第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、長く緩やかな景気の回復基調が続いております。企業収益は高い水準にあり、雇用情勢も改善しておりますが、個人消費が伸び悩み景気回復実感の少ない情勢となっております。

当警備業界におきましても、1964年の東京オリンピックの選手村警備から警備業が知られることとなり、それ以来警備の内容も多様化しながら、右肩上がりの成長を続けております。しかしながら、企業としては労働力の不足や警備品質確保のためのコストアップなどにより、経営環境は厳しい状況にあります。

このような状況のもと、当社グループは主力の交通誘導警備、雑踏警備、施設警備及び列車見張り警備の受注拡大、労働力や警備品質の強化等、当社グループの中核となる事業の展開を図り、業容の拡大と収益力の強化に取組んでまいりました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は9,971百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益は815百万円(前連結会計年度比8.1%減)、経常利益は881百万円(前連結会計年度比8.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は558百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。

 

事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。

(警備事業)

警備事業は、交通誘導警備、施設警備、列車見張り警備等を行っております。警備事業の売上高は8,570百万円(前連結会計年度比4.3%増)、セグメント利益は358百万円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。警備事業の業務別売上高の状況は以下のとおりです。

① 交通誘導警備

交通誘導警備につきましては、警備業者間の価格競争は依然として厳しい状況にありますが、震災復興需要への対応及びイベント警備、駐車場警備等へ積極的に取組み、当部門の売上高は5,334百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。

② 施設警備

施設警備につきましては、当社グループの重要商品と位置付け、首都圏を中心に積極的に拡大を図っており、当部門の売上高は2,410百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。

③ 列車見張り警備

列車見張り警備につきましては、比較的利益率が高いことから当社グループの注力商品の一つと位置付けておりますが、当部門の売上高は547百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。

 

(ビルメンテナンス事業)

ビルメンテナンス事業は、ビルメンテナンス、清掃業務及び人材派遣等を行っております。ビルメンテナンス事業の売上高は188百万円(前連結会計年度比4.0%減)、セグメント利益は4百万円(前連結会計年度比1,188.1%増)となりました。

 

(メーリングサービス事業)

メーリングサービス事業は、メール便発送取次業務、販促品・サンプル等の封入・梱包及び発送取次業務等を行っております。メーリングサービス事業の売上高は620百万円(前連結会計年度比3.7%増)、セグメント利益は7百万円(前連結会計年度比11.1%減)となりました。

 

(電源供給事業)

電源供給事業は、各種イベント及びコンサート関連の仮設電源の提供・テレビ局関係の中継のバックアップ等各種電源需要への電源提供業務を行っております。電源供給事業の売上高は592百万円(前連結会計年度比4.0%増)、セグメント利益は18百万円(前連結会計年度比74.6%減)となりました。 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して418百万円増加し、3,282百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は815百万円(前連結会計年度は554百万円の収入)となりました。この主な要因は、法人税等の支払額364百万円があったものの、税金等調整前当期純利益920百万円、未払費用の増加105百万円、のれん償却額102百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は362百万円(前連結会計年度は15百万円の収入)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入104百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出385百万円、投資有価証券の取得による支出54百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は34百万円(前連結会計年度は240百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入400百万円があったものの、短期借入金の返済による支出150百万円、長期借入金の返済による支出147百万円、配当金の支払額118百万円があったこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 販売実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前連結会計年度比(%)

警備事業

 

 

 交通誘導警備

5,334,552

100.6

 施設警備

2,410,424

103.6

 列車見張り警備

547,841

99.0

 その他

277,302

819.5

警備事業計

8,570,120

104.3

ビルメンテナンス事業

188,506

95.9

メーリングサービス事業

620,578

103.7

電源供給事業

592,610

104.0

合計

9,971,815

104.1

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要顧客別販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

3.千円未満は切り捨てて表示しております。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

日々変貌していく社会において「安心・安全」に対する社会的需要がより一層高まるとともに、その内容も多様化・高度化しております。

このような経営環境のもと、当社グループでは主力業務である交通誘導警備、施設警備へ積極的に取組み、既存業務の収益力強化を推進してまいります。これら既存業務の収益力強化とあわせ、グループ各社の商品・サービス、営業体制の特徴を活かし、グループシナジーの創出を図ってまいります。

また、当社グループでは競合他社との差別化、競争力向上を実現するため、警備員の資質の向上に取り組んでおります。今後につきましても警備員教育の徹底や各種資格取得者の増大を図ってまいります。

管理面では、事務・システムの統合によるコストシナジーの追求はもとより、グループ全体で業務効率化や経費削減への取組みを徹底強化してまいります。

当社グループは、高い専門性と総合力を駆使したトータルセキュリティネットワークで、お客様のニーズに迅速・的確にお応えし、一層の社会的責任を果たしてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) お客様情報の管理について

当社グループでは、情報の管理の重要性を認識しており、内部監査や組織的にも情報管理の強化に努めております。得意先と警備請負契約書等を締結する場合、得意先名、住所、電話番号及び警備対象物件等、大量の得意先情報を取得いたします。当社グループでは、「情報セキュリティ方針」に基づいた「個人情報保護規程」、「情報セキュリティ管理規程」及び「情報システム管理規程」等を制定し、情報流出の防止に努めております。しかし、今後不可抗力の事故等を含め、得意先情報の管理上重大な問題が発生した場合、当社グループの損害賠償請求や信用の低下につながり、その動向によっては当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループは警備事業を営むに当たって、警備業法並びに警備業法施行規則の規制を受けております。この法律は警備業について必要な規制を定め、警備業務の適正な実施を図ることを目的としており、警備業を営むためには本社所在地を管轄都道府県公安委員会から認定を得る必要があります。当社は宮城県公安委員会より同法に基づく認可を受け、5年ごとに更新手続きを行なっております。

同法及び関係法令に定められた事項に違反した場合、処罰の対象となり、認定取消等の行政処分を受けることがあります。当社は管理体制及び指導教育責任者を専任するなど社員教育を徹底し、コンプライアンス体制の充実に努めております。

 

(3) 警備員の採用・退職について

当社グループでは、平成29年9月期における警備員は2,886名が在籍しており、平成28年9月期と比較して342名増加いたしました。

当社グループでは警備員の採用計画を立てて、求人媒体の活用や学校訪問、社員による紹介制度等を活用して積極的に取組んでおりますが、採用が計画通り進まず、警備現場に警備員を配置できない場合は、受注機会を失う可能性があります。

 

 (4) 上半期への利益偏重について

当社グループでは、下半期の4月~6月の売上高が他の月と比較して減少する傾向があるため、労務費等固定費の負担割合が増加し、下半期の売上総利益率が低下しております。売上高は上半期に若干偏重となるものの、売上総利益は下半期に大きく低下する傾向があります。これは、公共工事関連の警備料収入が低下するためと考えられておりましたが、平成27年9月期及び平成28年9月期におきましては、東日本大震災の復興需要等により積極的な営業活動を行った結果、売上高及び営業利益を伸ばすことができました。平成29年9月期は平成28年9月期に比べ売上高は増加した一方、営業利益はやや低下しましたが高い水準を保っております。

過去3連結会計年度の経営成績及び4月~6月の比率は以下のとおりです。

 

売上高

売上総利益
(売上総利益率)

営業利益

4月~6月平均
(千円)

通期平均
(千円)

4月~6月平均
(千円)

通期平均
(千円)

4月~6月平均
(千円)

通期平均
(千円)

平成27年9月期

767,076

810,228

227,976

29.7%

258,378

31.8%

48,383

77,179

平成28年9月期

742,086

797,872

226,472

30.5%

263,781

33.0%

32,976

73,970

平成29年9月期

807,576

830,984

252,773

31.30%

269,287

32.41%

47,036

67,919

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(企業結合等関係)

当社は、平成29年1月27日に、株式会社エイコーの全株式を取得し完全子会社化いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表  注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

(重要な後発事象)

当社は、平成29年10月27日に、株式会社アーバン警備保障の全株式を取得し完全子会社化いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表  注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グル-プの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産、負債の残高及び当該期間における収益・費用の数値に影響を与える見積りをしており、当該見積につきましては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えらえる様々な要因に基づき行っております。また、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。この見積りと判断が当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えられるのは、下記の重要な会計方針であります。

 

(繰延税金資産)

当社グル-プは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で評価しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存しますので、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(減損会計)

当社グル-プは、減損会計の対象となります土地及び建物並びにリ-ス資産等を有しております。

当該資産のうち減損の兆候があるものは、将来キャッシュ・フロ-で賄うことができる計画であります。しかしながら、将来キャッシュ・フロ-の計画に著しく実績が伴わない場合は、減損損失を計上することになります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における流動資産は4,705百万円となり、前連結会計年度末と比較して499百万円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が418百万円、警備未収入金が56百万円増加したこと等によるものです。

固定資産は2,924百万円となり、前連結会計年度末と比較して336百万円増加いたしました。この主な要因は、土地259百万円、建物及び構築物34百万円、工具器具備品が21百万円増加したこと等によるものです。

負債は2,869百万円となり、前連結会計年度末と比較して381百万円増加いたしました。この主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金が303百万円、未払費用が84百万円増加したこと等によるものです。

純資産は4,761百万円となり、前連結会計年度末と比較して452百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金が439百万円増加したこと等によるものです。

 

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度の売上高は、9,971百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。

当社グル-プの主力事業であります交通誘導警備は、依然として厳しい価格競争が続いておりますが、震災復興需要への対応及びイベント警備、駐車場警備等へ積極的に取組みました結果、当部門の売上高は5,334百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。

当社グループの重要部門と位置付けている施設警備は、首都圏を中心に積極的に拡大を図っており、当部門の売上高は2,410百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。

列車見張り警備は、比較的利益率が高いことから注力商品の一つと位置付けており、当部門の売上高は547百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。

ビルメンテナンス事業は、ビルメンテナンス、清掃業務及び人材派遣等を行っております。ビルメンテナンス事業の売上高は188百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。

メーリングサービス事業は、メール便発送取次業務、販促品・サンプル等の封入・梱包及び発送取次業務等を行っております。メーリングサービス事業の売上高は620百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。

電源供給事業は、各種イベント及びコンサートの仮設電源の提供・テレビ局関係の中継のバックアップ等各種電源需要への電源提供業務を行っております。電源供給事業の売上高は592百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。

② 営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益

営業利益は売上高が増加したものの人件費が増加したことに伴い、815百万円(前連結会計年度比8.1%減)、経常利益は881百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。税金等調整前当期純利益は920百万円(前連結会計年度比9.9%減)となり、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は558百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が364百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益が920百万円、未払費用が105百万円、のれん償却が102百万円となったことなどにより、全体では815百万円の資金の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入が104百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出が385百万円、投資有価証券の取得による支出が54百万円があったこと等により、全体では362百万円の資金の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が400百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が147百万円、配当金の支払額が118百万円があったこと等により、全体では34百万円の資金の減少となりました。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比418百万円増加の3,282百万円となりました。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グル-プを取り巻く経営環境は、同業他社との激しい受注競争が続き、東日本大震災に係る復興特需があったものの、受注単価の低下や既存取引先からの値下げ要請等により、ここ数年売上高の伸び悩みを余儀なくされてきました。一方で、体制整備や警備品質向上のための投資等、コスト面での上昇も顕著になってまいりました。従って、警備業者間の過当競争等により受注単価が一段と低下した場合は、売上高及び利益を圧迫する要因となる可能性があります。

また、平成19年4月より、国道、県道及び指定する主要道路の工事にかかる警備を受注する場合には、「検定合格者の配置基準」の義務化が実施されております。さらに、平成21年6月より、雑踏警備業務における配置基準が施行されております。従って、検定合格者を抱えていない警備会社は、受注機会を逸する可能性があります。

 

 

(6) 戦略的現状と見通し

当社グループは、環境の変化に柔軟に適応していくため、各グループ会社の特長を活かし、グループのシナジーの創出を図ってまいります。今後も主力の交通誘導警備の積極的な営業展開、また利益率の高い施設警備及び列車見張り警備へ注力してまいります。また、震災復興需要に係る警備業務全般及び情報収集等に万全を期してまいります。

(株)日本保安は、店内保安警備の専門性を高めるとともに、営業所展開を視野に進めてまいります。(株)ビルキャストにつきましては、清掃業務、ビルメンテナンス及び人材派遣事業の拡大に向け当社の施設警備部門との連携を強化してまいります。(株)大盛警備保障につきましては、さらに列車見張警備に特化し、当社グループとのシナジー効果を発揮してまいります。(株)三洋警備保障につきましては、(株)トスネット首都圏との連携を強化し、交通誘導警備及び施設警備へ注力してまいります。(株)メーリングジャパンにつきましては、トスネットグループのネットワークからの情報を活用し、業績の更なる向上を図ってまいります。I・C・Cインターナショナル(株)につきましては、トスネットグループの展開するイベント警備との相乗効果を図ってまいります。(株)トスネット北東北、(株)トスネット南東北、(株)トスネット上信越、(株)トスネット首都圏、(株)トスネット茨城、(株)トスネット北陸、アサヒガード(株)、(株)トスネット相馬、(株)トスネット釜石、(株)トスネット陸前高田、(株)エイコーにつきましては、交通誘導警備及び施設警備へ注力してまいります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

現時点における課題としましては、経営環境の厳しい状況の中で、市場シェアの拡大による売上高の向上、それに伴う粗利益率の確保、各種検定取得者の確保及び法令遵守の強化であると認識しております。

当社グル-プの経営陣は、警備業の原点は「教育にあり」を再認識し、「警備員の知識及び能力の向上」及び「警備職の資格取得の推進」を実現するために当社グル-プ一丸となって社員の資質向上のための教育・研修を積極的に実施してまいります。
 また、警備業法の遵守は当然のこと、役職員のコンプライアンスへの認識を徹底させ、全社をあげて高品質の警備業務の提供と高収益体質企業への転換に向けて努力してまいります。