第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、中国や新興国経済の景気減速の影響が見られたものの、企業収益の拡大とともに雇用の改善や所得・設備投資に持直しの動きが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

 

当企業集団が属する情報サービス産業におきましても、金融・公共分野を中心に制度対応などの情報化投資が活発化したことから、市場全体の売上高は引き続き緩やかに成長いたしました。

 

このような事業環境の下で、当企業集団は2年目となりました中期経営計画「S.KCSチャレンジ50“飛躍” ~ PhaseⅠ 飛躍に向けた体質強化 ~」に取り組み、本計画で掲げる5項目の重点施策を推進してまいりました。

 

① グループ経営によるストックビジネス強化

子会社である株式会社KCSソリューションズ(以下、「KCSソリューションズ」という。)との連携強化により受注した大規模案件が売上に寄与したほか、三井住友フィナンシャルグループ各社と連携して推進している決済関連サービスが首都圏地区を中心に増加するなど、売上高は前年同期比で増加し、全売上高に占める割合も引き続き3割強となっております。

 

② 首都圏市場への取組強化

首都圏市場における取組強化のため、平成27年4月1日付で一般民需向け直販ビジネスを行う東西の事業部門を集約いたしました。これにより、関西地区で培った豊富なノウハウを移植し、自社ソリューションやアウトソーシングサービスを中心とした営業活動の結果、決済関連サービスなどの商談が活発化し、売上高も前年同期比で増加しております。

 

③ 商品開発への積極的な投資

当期においては、商談が増加している『債権管理ゲートウェイサービス』や自治体向け周辺業務パッケージ『Sossian(ソシアン)』など当社が強みとしている既存の商品・サービスについて、市場ニーズに合わせた機能追加やレベルアップを積極的に実施しております。

また、商品開発と人材育成、技術習得を同時に実施する『F-LAB(*1)』についても、2年間でのべ10名の社内技術者が参加し、8案件の開発を実施いたしました。また、開発したシステムは社内業務で活用するとともに、一部は商品化を行っております。

 

④ 体制・インフラの整備

体制面では、一般民需向け直販ビジネスを行う事業部門を統合したほか、新たに取り組むヘルスケアビジネス担当部門の新設、ベンダービジネス対応部門の集約など、ビジネス環境の変化に応じた変更を行うとともに、本部組織についても部門統合による効率化を図りました。

インフラ面では、業務量拡大に応じたコンタクトセンター拡張とともに神戸地区における効率的な部門配置など保有資産の有効活用と円滑な業務遂行のための環境整備を進めたほか、社内システム整備による業務効率化や情報セキュリティレベルの強化によるリスク管理機能の向上を図るなど、事業基盤の一層の向上に取り組みました。

 

⑤ 人材育成とダイバーシティの推進

人材育成については、若手社員を中心に地域・事業部門を越えたローテーションを一層活発化するとともに、技術・業務ノウハウの習得を目的とした外部出向などの取組みを引き続き実施いたしました。また、継続実施している「ワーク・ライフ・バランス推進運動」についても、休暇取得状況を中心に改善が進んでおります。こうした取組みにより、社員を対象に定期的に実施している職場アンケートにおいて、職場の雰囲気や社員の活力・満足度などの向上がみられ、活性化につながっております。

また、ダイバーシティ推進の面では、従業員一人ひとりが個性・能力を最大限に発揮できる環境を整備し、組織力の一層の強化を図ることを目的として、「ダイバーシティ推進室」を新設しております。なお、平成28年4月に「女性活躍推進法」に基づく「行動計画」を策定しており、女性が働きやすい職場環境の整備や女性のキャリア形成の支援強化に一層注力してまいります。

 

*1 「F-LAB」とは、「ファシリテーションラボ」の略称で、社内の技術者を各事業部門から一時的に選抜し、戦略的商品や緊急性の高い社内システムを短期的かつ集中的に開発する仕組みのことであります。

 

 

当連結会計年度の業績につきましては、売上高が、金融関連部門でシステム構築及びシステム運用管理が増加したことに加え、公共関連部門でシステム構築及びシステム機器販売が増加したことなどを主因として、前年同期比1,054百万円(4.7%)増の23,546百万円と、5期連続の増収となりました。

 

損益面につきましても、増収効果や要員の高稼働状態が続いたことによる増益要因が、前期に続いて発生した大規模不採算案件の影響や社内システム関連費用増加などの減益要因を上回ったことから、売上総利益は4,510百万円と前年同期比151百万円(3.5%)の増益となりました。加えて、株式市場好転に伴う退職給付関連費用減少や早期退職制度応募者減少などに伴う人件費の減少、さらに全社的に取り組んだ業務プロセスの見直しなど効率化による経費削減効果などにより、販売費及び一般管理費が前年同期比87百万円減少したことから、営業利益は389百万円と前年同期比239百万円(159.4%)の増益、経常利益も462百万円と前年同期比218百万円(89.3%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益も267百万円と前年同期比130百万円(95.2%)の増益となりました。

 

連結のセグメント別売上高は、次のとおりです。

 

①  金融関連部門

三井住友フィナンシャルグループ向け取引において、システム構築が順調に増加したことに加え、事務書類の電子化といったBPO(*2)案件の受注に伴うシステム運用管理の増加もあり、売上高は8,713百万円と前年同期比850百万円(10.8%)の増収となりました。

 

②  公共関連部門

基幹システム更改案件やマイナンバー制度開始に伴うシステム改修案件など自治体向けのシステム構築及びシステム機器販売が増加したことから、売上高は5,423百万円と前年同期比546百万円(11.2%)の増収となりました。

 

③  産業関連部門

大手ベンダー向け取引が堅調に推移したことからシステム構築が前年同期比微増となりましたが、システム機器販売が前期の大規模案件獲得の反動により大きく減少したことなどを主因として、売上高は9,408百万円と前年同期比342百万円(3.5%)の減収となりました。

 

*2 「BPO」とは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略で、単なる情報システムのアウトソーシングではなく、お客さまの業務についてその企画・運営から人材の確保まで、一括して請け負うサービスのことであります。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末比7百万円減少し、4,718百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比140百万円減少し610百万円のプラスとなりました。資金減少の主な要因は、税金等調整前当期純利益の増益があった一方で、大口案件の増加に伴い期末の売上債権が増加したことに加えて、仕入債務の支払による支出が先行したことにより一時的に資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比2,378百万円増加し、95百万円のマイナスとなりました。資金増加の主な要因は、前期に期間が3ヵ月を超える譲渡性預金の取得による支出があったことによるものであります。

当連結会計年度における資金減少の主な要因は、固定資産の取得によるものであります。 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比65百万円減少し、523百万円のマイナスとなりました。

当連結会計年度における資金減少の主な要因は、リース債務の返済及び配当金の支払いによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(百万円)

前年同期比(%)

金融関連部門

 

 

  システム構築

6,432

109.3

  システム運用管理

1,988

114.0

  その他の情報サービス

115

79.9

  小計

8,536

109.8

公共関連部門

 

 

  システム構築

2,235

110.7

  システム運用管理

1,336

103.8

  その他の情報サービス

745

114.4

  小計

4,316

109.1

産業関連部門

 

 

  システム構築

4,948

100.2

  システム運用管理

1,526

96.6

  その他の情報サービス

1,301

98.0

  小計

7,775

99.1

合計

20,628

105.4

 

(注) 1 システム構築の生産高については、当連結会計年度の販売実績高に仕掛増減額の販売高相当額を加味し、算出しております。なお、それ以外につきましては、販売高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

金融関連部門

 

 

 

 

  システム構築

6,121

96.0

1,660

83.0

  小計

6,121

96.0

1,660

83.0

公共関連部門

 

 

 

 

  システム構築

2,227

105.1

564

96.6

  小計

2,227

105.1

564

96.6

産業関連部門

 

 

 

 

  システム構築

5,172

104.7

1,259

120.3

  小計

5,172

104.7

1,259

120.3

合計

13,522

100.6

3,483

95.9

 

(注) 1 システム構築以外の業務については、継続業務が大半であり、業務も多岐にわたり把握することが困難なため、システム構築についてのみ記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(百万円)

前年同期比(%)

金融関連部門

 

 

  システム構築

6,461

110.0

  システム運用管理

1,988

114.0

  その他の情報サービス

115

79.9

  商品売上高

148

146.5

  小計

8,713

110.8

公共関連部門

 

 

  システム構築

2,247

112.9

  システム運用管理

1,336

103.8

  その他の情報サービス

745

114.4

  商品売上高

1,095

115.6

  小計

5,423

111.2

産業関連部門

 

 

  システム構築

4,960

100.8

  システム運用管理

1,526

96.6

  その他の情報サービス

1,301

98.0

  商品売上高

1,621

84.4

  小計

9,408

96.5

合計

23,546

104.7

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合

(%)

販売高

(百万円)

割合

(%)

㈱三井住友銀行

2,056

9.1

2,641

11.2

富士通㈱

1,821

8.1

1,892

8.0

 

なお、上記の販売実績以外に、㈱三井住友銀行の情報システム部門で行っているシステム関連機能については、㈱日本総合研究所を通じて取引しており、同社、同社子会社の㈱日本総研情報サービス、同社関連会社の㈱N&J金融ソリューションズへの販売実績は、次のとおりであります。

㈱日本総合研究所

1,543

6.9

1,749

7.4

㈱日本総研情報サービス

313

1.4

314

1.3

㈱N&J金融ソリューションズ

25

0.1

5

0.0

 

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、中国や新興国等における景気下振れリスクのほか金融資本市場の大幅な変動の影響など先行き不透明感が増しております。

 

また、情報サービス産業におきましても、マイナス金利影響に伴う金融機関のシステム投資抑制や公共分野での制度改正対応に伴う情報化投資の一巡など、事業環境が厳しくなることが予想されます。

 

当企業集団が対処すべき当面の課題としては、現中期経営計画で注力している5項目の重点施策を通じて、こうした事業環境の変化に左右されず安定的な収益を確保できる筋肉質な企業体質への転換と定着を示現することであります。そのために、「生産性の向上」と「収益力の改善」に向けた取組みを一層強化することとし、「制作原価の低減」や「販売・管理コストの低減」といった直接的な施策を推進するとともに、引き続き次の3項目に取り組んでまいります。

 

(1) 既存事業の活性化と新しい事業領域への参入

当企業集団では、持続的成長の維持を目的として、既存事業の活性化・運営効率化と新たな事業領域への参入を進めており、ヘルスケアビジネスや収納を切り口とした文教ビジネスなどを注力事業として選定し、推進しております。

平成29年3月期につきましては、自社ソリューションの強化・拡充のため、商品開発の活発化や『F-LAB』の積極的活用など技術・ノウハウの習得に一層注力してまいります。

また、重点施策として推進する首都圏市場やストックビジネスへの取組み及びこれら注力事業の貢献度を高めるべく引き続き推進するとともに、策定を予定している平成29年4月からの次期中期経営計画において、新たに参入する事業領域の検討を進め、組織体制の見直しを含めた必要な対応もとってまいります。

 

(2) ストックビジネスのさらなる拡大による収益基盤の安定化

ストックビジネスにつきましては、三井住友フィナンシャルグループ各社やKCSソリューションズとの連携をさらに強化し、当企業集団が強みとしている決済関連サービスや各種BPOサービスの強化・拡充に取り組んでまいります。

そのため、KCSソリューションズをBPOビジネスの中核と位置づけるとともに、これまでに取り組んだ決済関連サービス・BPOサービス案件の定型化により、対象業種や販売チャネルの拡大を図ることで、ストックビジネスの拡大を目指してまいります。

 

(3) 不採算案件の発生抑制

前期(平成27年3月期)にシステム構築業務における不採算案件が増加したことを受け、従来から実施していた「見積検討会」や「システム案件協議会」といった組織的対応に加え、新たに「本部の所管部門による第三者検証」「不採算案件の予兆段階での早期発見」「予兆を発見した案件の個別管理及び全社的対応による早期収束」など、社内管理体制の整備・強化を実施してまいりました。

当期の不採算案件に関する損失計上額は前期とほぼ同水準となったものの、新たに発生した不採算案件は件数・金額とも着実に減少しており、こうした取組みが一定の効果をあげていると判断しております。引き続き、不採算案件発生のさらなる抑制に向けた対応強化と品質向上に向けた取組みを推進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項の記載内容のうち、将来に関する事項を記載している場合には、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動はありません。

ただし、経済情勢の変化などによるシステム投資動向、競合状況、大型プロジェクト案件の存否、個別プロジェクトの進捗状況や採算性などにより、経営成績が変動する可能性があります。

また、当企業集団の事業につきましては、システムの納入が第2四半期(7~9月)及び第4四半期(1~3月)に集中する傾向があり、売上高が第1四半期(4~6月)及び第3四半期(10~12月)において減少し、第2四半期(7~9月)及び第4四半期(1~3月)に増加するパターンとなり、四半期毎・半期毎の経営成績が変動いたします。

 

(2) 特定取引先への依存

(三井住友フィナンシャルグループとの関係について)

親会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び同社のグループ会社との間では、システム構築、システム運用管理及びシステム機器販売などの営業取引のほか、資金取引などを行っております。同グループは当企業集団の大口かつ安定した取引先であり、同グループの業績及び情報化投資が当企業集団の業績に一定の影響を及ぼすことが考えられます。

 

(富士通グループとの関係について)

法人主要株主である富士通株式会社及び同社のグループ会社との間では、システム構築及びシステム機器仕入などの営業取引を行っております。同グループは当企業集団の大口かつ安定した取引先であり、同グループの業績が当企業集団の業績に一定の影響を及ぼすことが考えられます。

 

(3) システム構築業務について

当企業集団は、お客さまからシステム構築の委託を受けておりますが、お客さまからの要求が複雑化・大型化・短納期化する傾向にあり、お客さまと合意した品質・納期の未達成やコストの増加などにより、業績に影響を及ぼすことが考えられます。

このため、大規模システム構築案件のリスク管理強化の観点から、関連部門による「見積検討会」で受託是非の検討を行い、さらに経営会議メンバーによる「システム案件協議会」において案件毎の進捗状況確認や対応指示などを行う体制をとっております。

また、平成27年3月期に不採算案件が増加したことを踏まえ、「本部の所管部門による第三者検証」「不採算案件の予兆段階での早期発見」「予兆を発見した案件の個別管理及び全社的対応による早期収束」など、さらなる社内管理体制の整備・強化も実施しております。

こうした取組みにより、全社を挙げて不採算案件の発生抑制に努めてまいります。

 

(4) 大規模災害及びシステムトラブル、情報流出について

お客さまの基幹システムの運用などを受託していることから、大規模災害によるお客さまのシステムの停止や当企業集団が運用しているお客さまのシステムのトラブル、お客さまからお預かりした情報の流出といった事態が発生した場合、お客さまなどからの損害賠償請求や信用失墜などにより、業績に影響を及ぼすことが考えられます。

このため、災害対策として各種設備の強化・拡充に努めるとともに、品質管理体制や情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。また、個人情報保護対策としてプライバシーマークを取得するとともに、データセンター運営部署において情報セキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27001」、ITサービスマネジメントシステムに関する国際規格「ISO/IEC 20000」及び事業継続マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 22301」を取得するなど、第三者機関の評価・認証を受けております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は、お客さまの経営課題解決に活用できるITソリューションを提供し続けるため、研究開発活動を行っております。

研究開発活動は、市場ニーズの変化や新技術への対応等、当社競争力の向上に資するものであることを基本方針として、金融・公共・産業関連の幅広い分野で培ったノウハウを活用し、より付加価値の高いサービスおよび商品を提供するために実施しております。

当社では、研究開発を専門とする部署は設置しておりませんが、技術統括部を所管部とし、各事業部門において研究開発課題を選定し、実施する体制をとっております。

なお、子会社の株式会社KCSソリューションズは、研究開発活動を行っておりません。

 

当連結会計年度の研究開発費の計上額は3百万円であります。

 

セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

(1) 産業関連部門

産業関連部門における当連結会計年度の研究開発費の計上額は1百万円であり、主な活動内容は次のとおりであります。

① BPOサービスの機能強化に係る研究開発

当社のサービスの1つである「さくらUTOPIAクラウド 債権管理ゲートウェイサービス」(以下、「債権GW」という。)に関して、これまで債権GWの決済業務に関連した「決済手段の拡大」、「決済商品との連携集約」を主軸にビジネスを展開してきました。これらのビジネスを推進するため、株式会社アール・アンド・エー・シー(以下、「R&AC社」という。)製のVictory-Oneとの連携を強化し、Victory-Oneの機能を債権GWに包含された業務機能として提供することとしました。この機能強化に向け、当社とR&AC社の双方で連携実現に向け認証・データ連携等に関する研究開発活動を実施しました。

この研究開発成果を活用し、債権GWへの機能強化に着手しました。

 

(2) 全社共通

全社共通における当連結会計年度の研究開発費の計上額は1百万円であり、主な活動内容は次のとおりであります。

① アプリケーション構築フレームワークの開発

近年、アプリケーション開発においては各種フレームワークを活用した生産性向上が一般的になっており、当社でもフレームワークを利用したアプリケーション開発をおこなってきました。今般、エンタープライズJava開発の標準技術として大きく機能が拡充された最新のJava開発実行エンジンであるJava EE 7をベースとして自社版フレームワークを開発しました。

この研究開発成果(自社版フレームワーク)を活用した、アプリケーション開発を開始しました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(資産)

資産合計は、前年同期比1,350百万円減少し、20,075百万円となりました。

流動資産は、前年同期比434百万円減少し、14,087百万円となりました。前年同期比で減少している主な要因は、当連結会計年度末のたな卸資産が前年同期比215百万円減少したことによるものであります。また、譲渡性預金の一部解約により有価証券が前年同期比300百万円減少し、現金及び預金が増加しております。

固定資産は、前年同期比916百万円減少し、5,988百万円となりました。前年同期比で減少している主な要因は、株価下落に伴う評価差額の減少により投資有価証券が前年同期比303百万円減少したことに加え、退職給付に係る資産が前年同期比366百万円減少したことによるものであります。

 

 

(負債)

負債合計は、前年同期比943百万円減少し、5,225百万円となりました。

流動負債は、前年同期比714百万円減少し、3,878百万円となりました。前年同期比で減少している主な要因は、当連結会計年度末の買掛金が前年同期比646百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、前年同期比229百万円減少し、1,347百万円となりました。前年同期比で減少している主な要因は、繰延税金負債が前年同期比222百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

純資産合計は、前年同期比407百万円減少し、14,849百万円となりました。前年同期比で減少している主な要因は、その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整累計額の減少によるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

(売上高・売上原価)

売上高は、金融・公共関連部門でシステム構築が増加したことを主因として前年同期比1,054百万円増加し、23,546百万円の増収となりました。売上原価は、不採算案件の影響やシステム関連費用増加などにより前年同期比902百万円増加し、19,036百万円となりましたが、増収効果や要員の高稼働状態が続いたこともあり、売上総利益は4,510百万円と前年同期比151百万円の増益となりました。詳細につきましては、「1  業績等の概要、(1)業績」をご参照ください。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、株式市場好転に伴う退職給付関連費用減少や、早期退職制度応募者減少などに伴う人件費の減少、全社的に取り組んだ業務プロセスの見直しなど効率化による経費削減効果により前年同期比87百万円減少し、4,120百万円となりました。

その結果、営業利益は、389百万円と前年同期比239百万円の増益となりました。

 

(営業外収益・営業外費用)

営業外収益は、前年同期比23百万円減少し、133百万円となりました。これは主に、助成金収入及び保険配当金の減少によるものであります。また、営業外費用は、前年同期比1百万円減少し、61百万円となりました。これは主に、固定資産除売却損の減少によるものであります。

その結果、経常利益は、462百万円と前年同期比218百万円の増益となりました。

 

(特別利益・特別損失)

特別利益及び特別損失は、当連結会計年度において発生しておりません。

その結果、税金等調整前当期純利益は、462百万円と前年同期比178百万円の増益となりました。

 

(法人税等)

法人税等は、前年同期比47百万円増加し、194百万円となりました。前年同期比で増加している主な要因は、法人税等の税率の変更に伴う繰延税金資産の取崩により法人税等調整額が増加したことによるものであります。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、267百万円と前年同期比130百万円の増益となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比7百万円減少し、4,718百万円となりました。詳細につきましては、「1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。