必要に応じて取締役会に報告し、人材育成やサクセッションに精通した社外取締役から助言を受けることでサクセッションに関するリスク・機会についての管理を行っております。
c. 労働環境に関するリスク管理体制
人事本部では、健康推進室において、従業員の心身の不調及びそれに伴う人材流出及び生産性低下の防止を目的とする様々な健康施策を推進しております。また、労務コンプライアンス室では、ハラスメント対策等を含む各種コンプライアンスリスク及びコンプライアンス研修をはじめとする啓発等の対策を実施し、その実施状況を、担当の執行役員が本体役員室に報告・議論し、対策への指示を受けることでリスク・機会についての管理を行っております。
上記に記載の当社グループの人的資本に関する重要なリスクと機会として識別しているものは次のとおりであります。
②情報セキュリティに関するリスク管理
当社グループにとって、運営する多くのインターネットサービスを利用者の皆さまに安心・安全に継続してご利用いただくことがグループの持続的成長にとっての重要な機会であり、サイバー攻撃、マルウェアの感染等に伴うサービスの中断・停止、データの改ざん・消失、個人情報や機密情報の漏洩・流出等の情報セキュリティリスクをサステナビリティに関する重大なリスクと位置づけ、次の体制でリスク管理を行っております。
a.リスク管理体制
情報セキュリティに関するリスク管理は、グループIT推進本部が、全社的なセキュリティに関するリスクアセスメントやセキュリティ強化施策を推進しております。グループIT推進本部は、当社グループの情報セキュリティポリシーに基づき、事業部等のサービスの特性等に応じたリスクアセスメント方針を決定するとともに、情報セキュリティに関するシステム監査を内部監査室と連携して、全プロダクトに対し年1回実施し、年4回に分けて取締役会に報告することでモニタリングしております。また、結果は取締役会事務局を通じて、対象事案を担当する執行役員にフィードバックし、対応施策を実施しております。
b. 緊急時のリスク管理体制
事業部等の各部門にて、情報セキュリティに関する緊急リスクが検知された際は、まずグループIT推進本部に報告され、緊急時のリスク管理体制による対応を開始します。その後、報告元である事業部等のセキュリティ担当責任者とグループIT推進本部にてリスク内容を分析・検証し、必要な対策を協議・立案の上、事業部等へ対応を指示します。特に重大なセキュリティリスクを検知した場合は、グループIT推進本部を担当する執行役員が、リスクの内容と緊急性に応じて、代表取締役社長並びに対象となる事業を担当する執行役員に直ちに報告するもの、本体役員室事務局を通じて本体役員室に報告し対策を実施するものに分類し対応しています。本体役員室に報告したリスクのうち、重要度の高いものは取締役会事務局を通じて取締役会にも報告し、それらの判断や指示を仰ぎ対応する等、対応フローを整備しております。
なお、情報セキュリティリスク対策の戦略や具体的な施策は、「(3)戦略、指標及び目標 ②情報セキュリティに関する戦略、指標及び目標」に記載のとおりであります。
当社グループの情報セキュリティに関する重要なリスクと機会として識別しているものは次のとおりであります。
③気候変動に関するリスク管理と体制
当社グループでは、全社機能の執行役員をメンバーに含むESG推進室が主体となり、事業部や連結子会社等を通じ、ガス・電気使用量をはじめとした気候変動に関連するデータやリスク情報を収集しております。加えて、ESG推進室では、当社グループのCO2排出量の算定、第三者保証の取得、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を実施し、取締役会に年に1回報告しております。取締役会は、ESG推進室から報告を受けた気候変動に関するリスク情報の内容を議論し、継続的に指標をモニタリングすることにより、リスク・機会を管理しております。
上記に記載のリスク管理のプロセスを通じ、当社グループの気候変動に関する重要なリスクと機会として識別しているものは次のとおりであります。
(3)戦略、指標及び目標
当社グループは、ビジョン「21世紀を代表する会社を創る」とパーパス「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」を掲げ、人的資本の最大化、情報セキュリティに関するリスクの低減、気候変動への対応をサステナビリティに関する戦略の中心と考えております。
①人的資本に関する戦略、指標及び目標
当社グループは、インターネット産業に軸足を置き事業を拡大しており、技術革新、デバイスの進化をはじめ消費者や顧客動向等の急速な変化に対応しながらサービスを提供するため、人的資本に関する戦略が重要と考えております。
また、当社グループでは、「企業倫理ガイドライン」に基づき、取締役、従業員(非常勤従業員、臨時従業員等を含む)及び業務委託先等で業務に従事する者など、当社グループの事業活動に関わる全ての人々の人権を守る事を重視し、雇用や処遇にあたり人種、宗教、性別、年齢、性的指向、性同一性と性表現、障がい、国籍などによる差別やハラスメント等を受けずに自分らしく活躍できるよう多様性の実現に努めております。これらを踏まえ、当社グループは、人的資本に関し1.優秀な人材の確保と多様性の実現 2.サクセッション(後継者育成)3.労働環境の整備・向上の3つを戦略の中心に捉え、戦略の実効性を高めるため施策の実施と指標及び目標の設定をしております。
ⅰ 人的資本に関する戦略
a. 優秀な人材の確保と多様性の実現に関する戦略
当社グループでは、「採用・育成・活性化・適材適所」を軸に、やる気を最大化させ、自ら主体性をもって決断し、自走できる人材を育成することを戦略とし、その活力と会社へのロイヤリティを高めることで、事業や会社を持続的に成長させることを重視しております。
具体的な採用の施策としては、「採用には全力を尽くす」というミッションステートメントに基づき、人事本部の採用戦略室を中心として、採用市場と経営状況を見据えた採用戦略を策定・実行しつつ、採用選考のプロセスにおいて200名を超える幅広い事業等の現場従業員が直接携わることで優秀な人材を早期に獲得する施策を実施しております。
育成施策としては、ビジネス職、クリエイター職、エンジニア職の合同入社研修を当社全体で実施するとともに、各事業・子会社に属する事業部人事と事業現場の責任者や先輩従業員による事業部別人材育成プログラムを整備しております。
活性化施策としては、全社表彰制度やクリエイター職、エンジニア職向けに特化した社内技術カンファレンス(CA BASE CAMP)等を開催し、社内外を含めた交流を促進しております。
また、人材が長期に渡り活躍できる施策として、キャリアエージェント(グループ内のヘッドハンター、キャリア相談窓口)による社内異動公募制度等の適材適所施策を活用し、人材の流動性を高める施策を実施しております。
さらに、多様性の実現を目的に、全従業員の34%を占める女性従業員の中長期的な活躍を支援する「macalon(マカロン)パッケージ」、従業員の自主的な取り組みとして女性従業員による横断組織「CAramel(カラメル)」等の施策を長期的に運用しております。その他、特例子会社を通じての積極的な障がい者雇用の実施等を行っております。
b. サクセッション(後継者教育)に関する戦略
当社グループでは、持続的な企業価値の向上を実現するため、経営人材や重要ポストを担い得る次世代リーダーの計画的な選抜・育成をサクセッション戦略としております。
具体的には、経営幹部候補創出を目的とした、二代目社長研修、三代目社長研修、女性役員研修、優秀な若手人材の抜擢と成長機会の創出を目的とした「強化指定社員セレクション会議」等の実施を人事本部内に新設したサクセッションラダー開発室が主導で進めております。これらのサクセッションプログラムの実施により、後継者育成につながる戦略の実効性を高めております。
c. 労働環境の整備・向上に関する戦略
当社グループでは、「挑戦と安心はセット」という方針の元、従業員が自身のキャリアや働く環境に安心感を持ち、心身ともに健康で長く働き続けられる労働環境の整備による生産性の向上を戦略としております。
具体的には、人事本部が主体となり、健康推進室による勤務時間・勤務実態の継続的なモニタリング、週2日特定曜日をリモートワークとし出勤日と併用することで、生産性を高めるハイブリッド型の働き方を推奨しております。
また、定期健康診断の受診率向上施策、希望者向けに臨床心理士資格を持ったカウンセラーの面談、季節性インフルエンザの予防接種やマッサージルームの提供、オフィス内テレワーク環境の整備等、当社グループ従業員の健康や働き方に配慮した施策を実施しております。同時に、従業員のコンディション把握のためのアンケート等の活用やハラスメント対策等を実施し、労働環境の整備・向上に努めております。
ⅱ 人的資本に関する指標及び目標
人的資本に関する指標及び目標は次のとおりとなっております。人事本部は、上記の「ⅰ 人的資本に関する戦略」における施策の実施状況や関連する指標をモニタリングし、その内容に応じて、人事本部を担当する執行役員から本体役員室や取締役会に報告し、指示・助言・監督を受けております。
a.優秀な人材の確保と多様性の実現に関する指標及び目標は、人事本部において、優秀な人材の確保を目的に、優秀な人材が長期的に働ける環境であることを図る指標及び目標として、離職率を継続的にモニタリングするとともに、適正な水準の維持を目標としております。また、多様性の実現を図る指標として、女性管理職比率をモニタリングし、中長期的に上昇させることを目標としております。
b.サクセッションプラン(後継者教育)の進捗を測る指標及び目標は、将来の経営チーム育成を目的として実施している経営者研修への参加人数を指標としてモニタリングするとともに、多様なバックグラウンドを持つ経営人材の累計数を増やしていくことを目標としております。
c.労働環境の整備・向上に関する指標・目標は、心身ともに働きやすい環境の整備と成長機会の提供が、従業員の主体的な貢献意欲に欠かせないものであり、当社の人材育成方針の浸透度の一端を示すものと考えているため、人事本部が全従業員に対して年に一度実施しているストレスチェック※1において、設問「働きがいがある(働きがいのある仕事だ)」に対し「そうだ」または「まあそうだ」と肯定的に回答した割合を指標として、進捗をモニタリングするとともに、相対的に高い水準の維持を目標としております。
※各指標の範囲:連結
(注) 1 女性管理職比率及び経営者育成プログラム参加人数について、具体的な数値目標を設定していない理由としては、目標数値の達成を目的とした能力や経験によらない選定リスクを予防するため、数値目標は設定しておりません。また、離職率についても組織の停滞を防ぎ、活性化につなげるため適切な従業員の入社・退職は必要と考えており、数値目標は設定しておりません。
2 労働環境について具体的な数値目標を設定していない理由としては、SBアットワーク株式会社を利用した同じストレスチェックを実施した企業の結果約34万件(2023年4月~2024年3月)において、同設問に対し「そうだ」「まあそうだ」と回答した割合は73.7%という結果と比較し、当社の指標は現時点で高い水準にあると考えており、今後も維持することを目標としているため数値目標は設定しておりません。
②情報セキュリティに関する戦略、指標及び目標
当社グループでは、情報セキュリティに関わる様々なリスクの低減のため「組織」「人」「技術」「オフィス」「サプライヤー」の5つを軸として取り組み、利用者の皆さまに信頼される安心・安全なサービス提供を実現するため、継続的な情報セキュリティ対策の実施・強化を戦略としております。また、戦略の実効性を高めるため、情報セキュリティに関する重大なインシデントのゼロ化及びインシデント発生時の被害の最小化を目標(注1)とし、プロダクト毎に設けた次の施策に関する指標をモニタリングしております。
ⅰ 情報セキュリティに関するシステム監査の実施
当社グループでは、内部監査室が、連携するグループIT推進本部を通じて、情報セキュリティに関するシステム監査を事業部等の全プロダクトを対象に、第三者機関等により実施しています。システム監査は、プロダクト毎に結果を大中小のセキュリティリスクに分類・指標化し、年に4回取締役会に報告し、監督を受けることで目標への実効性を高めております。
ⅱ 情報セキュリティに関するインシデント対応策の実施
当社グループでは、インシデント発生時の対策強化のため、当社主要事業においてはセキュリティ対策に関する外部の専門機関によるインシデント対応態勢に対するアセスメントを受け、その他の事業においてはグループIT推進本部が主導し、それらのアセスメントを基準とした対策強化に向けた取り組みを行っております。事業部等のセキュリティ責任者は、指標とする成熟度モデル(CMMI)による状態評価を元に、各項目でレベル5の評価取得を目指しており、グループIT推進本部が、プロダクト毎に施策の実施状況をモニタリングしつつ、指示・格付けし(SecurityCREST)※4、本体役員室に報告しております。具体的には、①緊急対応②方針決定③外部対応④技術対応⑤報告開示⑥復旧回復という6つのアクションプランの実施による被害最小化を目指しております。
これらに加え、グループIT推進本部に属するシステムセキュリティ推進グループが主導し、当社グループの所属する情報セキュリティ関連団体※5と連携し、最新のセキュリティ情報の取得と事業部等への早期共有・対策の実施に努めております。また、セキュリティインシデント対応策を補完する施策として、サイバー攻撃を模倣したレッドチーム演習、バグバウンティと呼ばれる第三者によるシステムの脆弱性指摘受付等の重層的な対策を行うことで、戦略の実効性を高めております。
(注) 1 情報セキュリティに関する具体的な数値目標を当社グループで設定していない理由としては、各事業セグメントにおいて、一律な情報セキュリティリスクの設定基準がなく、当社グループにおいて目標設定が困難であると考えており、代わりに各事業セグメントのプロダクト毎に応じた個別の目標設定や施策の実施状況のモニタリングを本体役員室及び取締役会にて監督しつつ、重大なインシデントをなくし、被害の最小化に努めるという目標となっております。
③気候変動に関する戦略、指標及び目標
ⅰ 気候変動に関する戦略
当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する企業として、気候変動を重要な経営課題のひとつとして認識し、環境負荷の低減と事業活動の効率性の向上に取り組んでおります。事業活動により排出する温室効果ガスの排出量、電気使用量の把握に努め、必要な対策の構築と適切な情報開示を目指します。
a. 戦略に基づく施策
災害対策に優れたオフィスビルやデータセンターを選択し、拠点分散を図る。
オフィスやサーバーの省エネルギー化対策を講じる。
ⅱ 気候変動に関する指標及び目標
当社グループは、2020年度より指標とするCO2排出量の算定に取り組み、2022年度より第三者保証を取得しCO2排出量の正確な算定に努めています。上記施策の継続的な運用により、売上高あたりのCO2排出量となるCO2排出量原単位を減らしていけるように努めております。
単位:tCO2
2025年度の実績は現在算定中であります。第三者保証を取得後、2026年5月頃目途に、当社
(注) 1 ロケーション基準
2 気候変動についての数値目標を設定していない理由としては、当社および連結子会社の利用するオフィスビル64棟およびデータセンター11か所(2025年9月末現在)は、全てテナント利用であり、貸主の設備や取り組みに依拠する割合が高く、具体的な数値目標の設定が困難であることから、数値目標は設定しておりません。指標の推移をモニタリングするとともに、貸主と協力しながらCO2排出量削減施策に取り組み、CO2排出量の削減に努めております。
(4)その他
その他の重要なサステナビリティに関する取組は以下のとおりであります。
①持続的な成長および課題解決に関する取組
持続的な成長を叶えるには、課題の先送りを撲滅し、変革を怠らない文化の継承が不可欠と考え、執行役員を中心としたチームが新規事業案や課題解決策で競い合う仕組み「あした会議(サイバーエージェントの未来に繋がる新規事業や課題解決の方法などを提案、決議する会議)」を2006年から年1~2回継続して開催しております。この「あした会議」からは、多くの新規事業、子会社の設立や課題解決の仕組みが生まれ事業拡大に寄与するとともに、各執行役員をリーダーとし、チームメンバーとして現場で活躍している従業員を部署や年次、性別を問わず選抜することで、立案から審査の過程を通じて経営視点を養うリーダー層育成の場としても機能しております。
②AI活用に関する取組
当社グループでは、従業員のスキル向上を支援するため、職種ごとに必要な専門知識や、リスクマネジメント、リーダーシップなどを学ぶ様々な研修を行っていますが、特に現在は「AIの活用を競争優位性にする」と掲げ、AIとの協働促進に注力しております。
2016年に設立した研究開発組織「AIラボ」にて事業の生産性向上に繋がる様々なプロダクトを開発してきた知見を活かし、AI活用による業務効率化を促進する専門組織「AIオペレーション室」を2023年に新設いたしました。「AIオペレーション室」では、全従業員のAI活用スキルの底上げを目指した研修を実施し、その効果を試験するなど、AI活用を推進する機会を創出しております。2025年には、エンジニアとAIエージェントの協働を加速させる「AIドリブン推進室」を新設し、開発業務に携わるエンジニア約1,200名を対象とした開発AIエージェントの導入に必要な年間約4億円を投資するとともに、各事業のAIの活用度を測りランク付けする施策の実施など、今後も実践的な取り組みを進めていきます。
※1 管理監督業務を行う社員とマネージャーなど一定グレード以上の社員
※2 前年度末の人員数を基準にした当年度末1営業日前までの離職率の割合(当年度内での入退社を除く)
※3 ストレスチェック実施対象者:2025年10月15日時点の正社員、契約社員、社会保険に加入するアルバイト8,813人(回答率74.3%)
※4 「SecurityCREST」
NIST CSF 2.0をベースとしたプロダクト別セキュリティ格付け制度(SecurityCREST)
NIST CSF 2.0とは、米国国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)が2024年2月に公開したサイバーセキュリティ対策を検討・推進するためのフレームワークのこと
※5 「所属団体」
日本シーサート協議会
FIRST - Forum of Incident Response and Security Teams
日本ネットワークセキュリティ協会
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
本項に記載した将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 業界動向について
過去において、インターネットメディア市場、インターネット広告市場及びゲーム市場は、インターネット市場の拡大、インターネット利用者の増加、スマートデバイスの普及、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加により成長を続けてまいりました。このような傾向は今後も継続していくと考えておりますが、インターネットメディア市場及びゲーム市場においては市場成長が阻害されるような状況が生じた場合、また、インターネット広告市場においては景気変動の影響を受けるため景況感が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 経営成績の変動について
(ⅰ)業績見通しについて
当社グループは、インターネット業界において多様なサービスを提供しており、今後の日本におけるインターネット人口や、インターネット関連市場の規模等が順調に推移しない場合や、新しいビジネスモデル等への対応が遅れた場合には、当社グループ全体の業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは必要に応じて、人材の雇用、子会社及び関連会社の設立、投融資、事業提携等を積極的に行っていく方針であります。
過年度における当社グループの業績は、事業・子会社毎に毎期変動する傾向があり、市況の影響等を受ける場合もあり、当社グループの業績見通しの評価は過年度の経営成績に全面的に依拠することはできない面があります。そのため、業績見通しを公表している場合には、経営環境の変化等により実際の業績が公表した業績見通しと異なる可能性があります。なお、その場合には、速やかに業績見通しの修正を公表することとしております。
(ⅱ)会計基準の変更について
近年、会計基準に関する国際的なルール整備が進む中で、当社グループは基準の変更等に対して適切かつ迅速な対応を行ってまいりました。しかしながら、将来において会計基準や税制の大きな変更があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 法的規制等について
当社グループの事業領域においては、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」、「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「消費者契約法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「食品衛生法」、「医療法」、「電気通信事業法」等の各種法令や、監督官庁・地方自治体の指針、ガイドライン等による規制を受けております。これらの法令の制定や改正、新たなガイドライン等や、自主規制ルールの策定または改定等が行われることにより、当社グループの事業が新たな制約を受け、または既存の規制が強化された場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。また、当社グループの運営するサービスにおいて、万が一違法行為が起きた場合には、当該違法行為によって被害・損失を被った第三者より、当社グループが損害賠償請求等の訴訟を提起される可能性があります。なお、音楽著作権につきましては、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)等の著作権管理団体や、原盤権等をはじめとした著作隣接権保有者に対する著作権使用料や許諾条件の変更または音楽著作権以外の新たな権利許諾等が必要となる場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
④ 内部管理体制について
当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 特定経営者への依存及び人材確保に係るリスクについて
当社グループは、人材採用及び人材育成を重要な経営課題と位置づけており、インターネットビジネス業界における優位性を確保すべく、人材採用と人材育成に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、十分な人材確保が困難となった場合や、急激な人材採用によりグループの協業、連携体制の維持が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑥ 情報セキュリティ、通信ネットワーク及びシステムに係るリスクについて
当社グループは、当社グループのパートナー事業者と協力し、当社グループのサービス提供に必要なコンピューターネットワークをはじめとする情報セキュリティ等の強化を推進しております。しかし、コンピューターシステムの脆弱性、実施済みのセキュリティ対策の危殆化、マルウェア・コンピューターウイルス、コンピューターネットワークへの不正侵入、役職員・パートナー事業者の過誤、パートナー事業者が提供するクラウドサービス等の予期せぬ障害、サイバー攻撃、自然災害、アクセス増加等の一時的な過負荷等に基づき、重要データの漏洩、コンピュータープログラムの不正改ざん、システムダウン、当社グループのサービス提供の停止等の損害が発生する可能性があります。その結果、第三者からの損害賠償請求、当社グループの信用下落、収益機会の損失等により、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑦ 個人情報の管理に係るリスクについて
当社グループは、インターネット関連事業等を通じて取得した個人情報を保有しており、これらの個人情報の管理について、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成されたプライバシーポリシーを有し、その遵守に努めております。
しかし、コンピューターシステムの脆弱性、マルウェア・コンピューターウイルス、コンピューターネットワークへの不正侵入、役職員・パートナー事業者の過誤、サイバー攻撃、自然災害、アクセス増加等の一時的な過負荷等に基づき、個人情報が漏洩した場合や個人情報の収集過程で問題が生じた場合、また、昨今の個人情報の取り扱いに関する関心の高まりを受けて、当社グループに法的な責任はない場合でも、社会的・モラル的な観点から責任を問われる事態が生じた場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の下落等により、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
また、欧州連合(EU)の「欧州連合一般データ保護規則」、米国カリフォルニア州の「California Consumer Privacy Act」など諸外国において個人情報保護法の改正が相次いで進んでいる状況ですが、これらの法規制の中には、情報漏洩やセキュリティの脆弱性がある場合に重大な制裁金を含む法的責任を課すものがあります。加えて、これらの法規制は、国、地域ごとに規制の内容や執行の状況も異なる可能性があり、特にまだ法規制の解釈及び運用が明確になっていない場合には、その解釈及び運用次第で当社グループの取扱い方針との間で差異が生じ、損害賠償や課徴金などの責任を問われることで、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑧ 知的財産権に係るリスクについて
当社グループは、インターネット業界における技術革新、知的財産権ビジネスの拡大等に伴い、知的財産権の保護に努めるとともに、当社グループの役職員による第三者の知的財産権の侵害が発生しないよう、啓蒙及び社内管理体制を強化しております。
しかしながら、第三者が保有する知的財産権の内容により、当社グループが第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受けた場合、解決までに多額の費用と時間がかかり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑨ 生成AIをはじめとするAIに係わるリスクについて
当社グループは、インターネット広告事業をはじめ多岐にわたる領域において、生成AIを活用することにより業務効率の改善及び事業競争力の向上を目指しております。
当社グループでは、生成AIの利活用の機会の拡大及びリスク低減を図るため、全社的に生成AIの研修を実施し、生成AIを利用する際におけるガイドラインを策定及び見直しを行い、当社グループ全体でのガバナンス強化に努めております。
しかしながら、生成AIをはじめとするAI利用についての規制が強化された場合、生成AIを活用した業務効率の改善に支障が生じ、結果として競争力低下に伴う事業展開に影響を与える可能性があります。また、生成AIサービスに起因する事故により、当社グループで保有する営業秘密、プライバシーに関するデータなどが外部に漏洩した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の下落等により、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑩ 自然災害、気候変動等に係るリスクについて
地震や台風等の自然災害、気候変動に伴う異常気象、テロ攻撃、感染症の流行といった事象が発生した場合、当社グループの事業が大きな影響を受け、混乱状態に陥る可能性があります。当社グループは、こうした自然災害等が発生した場合には、適切かつ速やかに危機対策、復旧対応を行うよう努めておりますが、自然災害、コンピューターシステムの停止、停電や節電要請によるサービスの運営停止や開発遅延、社内インフラの停止、消失等の影響を完全に防止できる保証はなく、当該事象による営業活動への影響、ブランドイメージの毀損、物的、人的な損害等が発生する可能性があります。
当社グループは地球環境を保全し、持続可能な社会の実現に貢献するため、環境負荷の低減と事業活動の効率性の維持の両立に取り組んでいますが、低炭素社会への移行に伴う各種規制の拡大、炭素税の負担、低炭素技術を利用した機器への移行等により、財政状態への影響を受ける可能性があります。
さらに、当社グループの拠点及びコンピューターネットワークのインフラは、サービスによって一定の地域に集中しているため、同所で自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルスをはじめとする未知の感染症拡大防止対応のために、スポーツ・イベント事業の興行実施が通常通り開催されない状態になること、及び、その他の事業において事業活動の制約や広告主による広告費用の削減等へ影響が出るなど、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑪ 今後の事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンの元、インターネットユーザー及び広告主の両方向に接点を持ったビジネスモデルを特長とし、急激な成長・進化を遂げるインターネットビジネスの中で、当社ならではのスピードで常に新しい事業領域を創造し続けております。今後も、新たな事業の創出及び子会社、関連会社の設立、ならびに企業買収や海外展開等の方法によって、インターネット総合サービス企業として事業領域の拡大を図っていく方針であります。
しかしながら、これらを実現するためには、新規人材の採用・設備の増強・事業開発費の発生等の追加支出が見込まれ、これらの事業が安定的に収益を生み出すにはしばらく時間がかかることが予想されます。さらに、競合企業への優位性確保のため、価格競争の激化による収益性の低下・利用者獲得費用等の増大を伴う可能性があります。
また、海外へ事業展開を行っていく上で、各国の法令、規制、政治、社会情勢、為替変動、競合環境をはじめとした潜在的リスクに対処できないことも想定されます。従いまして、当社グループの方針どおりにビジネスが推移しない場合や、当社グループ管理体制が事業の拡大に追いつかず、子会社及び関連会社の内部管理体制に重大な不備が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性とともに、グループ戦略再構築の可能性も出てまいります。
また、当社グループは、インターネットメディア事業等一般消費者を対象とするサービスを展開していること等から、当社グループにとって予期せず風評被害を受ける可能性があります。かかる場合には、当社グループのブランドイメージが毀損し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑫ インターネットメディア・サービス事業に係るリスクについて
「ABEMA」、ブログ、ソーシャルメディア、動画、音楽、デジタルデータ、情報サイト等、当社グループが取扱うインターネットメディア事業は、インターネットを通じてコンテンツやサービス、データ等を提供しております。新規コンテンツ等の開発、既存サービスの機能拡充、更なるノウハウの蓄積による運営の安定化等により、ユーザーの獲得・維持を図っていく方針であります。しかしながら、幅広いユーザーに支持される魅力あるコンテンツやサービスの提供等ができない場合や市場の伸び悩み・停滞・縮小等が生じた場合は、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループが取扱う、インターネットを通じたマッチングサービス事業は、安全対策ガイドライン「セーフティセンター」を設置する等、サービスの安心・安全な提供に努めております。しかしながら、ユーザーの拡大に伴う予期せぬ対応不備や、マッチングしたユーザー間でサービス内外でトラブル等が発生した場合、ユーザーからの信頼の喪失やブランドイメージの毀損により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、インターネットメディア事業及びゲーム事業は、各カード会社、各プラットフォーム事業者、各通信キャリア等との契約に基づきコンテンツやサービスを提供しておりますが、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」等の法規制や技術的な仕様の変更や、契約条件の変更、契約の解除やその他不測の事態が発生し、その対応が間に合わなかった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑬ ゲーム事業に係るリスクについて
当社グループが取扱うゲーム事業は、主にインターネットを通じて提供しております。新規ゲームの開発、既存サービスの機能拡充、更なるノウハウの蓄積による運営の安定化等により、ユーザーの獲得・維持を図っていく方針であります。しかしながら、ユーザーの嗜好の多様化や移り変わりへの対応、魅力的と受け止められる新規コンテンツの提供、既存コンテンツの陳腐化の防止等を行いながら幅広いユーザーに長く支持される魅力あるコンテンツやサービスの提供等ができない場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
また、ゲームの開発や運営にあたり十分な人材の確保及び適切な育成が困難となった場合や、急激な人材採用によりグループ内での協業、連携体制の維持が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社では、ソーシャルゲームの利用環境に関する市場の健全な発展、ユーザーによるソーシャルゲームの適正利用の推進等を図ることを目的として、業界団体と連携を取りながら様々な施策を実施しておりますが、これに伴うシステム対応や体制強化の遅延等が発生した場合や、想定外の事態が発生した場合は、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
なお、世界保健機関が過度なゲーム依存を国際疾病(ゲーム障害)として認定する等の状況の変化やそれに伴う対応が必要となった場合は、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑭ インターネット広告事業に係るリスクについて
当社グループが取扱うインターネット広告は、市場変化や景気動向の変動により広告主が広告費用を削減する等、景気動向の影響を受ける可能性があります。また、広告主の経営状態の悪化、広告の誤配信等により、広告代金の回収ができず、媒体社等に対する支払債務を負担する可能性があります。
また、インターネット広告事業は、取引形態の性質上、媒体社からの仕入れに依存しており、媒体社との取引が継続されず広告枠や広告商品の仕入れができなくなった場合、OS事業者によるCookie規制、欧州連合(EU)の「欧州連合一般データ保護規則」、米国カリフォルニア州の「California Consumer Privacy Act」等の国内外の個人情報に関する規制等を受けて取引条件・商材の仕様等が変更された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。さらに、インターネット広告事業は、複数の競合会社が存在し、当社及び当社グループメディアの販売強化や営業提案力の強化等を積極的に取り組んでおりますが、顧客獲得のための価格競争の激化により収益性の低下等を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、AI事業では、広告配信システムの開発や改善、機能の追加、AIを活用したクリエイティブの自動生成、データ分析やマーケティングの新たな手法の開発・導入等を積極的に行っておりますが、新たな技術や手法が出現した場合、競合企業への競争力が著しく低下する可能性があります。
また、AIを活用するにあたり、使用するデータ、活用の範囲、判断基準、決定にいたるアルゴリズムや成果物等については、偏向性や権利侵害性を回避したものである必要があることを理解したうえで慎重に進めていますが、それらの仕様・管理・判断が不十分なことにより、第三者の権利侵害等の問題が生じた場合には、損害賠償責任等の発生や、信頼喪失等によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
さらに、AI倫理に関する指針や法令・業界ガイドライン等による規制、スマートデバイスに搭載されるOSの提供者によるガイドライン・機能の変更、提供ブラウザーの仕様変更により、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
その他広告主、掲載媒体等が、当社グループが取扱う広告商品の利用にあたり、各種法令違反等の重大な事象を生じさせた場合、信用及びブランドイメージの低下等が生じる可能性があります。当社グループは、当社グループが取扱う広告の十分な審査体制や明確なルール等を構築及びその運用に努めており、デジタル広告の品質を認証する機関「一般社団法人 デジタル広告品質認証機構(通称:JICDAQ)」の認証基準を満たし業務を適切に行っている事業者に付与される「JICDAQ認証」を取得しています。それにもかかわらず、本リスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑮ 投資育成事業に係るリスクについて
投資先企業のうち、公開企業につきましては、株価動向によって評価益が減少または評価損が増加する可能性があり、投資先企業の今後の業績によっては、投資が回収できず、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。
また、未公開企業につきましては、その将来性における不確定要素により業績が悪化し、当社グループの業績、財政状態及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑯ EC事業に係るリスクについて
当社グループはEC(電子商取引)事業を展開しており、関係法令を遵守し、商品管理体制や仕入先との契約締結を徹底しておりますが、商品に法令違反または瑕疵等があり、当該商品の安全性等に問題が生じた場合には、損害賠償責任等の発生や、信頼喪失等によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑰ スポーツ事業に係るリスクについて
当社グループは、スポーツ興行・イベント等の運営をはじめとするスポーツ事業を行っております。その興行の際には多数の観客が来場することから、必要な防止措置等を講じているものの事故等が発生する可能性があり、損害賠償責任等の発生や、信頼喪失等によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑱ M&A(企業買収等)に係るリスクについて
当社グループは、更なる成長を目指すため、「ABEMA」周辺事業への参入とその強化や、既存事業のリソース・ノウハウを活かせる事業など新たな事業領域への参入とその強化を通じた収益の多角化を重要視しており、そのための手法の一つとして、今後、M&A 等を含めた投融資を強化していきます。対象企業について事前に可能な限り詳細な審査を行い、十分にリスクを検討した上で、M&Aを進めてまいりますが、買収後に未認識債務の判明や偶発債務の発生等事前の調査で把握できなかった問題が生じること、買収後の事業の展開等が計画通りに進まないこと等が生じた場合には、当社グループの業績、財政状態及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。また、M&A等により、当社グループが行っていなかった新たな事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わることとなります。
⑲ 飲食事業に係るリスクについて
当社グループは、飲食店の運営等を行っており、品質管理・衛生管理を徹底しておりますが、万一、何らかの事情により食品事故等が発生した場合には、損害賠償責任等の発生や、信頼喪失等によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑳ 不動産事業に係るリスクについて
当社グループは、不動産事業を行っておりますが、国内外の各種要因による景気変動やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすい傾向があり、オフィス等の開発の需要の減少や空室率の上昇、又は賃料の水準低下等が起きた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
㉑ ヘルスケア事業に係るリスクについて
当社グループは、オンラインでの診療や服薬指導のシステム事業を行っておりますが、市場の伸び悩み・停滞・縮小、ユーザー動向の変化等に適切な対応ができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、システムの不具合や誤配送、医師・薬剤師とユーザー間でのトラブル等が起きた場合についても、損害賠償責任等の発生や、信頼喪失等によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、2016年に開局した新しい未来のテレビ「ABEMA」を中心とした事業拡大を目指しております。昨今、日本のみならず世界においてメディアミックス戦略を中心としたIPビジネスが急成長しており、当社も「ABEMA」と親和性の高いIP事業の強化に取り組んでおります。
当連結会計年度は、メディア&IP事業が高い増収率を継続し、ゲーム事業において大型なヒットタイトルを創出するとともに、インターネット広告の市場成長を取り込み、売上高は874,030百万円(前年同期比9.1%増)と創業来28期増収を継続いたしました。また、メディア&IP事業が10年ぶりに黒字化をし、収益性の高いゲーム事業が大幅増益したことで、営業利益は71,702百万円(前年同期比78.9%増)、経常利益は71,743百万円(前年同期比80.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31,667百万円(前年同期比98.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
① メディア&IP事業
メディア&IP事業には、「ABEMA」、「WINTICKET」等が属しており、それらが重層的に売上を積み上げ、売上高は231,543百万円(前年同期比15.7%増)と好調に推移し、営業利益は前年同期比8,739百万円増の7,291百万円となり、新しい未来のテレビ「ABEMA」を開局後、10年ぶりに黒字化いたしました。
② インターネット広告事業
インターネット広告事業には、インターネット広告事業本部、AI事業本部等が属しております。
下半期に大型顧客の離脱があったものの堅調に推移し、売上高は461,220百万円(前年同期比6.1%増)となりました。営業利益は、AIを活用した新規事業への投資等により17,602百万円(前年同期比14.0%減)となりました。
③ ゲーム事業
ゲーム事業には、㈱Cygames、㈱アプリボット、㈱QualiArts、㈱Colorful Palette等が属しております。
当連結会計年度は、複数の新規ゲームタイトルの大型ヒットに恵まれたとともに海外展開が奏功し、売上高は216,710百万円(前年同期比10.6%増)となりました。営業利益は外部決済への移行効果等もあり60,063百万円(前年同期比96.5%増)となりました。
④ 投資育成事業
投資育成事業にはコーポレートベンチャーキャピタル、㈱サイバーエージェント・キャピタルにおけるファンド運営等が属しており、売上高は1,663百万円(前年同期比73.8%減)、営業損失は1,515百万円(前年同期間426百万円の営業利益)となりました。
当連結会計年度末における総資産は557,162百万円(前連結会計年度末比40,475百万円の増加)となりました。これは、主に売上高の増加に伴う現金及び預金の増加によるものであります。
負債は281,481百万円(前連結会計年度末比15,299百万円の増加)となりました。これは、主に売上高の増加に伴う未払法人税等の増加によるものであります。
純資産は275,681百万円(前連結会計年度末比25,176百万円の増加)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
自己資本比率は32.3%(前連結会計年度末比2.2ポイント増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて15,016百万円増加し、226,151百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは79,518百万円の増加(前年同期間は53,231百万円の増加)となりました。これは、主に利益の計上及び法人税等の支払によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは30,825百万円の減少(前年同期間は38,331百万円の減少)となりました。これは、主に固定資産の取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは33,860百万円の減少(前年同期間は5,195百万円の減少)となりました。これは、主に転換社債型新株予約権付社債の償還によるものであります。
当社グループの事業内容は多岐にわたっており、受注生産形態をとらない事業も多いことから、セグメント別に生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことが馴染まないため、記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後のセグメント区分に組替えた数値によって算出しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後のセグメント区分に組替えた数値によって算出しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度における売上高は、メディア&IP事業が高い増収率を継続し、ゲーム事業において大型なヒットタイトルを創出するとともに、インターネット広告の市場成長を取り込み、874,030百万円(9.1%増加)と創業来28期増収を継続いたしました。営業利益は、メディア&IP事業が10年ぶりに黒字化をし、収益性の高いゲーム事業が大幅増益したことで、71,702百万円(78.9%増加)、経常利益は71,743百万円(80.6%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、ソフトウェアの減損、税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益等の計上により31,667百万円(98.2%増加)となりました。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、226,151百万円となっております。
既存メディア&IP事業、インターネット広告事業及びゲーム事業の拡大に伴う運転資金、新しい未来のテレビ「ABEMA」への先行投資、投資育成事業における投資や新規事業、将来的なM&A等の可能性に備えております。
なお、当社グループは資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、複数の取引金融機関と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループでは、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と認識しており、事業の成長、資本効率の改善等による中長期的な株主価値の向上とともに、配当を継続的に実施していきたいと考えております。現在、中長期の柱に育てるべく2016年9月期より新しい未来のテレビ「ABEMA」に先行投資をしており、投資期においても株主のみなさまに中長期でご支援いただけるよう2017年9月期より「DOE5%以上」を経営指標の目安としております。それに伴い2025年9月期の期末配当金を17円とし、経営指標の目安としている「DOE5%以上」を達成いたします。引き続き、ガバナンスを強化しながら、中長期で応援いただけるよう企業価値向上に努めてまいります。
特記すべき契約はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、ゲーム事業におけるコンソール機向けゲームコンテンツの開発等であり、当連結会計年度における研究開発活動に関わる費用の総額は