第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
  また、重要事象等は存在していません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)  経営成績の分析

当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。

Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。

      (注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。

 

当第1四半期連結累計期間の経営成績(Non-GAAPベース)

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあります。日本経済においても、同影響による経済活動の低下を受け、企業収益においても急速な減少がみられる等、感染症が内外経済を更に下振れさせるリスクに十分注意する必要があります。他方、感染症拡大防止の観点から、各自治体による施設や店舗への休業要請、外出自粛要請等が発令される中で、人との接触機会を減らしながら、商品を購入、サービスを享受することが出来るインターネットサービスや、ネット金融サービスへの人々の需要は高まっており、同サービスを提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。

このような環境下、当社グループは、国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、感染症の影響による事業リスクの分散を図るとともに、引き続き、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスの展開、AI等を積極的に活用したサービスの開発・展開を進めています。

インターネットサービスの主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略、送料込みラインの統一施策の導入、自社物流網の整備・強化等に注力しました。海外インターネットサービスにおいては、ブランド認知度の向上及び事業の拡大に向けた取組を続けています。

フィンテックにおいては、『楽天カード』会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益の増加に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や事務の効率化等により、マイナス金利政策の環境下にもかかわらず、売上収益及び利益拡大が続いています。証券サービスにおいては、2020年2月及び3月の月間新規獲得口座数が2カ月連続で過去最多数となるなど、会員基盤の急速な拡大が続くと同時に、国内株式市場における手数料収入、FX手数料等の増加により、売上収益及び利益の増加に貢献しました。

モバイルにおいては、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを提供する携帯キャリア事業として、2020年4月8日より本格的なサービスを開始しました。2020年1月には音声・データ通信サービスを無償でご利用いただける「無料サポータープログラム」において、最大20,000人の追加募集を行い、ネットワークサービスエリアでの利用を通じて、安定性の検証を含めた品質の向上に努めたほか、基地局の開設等を加速させています。

これらにより、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上収益は331,443百万円(前年同期比18.2%増)、Non-GAAP営業損失は18,136百万円(前年同期は117,977百万円の営業利益)となりました。

 

(Non-GAAPベース)

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第1四半期
 連結累計期間)

(当第1四半期
 連結累計期間)

売上収益

280,294

331,443

51,149

18.2

%

Non-GAAP営業利益
又は損失(△)

117,977

△18,136

△136,113

%

 

 

Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整 

当第1四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は2,634百万円、株式報酬費用は3,284百万円となりました。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

 

(前第1四半期
 連結累計期間)

(当第1四半期
 連結累計期間)

Non-GAAP営業利益
又は損失(△)

117,977

△18,136

△136,113

無形資産償却費

△2,356

△2,634

△278

株式報酬費用

△1,959

△3,284

△1,325

IFRS営業利益
又は損失(△)

113,662

△24,054

△137,716

 

 

当第1四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)

当第1四半期連結累計期間における売上収益は331,443百万円(前年同期比18.2%増)、IFRS営業損失は24,054百万円(前年同期は113,662百万円の営業利益)、四半期損失(親会社の所有者帰属)は35,319百万円(前年同期は104,981百万円の利益)となりました。

 

(IFRSベース)

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第1四半期
 連結累計期間)

(当第1四半期
 連結累計期間)

売上収益

280,294

331,443

51,149

18.2

%

IFRS営業利益
又は損失(△)

113,662

△24,054

△137,716

%

四半期利益又は損失(△)
(親会社の所有者帰属)

104,981

△35,319

△140,300

%

 

 

(2)  セグメント別業績

各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。

前第2四半期連結会計期間より、研究開発を行う機能子会社等におけるセグメント構成の変更及び本社管理部門における共通費の配賦方法を変更し、遡及適用しています。この変更に伴い、遡及適用前と比較して前第1四半期連結累計期間のインターネットサービスセグメントにおけるセグメント売上収益が879百万円減少、セグメント損益が774百万円減少、フィンテックセグメントにおけるセグメント売上収益が276百万円減少、セグメント損益が2,821百万円減少、モバイルセグメントにおけるセグメント損益が259百万円減少しています。なお、連結上の売上収益、Non-GAAP営業利益及び営業利益に与える影響はありません。

 

(インターネットサービス)

主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、包括的な物流サービスを提供する「ワンデリバリー」構想のもと、自社物流施設への楽天市場出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマイルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に努め、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、送料込みラインの統一施策の導入により、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上に注力しています。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や医療品・日用品等の通信販売等を行う『Rakuten 24』などにおいては、いわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、取扱高に押し上げの効果が見られました。一方で、インターネット旅行予約サービスの『楽天トラベル』においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、外出自粛等の影響を強く受け、特に2020年3月以降の予約低迷、キャンセルが相次ぎました。海外インターネットサービスにおいては、ブランド認知度の向上及び事業の拡大に向けた取組を続けています。

この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は190,678百万円(前年同期比12.8%増)、セグメント損失は4,431百万円(前年同期は110,691百万円の利益)となりました。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第1四半期
 連結累計期間)

(当第1四半期
 連結累計期間)

セグメントに係る
売上収益

169,096

190,678

21,582

12.8

%

セグメント損益

110,691

△4,431

△115,122

%

 

 

(フィンテック)

クレジットカード関連サービスにおいては、『楽天カード』会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益の増加に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や事務の効率化等により、マイナス金利政策の環境下にもかかわらず、売上収益及び利益拡大が続いています。証券サービスにおいては、2020年2月及び3月の月間新規獲得口座数が2カ月連続で過去最多数となるなど、会員基盤の急速な拡大が続くと同時に、国内株式市場における手数料収入及びFX手数料の増加により、売上収益及び利益の増加に貢献しました。

この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は140,038百万円(前年同期比22.9%増)、セグメント利益は19,826百万円(前年同期比14.7%増)となりました。

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第1四半期
 連結累計期間)

(当第1四半期
 連結累計期間)

セグメントに係る
売上収益

113,939

140,038

26,099

22.9

%

セグメント損益

17,284

19,826

2,542

14.7

%

 

 

(モバイル)

モバイルにおいては、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを提供する携帯キャリア事業として、2020年4月8日より本格的なサービスを開始しました。これに伴い、仮想移動体通信事業者(MVNO)サービスの新規受付を終了しました。2020年1月には音声・データ通信サービスを無償でご利用いただける「無料サポータープログラム」において、最大20,000人の追加募集を行い、ネットワークサービスエリアでの利用を通じて、安定性の検証を含めた品質の向上に努めたほか、基地局の開設等を加速させています。メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』は、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が大幅に増加しています。

この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は39,233百万円(前年同期比54.7%増)、セグメント損失は31,828百万円(前年同期は6,684百万円の損失)となりました。

 

(単位:百万円)

 

前年同期

当期

増減額

増減率

 

(前第1四半期
 連結累計期間)

(当第1四半期
 連結累計期間)

セグメントに係る
売上収益

25,363

39,233

13,870

54.7

%

セグメント損益

△6,684

△31,828

△25,144

%

 

 

(3)  財政状態の分析

(資産)

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は9,522,104百万円となり、前連結会計年度末の資産合計9,165,697百万円と比べ、356,407百万円増加しました。これは主に、カード事業の貸付金91,879百万円減少した一方で、資金調達等により現金及び現金同等物218,768百万円増加証券事業の金融資産121,275百万円増加有形固定資産118,813百万円増加したことによるものです。

 

(負債)

当第1四半期連結会計期間末の負債合計は8,838,574百万円となり、前連結会計年度末の負債合計8,428,497百万円と比べ、410,077百万円増加しました。これは主に、証券事業の金融負債191,270百万円増加社債及び借入金177,233百万円増加したことによるものです。

 

(資本)

当第1四半期連結会計期間末の資本合計は683,530百万円となり、前連結会計年度末の資本合計737,200百万円と比べ、53,670百万円減少しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期損失を35,319百万円計上したこと等により利益剰余金41,745百万円減少したことによるものです。

 

(4)  キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ218,768百万円増加し、1,697,325百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、143,801百万円の資金流入(前年同期は58,017百万円の資金流出)となりました。これは主に、証券事業の金融資産の増加による資金流出が121,196百万円となった一方で、証券事業の金融負債の増加による資金流入が191,238百万円、銀行事業の預金の増加による資金流入が93,325百万円となったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、83,272百万円の資金流出(前年同期は18,495百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流入が15,335百万円(有価証券の売却及び償還による資金流入が127,618百万円、有価証券の取得による資金流出が112,283百万円)となった一方で、有形固定資産の取得による資金流出が69,688百万円、無形資産の取得による資金流出が21,263百万円となったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、159,134百万円の資金流入(前年同期は161,268百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が92,808百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が110,000百万円、短期借入金の増加による資金流入が97,459百万円、コマーシャル・ペーパーの増加による資金流入が57,600百万円となったことによるものです。

 

 

(5)  経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)  研究開発活動

当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。

 当第1四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は2,421百万円です。

 

(7)  従業員数

当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(8)  生産、受注及び販売の実績

① 生産実績及び受注実績

当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。

② 販売実績

当社グループは当第1四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。

 

(9)  主要な設備

当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。