第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「トータルセキュリティネットワークの構築」を基本方針として、コア事業である警備事業を通じて社会に「安心・安全」の提案型の警備を提供していく中で、売上総利益率を重要な経営指標として位置付け、高付加価値営業により高い収益性の受注に努めるとともに、コスト管理の徹底を図ってまいります。

また、当社グループは、最も重要な基盤が人材であるものと強く認識し、継続して社員の指導教育に取り組んでまいります。

今後とも事業の更なる発展と経営の安定を実現し、企業価値の創造と拡大に努め、株主の皆様、取引先の皆様、当社社員との持続的な信頼関係を築いてまいります。

 

(2)経営環境

当社グル-プを取り巻く経営環境は、各種政策の効果もあり、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しておりますが、欧米における高い金利水準の動向や中国経済の先行き懸念、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東をめぐる情勢、金融資本市場の変動等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。当警備業界におきましては、各種イベント、コンサート等が再開されたこと及び能登半島の地震や豪雨で被害を受けた地域の復旧、復興工事に伴い、需要が高まることが期待されております。

今後も主力の交通誘導警備、施設警備、列車見張り警備等の警備事業及び電源供給事業の積極的な営業活動を展開し、事業の拡大と収益力の強化に取組み、取引先や当社グループ社員の安全を最優先に事業活動を行ってまいります。

次に、警備員不足と人材確保が大きな課題となっております。その対策として、ハローワーク、学校訪問、各種求人媒体の活用により募集活動を積極的に行います。経験不足の警備員に対しては、技術と経験を伝承していくことが当社グループの発展と位置付けております。一方で、体制整備や警備品質向上のための投資等、コスト面での上昇も顕著になってまいりました。警備業者間の過当競争等により受注単価が一段と低下した場合は、売上高及び利益を圧迫する要因となる可能性があります。

また、国道、県道及び指定する主要道路の工事にかかる警備を受注する場合には、「検定合格者の配置基準」の義務化が実施されております。さらに、雑踏警備業務における配置基準が施行されているため、検定合格者を抱えていない警備会社は、受注機会を逸する可能性があります。

 

(3)経営戦略

経営戦略としましては、2021年9月期をスタートとして、創業50周年を迎える2027年3月30日までの6年間を、その後の継続的成長を確実にするための重要な期間と捉え、コア事業のさらなる拡大と、それを支える強固な事業基盤の構築を成し遂げるため、中期経営計画VISION for 50(Step.1)に引き続き、2024年9月期~2026年9月期の後期3年間は、中期経営計画VISION for 50(Step.2)の連結業績目標に向けて役職員一丸となって推進しております。経過した4年間の実績は、下図のとおりです。

                                     (単位:百万円)

 

 

売上高

営業利益

営業利益率

経常利益

 

2021年9月期

9,918

742

7.48%

914

 

2022年9月期

10,030

690

6.88%

804

 

2023年9月期

10,937

797

7.28%

893

 

2024年9月期

11,559

817

7.07%

901

 

2025年9月期

連結業績目標

11,900

825

6.93%

910

 

2026年9月期

連結業績目標

12,300

850

6.91%

940

 

なお、中期経営計画のキーワードを「革新(イノベーション)」と定め、以下の重要戦略にグループ全社を挙げて取り組んでおります。

 

ア.システム革新「DX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組み」

 グループ内のあらゆる領域のデジタル化を推進することで、業務の効率化による生産性の向上を目指します。まずは、(株)トスネット、(株)トスネット北東北、(株)トスネット南東北、(株)トスネット首都圏及び(株)トスネット上信越の5社について、「警備業務システム」、「人事給与システム」及び「会計システム」の新システムを導入、本稼動したことに続き、2024年4月からは、新たなグループ5社での導入を進めております。将来的には、当社グループ全体で本格的なシステム革新を進めてまいります。

 

イ.営業手法の革新

Step.1で根付いたマンパワーによる警備事業をコアとした「ソリューション型営業」を実践することで、「新たな事業機会の創造」と「新たな事業領域の開拓」に取り組んでおります。

ソリューション(問題解決)提案の「種」は、お客様や皆様ご自身の身の周りのあらゆる事象に内在しております。お客様との対話を通して、お客様が抱えている問題(課題)をつかみ取り、より高いレベルのソリューション(問題解決)提案ができるよう、当社グループ役職員挙げて取り組んでおります。

 

ウ.規模の拡大を追求

(ア)M&A

M&Aの機会を機敏に捉えて、コア事業である警備事業の相乗効果があり、かつ、グループ全体が成長に資する案件については積極的に対応しており、2024年9月期につきましても2社のM&Aを実現いたしました。

(イ)エリア戦略

コア事業において、当社グループ空白地域へ積極的に拠点を拡大してまいります。

(ウ)ロードスタッフ業務の販売体制拡大

当社オリジナル商品であるロードスタッフ業務について、研修を充実させ付加価値商品としての販売体制を拡大してまいります。

 

また、当社グループは、環境の変化に柔軟に適応していくため、各グループ会社の特長を活かし、グループのシナジーの創出を図ってまいります。今後も主力の交通誘導警備の積極的な営業展開、積極的な採用活動、警備業務全般及び情報収集等に万全を期してまいります。

(株)トスネット北東北、(株)トスネット南東北、(株)トスネット首都圏、(株)トスネット上信越、(株)三洋警備保障、(株)トスネット北陸、アサヒガード(株)、(株)エイコー、(株)トスネット琉球、北日本警備(株)、(株)トップロード、(株)アイワ警備保障及びNEXT(株)につきましては、交通誘導警備及び施設警備へ注力してまいります。

(株)大盛警備保障につきましては、さらに列車見張り警備に特化し、当社グループとのシナジー効果を発揮してまいります。(株)メーリングジャパンにつきましては、当社グループのネットワークからの情報を活用し、業績の更なる向上を図ってまいります。I・C・Cインターナショナル(株)につきましては、当社グループの展開するイベント警備、震災時の復旧・復興警備との相乗効果を図ってまいります。

(株)日本保安は、店内保安警備の専門性を高め、新しい視野での保安警備を実現してまいります。(株)ビルキャストにつきましては、清掃業務、ビルメンテナンス及び労働者派遣業務の拡大に向け当社の施設警備部門との連携を強化してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

現時点における課題としましては、経営環境の厳しい状況の中で、市場シェアの拡大による売上高の向上、それに伴う売上総利益率の確保、各種検定取得者の確保及び法令遵守の強化であると認識しております。

当社グル-プの経営陣は、警備業の原点は「教育にあり」を再認識し、「警備員の知識及び能力の向上」及び「警備職の資格取得の推進」を実現するために当社グル-プ一丸となって社員の資質向上のための教育・研修を積極的に実施してまいります。

また、警備業法の遵守は当然のこと、役職員のコンプライアンスへの認識を徹底させ、全社をあげて高品質の警備業務の提供と高収益体質企業への転換に向けて努力してまいります。

当社グループにおいては、上記の経営戦略を推進し、持続的な成長の遂行にあたり、以下の課題に取り組んでまいります。

1.遵法風土の醸成

警備事業者にとって、事業継続の大前提は警備業法の遵守であります。社員教育を強化して法令遵守を徹底してまいります。

2.警備品質の向上

競合他社との差別化、競争力向上を実現するため、警備品質を日々高めてまいります。また、交通誘導警備、施設警備、雑踏警備、列車見張り警備、各業務ごとの資格保持者をさらに増やしてまいります。

具体的には、全警備職の8割が資格保持者という体制を目指します。

3.財務基盤の更なる強化

今後とも、トータルセキュリティネットワークの構築と更なる進化を図り、本業の収益力を高めることで財務基盤を強化してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する基本方針を定め、取締役会においてサステナビリティに関する取組みについて議論しております。

取締役会では、グループ全体のサステナビリティを推進し、サステナビリティ基本方針に基づき戦略及び施策を策定して、定期的に推進の評価を行う予定です。また、グループ幹部が出席する各会議体などを通して、会社の重要な施策の共有を行っております。

当社ではサステナビリティについて、地球環境及び地域社会を起点とした対応を行っております。

 

(地球環境)

①宮城県ESG債(サステナビリティボンド)に投資し、地域の環境・社会の課題解決を後押ししております。

②リチウムイオンバッテリーとソーラーパネルを搭載したCO2排出ゼロの電源車の提供を開始しております。

③一部事業所にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーの活用を開始しております。

 

(地域社会)

①当社の畑で育てた大根を子ども食堂などに寄贈しております。

②AEDを使用した応急救命講習や当社オリジナルさすまた等を使用した防犯講習会を無償で開催しております。

③地域の清掃活動にボランティアで参加しております。

 

(2) 戦略

当社グループでは、人的資本経営の重要性を認識しており、社内環境整備を実現することで、中長期的な企業価値向上に寄与するものと考えております。多様な属性、才能、経験等をもった人材を積極的に採用し、業務に必要な知識習得に向けた自己研鑽を推進することで、継続的な人材育成に取り組んでおります。また、生産性向上の施策として、中期経営計画 VISION for 50と連動させ、管理業務の革新、管理業務のデジタル化、高付加価値業務への人材シフトを実現することで、生産性が高く、かつ、時代を担う人材の育成に取り組んでおります。

 

(人的資本、多様性)

当社グループは人的サービスから成り立っているため、人的資本は最も重要な無形資産として捉えております。その価値を最大限に引き出すため、以下の取組みを行っており、中長期的な企業価値向上につなげて参ります。

 ①社内環境整備

 ・給与・賞与の増額

 ・時間単位有給休暇の活用

  ・退職者再雇用制度による人材活用

 ②人材育成

  ・座学研修及び実技訓練の実施

  ・資格取得費用の助成及び資格手当の活用

  ・社内グレード制度

 ③多様性

  ・女性の管理職・取締役登用

  ・アスリート雇用

  ・身体・精神障碍者の雇用

 

(3) リスク管理

当社グループは、総合的なリスク管理について、予見可能なリスクを未然に防止するためには各部署の情報連携が重要であるとの観点から、経営執行委員会、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会において相互に監視及びチェックをしており、重要事項については取締役会において協議、承認しております。また、以下のとおりリスク管理を行っております。

①当社グループは警備業を主体としているため、警備業法の遵守を徹底しております。

②人的サービス業であるため、労務管理を重点的に行っております。

③業界の事故・不祥事をグループ全社で共有し、発生抑止につなげており、取締役会でも確認し、対策を議論しております。また、グループ社内で発生した事故・事案については、本社に報告が行われ、全社的な対策に繋げております。

④事故や労災などが1年以上継続して発生していない営業所に対し無事故表彰を行い、安全な事業運営を後押ししております。

⑤社有車については、ドライブレコーダーを取り付けし、安全運転を推進しております。

⑥気温上昇に伴う熱中症対策として、社員に補助金を出し水分等の補給を奨励するとともに、空調服などを無償貸与しております。

⑦基幹システムについて、情報セキュリティや可用性を考慮し、オンプレミス型からクラウド型に移行しております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、従業員が当社の成長を支える重要な存在であるとの認識に立ち、多様な人材が仕事と生活の調和を図りながら、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。上記の考えのもと、当社グループでは、管理職への登用等に当たっては、年齢、性別や社歴等では区分せず、全ての従業員が、平等に機会を得られるような人事考課制度を整備し、多様性の確保に向けた人材育成と社内環境整備に努めております。以上のことから、女性、中途採用者の管理職の登用、中核人材の登用等における多様性の確保における目標や人数については今のところ定めておりません。今後は、実態が方針に基づいていることを多様性確保の観点からも定期的に確認し、従業員が最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に努め、事業範囲の拡大や多様化に連動して従業員を育成し、管理職として登用していく方針であります。

(注)1.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) お客様情報の管理について

当社グループでは、情報の管理の重要性を認識しており、内部監査や組織的な情報管理の強化に努めております。得意先と警備請負契約書等を締結する場合、得意先名、住所、電話番号及び警備対象物件等、大量の得意先情報を取得いたします。「情報セキュリティ方針」に基づいた「個人情報保護規程」、「情報セキュリティ管理規程」及び「情報システム管理規程」等を制定し、情報流出の防止に努めております。しかし、今後不可抗力の事故等を含め、得意先情報の管理上重大な問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下につながり、その動向によっては業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループは警備事業を営むに当たって、警備業法並びに警備業法施行規則の規制を受けております。この法律は警備業について必要な規制を定め、警備業務の適正な実施を図ることを目的としており、警備業を営むためには本社所在地の管轄都道府県公安委員会から認定を得る必要があります。当社は宮城県公安委員会より同法に基づく認可を受け、5年ごとに更新手続を行っております。

同法及び関係法令に定められた事項に違反した場合、処罰の対象となり、認定取消等の行政処分を受けることがあります。当社は管理体制及び指導教育責任者を専任する等の社員教育を徹底し、コンプライアンス体制の充実に努めております。

 

(3) 警備員の採用・退職について

当社グループでは、2024年9月期における警備員は3,039名が在籍しており、2023年9月期と比較して227名増加いたしました。なお、2024年4月9日に全株を取得した株式会社アイワ警備保障の警備員は202名、2024年5月17日に全株を取得したNEXT株式会社の警備員は56名です。

当社グループでは警備員の採用計画を立て、求人媒体の活用や学校訪問、社員による紹介制度等を活用して積極的に取組んでおりますが、採用が計画通り進まず、警備現場に警備員を配置できない場合は、受注機会を失う可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ639百万円増加し、11,190百万円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ83百万円減少し、3,263百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ723百万円増加し、7,927百万円となりました。

当連結会計年度における当社グループは主力の交通誘導警備、雑踏警備、施設警備及び列車見張り警備、商材等の販売の積極的な営業活動を展開しております。これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は11,559百万円(前連結会計年度比5.7%増)、営業利益は817百万円(前連結会計年度比2.5%増)、経常利益は901百万円(前連結会計年度比0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は891百万円(前連結会計年度比54.6%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して276百万円増加し、5,697百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,062百万円(前連結会計年度は1,015百万円の収入)となりました。この主な要因は、預り金の減少68百万円、未払金の減少66百万円があったものの、税金等調整前当期純利益1,429百万円、減価償却費137百万円があったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は273百万円(前連結会計年度は233百万円の支出)となりました。この主な要因は、定期預金の預入による支出100百万円、有形固定資産の取得による支出98百万円があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は513百万円(前連結会計年度は72百万円の収入)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入100百万円があったものの、長期借入金の返済による支出271百万円、配当金の支払額141百万円があったこと等によるものです。

  ③生産、受注及び販売の実績

イ. 販売実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前連結会計年度比(%)

警備事業

 

 

 交通誘導警備

6,474,177

107.1

 施設警備

2,806,279

106.3

 列車見張り警備

306,010

104.6

 その他

221,650

69.4

警備事業計

9,808,118

105.5

ビルメンテナンス事業

242,295

106.3

メーリングサービス事業

431,838

99.2

電源供給事業

1,077,493

110.3

合計

11,559,746

105.7

 

(注) 1.主要顧客別販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

2.千円未満は切り捨てて表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における流動資産は、7,594百万円となり、前連結会計年度末と比較して386百万円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が376百万円増加したこと等によるものです。

固定資産は、3,596百万円となり、前連結会計年度末と比較して253百万円増加いたしました。この主な要因は、有形固定資産のリース資産が39百万円減少したものの、機械装置及び運搬具が126百万円、のれんが58百万円、投資有価証券が53百万円増加したこと等によるものです。

負債は3,263百万円となり、前連結会計年度末と比較して83百万円減少いたしました。この主な要因は、未払法人税等が172百万円増加したものの、短期借入金が100百万円、1年以内返済予定の長期借入金が42百万円、長期借入金が105百万円減少したこと等によるものです。

純資産は、7,927百万円となり、前連結会計年度末と比較して723百万円増加しました。この主な要因は、利益剰余金が749百万円増加したこと等によるものです。

 

当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、11,559百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。

警備事業は、交通誘導警備、施設警備、列車見張り警備等を行っております。警備事業の売上高は9,808百万円(前連結会計年度比5.5%増)、セグメント利益は18百万円(前連結会計年度比296.4%増)となりました。警備事業の業務別売上高の状況は以下のとおりです。

当社グル-プの主力事業であります交通誘導警備は、ゼネコン、建設工事事業会社等へ積極的な営業展開を行った結果、当部門の売上高は6,474百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。

当社グループの重要部門と位置付けている施設警備は、首都圏を中心に積極的な営業展開をした結果、当部門の売上高は2,806百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。

列車見張り警備は、有資格者の増強を図ることにより、他警備事業の効率性も高めることができる当社グループの注力商品の一つと位置付けております。当部門の売上高は306百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。

ビルメンテナンス事業は、ビルメンテナンス、清掃業務及び労働者派遣業務等を行っております。ビルメンテナンス事業の売上高は242百万円(前連結会計年度比6.3%増)、セグメント損失は0百万円(前連結会計年度は1百万円の損失)となりました。

メーリングサービス事業は、メール便発送取次業務、販促品・サンプル等の封入・梱包及び発送取次業務等を行っております。メーリングサービス事業の売上高は431百万円(前連結会計年度比0.8%減)、セグメント利益は7百万円(前連結会計年度比210.2%増)となりました。

電源供給事業は、各種イベント及びコンサート関連の仮設電源の提供・テレビ局関係の中継のバックアップ等各種電源需要への電源供給業務を行っております。イベント、コンサート等が再開された結果、電源供給事業の売上高は1,077百万円(前連結会計年度比10.3%増)、セグメント利益は324百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。

 

営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益

営業利益は817百万円(前連結会計年度比2.5%増)、経常利益は901百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。税金等調整前当期純利益は1,429百万円(前連結会計年度比54.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は891百万円(前連結会計年度比54.6%増)となりました。

 

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、預り金の減少68百万円、未払金の減少66百万円があったものの、税金等調整前当期純利益1,429百万円、減価償却費137百万円があったこと等により、1,062百万円の資金の増加となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出100百万円、有形固定資産の取得による支出98百万円があったこと等により、全体では273百万円の資金の減少となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入100百万円があったものの、長期借入金の返済による支出271百万円、配当金の支払額141百万円があったこと等により、全体では513百万円の資金の減少となりました。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して276百万円増加し、5,697百万円となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照ください。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(企業結合等関係)

当社は、株式会社アイワ警備保障の全株式を2024年4月9日に取得し完全子会社といたしました。次いで、NEXT株式会社の全株式を2024年5月17日に取得し完全子会社といたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。