第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀の財政・金融政策の効果等により、緩やかな景気の回復基調が続いております。企業収益及び雇用・所得の環境は改善傾向が続いており、個人消費は底堅い動きとなっております。

当警備業界におきましては、警備サービスに対するニーズは底堅いものがあるものの、同業他社との受注競争の激化や警備品質確保のためのコストアップ要因等を抱え、引き続き厳しい経営環境が続いております。

このような状況のもと、当社グループは主力の交通誘導警備、施設警備、列車見張り警備の受注拡大等、当社グループの中核となる事業の展開を図り、業容の拡大と収益力の強化に取組んでまいりました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は9,722百万円(前連結会計年度比3.5%増)、営業利益は926百万円(前連結会計年度比42.4%増)、経常利益は1,000百万円(前連結会計年度比34.5%増)、当期純利益は582百万円(前連結会計年度比49.7%増)となりました。

 

事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。
(警備事業)
 警備事業は、交通誘導警備、施設警備、列車見張り警備等を行っております。警備事業の売上高は8,216百万円(前連結会計年度比1.8%増)、セグメント利益は456百万円(前連結会計年度比53.5%増)となりました。警備事業の業務別売上高の状況は以下のとおりです。
① 交通誘導警備
 交通誘導警備につきましては、警備業者間の価格競争は依然として厳しい状況にありますが、震災復興需要への対応及びイベント警備、駐車場警備等へ積極的に取組み、当部門の売上高は5,415百万円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。
 
② 施設警備
 施設警備につきましては、当社グループの重要商品と位置づけ、首都圏を中心に積極的に拡大を図っておりますが、当部門の売上高は2,171百万円(前連結会計年度比0.6%減)となりました。
 
③ 列車見張り警備
 列車見張り警備につきましては、比較的利益率が高いことから当社グループの注力商品の一つと位置づけており、当部門の売上高は590百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。
 
(ビルメンテナンス事業)
 ビルメンテナンス事業は、ビルメンテナンス、清掃業務及び人材派遣等を行っております。ビルメンテナンス事業の売上高は215百万円(前連結会計年度比1.2%減)、セグメント損失は0百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。
 

 

(メーリングサービス事業)
 メーリングサービス事業は、メール便発送取次業務、販促品・サンプル等の封入・梱包及び発送取次業務等を行っております。メーリングサービス事業の売上高は751百万円(前連結会計年度比32.4%増)、セグメント利益は1百万円(前年同期は6百万円の損失)となりました。
 
(電源供給事業)
  電源供給事業は、各種イベント及びコンサートの仮設電源の提供・テレビ局関係の中継のバックアップ等各種電源需要への電源提供業務を行っております。電源供給事業の売上高は539百万円(前連結会計年度比0.3%増)、セグメント利益は63百万円(前連結会計年度比5.2%減)となりました。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ577百万円増加し、2,533百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は901百万円(前連結会計年度は657百万円の収入)となりました。この主な要因は、法人税等の支払額421百万円があったものの、税金等調整前当期純利益998百万円、減価償却費79百万円、のれん償却102百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は160百万円(前連結会計年度は10百万円の支出)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却による収入39百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出53百万円、有形固定資産の取得による支出140百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は244百万円(前連結会計年度は188百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金による収入280百万円、株式の発行による収入516百万円があったものの、短期借入金の減少額250百万円、長期借入金の返済による支出696百万円、配当金の支払額71百万円があったこと等によるものであります。

 

 

2 【販売の状況】

(1) 販売実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前連結会計年度比(%)

警備事業

 

 

 交通誘導警備

5,415,985

102.0

 施設警備

2,171,356

99.3

 列車見張り警備

590,809

106.8

 その他

38,259

147.0

警備事業計

8,216,409

101.8

ビルメンテナンス事業

215,053

98.7

メーリングサービス事業

751,307

132.4

電源供給事業

539,974

100.3

合計

9,722,745

103.5

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要顧客別販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

3.千円未満は切り捨てて表示しております。

 

3 【対処すべき課題】

 日々変貌していく社会において「安心・安全」に対する社会的需要がより一層高まるとともに、その内容も多様化・高度化しております。

このような経営環境のもと、当社グループでは主力業務である交通誘導警備、施設警備へ積極的に取組み、既存業務の収益力強化を推進してまいります。これら既存業務の収益力強化とあわせ、グループ各社の商品・サービス、営業体制の特徴を活かし、グループシナジーの創出を図ってまいります。

また、当社グループでは競合他社との差別化、競争力向上を実現するため、警備員の資質の向上に取組んでおります。今後につきましても警備員教育の徹底や各種資格取得者の増大を図ってまいります。

管理面では、事務・システムの統合によるコストシナジーの追求はもとより、グループ全体で業務効率化や経費削減への取組みを徹底強化してまいります。

当社グループは、高い専門性と総合力を駆使したトータルセキュリティネットワークで、お客様のニーズに迅速・的確にお応えし、一層の社会的責任を果たしてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) お客様情報の管理について

当社グループでは、情報の管理の重要性を認識しており、内部監査や組織的にも情報管理の強化に努めております。得意先と警備請負契約書等を締結する場合、得意先名、住所、電話番号及び警備対象物件等、大量の得意先情報を取得いたします。当社グループでは、「情報セキュリティ方針」に基づいた「個人情報保護規程」、「情報セキュリティ管理規程」及び「情報システム管理規程」等を制定し、情報流出の防止に努めております。しかし、今後不可抗力の事故等を含め、得意先情報の管理上重大な問題が発生した場合、当社グループの損害賠償請求や信用の低下につながり、その動向によっては当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループは警備事業を営むに当たって、警備業法並びに警備業法施行規則の規制を受けております。この法律は警備業について必要な規制を定め、警備業務の適正な実施を図ることを目的としており、警備業を営むためには本社所在地を管轄都道府県公安委員会から認定を得る必要があります。当社は宮城県公安委員会より同法に基づく認可を受け、5年ごとに更新手続きを行なっております。

同法及び関係法令に定められた事項に違反した場合、処罰の対象となり、認定取消等の行政処分を受けることがあります。当社は管理体制及び指導教育責任者を専任するなど社員教育を徹底し、コンプライアンス体制の充実に努めております。

 

(3) 警備員の採用・退職について

当社グループでは、平成27年9月期における警備員は2,535名が在籍しております。当社グループの主な警備業務は人手中心の交通誘導警備、施設警備でありますが、警備員の退職者は平成26年9月期737名、平成27年9月期685名となっております。

当社グループでは離職率が高いとの認識から、警備員の採用計画を立て積極的に取組んでおり、平成26年9月期の警備員の採用者は593名、平成27年9月期545名となっております。なお、警備員の採用が計画通り進まず、警備現場に警備員を配置できない場合は、受注機会を失う可能性があります。

 

 (4) 上半期への利益偏重について

当社グループでは、下半期の4月~6月の売上高が他の月と比較して減少する傾向があるため、労務費等固定費の負担割合が増加し、下半期の売上総利益率が低下しております。売上高は上半期に若干偏重となるものの、売上総利益は下半期に大きく低下する傾向があります。これは、公共工事関連の警備料収入が低下するためと考えられます。しかしながら、平成26年9月期及び平成27年9月期におきましては、東日本大震災の復興需要等により積極的な営業活動を行った結果、売上高及び営業利益を伸ばすことができました。

過去3連結会計年度の経営成績及び4月~6月の比率は以下のとおりです。

 

売上高

売上総利益
(売上総利益率)

営業利益

4月~6月平均
(千円)

通期平均
(千円)

4月~6月平均
(千円)

通期平均
(千円)

4月~6月平均
(千円)

通期平均
(千円)

平成25年9月期

696,983

764,283

177,017

25.4%

215,412

28.1%

3,126

40,031

平成26年9月期

719,652

782,701

207,280

28.8%

235,457

30.0%

24,159

54,198

平成27年9月期

767,076

810,228

227,976

29.7%

258,378

31.8%

48,383

77,179

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要」に記載しております。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グル-プの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産、負債の残高及び当該期間における収益・費用の数値に影響を与える見積りをしており、当該見積につきましては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えらえる様々な要因に基づき行っております。また、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。この見積りと判断が当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えられるのは、下記の重要な会計方針であります。

(繰延税金資産)

当社グル-プは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で評価しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存しますので、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(減損会計)

当社グル-プは、減損会計の対象となります土地及び建物並びにリ-ス資産等を有しております。

当該資産のうち減損の兆候があるものは、将来キャッシュ・フロ-で賄うことができる計画であります。しかしながら、将来キャッシュ・フロ-の計画に著しく実績が伴わない場合は、減損損失を計上することになります。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末における流動資産は、3,843百万円となり、前連結会計年度末と比較して447百万円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が577百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が51百万円、警備未収入金が19百万円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における固定資産の残高は、2,786百万円となり、前連結会計年度末と比較して44百万円減少いたしました。この主な要因は、土地が104百万円増加したものの、投資有価証券が40百万円、のれんが102百万円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債合計は、2,767百万円となり、前連結会計年度末と比較して642百万円減少いたしました。この主な要因は、短期借入金が250百万円、1年内返済予定の長期借入金が322百万円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産合計は、3,866百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,048百万円増加いたしました。この主な要因は、資本金が258百万円、資本剰余金が258百万円、利益剰余金が510百万円増加したこと等によるものです。

 

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度の売上高は、9,722百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。

当社グル-プの主力事業であります交通誘導警備は、依然として厳しい価格競争が続いておりますが、震災復興需要への対応及びイベント警備、駐車場警備等へ積極的に取組みました結果、当部門の売上高は5,415百万円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。

当社グループの重要部門と位置づけている施設警備は、首都圏を中心に積極的に拡大を図っており、当部門の売上高は2,171万円(前連結会計年度比0.6%減)となりました。

列車見張り警備は、比較的利益率が高いことから注力商品の一つと位置付けており、当部門の売上高は590百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。

ビルメンテナンス事業は、ビルメンテナンス、清掃業務及び人材派遣等を行っております。ビルメンテナンス事業の売上高は215百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。

メーリングサービス事業は、メール便発送取次業務、販促品・サンプル等の封入・梱包及び発送取次業務等を行っております。メーリングサービス事業の売上高は751百万円(前連結会計年度比32.4%増)となりました。

電源供給事業は、各種イベント及びコンサートの仮設電源の提供・テレビ局関係の中継のバックアップ等各種電源需要への電源提供業務を行っております。電源供給事業の売上高は539百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。

② 営業利益、経常利益、当期純利益

営業利益は売上高の増加に伴い、926百万円(前連結会計年度比42.4%増)となりました。経常利益は1,000百万円(前連結会計年度比34.5%増)となりました。税金等調整前当期純利益は998百万円となり、法人税等を差し引いた当期純利益は582百万円(前連結会計年度比49.7%増)となりました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グル-プを取り巻く経営環境は、同業他社との激しい受注競争が続き、受注単価の低下や既存取引先からの値下げ要請等により、ここ数年売上高の伸び悩みを余儀なくされてきました。一方で、体制整備や警備品質向上のための投資等、コスト面での上昇も顕著になってまいりました。従って、警備業者間の過当競争等により受注単価が一段と低下した場合は、売上高及び利益を圧迫する要因となる可能性があります。

また、平成19年4月より、国道、県道及び指定する主要道路の工事にかかる警備を受注する場合には、「検定合格者の配置基準」の義務化が実施されております。さらに、平成21年6月より、雑踏警備業務における配置基準が施行されております。従って、検定合格者を抱えていない警備会社は、受注機会を逸する可能性があります。

 

 

(5) 戦略的現状と見通し

当社グループは、環境の変化に柔軟に適応していくため、各グループ会社の特長を活かし、グループのシナジーの創出を図ってまいります。今後も主力の交通誘導警備の積極的な営業展開、また利益率の高い施設警備及び列車見張り警備へ注力してまいります。また、震災復興需要に係る警備業務全般及び情報収集等に万全を期してまいります。

(株)日本保安は、店内保安警備の専門性を高めるとともに、営業所展開を視野に進めてまいります。(株)ビルキャストにつきましては、清掃業務、ビルメンテナンス及び人材派遣事業の拡大に向け当社の施設警備部門との連携を強化してまいります。また、(株)大盛警備保障につきましては、さらに列車見張警備に特化し、当社グループとのシナジー効果を発揮してまいります。(株)三洋警備保障につきましては、(株)トスネット首都圏との連携を強化し、交通誘導警備及び施設警備へ注力してまいります。(株)メーリングジャパンにつきましては、トスネットグループのネットワークからの情報を活用し、業績の更なる向上を図ってまいります。I・C・Cインターナショナル(株)につきましては、トスネットグループの展開するイベント警備との相乗効果を図ってまいります。(株)トスネット北東北、(株)トスネット南東北、(株)トスネット上信越、(株)トスネット首都圏、(株)トスネット茨城、(株)トスネット北陸、アサヒガード(株)、(株)トスネット相馬、(株)トスネット釜石、(株)トスネット陸前高田につきましては、交通誘導警備及び施設警備へ注力してまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

現時点における課題としましては、経営環境の厳しい状況の中で、市場シェアの拡大による売上高の向上、それに伴う粗利益率の確保、各種検定取得者の確保及び法令遵守の強化であると認識しております。

当社グル-プの経営陣は、警備業の原点は「教育にあり」を再認識し、「警備員の知識及び能力の向上」及び「警備職の資格取得の推進」を実現するために当社グル-プ一丸となって社員の資質向上のための教育・研修を積極的に実施してまいります。
 また、警備業法の遵守は当然のこと、役職員のコンプライアンスへの認識を徹底させ、全社をあげて高品質の警備業務の提供と高収益体質企業への転換に向けて努力してまいります。