第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変
更があった事項は以下のとおりであります。
  なお、文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
  また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。

 

3 事業の拡大・展開に関するリスク

(1) 『楽天』ブランドの推進及び『楽天経済圏』の拡大の推進等について

当社グループは、流通総額の更なる拡大を目的として、各サービスブランドの『楽天』ブランドへの変更や、会員データベースの一元化、ポイントプログラムの共通化を媒介とした会員IDの統合等を推進し、『楽天経済圏』のさらなる拡大を進めております。ブランド名称や会員IDの変更に際しては既存会員のロイヤリティの低下や会員組織からの離脱を招く可能性もあり、これらの施策が期待通りの効果を得られない場合、当社グループサイト内の流通総額及び当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

7 マーケットに関するリスク

(1) 金利等変動リスク

当社グループは、連結子会社においてクレジットカード、証券及び生命保険等の金融サービスを展開しており、当該事業資金等については、主として金融機関からの借入金、社債等により調達しております。2015年9月末における外部金融機関からの連結有利子負債(短期及び長期借入金、社債、コマーシャル・ペーパー、証券業における信用取引借入金及びリース債務の合計)残高は595,332百万円であります。また、同じく連結子会社が展開する銀行業においては、預金調達を行い、当該資金を有価証券、貸出金等で運用しております。このため、市場金利が上昇した場合に、運用金利を上回って調達金利が上昇すること等を通じ、金利市場等の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)  経営成績の分析

当社グループは、第1四半期連結会計期間より経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」という。)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。

Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」という。)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用、子会社取得時に認識した無形資産の償却費等のことです。

注:Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。

 

当第3四半期連結累計期間の経営成績(Non-GAAPベース)

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米国の金融政策正常化に向けた動きの影響、中国を始めとするアジア新興国等の先行き等について不確実性がみられたものの、持ち直し基調が継続しました。日本経済は、原油価格下落の影響や各種政策の効果を背景に、個人消費は底堅い動きとなっている等、緩やかな回復を続けました。

このような環境下、当社グループは、成長戦略を一段と強力に進めております。インターネットサービスの主力である国内ECサービスにおいては、楽天経済圏のオープン化戦略、スマートデバイス(スマートフォン及びタブレット端末)向けのサービス強化、トップページのリニューアルに代表されるユーザー満足度の向上施策等により、業績は順調に推移しております。コンテンツサービスにおいては、将来の利益成長に向けた戦略投資を継続する一方、厳格な費用管理にも取り組み、業績は改善基調にあります。また、図書館・教育機関向けに電子書籍、オーディオブック等のコンテンツ配信サービスを提供するOverDrive Holdings, Inc.(米国)(以下「OverDrive社」という。)を2015年4月に完全子会社化しました。当第3四半期連結会計期間よりセグメント名を変更したFinTech(注1)においては、『楽天カード』の会員基盤が一層拡大し手数料収入が増加したほか、『楽天証券』、『楽天銀行』等のサービスも順調に拡大し、大幅に利益が増加しております。

この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上収益は514,711百万円(前年同期比21.3%増)、Non-GAAP営業利益は97,408百万円(前年同期比19.0%増)となりました。

 

(注1)当第3四半期連結会計期間よりセグメント名を「インターネット金融」から「FinTech」(読み方:フィンテック)に変更しました。これは、当社グループが2003年より取り組んでいる、金融(Finance)とインターネット技術(Technology)の融合がFinTechと称され、世界中に拡がっていることを反映させたものです。

 

(Non-GAAPベース)

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第3四半期
 連結累計期間)

(当第3四半期
 連結累計期間)

売上収益

424,216

514,711

90,495

21.3

%

Non-GAAP営業利益

81,834

97,408

15,574

19.0

%

 

 

当第3四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)

当第3四半期連結累計期間における売上収益は514,711百万円(前年同期比21.3%増)、IFRS営業利益は82,958百万円(前年同期比13.5%増)、四半期利益(親会社の所有者帰属)は42,655百万円(前年同期比0.8%増)となりました。

 

(IFRSベース)

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第3四半期
 連結累計期間)

(当第3四半期
 連結累計期間)

売上収益

424,216

514,711

90,495

21.3

%

IFRS営業利益

73,116

82,958

9,842

13.5

%

四半期利益
(親会社の所有者帰属)

42,323

42,655

332

0.8

%

 

 

IFRS営業利益からNon-GAAP営業利益への調整 

当第3四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は6,007百万円(前年同期比38.7%増)、株式報酬費用は4,523百万円(前年同期比239.1%増)となりました。また、本社移転に伴う費用である3,920百万円を非経常的な項目としております。前年同期における非経常的な項目3,053百万円は、海外子会社の引当金繰入額、のれん及び無形資産の減損、税法の改正等に伴う引当金取崩額の合計額です。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第3四半期
 連結累計期間)

(当第3四半期
 連結累計期間)

IFRS営業利益

73,116

82,958

9,842

13.5

%

無形資産償却費

4,331

6,007

1,676

38.7

%

株式報酬費用

1,334

4,523

3,189

239.1

%

非経常的な項目

3,053

3,920

867

28.4

%

Non-GAAP営業利益

81,834

97,408

15,574

19.0

%

 

 

各セグメントにおける業績は次のとおりであります。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点からセグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースに変更しており、過去のセグメント損益も組替再表示しております。

 

(インターネットサービス)

当第3四半期連結累計期間のインターネットサービスセグメントは、主力サービスの国内ECにおいて、楽天経済圏のオープン化戦略、スマートデバイス向けサービスの強化、ビッグデータを活用したマーケティング、ユーザー満足度の向上施策、海外消費者向けサービスの強化等の各種施策を積極的に展開しました。旅行予約サービスにおいては、大型連休期間の予約等に需要が集まり、国内旅行、レンタカー、インバウンドサービス(外国語サイトからの予約サービス)等が好調でした。こうした取組の結果、国内EC(旅行予約を含む)の売上収益及び利益は順調に成長しました。海外ECサービスにおいては、2014年10月に子会社化したEbates Inc. (以下「Ebates社」という。)が業績の拡大に大きく貢献しております。次に、コンテンツサービスにおいては、将来の利益成長に向けた戦略投資を継続する一方、厳格な費用管理やOverDrive社の貢献により業績は改善基調にあります。

この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は309,495百万円(前年同期比22.5%増)、セグメント利益は56,513百万円(前年同期比22.5%増)となりました。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第3四半期
 連結累計期間)

(当第3四半期
 連結累計期間)

セグメント売上収益

252,705

309,495

56,790

22.5

%

セグメント損益

46,150

56,513

10,363

22.5

%

 

 

 

(FinTech)

当第3四半期連結累計期間のFinTechセグメントは、クレジットカード関連サービスにおいては、『楽天カード』会員の増加に伴いショッピング取扱高が前年同期比20.6%増となりました。リボ残高も順調に積み上がったことにより手数料収入等が増加しております。売上収益の順調な成長に加え、会計方針の変更(IFRS第15号の適用(注2))もあり、大幅な利益成長を果たしました。銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴い貸出金利息収益が増加しており、加えて費用効率化が奏功し、利益拡大が継続しております。証券サービスにおいては、国内株式売買代金が堅調に推移したほか、為替相場の変動に伴い外国為替証拠金の取引量が増加したこと等により、順調な利益成長が継続しました。

この結果、FinTechセグメントにおける売上収益は204,376百万円(前年同期比19.0%増)、セグメント利益は47,939百万円(前年同期比40.1%増)となりました。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第3四半期
 連結累計期間)

(当第3四半期
 連結累計期間)

セグメント売上収益

171,810

204,376

32,566

19.0

%

セグメント損益

34,218

47,939

13,721

40.1

%

 

 

(注2)IFRS第15号適用についての詳細は後述の注記「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 2.重要な会計方針」をご参照ください。

 

(その他)

当第3四半期連結累計期間のその他セグメントは、MVNO(仮想移動体通信事業者)サービスである『楽天モバイル』においては、契約者数の増加を目的としたテレビ広告、実店舗での販売等積極的な販促活動を実施しております。2014年3月に連結子会社化したメッセージング及びVoIPサービスを提供するVIBER MEDIA LTD.においては、将来の成長に向けた戦略投資を継続しており、ユーザーID数は順調に推移しております。プロスポーツ関連においては、東北楽天ゴールデンイーグルスにおいて、前年同期に計上した主力選手の移籍に伴う譲渡金収入による売上が剥落し、前年同期に比すとセグメント損益は減少しております。

この結果、その他セグメントにおける売上収益は38,639百万円(前年同期比15.8%増)、セグメント損失は4,441百万円(前年同期は2,394百万円の利益)となりました。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第3四半期
 連結累計期間)

(当第3四半期
 連結累計期間)

セグメント売上収益

33,375

38,639

5,264

15.8

%

セグメント損益

2,394

△4,441

△6,835

-

%

 

 

 

(2)  財政状態の分析

当第3四半期連結累計期間において、今後の更なる成長のため、財務基盤の強化等を目的として、公募増資を行いました(払込金額総額181,973百万円、払込日2015年6月30日)。調達資金の主要な使途である借入金等の返済は主に当第3四半期連結会計期間に行われております。

 

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は4,107,899百万円となり、前連結会計年度末の資産合計3,680,695百万円と比べ、427,204百万円増加しました。これは主に、銀行事業の貸付金が97,537百万円増加、Lyft, Inc.(以下「Lyft社」という。)への出資等に伴い有価証券が65,142百万円増加、OverDrive社等の買収により無形資産が59,724百万円増加、カード事業の貸付金が53,526百万円増加、その他の金融資産が43,280百万円増加したことによるものです。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は3,450,644百万円となり、前連結会計年度末の負債合計3,252,609百万円と比べ、198,035百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が147,112百万円増加、証券事業の金融負債が61,059百万円増加した一方、仕入債務が23,698百万円減少したことによるものです。

 

(資本)

当第3四半期連結会計期間末の資本合計は657,255百万円となり、前連結会計年度末の資本合計428,086百万円と比べ、229,169百万円増加しました。これは主に、公募増資等により資本金及び資本剰余金が181,022百万円増加、当第3四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益を42,655百万円計上したこと等により利益剰余金が49,840百万円増加したことによるものです。

 

(3)  キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ37,206百万円増加し、465,841百万円となりました。このうち、銀行事業に関する日銀預け金は、前連結会計年度末に比べ41,812百万円増加し、288,223百万円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、29,555百万円の資金流入(前年同期は71,031百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の預金の増加による資金流入が147,143百万円、税引前四半期利益による資金流入が80,862百万円となった一方で、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が97,537百万円、カード事業の貸付金の増加による資金流出が53,525百万円、法人所得税等の支払による資金流出が46,310百万円となったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、150,930百万円の資金流出(前年同期は158,813百万円の資金流出)となりました。これは主に、OverDrive社等の子会社の取得による資金流出が58,433百万円、Lyft社等の有価証券の取得による資金流出が52,806百万円、ソフトウェア等の無形資産の取得による資金流出が25,663百万円となったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、161,705百万円の資金流入(前年同期は101,106百万円の資金流入)となりました。これは主に、公募増資等の株式の発行による資金流入が182,341百万円、長期借入れによる資金流入が93,952百万円となった一方で、長期借入金の返済による資金流出が49,729百万円、コマーシャル・ペーパーの減少による資金流出が32,500百万円となったことによるものです。

 

(4)  事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)  研究開発活動

当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っております。2015年7月には、シンガポールと米国ボストンに研究拠点を設け研究体制の拡大を図っております。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。

当第3四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は5,928百万円であります。

 

(6)  従業員数

当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)  生産、受注及び販売の実績

① 生産実績及び受注実績

当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしておりません。

② 販売実績

当社グループは当第3四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。

 

(8)  主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。