当社グループは、第1四半期連結会計期間より経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」という。)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」という。)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用、子会社取得時に認識した無形資産の償却費等のことです。
注:Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当連結会計年度における世界経済は、米国金融政策正常化、中国経済の先行き懸念、原油価格下落の影響等について留意する必要があるものの、緩やかに持ち直し基調が継続しました。日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策効果もあり、緩やかな回復を続けました。
このような環境下、当社グループは、成長戦略を一段と強力に進めております。インターネットサービスの主力である国内ECサービスにおいては、顧客満足度向上のための各種施策、楽天経済圏のオープン化戦略、スマートデバイス(スマートフォン及びタブレット端末)向けのサービス強化等により、業績は順調に推移しております。コンテンツサービスにおいては、図書館・教育機関向けに電子書籍等のコンテンツ配信サービスを提供するOverDrive Holdings, Inc.(米国)(以下「OverDrive社」という。)を2015年4月に完全子会社化すると共に、 将来の利益成長に向けた戦略投資を継続する一方、厳格な費用管理にも取り組み、業績は改善基調にあります。また、楽天グループは、新しい技術や革新的なビジネスモデルを持つ企業に投資を進めており、それらの投資について株式評価益を計上しております。FinTech(注1)においては、『楽天カード』の会員基盤が一層拡大し手数料収入が増加したほか、『楽天証券』、『楽天銀行』等のサービスも順調に拡大し、利益が増加しております。
この結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は713,555百万円(前連結会計年度比19.2%増)、Non-GAAP営業利益は152,153百万円(前連結会計年度比28.8%増)となりました。
(注1)第3四半期連結会計期間よりセグメント名を「インターネット金融」から「FinTech」(読み方:フィンテック)に変更しました。これは、当社グループが2003年より取り組んでいる、金融(Finance)とインターネット技術(Technology)の融合がFinTechと称され、世界中に拡がっていることを反映させたものです。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| (自2014年1月1日 至2014年12月31日) | (自2015年1月1日 至2015年12月31日) | |||
売上収益 | 598,565 | 713,555 | 114,990 | 19.2 | % |
Non-GAAP営業利益 | 118,092 | 152,153 | 34,061 | 28.8 | % |
当連結会計年度において、Non-GAAP営業利益にて調整される無形資産の償却費は8,322百万円(前連結会計年度比31.5%増)、株式報酬費用は6,088百万円(前連結会計年度比163.0%増)となりました。また、本社移転に伴う費用である4,171百万円とのれん及び無形資産等の減損等である38,883百万円を非経常的な項目としております。前連結会計年度における非経常的な項目3,053百万円は、海外子会社の引当金繰入額、のれん及び無形資産の減損、税法の改正等に伴う引当金取崩額の合計額です。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| (自2014年1月1日 至2014年12月31日) | (自2015年1月1日 至2015年12月31日) | |||
Non-GAAP営業利益 | 118,092 | 152,153 | 34,061 | 28.8 | % |
無形資産償却費 | △6,327 | △8,322 | △1,995 | 31.5 | % |
株式報酬費用 | △2,315 | △6,088 | △3,773 | 163.0 | % |
非経常的な項目 | △3,053 | △43,054 | △40,001 | 1,310.2 | % |
IFRS営業利益 | 106,397 | 94,689 | △11,708 | △11.0 | % |
当社グループにおける売上収益は713,555百万円(前連結会計年度比19.2%増)、営業利益は非経常的な項目等の影響により94,689百万円(前連結会計年度比11.0%減)、当期利益(親会社の所有者帰属)は44,436百万円(前連結会計年度比37.1%減)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| (自2014年1月1日 至2014年12月31日) | (自2015年1月1日 至2015年12月31日) | |||
売上収益 | 598,565 | 713,555 | 114,990 | 19.2 | % |
IFRS営業利益 | 106,397 | 94,689 | △11,708 | △11.0 | % |
当期利益 | 70,614 | 44,436 | △26,178 | △37.1 | % |
各セグメントにおける業績は次のとおりです。
当連結会計年度のインターネットサービスセグメントは、主力サービスの国内ECにおいて、楽天経済圏のオープン化戦略、スマートデバイス向けサービスの強化、ビッグデータを活用したマーケティング、ユーザー満足度の向上施策、海外消費者向けサービスの強化等の各種施策を積極的に展開しました。こうした取組の結果、国内ECサービスの売上収益は、前連結会計年度比7.8%増と堅調に推移しました。旅行予約サービスにおいては、国内旅行、レンタカー、インバウンドサービス(外国語サイトからの予約サービス)等が好調でした。海外ECについては、2014年10月に子会社化したEbates Inc.(以下「Ebates社」という。)が業績の拡大に大きく貢献しております。また、コンテンツサービスの領域においては、将来の利益成長に向けた戦略投資を継続する一方、厳格な費用管理やOverDrive社の貢献により業績は改善基調にあります。また、楽天グループは、新しい技術や革新的なビジネスモデルを持つ企業に投資を進めており、それらの投資について株式評価益を計上しております。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は440,744百万円(前連結会計年度比21.5%増)となりました。セグメント利益は、将来成長分野への先行投資を継続しているものの、既存事業からの利益は順調に増加しており、99,508百万円となり、前連結会計年度比では45.4%増となりました。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| (自2014年1月1日 至2014年12月31日) | (自2015年1月1日 至2015年12月31日) | |||
セグメント売上収益 | 362,751 | 440,744 | 77,993 | 21.5 | % |
セグメント損益 | 68,437 | 99,508 | 31,071 | 45.4 | % |
当連結会計年度のFinTechセグメントは、クレジットカード関連サービスにおいては、『楽天カード』会員の増加に伴い、ショッピング取扱高が前連結会計年度比20.2%増となりました。また、リボ残高も順調に積み上がったことで手数料収入等が増加しております。売上収益の順調な成長に加え、会計方針の変更(IFRS第15号の適用(注2))もあり、大幅な利益成長を果たしました。銀行サービスにおいては、ローン残高の伸張に伴い貸出金利息収益が増加しており、加えて費用効率化が奏功し、利益拡大が継続しております。証券サービスにおいては、市況変動の影響があったものの国内株式売買代金が堅調に推移したほか、為替相場の変動に伴い外国為替証拠金の取引量が増加したこと等により、順調な利益成長が継続しました。
この結果、FinTechセグメントにおける売上収益は275,136百万円(前連結会計年度比16.3%増)、セグメント利益は63,899百万円(前連結会計年度比29.1%増)となりました。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| (自2014年1月1日 至2014年12月31日) | (自2015年1月1日 至2015年12月31日) | |||
セグメント売上収益 | 236,520 | 275,136 | 38,616 | 16.3 | % |
セグメント損益 | 49,496 | 63,899 | 14,403 | 29.1 | % |
(注2)IFRS第15号適用についての詳細は後述の注記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2. 重要な会計方針 (会計方針の変更)」をご参照下さい。
当連結会計年度のその他セグメントは、MVNO(仮想移動体通信事業者)サービスである『楽天モバイル』においては、契約者数の増加を目的としたテレビ広告、実店舗での販売等積極的な販促活動が奏功し、売上収益の大幅な増加に貢献しております。2014年3月に連結子会社化したVoIPサービスを提供するVIBER MEDIA LTD.(以下「Viber社」という。)においては、将来の成長に向けた戦略投資を継続しており、ユーザーID数は順調に推移しております。プロスポーツ関連においては、前連結会計年度における主力選手の移籍金収入が剥落しました。
この結果、その他セグメントにおける売上収益は52,092百万円(前連結会計年度比22.7%増)、セグメント損失は8,599百万円(前連結会計年度は191百万円の利益)となりました。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| (自2014年1月1日 至2014年12月31日) | (自2015年1月1日 至2015年12月31日) | |||
セグメント売上収益 | 42,445 | 52,092 | 9,647 | 22.7 | % |
セグメント損益 | 191 | △8,599 | △8,790 | - | % |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ72,394百万円増加し、501,029百万円となりました。このうち、銀行事業に関する日銀預け金は、前連結会計年度末に比べ101,663百万円増加し、348,074百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、78,245百万円の資金流入(前連結会計年度は111,860百万円の資金流入)となりました。これは主に、カード事業の貸付金の増加による資金流出が140,933百万円、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が122,167百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が229,626百万円、税引前当期利益を91,987百万円計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、224,078百万円の資金流出(前連結会計年度は261,085百万円の資金流出)となりました。これは主に、有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が62,044百万円(有価証券の取得による資金流出が69,706百万円、売却及び償還による資金流入が7,662百万円)、子会社の取得による資金流出が60,607百万円、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が34,634百万円(銀行事業の有価証券の取得による資金流出が378,355百万円、売却及び償還による資金流入が343,721百万円)、無形資産の取得による資金流出が34,560百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、221,831百万円の資金流入(前連結会計年度は189,512百万円の資金流入)となりました。これは主に、公募増資等の株式の発行による資金流入が182,550百万円、長期借入金によるネットの資金流入が92,521百万円(長期借入金による資金流入が158,352百万円、長期借入金の返済による資金流出が65,831百万円)となったことによるものです。
当連結会計年度(自 2015年1月1日 至 2015年12月31日)
①売上収益
当社グループが顧客による継続的なアクセスやショッピングを促す目的等で展開するポイントプログラムにおけるポイントに関する将来の負担について、日本基準では、ポイント引当金繰入額として販売費及び一般管理費に計上しておりますが、IFRSでは、そのうち、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に従って会計処理される、顧客に支払われる対価に該当するポイントは、付与時に売上収益から控除しております。この影響により、IFRSの売上収益は日本基準に比べ約40,439百万円減少しております。
当社グループにおける書籍等の販売等について、日本基準では売上高を計上し、関連する売上原価を総額表示しておりますが、IFRSでは、対象となる取引が、IFRS第15号に従って会計処理される、当社グループが他の第三者の代理人の立場で行われる取引に該当するものと判断されるため、売上収益を純額表示しております。この影響により、IFRSの売上収益は日本基準に比べ約36,085百万円減少しております。
②営業利益
のれんは、日本基準では一定の期間に亘って規則的に償却されていますが、IFRSでは償却されず、減損テストの実施が求められています。この影響により、IFRSの営業利益は日本基準に比べ約17,432百万円増加しております。
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
インターネットサービス | 440,744 | 21.5 |
FinTech | 275,136 | 16.3 |
その他 | 52,092 | 22.7 |
内部取引等 | △54,417 | - |
合 計 | 713,555 | 19.2 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
今後も大きな発展が見込まれるインターネット業界において、事業環境の変化に対応し、長期にわたり持続的に成長可能な仕組みを構築することが当社グループの対処すべき課題です。また、事業の成長を通じてインターネット産業の発展と経済成長への貢献を目指します。
当社グループの企業理念、価値観及び行動規範を定める「楽天主義」について、国内外の役職員に対し一層の浸透を図り、経営のスピードと品質を高めてまいります。また、リスク管理体制及び経営管理体制の強化、人材育成等を通じ、ガバナンスの強化に努めます。これらの取組を通じて、ステークホルダーの皆様から信頼される企業ブランドの構築を目指します。
当社グループは、国内外において、楽天グループ会員を中心としたユーザーに対し様々なインターネットサービスを提供するビジネスモデル「楽天経済圏」を中核としております。この「楽天経済圏」において、国内外の会員がEC、デジタルコンテンツ、金融等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化及び顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を目指します。また、事業の特性や市場環境などを踏まえ、事業ポートフォリオの観点より、中長期的な成長が見込まれる分野へ経営資源を集中してまいります。
EC及び旅行予約をはじめとしたインターネットサービスにおいて、顧客満足度向上のための各種施策、楽天経済圏のオープン化戦略、スマートデバイス(スマートフォン及びタブレット端末)向けのサービス強化に取り組むと共に、ビックデータの活用等を通じて、新しい市場の創造を取引先と共に目指します。
クレジットカード、ネットバンキング、オンライン証券等の金融サービスの提供を通じ、楽天会員が複数のサービスを利用可能な「楽天経済圏」のビジネスモデルをより強固なものとすると共に、グループ内シナジー等を通じた同サービスの一層の進化及び成長を目指します。また、金融(Finance)とインターネット技術(Technology)の更なる融合を推進し、ユーザーに新しい価値を提供することを目指します。
電子書籍サービス、ビデオストリーミングサービス等の新しいデジタルコンテンツサービスを通じて、ユーザーに更なる価値を提供することを目指します。
買収したViber社で展開するメッセージングアプリや、MVNO(仮想移動体通信事業者)等の通信サービスを通じて、「楽天経済圏」の会員基盤を拡大すると共に、ユーザーの利便性を更に向上することを目指します。
安定且つ効率的なオペレーションを実現するため、グローバルに統一化されたプラットフォームの構築を目指します。また、ビッグデータ等の解析基盤及び方法に関する研究開発を促進し、ユーザーに使いやすいシステムを構築してまいります。海外拠点も含めた開発体制の強化に努め、世界でもユニークな技術を有する会社になることを目指します。
以下において、当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1 事業環境に関するリスク
当社グループは、主にインターネット業界において、国内外で多様なサービスを提供しております。
世界のインターネット利用者数の増加、EC(電子商取引)市場の拡大等を背景として、当社グループサイト内の流通総額、利用者数等は今後も拡大傾向にあるものと認識しておりますが、インターネットの利用を制約するような法規制、個人情報管理の安全性を中心とした情報セキュリティに対する問題意識の拡がり等の外部要因、景気動向、過度な競争等により、インターネット業界全体及びEC市場の成長が鈍化し、それに伴い当社グループサイト内での流通総額等が順調に拡大しない場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、インターネット広告等に係る売上高が一定の比率を占めておりますが、広告市場は特に景気動向の影響を受けやすいものと考えられることから、景気が後退した場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
インターネットの利用者数の増加に後押しされ、多くの企業がインターネット関連サービスに参入し、商品カテゴリーやサービス形態も多岐に亘っております。また、当社グループの運営するインターネット関連サービス以外のサービスについても多数の事業者が参入しており、激しい競合状況にあります。
当社グループは、引き続き、顧客ニーズ等への対応を図り、サービス拡大に結び付けていく方針でありますが、これらの取組みが予測通りの成果をあげられない可能性や、画期的なサービスを展開する競合他社の出現、価格競争の激化、その他の競合等の結果、当社グループの売上高が低下する可能性があるほか、設備投資や広告宣伝費等の費用の増加を余儀なくされる可能性もあり、係る場合には当社グループの事業及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループがサービスを展開するインターネット業界においては、特に技術分野における進歩及び変化が著しく、新しいサービス及び商品が頻繁に導入されており、当社グループのサービスにおいてもこれらの変化等に対応していく必要があります。しかしながら、何らかの要因により、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たな開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、これらの動向及び対応によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ事業運営の障害となりうる技術が開発される可能性もあり、このような技術が広く一般に普及した場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2 国際事業展開に関するリスク
当社グループは、収益機会の拡大に向けてグローバル展開を主要な経営戦略の一つとして掲げ、欧州、米州、アジア等の多くの地域でインターネットサービスを展開しております。今後とも、在外サービス拠点及び研究開発拠点を拡大していくとともに、各国サービス間の連携強化等に取り組みながら、海外でのサービスの充実を図っていく予定であります。また、国内外のユーザーが国境を越えて日本又は海外の商品及びサービスを購入するためのクロスボーダーサービス等も順次拡大していく予定であります。
他方、グローバルにサービスを展開していく上では、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、経済的・政治的不安、通信環境や商慣習の違い等の様々な潜在的リスク及び特定の国や地域又はグローバルにおいて競争力を有する競合他社との競争が熾烈化するリスクが存在します。更には、外国政府により関係する諸規制が突然変更されるリスクも存在します。当社グループが、これらのリスクに対処できない場合、当社グループの国際事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、サービスの国際展開においては、サービスの立上げ時に、現地における法人設立、人材の採用、システム開発等に係る経費が新規に発生するほか、既存サービスにおいても、戦略的にビジネスモデルを変更する場合等においては、追加的な支出が見込まれることから、これらの費用が一時的に当社グループの収益を圧迫する可能性があります。また、新たな拠点において安定的な収益を生み出すためには、一定の期間が必要なことも予想されます。従って、係る投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない場合には、当社グループにおける経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3 事業の拡大・展開に関するリスク
当社グループは、流通総額の更なる拡大を目的として、各サービスブランドの『楽天』ブランドへの変更や、会員データベースの一元化、ポイントプログラムの共通化を媒介とした会員IDの統合等を推進しております。ブランド名称や会員IDの変更に際しては既存会員のロイヤリティの低下や会員組織からの離脱を招く可能性もあり、これらの施策が期待通りの効果を得られない場合、当社グループサイト内の流通総額及び当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国外市場への進出、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、国内外を問わず積極的な買収(M&A)や合弁事業の展開を行っており、これらを経営の重要戦略として位置付けております。
買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデュー・デリジェンスを行うことによって、極力諸リスクを回避するように努めておりますが、案件の性質上時間的な制約等から十分なデュー・デリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性も否定できません。また、新規サービスの展開に当たってはその性質上、当該新規サービスによる当社グループの事業及び経営成績への影響を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画通りにサービスが展開できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない可能性があります。
被買収企業の情報システムや内部統制システム等との融合、被買収企業の役職員や顧客の維持・承継等が計画通りに進まない可能性や、今後の投融資額が現在の事業規模と比較して多額となる可能性もあることから、財政状態等に関して当社グループ全般にわたるリスクが拡大する可能性があります。
また、合弁事業や業務提携の展開においても、パートナーとなる事業者について、経営成績や財政状態等について詳細な調査を行うとともに、将来の事業契約やシナジー効果について事前に十分に議論することによって、極力リスクを回避するように努めておりますが、サービス開始後において経営方針に相違が生じ、期待通りのシナジー効果が得られないといった可能性も否定できません。そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない可能性があります。
当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早いインターネットを軸とした多岐に渡る産業をサービス領域としております。新しいサービスを創出し、また時代の流れに即したビジネスモデルを構築する目的で、新規のサービス領域に参入を行っております。従来行っていなかった新規サービスを開始するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、そのサービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスク要因でも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。
新規に参入した市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があります。また、サービスの停止、撤退等においては、当該事業用資産の処分や償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。係る場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2013年12月期第1四半期連結会計期間から、連結財務諸表について国際会計基準(IFRS)を適用しておりますが、IFRSにおいては、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と異なり、のれんの定額償却は不要となります。他方、のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が生じており、その効果である回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があり、係る場合には当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
4 各サービスに関するリスク
『楽天市場』、『楽天オークション』等のようなマーケットプレイス型のサービスや、『楽天トラベル』のような宿泊予約サービス、『Ebates』のようなオンライン・キャッシュバック・サービス等においては、取引の場を提供することをその基本的性格としており、マーケットの健全性確保のため偽造品その他の権利侵害品の排除に努めておりますが、当社グループは売買契約等の当事者とはならず、規約においても、販売者又は役務提供者と購入者又は役務の提供を受ける者との間で生じたトラブルについて、当社グループは責任を負わず、当事者間で解決すべきことを定めております。しかし、マーケットプレイス型のサービスにおいて、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合に、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループも取引の場を提供する者として責任を問われ、更には、当社グループのブランドイメージが毀損される可能性があります。また、マーケットプレイス型のサービスにおいては、参加する販売者・役務提供者が、他のマーケットプレイス、自社サイト等に容易に移行できるため、利便性、信頼性の高いシステムに加え、集客力に優れた取引の場を継続的に提供しなければ、販売者・役務提供者が減少し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが一般消費者に対して商品・役務を直接提供する『楽天ブックス』、『楽天kobo』、『楽天モバイル』等のサービスにおいては、当社グループは売買契約等の当事者となり、商品・役務の品質、内容に責任を負っております。商品の販売、役務の提供に際しては、関係法令を遵守し、品質管理に万全を期しておりますが、欠陥のある商品を販売し、又は欠陥のあるサービスを提供した場合、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、商品回収や損害賠償責任等の費用の発生、信用低下による売上高の減少等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、商品については、予測された需要に従って、購入及び在庫水準の管理等を行っておりますが、想定した需要が得られない場合や、技術革新や他社商品との競争の結果、商品価格が大きく下落する場合は、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があります。
デジタルコンテンツの提供を行う電子書籍サービス、ビデオストリーミングサービスにおいては、コンテンツ素材を調達する際に、当社グループの提供するサービスフォーマットへの変換を要する場合があるほか、映像配給会社等の許諾に加え、ライセンサー等に対する事前の最小保証料等支払いを求められる場合があり、係る先行的な費用の支出が一時的に当社グループの経営成績及び財政状態に影響する場合があります。また、コンテンツ収入が当該調達費用を下回る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ユーザー及び出店企業の利用満足度を一層高めるべく、出店企業の物流業務の受託サービスの拡大等を通じた配送品質の向上にも注力しております。
物流拠点の拡大については賃貸等を活用しており、倉庫内設備投資等に際しては、将来見込まれる受注量を予測して実施しておりますが、当該設備の構築、稼動開始までには一定の時間を要するため、係る支出は先行的な投資になる場合があるほか、実際の受託業務での収益が予測を下回る場合には先行費用を補えず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、設備の移転、廃止等が決定された場合においては、当該資産の処分や償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。
楽天カード(株)、楽天銀行(株)、楽天証券(株)及び楽天生命保険(株)等の金融サービスを営む子会社においては、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」、「銀行法」、「利息制限法」、「貸金業法」、「割賦販売法」、「金融商品取引法」、「金融商品販売法」、「商品先物取引法」、「信託業法」、「保険業法」、「資金決済法」、「犯罪収益移転防止法」その他の法令、金融関連諸法規、監督官庁の指針、各証券取引所や業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受けております。これらの各子会社がサービスを行うために必要な許認可につき、将来、何らかの事由により業務の停止、免許等の取消等があった場合、また、法令諸規則、監督官庁の政策、規制、監督指針が新設され、又はこれらにつき当該サービスにとって不利益な変更が行われた場合には、当社グループの事業及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
楽天カード(株)は、2010年6月の改正貸金業法の完全施行により、消費者の年収情報及び信用情報機関を利用し貸金に関する信用供与額を年収の1/3以下に制限すること(いわゆる総量規制)が義務付けられ、新規貸付の制限等を行う必要があり、また、2010年12月の改正割賦販売法の完全施行においても過剰与信禁止に関する措置等が義務付けられたため、それらの事項が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、楽天カード(株)の2007年12月31日以前の貸付契約のごく一部には、利息制限法上の上限利息を超過する利息の定めがあるため、何らかの要因により、楽天カード(株)の引当金算出の前提となる平均請求額等が増加する場合には、当該事業の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
楽天カード(株)においては、主に個人顧客を対象とし、また、運転資金の調達を債権流動化と金融機関の借入金等により賄っていることから、経済環境が悪化し、消費低迷による借入需要の減退、失業率の上昇による自己破産又は多重債務者の増加等が生じた場合、金融市場の情勢変化による金融機関の与信方針の変更があった場合、当社グループの信用状態が悪化した場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、貸倒リスクを軽減するための与信管理システムの維持・運営や、債権回収のノウハウを持つ人材の確保に重大な問題が生じた場合、サービス及び経営成績に支障が生じる可能性があります。
楽天銀行(株)においては、有価証券が当該事業の運用資産の一部を占めており、運用収益に一定程度影響を及ぼす可能性があります。運用資産としては、貸出債権の他に、債券、証券化・流動化商品等の多様な金融商品での運用を行っております。金融商品の運用による収益は、金利、外国為替、市場変動、債務者の信用リスク等により大きく影響を受けることがあり、これらの運用により当該事業が損失を計上した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、貸出債権については、経済動向の悪化、会計基準の変化、保証会社の信用状況の変化、保証履行状況の変化により貸倒引当金及び保証料等与信関連費用が増加する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天証券(株)においては、個人顧客を対象に、株式信用取引、外国為替証拠金取引、投資信託販売、債券取引、先物・オプション取引、海外先物取引、商品先物取引等のサービスを提供しており、委託手数料をその主要な収入源としているため、証券市場等の金融市況の影響を受けております。金融市況は、経済情勢、世界各国の市場動向、政治動向及び規制動向、並びに投資家心理等の影響を受けており、市場低迷が生じた場合や、株式相場の急激な変動等に伴う信用取引高の減少及び顧客への信用取引貸付金等の未回収等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天生命保険(株)においては、個人向け保障性生命保険商品を販売しており、保険契約者からの保険料収入を主な収入源としております。当該サービスは、保険料設定時の予測を超えた死亡率・入院率等保険事故発生率の増加、資産運用環境等の変化による運用資産価値の減少、新規契約の減少や解約契約の増加等による保有契約の著しい減少が生じた場合、また法令上求められる将来の保険金・給付金の支払いに備えた責任準備金がその前提となる状況の変化によって積立不足を生じ、繰入額の増加が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天銀行(株)では、インターネット・バンキングサービスを行っております。当該サービスにおいては、普通預金の引出し、定期預金の解約、他の金融機関への送金又は振込がインターネット上で行えるため、当該子会社及び当社グループのレピュテーションに影響を及ぼす風評が流布される等、不測の事態が発生した場合には、預金の流出が通常の銀行と比較して速いペースで進展する可能性があり、予想を超えた著しい資金流出が起こった場合には事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
近年、金融市場においては、米国大手金融機関の経営破たんに端を発した『リーマン・ショック』、ギリシャをはじめとした各国の財政問題に端を発した欧州経済危機等において、市場の急激かつ大規模な変動や混乱がたびたび生じております。楽天銀行(株)、楽天証券(株)及び楽天生命保険(株)においては、リスク管理方針及び手続を整備し運用しておりますが、これら会社におけるリスク管理方針及び手続の一部は、金融市場において将来発生する種々のリスクを必ずしも正確に予測することができず、有効に機能しない可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天銀行(株)は、独自のATM網を有していないため、ATMの利用に係る契約を締結している(株)三菱東京UFJ銀行、(株)みずほ銀行、(株)セブン銀行、(株)ゆうちょ銀行及び(株)イオン銀行等との関係が悪化した場合又はこれらの業務もしくはシステムに支障が生じた場合、当社グループの事業や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
トラベルサービスにおいては、航空会社、鉄道会社との連携、グローバル化の推進等、国内外の旅行関連事業者との連携により、総合的な旅行関連サービスの強化を図り、サービスを展開していく方針でありますが、提携先との関係が悪化した場合や新たな提携先との協議が順調に進まない場合には、当該事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
楽天コミュニケーションズ(株)は、電気通信役務の円滑な提供のために他の電気通信事業者の通信設備と同社の通信設備を相互接続するための相互接続協定を結んでおります。現状において、電気通信設備を有する者は他事業者に対して原則として接続義務を有しておりますが、電気通信事業法等の改正等により、接続義務の撤廃や緩和等の措置が取られ、同社の負担すべき使用料及び相互接続料等が増加する、又は同社にとって不利な形で条件変更がなされた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社が提供する『楽天モバイル』サービスは、通信キャリアの回線を借り受け、そのサービスを提供しておりますが、何らかの理由により、提携する通信キャリアが回線の利用料を引き上げた場合や当該通信キャリアとの提携が終了するに至った場合等においては、当社が提供するサービスに支障をきたす可能性があるほか、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、直販型のサービスにおける販売商品、運営するウェブサイトにおける検索エンジンやニュース等の一部のコンテンツ、サービスに利用する技術等について、外部の事業者から供給又はライセンスを受けております。今後、当該事業者との関係の悪化、倒産、需要の増大、経済環境の変化、契約変更その他の要因により、供給が中断された場合、有力コンテンツを円滑に導入できなかった場合、供給価格が高騰した場合、ライセンスが停止された場合等には、サービス提供に支障をきたす可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
『楽天市場』等のマーケットプレイス型及び『楽天ブックス』等の直販型サービスでは、販売者から購入者への商品配送は、主に外部の配送事業者に依存しております。今後、配送料金の値上げ、配送条件の悪化等、配送に関するユーザー及び出店企業の満足度が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
5 コンプライアンスに関するリスク
当社グループが展開する各サービスにおいては、「4(5)①法的規制等について」の各項目に記載の他、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「消費者契約法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「古物営業法」、「旅行業法」、「電気通信事業法」、「職業安定法」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「米国海外腐敗行為防止法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。こうした法令の制定や改正、監督官庁による許認可の取消又は処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの提供するサービス規模が大きい場合、販売者、役務提供者その他の取引先に対して健全な取引環境を維持するために当社グループが行う施策の実施、又はその根拠となる規約の内容等が、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に照らして問題とされる可能性があり、その場合には当社グループのサービスが新たな制約を受け、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループがサービスの展開を図る上で、販売者、購入者及び参加者その他の利用者による違法行為やトラブルに巻き込まれた場合、利用者による違法又は有害な情報の発信等により第三者の権利侵害があった場合、もしくはシステム障害等によって販売者、購入者及び参加者その他の利用者や消費者に損害を与えた場合等、当社グループに対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。電子書籍端末については、その製造について提携企業への委託を行っているものの、製造物の欠陥等に伴う、損害賠償等の製造物責任等が当社グループに発生する可能性があります。また、インターネットビジネス自体の歴史が浅く、新たに発生した又は今まで顕在化しなかったビジネスリスクによって、現在想定されない訴訟等が提起される可能性もあります。
一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合に、第三者の権利侵害から当社が保護されない可能性や、訴訟等による当社グループの権利保護のために多大な費用を要する可能性もあります。係る場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6 無形資産に関するリスク
当社グループは、当社設立以来多額の経営資源を投入し、多様なサービス展開、広告宣伝活動等を通じて『楽天』ブランドの確立を図っており、消費者等に対して一定の認知が得られているものと認識しておりますが、今後実施する施策等が想定通りの成果をあげられない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、サービス展開におけるトラブル、役職員による不正等が発覚した場合、当社グループのブランドの信頼性を毀損し、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、特許権、商標権、著作権、ドメインネームその他の知的財産権の取得、又は知的財産権のライセンスを受けることで、当社グループが使用する技術・コンテンツ等についての保護を、国内はもとより国際展開を進める各国においても図っておりますが、当社グループの知的財産権等が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権等の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが使用する技術・コンテンツ等について、知的財産権等の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性があり、また、将来当社グループによる特定のコンテンツもしくはサービスの提供又は特定の技術の利用に制限が課せられ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7 マーケットに関するリスク
当社グループは、連結子会社においてクレジットカード、証券及び生命保険等の金融サービスを展開しており、当該事業資金等については、主として金融機関からの借入金により調達しております。2015年12月期末における外部金融機関からの連結有利子負債(短期及び長期借入金、社債、コマーシャル・ペーパー、証券事業における信用取引借入金及びリース債務の合計)残高は660,897百万円であります。また、同じく連結子会社が展開する銀行事業においては、預金調達を行い、当該資金を有価証券、貸出金等で運用しております。このため、金利市場等の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しております。これらの有価証券等は、金融商品市場の動向等による価格変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引について外貨建で実行するものは、為替変動リスクをヘッジすることを目指しております。また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成しておりますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8 資金調達に関するリスク
当社グループの締結しているローン契約、コミットメントライン契約等借入に係る契約には財務制限条項が規定されている場合もあり、当社グループの経営成績、財政状態又は信用力が悪化した場合には、これらの条項に基づき既存借入金の一括返済を求められ、又は金利及び手数料率の引上げ、もしくは新たな担保権の設定を迫られる可能性があります。今後の資金調達については、金融市場が不安定な場合、また、当社グループの信用力が悪化する等、格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で、適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9 繰延税金資産に関するリスク
当社及び一部の連結子会社においては、国際会計基準(IFRS)に基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の計算は、事業の見通しに基づく将来の課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果が係る予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づいて、当社及び当該子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合や税制及び会計基準の変更が行われた場合、当該繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
10 財務報告に関するリスク
当社グループは、「金融商品取引法」が定める内部統制報告制度に従い、財務報告に係る内部統制を強化しております。しかしながら、当社の内部統制に重要な欠陥が発見された場合、当社グループの社会的信用が低下し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
11 人材に関するリスク
当社グループのサービスにおいては、インターネットや金融をはじめとした各サービス分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大及び国際展開に応じて継続した人材の確保を行うことが欠かせません。今後、各サービス分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の創業者で、代表取締役会長兼社長である三木谷浩史が離職又は業務執行が困難となるような事態が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
12 情報セキュリティ、システム及び通信ネットワークに関するリスク
当社グループは、運営する各種サービスにおいて、住所、氏名、電話番号、クレジットカード番号等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督当局からの処分を受ける可能性があり、係る場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されておりますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障を生じる可能性があるほか、当社サービスの不正な利用、重要なデータの消去又は不正取得等が発生する可能性もあります。
これら事由によるサービスの停止や機能低下が生じた場合、収益機会の喪失、当社グループのシステム自体への信頼性低下又は損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける場合があります。
さらに、当社サービスの不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社グループの損害となります。係る場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
13 災害紛争事故に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループのサービス運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な拠点である日本の首都圏、米国東海岸及び西海岸等において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が停止する可能性もあり、係る場合当社の信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策について検討及び準備を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合にはサービスの継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。
14 事務リスク
当社グループは、業務の遂行において各種情報システムの活用や担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施等、業務の正確性、効率性を高めるための様々な取組みを実施しております。しかしながら一部においては専用の情報システムが導入されておらず人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きのミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務手続きのミスが安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社グループは、社内規範や事務手続きの標準化及び文書化に取り組んでおりますが、当社グループの急速なサービス拡大に伴う組織の改編、社員の増加等により、業務遂行に必要な知識の共有、継承が不十分になる可能性があり、その結果生じ得る事務手続きのミスの増加や生産性の低下が、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
15 風評リスク
当社グループを対象に、当社グループに関する様々な内容の報道や情報の流布が行われることがあります。これら報道や情報の流布については、必ずしも正確な情報に基づいていないものや、憶測に基づいたものも含まれておりますが、それらの内容の正確性や当社グループの該当有無に関わらず、当社サービスの利用者や投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性が考えられます。これらの報道や情報の流布の内容、規模等によっては、当社グループの事業及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2015年3月11日開催の臨時取締役会において、当社子会社によるLyft, Inc.の株式取得を決議し、新株購入契約を締結いたしました。
また、当社は、2015年3月19日開催の定時取締役会において、当社子会社によるOverDrive Holdings, Inc.を子会社化することを目的とし、同社の全発行済株式を取得することにつき決議し、株式売買契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 44. 企業結合」に記載のとおりであります。
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っております。日本の拠点に加え、2010年6月には米国ニューヨーク市に、2014年2月にはフランスのパリ市に、2015年7月には、シンガポールと米国ボストンに研究拠点を設け研究体制の拡大を図っております。研究のテーマは、今後のインターネットの拡大の方向性についてのビジョンより言語処理・データ解析、マルチメディア・ユーザーインターフェイス、大規模・分散の3つの研究領域を設定しており、その具体的な内容は下記のとおりです。なお、当社グループの研究開発は、インターネット関連の基礎技術に関するものであり、特定のセグメントに区分することが困難なため、セグメント別には記載しておりません。当連結会計年度の研究開発に要した費用の総額は8,364百万円であります。
言語処理・データ解析領域では、当社グループが所有する豊富にあるテキストデータを高度に解析する技術や、多量データの計算を高速化する技術を開発することで、各事業に横展開可能な多様なレコメンデーションの開発につなげております。
ウェブ上で増加し続ける動画や静止画、音楽のマルチメディアコンテンツを解析・検索することによって、リッチなコンテンツ体験として提示するためのユーザーインターフェイスを開発し、当社及び当社グループのユーザーインターフェイスレベルを全体的に向上させております。
当社及び当社グループのシステムの拡大に従って、大量に増え続けるログや顧客・商品データを圧倒的効率性で解析するための、並列・分散等のインフラ処理基盤を開発し、競争力を生み出しております。
当社グループは、インターネットサービスと、FinTechという2つの事業を基軸とした総合インターネットサービス企業です。インターネットサービスの主力の国内EC事業においては、取扱高においてシェア1位(※1)を保持しているリーディングカンパニーです。
(※1:通販・e-コマースビジネスの実態と今後 富士経済)
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は713,555百万円となり、前連結会計年度の598,565百万円から114,990百万円(19.2%)増加しました。これは、インターネットサービスセグメントにおいて、国内の既存事業の堅調な成長に加えて、Ebates社の売上収益が順調に増加していることや、新しく連結対象となった連結子会社による貢献等によるものです。加えて、FinTechにおける『楽天カード』会員の増加に伴う手数料収入の増加、ローン残高の伸張に伴う貸出金利息収入の増加等も売上収益の増加に寄与しています。
(営業費用)
当連結会計年度における営業費用は601,001百万円となり、前連結会計年度の491,279百万円から109,722百万円(22.3%)増加しました。これは、事業の拡大に伴い、商品及び役務提供に係る原価、従業員給付費用、広告宣伝費及び販売促進費が増加したこと等によるものです。
(その他の収益)
当連結会計年度におけるその他の収益は26,991百万円となり、前連結会計年度の6,724百万円から20,267百万円(301.4%)増加しました。当社グループは、新しい技術や革新的なビジネスモデルを持つ企業への投資を行っており、これらについて、有価証券評価益を計上したこと等によるものです。
(その他の費用及び減損損失)
当連結会計年度におけるその他の費用及び減損損失は44,856百万円となり、前連結会計年度の7,613百万円から37,243百万円(489.2%)増加しました。これは、のれん等の減損損失が35,834百万円増えたこと等によるものです。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は94,689百万円となり、前連結会計年度の106,397百万円から11,708百万円(11.0%)減少しました。これは、インターネットサービスセグメント及びFinTechセグメントにおいて既存事業の利益が順調に増加し、新規事業の収益性も改善した一方で、のれん等の減損損失を計上した影響によるものです。
(税引前当期利益)
当連結会計年度における税引前当期利益は91,987百万円となり、前連結会計年度の104,245百万円から12,258百万円(11.8%)減少しました。これは、営業利益で説明したものに加え、借入金の増加に伴う金融費用の増加等によるものです。
(法人所得税費用)
当連結会計年度における法人所得税費用は47,707百万円となり、前連結会計年度の33,142百万円から14,565百万円(43.9%)増加しました。当連結会計年度における実効税率は51.9%と、日本国内における法定実効税率を上回りました。これは、減損損失及び海外子会社から発生する損失等を計上し、これらについて繰延税金資産の認識が認められないこと等によるものです。
(当期利益)
以上の結果、当期利益は44,280百万円となり、前連結会計年度の71,103百万円から26,823百万円(37.7%)減少しました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は44,436百万円となり、前連結会計年度の70,614百万円から26,178百万円(37.1%)減少しました。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は4,269,953百万円となり、前連結会計年度末の資産合計3,680,695百万円と比べ、589,258百万円増加しました。これは主に、カード事業の貸付金が140,934百万円増加、銀行事業の貸付金が122,167百万円増加、有価証券が100,731百万円増加、現金及び現金同等物が72,394百万円増加、その他の資産が37,234百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は3,605,940百万円となり、前連結会計年度末の負債合計3,252,609百万円と比べ、353,331百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が229,589百万円増加、社債及び借入金が59,268百万円増加したことによるものです。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は664,013百万円となり、前連結会計年度末の資本合計428,086百万円と比べ、235,927百万円増加しました。これは主に、公募増資等により資本金及び資本剰余金が182,135百万円増加、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益を44,436百万円計上したこと等により利益剰余金が52,038百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ72,394百万円増加し、501,029百万円となりました。このうち、銀行事業に関する日銀預け金は、前連結会計年度末に比べ101,663百万円増加し、348,074百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、78,245百万円の資金流入(前連結会計年度は111,860百万円の資金流入)となりました。これは主に、カード事業の貸付金の増加による資金流出が140,933百万円、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が122,167百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が229,626百万円、税引前当期利益を91,987百万円計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、224,078百万円の資金流出(前連結会計年度は261,085百万円の資金流出)となりました。これは主に、有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が62,044百万円(有価証券の取得による資金流出が69,706百万円、売却及び償還による資金流入が7,662百万円)、子会社の取得による資金流出が60,607百万円、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が34,634百万円(銀行事業の有価証券の取得による資金流出が378,355百万円、売却及び償還による資金流入が343,721百万円)、無形資産の取得による資金流出が34,560百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、221,831百万円の資金流入(前連結会計年度は189,512百万円の資金流入)となりました。これは主に、公募増資等の株式の発行による資金流入が182,550百万円、長期借入金によるネットの資金流入が92,521百万円(長期借入金による資金流入が158,352百万円、長期借入金の返済による資金流出が65,831百万円)となったことによるものです。
当社グループは、インターネットサービス、FinTech及びその他のサービスを有する総合インターネットサービス企業であり、EC(電子商取引)事業を中心に複数のビジネスを行っております。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に従い計上しており、変動対価等を含む売上収益の額に重要性はありません。また、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれておりません。
インターネットサービス
インターネットサービスセグメントにおいては、『楽天市場』、『楽天トラベル』、『Ebates』、『ケンコーコム』、『楽天ブックス』等のサービスを提供し、主な収益を下記の通り認識しております。
楽天市場及び楽天トラベル
マーケットプレイス型ECサービスである『楽天市場』や、旅行予約サービスである『楽天トラベル』等においては、取引の場を顧客に提供することをその基本的な性格としております。当社グループは、これらのサービスの運営にあたり、出店者・旅行関連事業者への出店サービス及びシステム利用に関するサービス、当社グループを通じた販売拡大のための広告関連サービス、出店者・旅行関連事業者と消費者の決済に関する決済代行サービス等を提供しております。また、これらのサービスは諸規約に基づき、サービス内容や当事者間の権利と義務が定められており、サービスの内容の区分可能性や顧客への移転パターンに基づき、主な履行義務を下記の通りに識別して、収益を認識しております。
システム利用に関するサービスについて、当社グループは規約に基づき、出店者・旅行関連事業者に対して出店者・旅行関連事業者と主として楽天会員との間での個々の取引の成立に関するサービスの提供を行う義務を負っております。当該履行義務は、出店者・旅行関連事業者と主として楽天会員との個々の取引の成立時点で充足されるものであり、当該履行義務の充足時点で、流通総額(出店者・旅行関連事業者の月間売上高)にサービス別・プラン別・流通総額の規模別に定められている料率を乗じた金額にて収益を計上しております。当該金額は、履行義務の充足時点である取引成立時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。
広告関連サービスについて、当社グループは広告規約に基づき、出店者・旅行関連事業者に対し期間保証型の広告関連サービスを提供しており、契約で定められた期間に渡り、広告を掲示する義務を負っております。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて期間均等額で収益を計上しております。広告料金の支払いは、原則として広告掲載開始日が属する月の翌々月末までに行われます。
決済代行サービスについて、当社グループは、カード決済規約に基づき、楽天グループのサービスを利用する消費者と出店者・旅行関連事業者との間での決済代行サービスを提供しております。当該サービスにおいては、クレジットカードによる取引代金決済のための取引承認、代金決済情報やキャンセル等のデータを送受信・処理する義務を負っております。当該サービスについては、主に消費者のカード利用取引が生じた時点が履行義務の充足時点となると判断し、同時点で手数料収益を計上しております。当該手数料の支払いは、履行義務の充足後、支払区分に基づいた請求締切日から1ヶ月半以内に受領しております。
『楽天市場』への出店サービスについて、当社グループは規約に基づき出店者に対し契約期間に渡り、楽天グループのマーケットプレイス型ECウェブサイトへの出店サービス及び出店コンサルティングサービス等を提供する義務を負っております。当該履行義務は、契約期間に渡り時の経過につれて充足されるものであり、収益は当該履行義務が充足される契約期間において、出店形態別に定められた金額に基づき、各月の収益として計上しております。なお、取引の対価は3ヶ月、半年あるいは1年分を履行義務の充足前である契約時に前受けする形で受領しております。
Ebates
『Ebates』においては、Ebates会員に対するキャッシュバックを通じ、Ebates会員による小売業者(顧客)のウェブサイトでの購入を促進するサービス(以下「キャッシュバックサービス」)、ウェブサイトにおける広告掲示、個人向けターゲティングメールサービス等を提供しております。主なサービスであるキャッシュバックサービスに関しては、契約に基づきEbates会員による小売業者のウェブサイトでの購入を促進する義務を負っており、当該履行義務はEbates会員による購入時点が履行義務の充足時点となると判断しております。Ebates会員の購入を確認した時点で購入金額に一定の料率を乗じた金額を手数料として収益計上しており、同時にEbates会員に対するキャッシュバック費用を計上しております。当該サービスの提供により生じる収益及び費用は、『Ebates』が顧客及びEbates会員とのそれぞれに対して価格設定を含む取引の裁量権を有していることから総額にて計上しており、手数料は履行義務の充足時点である注文確定月の月末から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。
ケンコーコム及び楽天ブックス
インターネットサービスのうち、当社グループが主に楽天会員に対して商品を提供するインターネット通販サイト『ケンコーコム』及び『楽天ブックス』等のサービスにおいては、当社グループが売買契約の当事者となります。これらの直販型の取引においては顧客に商品が到着した時点で収益を計上しております。また、履行義務の充足時期である商品到着後、概ね2ヶ月以内に支払を受けております。なお、楽天ブックスのうち、国内における書籍(和書)販売については、再販売価格維持制度を考慮すると代理人取引としての性質が強いと判断されるため、収益を関連する原価と相殺のうえ、純額にて計上しております。
FinTech
FinTechセグメントにおいては、『楽天カード』、『楽天銀行』、『楽天証券』、『楽天生命』等の金融サービスを提供し、主な収益を下記の通り認識しております。
楽天カード
『楽天カード』においては、主としてクレジットカード関連サービスを提供しております。主にクレジットカード利用者と加盟店間の資金決済を通じて得られる加盟店手数料、クレジットカード利用者から得られるリボルビング払い手数料、分割払い手数料及びキャッシング手数料を得ております。加盟店手数料に関しては、カード会員のショッピング取引後、加盟店から当社へ売上データが送信されたタイミングにおいて、決済サービスの提供という履行義務が充足されるため、同時点でクレジットカードの決済金額に一定の料率を乗じた手数料収益を計上しております。また、取引価格の1%分の通常ポイントをカード会員に付与しており、これらのポイント費用は加盟店手数料から控除しております。当社はカード会員から基本的に1ヶ月に1回所定の日にカード利用代金の回収を行うため、履行義務充足後、概ね2ヶ月以内に実質的に支払を受ける事となります。リボルビング払い手数料及び分割払い手数料と融資収益に含まれるキャッシング手数料に関しては、リボルビング残高、分割支払回数及びキャッシング残高に対してそれぞれ一定の料率を乗じた利息収益を、IFRS第9号に従いその利息の属する期間に認識しております。
楽天銀行
『楽天銀行』においては、インターネットを通じた銀行業務(預金、貸出、為替)およびその他様々なサービスを提供しております。貸出については、個人向けローンである「楽天スーパーローン」及び住宅ローンである「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」等を取り扱っており、貸出金利息収入を得ております。また、資金運用から生じる有価証券利息等の利息収入も得ております。貸出金利息や有価証券利息等の資金運用収益は、IFRS第9号に従い、その利息の属する期間に収益を認識しております。為替手数料等については、取引が行われた時点で履行義務が充足されるため、同時点において手数料収益を認識しております。
楽天証券
『楽天証券』においては、金融商品取引業務とその他の付随業務を提供し、これら取引に付随して発生する手数料やトレーディング損益、利息等を収益の源泉としております。金融商品取引業務には、国内株式取引に加え、外国株式取引、投資信託の販売等、様々な取引が存在し、それぞれの手数料体系は異なっております。現物株式に関する委託取引、信用取引及び投資信託の販売取引等に関連して発生する手数料に関しては、約定日等の取引成立時において履行義務が充足されるため、同時点において手数料収益を計上しております。現物株式取引から生じる手数料については、原則として履行義務の充足後3営業日以内に、信用取引及び先物取引から生じる手数料は建玉の決済が行われる半年から概ね1年以内に受領しております。また、IFRS第9号に従い、外国為替証拠金取引については、公正価値で測定された利得及び損失が売上収益及び営業費用にそれぞれ計上され、国内株式信用取引の建玉に対する金利収益については、その利息の属する期間に収益を認識しております。
楽天生命
『楽天生命』においては、生命保険業務を行っており、主たる商品である個人向け保障性生命保険契約からの保険料等収入及び有価証券利息を中心とした資金運用収益を計上しております。保険料等収入を構成する保険料は、IFRS第4号に従い、個別契約ごとに予め定められた保険料率により算定された金額を収益として計上しております。また、資金運用収益については、IFRS第9号に従い、その発生期間に収益を認識しております。
その他
その他セグメントにおいては、通信事業等の各種サービスを提供し、主な収益を下記の通り認識しております。
楽天コミュニケーションズ
『楽天コミュニケーションズ』においては、中継電話事業を中心とした電話関連サービス及びインターネット接続サービス等を提供しております。電話関連サービスについては、契約に基づき、契約者に対して常時利用可能な回線を提供し、当該回線を利用した通話サービスの提供を行う事を履行義務として識別しております。常時利用可能な回線を維持する履行義務については時の経過に基づき、通話サービスの提供については回線の利用に応じて履行義務が充足されると判断しております。したがって、回線の提供については契約期間に渡って期間均等額により収益として計上するとともに、通話サービスの提供については回線の利用状況に応じた回線使用料を各月の収益として計上しております。また、インターネット接続サービスについては、契約期間に渡り、契約者へのインターネット回線の提供を行う事を履行義務として識別しており、回線使用料を各月の収益として計上しております。各月の収益として計上された金額は、利用者により選択された決済手段に従って、クレジット会社等が別途定める支払条件により履行義務充足後、短期のうちに支払いを受けております。
東北楽天ゴールデンイーグルス
『東北楽天ゴールデンイーグルス』においては、プロ野球チームの運営を通じて、チケットの販売や関連グッズ等の商品販売、スタジアムにおける広告の掲載等のサービスを提供しております。チケットの販売に関しては、試合が行われる毎に履行義務が充足されると判断しており、当該時点において収益を認識しております。チケット代金は、予約申込成立後、購入者が選択した決済方法に従って、クレジット会社等が別途定める支払条件により支払いを受けております。商品販売につきましては、商品の引渡時点において履行義務が充足されると判断しており、当該引渡時点において収益を認識しております。商品代金は履行義務の充足時点である商品引渡時に受領しております。広告サービスについては、契約で定められた期間に渡り、広告を掲示する義務を負っております。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて期間均等額で収益を計上しております。広告料金の支払いは、原則として契約期間の開始後4ヶ月以内に行われます。
繰延税金資産は、それらが利用される将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しております。当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りは当社グループとしても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループが繰延税金資産を減額する可能性もあります。
当社グループの証券事業の金融資産は、主に短期間で決済されるものであり、公正価値は帳簿価額に近似していることから、当該帳簿価額を公正価値としております。
当社グループの有価証券、銀行事業の有価証券及び保険事業の有価証券については、これらのうち、上場株式の公正価値については連結会計年度末日の市場の終値、非上場株式の公正価値については類似業種比較法等、適切な評価技法を用いて算定しております。債券等の公正価値については、売買参考統計値、ブローカーによる提示相場等、利用可能な情報に基づく合理的な評価方法により算定しております。
当社グループのデリバティブ資産のうち、為替予約については、先物為替相場等に基づき連結会計年度末日の公正価値を算定しております。また、金利スワップの公正価値は、将来のキャッシュ・フローを満期までの期間及び連結会計年度末日の金利スワップの利率により割り引いた現在価値により算定しております。なお、金利スワップ契約の取引相手先は高格付けを有する金融機関に限定しており、信用リスクは僅少であるため、公正価値の算定にあたり考慮しておりません。
なお、その他の金融資産は、主に短期間で決済されるものであり、公正価値は帳簿価額に近似しております。