第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社の経営の基本方針は、創業以来極めて明確で、「XNETサービス」を推進していくことです。当社は業務に密着した、ITサービス企業であり続けます。

 そこで、具体的な方針として以下のような目標を掲げ、全社を挙げて取り組んでおります。

 

<eXcellent Companyとして当社が目指すもの>

 「資産運用のワンストップ・ソリューション・カンパニー」としてお客様のあらゆるご要望に対してソリューションを提供できる会社になるという方針です。

 

 そのために今、当社の社員が取り組むべきことは以下の3つです。

 

① ニーズへ応えるサービスの提供

お客様への感度を高め、業務のアウトソーシング、基盤サービスなど業界やお客様によって多様化しつつあるニーズを捉え、最適なサービスをタイムリーに提供する。

② 新たなお客様の獲得

地道な営業活動、新しいサービスの創造、NTTデータグループを始めとする協業会社とのコラボレーションにより業界シェアを伸ばし、サービス提供会社の使命を全うする。

③ プロフェッショナルな人財への成長

現場に「より近いサービス」の提供、専門知識の吸収、日々の課題解決、自己研鑽を通じ、業界・業務に精通した高度なノウハウ・知識を持った人財を目指す。

 

 そして、資産運用業界で選ばれ続けるサービスを創造し、未来に続く会社になりたいと考えて日々努力を続けております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 お客様とコラボレーションしながら「XNETサービス」を発展させていく方針に変更はありません。そもそも、「資産運用のワンストップ・ソリューション・カンパニー」になるためには、資産運用に関するお客様のあらゆるニーズに応える必要があります。

 そのために、当社は祖業であるアプリケーションサービスに加えて、AMOサービス、SOサービスを展開してきました。今後もこの3つのサービス形態を中長期的に成長させ、プロダクトミックスを構築していくという方針を継続してまいります。

 

・主力のアプリケーションサービスの中では、当社が資産運用業界で圧倒的な強みを持つか、または当社にしかできない重要な戦略サービスとして、以下のサービスを積極的に展開します。(5本の矢)

① 機関投資家向けのスチュワードシップ・ソリューション・サービス

② 生損保向けの有価証券IFRS管理サービス

③ 投資顧問向けのSOサービスの中のレポート作成サービス

④ 投信会社向けの国内籍外貨建投信計理サービス

⑤ 地方銀行向けの個人向け信託管理サービス

* これらに加えて、現在当社が力を入れている「生損保向けの融資管理サービス」と「生損保向けのSOサービス」にも積極的に取り組んでまいります。また、「投信・投資顧問向けの会社設立支援サービス」にも力を入れてまいります。

・AMOサービス、SOサービスについては以下のとおりです。

① AMO(Application Management Outsourcing)サービス=システム運用受託

当社から人財を提供して、お客様の社員の代わりに業務を行います。

具体的には、システム導入や基盤の運用保守・更改などです。

②  SO(Smart Outsourcing)サービス=業務プロセス受託

お客様から当社へ業務移管をする形となり、業務そのものを当社が引き取ります。

具体的には、経理処理やレポート作成などです。

* 特に、SOサービスは当社のアプリケーションサービスに次ぐ、2つめの柱になると考えております。

 このような戦略の下で、2022年4月の東証新市場区分において、当社は「スタンダード」市場を選択いたしました。

 今後は、当社のペースでプライム市場の基準に適合する企業を目指し、企業価値向上と持続的成長を目指します。そのために、必要な成長戦略と保有する資産の有効活用に全力で取り組んでまいります。具体的には、持続的成長のための投資と株主還元です。

 そこで、2022年6月に当社初の中期経営計画を策定し、社内・社外に向けて公表いたしました。

 一言で言えば、当社の「稼ぐ力」と「使う力」を磨き上げるための決意表明としてまとめたものです。

 その中で、この中期経営計画から新しいサービス分類を定義いたしました。具体的には、当社売上をコアとスポットという2つに分類しております。

・コアとは、サブスクリプションモデルにより、月額定額で安定的に売上を確保できるサービスで、具体的にはアプリケーションサービス、月額で頂くAMOサービス、そしてSOサービスのことです。

(現在、売上高の約8割を占めるビジネスです。)

・スポットとは、コアを増やすために必要であるが、あくまで一過性の売上で新規導入や基盤更改のためのAMOサービスのことです。

 今後はこのコアに注力することが、当社の経営基盤の強化につながると考え、この2つの分類を定義いたしました。この中期経営計画の最大の事業戦略は、コアに注力し、拡大し、高い収益率の維持をはかります。

 このコアへの注力が当社の経営基盤を強化し、更なる企業価値向上につながるのです。

 

 そして、このたび、2024年5月1日公表「自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得結果及び自己株式取得終了、並びに親会社、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」の通り、当社の発行済株式総数の約半分に当たる自己株式取得を行いました。これにより、NTTデータグループを資本関係では離れますが、業務関係のつながりは変わりません。その意味では、この資本提携の解消は当社にとって次の成長に向けた新しいスタートと考えております。まさに「新生エックスネット」の誕生です。

 

 改めて、今回の自己株式取得の狙いは、

 ①社会課題の「親子上場」を一気に解消

 ②事業戦略上のメリットとして、経営の独立性、より中立性の高いポジションを確保しつつ、NTTデータ

  との協力関係は継続。

 ③現金換金可能資産の有効活用

 ④株主還元の充実(増配)に加えて、今後の配当方針を安定的、積極的、かつ「減配しない会社」を基本と

  する

 以上の4つの戦略を、一度にすべて、実質自己資金のみで実施したのは当社が日本で初めてです。

 

 時代は当社にとって追い風です。資産運用立国の旗印の下、当社は更なる成長を目指します。そして、より柔軟で自由度の高い発想で会社経営を行い、より積極的な姿勢で新たな投資や株主還元を行います。

 それが、当社の企業価値向上と持続的成長を支え続けるはずです。

 今後は「新生エックスネット」として、社内・社外に向けての「更なる変革」を推進し、独立性の高いユニークな資産運用管理ソリューション会社として成長してまいります。

 

(3)目標となる経営指標

 当社は、2022年6月16日公表の中期経営計画のなかで、以下の目標を掲げております。

 ① 2026年3月期において、コア売上高50億円の達成

 ② 営業利益率15.0%以上

 ③ ROE8.0%以上

今後は、これらの目標の達成に向け、当社の基本方針および経営戦略に基づき行動してまいります。

 

 そして、当社のミッションは以下の2つであると考えております。

 * 資産運用業界の業務の先生になる。

 * 資産運用業界の更なるコストダウンを実現する。

 具体的には、資産運用業界のコストを下げ、そして、業務のプロまたは先生として、フロントからミドル・バックまでのあらゆる業務について、お客様から相談して頂けるワンストップ・ソリューション・カンパニーになるということです。

 しかも、当社がすべてのソリューションを持つのではなく、お客様が望むどのサービス、どのシステムともつなぎ、共生する、いわゆる「資産運用業界のエコシステム・オーケストレーター」になることです。

 また、当社のビジョンは「三方よし→四方よし」の実現という考え方で、最終的には日本国民全体の財産の形成に貢献できると信じております。

 具体的には、「買い手よし」は顧客である資産運用業界、「売り手よし」は当社、「世間よし」は日本経済、国民の皆様、そして「未来よし」はこの3者全員に対してです。今後はこの四方よしの実現に向けて努力をしていきたいと考えております。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社の対処すべき課題は2つです。

 一つは、上記のXNETの使命を果たすために、大切なものは社員の人財力アップです。

 ただ、これは社員に研修を行ったり、鍛えることだけで成し得るのは難しいと考えております。

 そこで、新たな人財を確保していきます。XNETの社風や文化を理解している人達を積極的に採用し、社内で融合しながら、そのスキルをレベルアップしていきます。

 具体的には以下の方々です。

 ・資産運用業界で長年活躍したベテランや定年退職者など業界に恩返しをしたい人の雇用

  * 特にSOサービスを展開していくには、不可欠な人財と考えております。

 ・資産運用業界出身者で、育休や子育て後の女性や会社都合による離職者の雇用

 ・誰もが認める高いスキルと高い意欲を持っている元社員の再雇用

 ・当社に籍を置き、当社の社風・文化をこよなく愛す人(派遣社員等)の採用

 ・高校新卒の採用

 もう一つの課題は、その人財の成長です。

 具体的には、まず、社員の「働きがい」「働きやすさ」を実現するために、様々な施策を実施していきます。それは単なる「働き方改革」ではなく、社員一人ひとりが自覚・自律して、どのように効率良く成果を出すかという生産性向上を意識したものです。

 つまり、成果をいかに実現するかを意識した「成果実現改革」を実施していきます。

 

 加えて、これまでの社内制度や慣行を積極的に見直し、「更なる変革」を推進して、すべての社員が成長を実感できる会社になることを目指します。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

 <ガバナンス>

 ・基本方針

  当社は、事業ドメインである資産運用業界との関わりを強く意識し、事業及び企業活動を通じてSDGsの達成に貢献していきます。(具体的なSDGsへの貢献として)事業を通じた貢献においては、資産運用業界の発展とイノベーション実現に向けた各種ソリューション・サービスの提供により貢献していきます。企業活動を通じた貢献においては、社員一人ひとりの自律と働きやすさ向上に向けた成果実現改革を推進することで、働き甲斐のある社会の実現という社会課題の解決に貢献していきます。また、気候変動をはじめとする環境問題への対応も企業の重要な責務であるとの認識の下、環境負荷低減に向けた取組を推進しています。

事業を通じた貢献

資産運用業界の発展とイノベーション実現に向けた各種ソリューション・サービスの提供

 

0102010_001.png

 

企業活動を通じた貢献

社員一人ひとりの自律と働きやすさ向上に向けた成果実現改革を推進することで、働き甲斐のある社会の実現

 

0102010_002.png

 

 

環境負荷の低減

 

0102010_003.png

 

 

 ・推進体制

  代表取締役社長のもと、ESG経営を推進しています。情報の取り纏め、社内啓発、社外とのエンゲージメント等関連業務については管理本部が担い、事業を通じた社会課題の解決については、各サービス本部単位で実施しています。取締役会ではサスティナビリティ関連項目の方針を策定し、管理本部担当取締役からの定期的な報告を通じ、監督・議論・助言を行います。
 

 推進体制は以下の通りです。

 

0102010_004.png

 

 <リスク管理>

  当社を取り巻くリスクのうち、重点的に対応すべきリスクを特定、対策を推進するため、定期的にリスクアセスメントを実施しております。

  対象となるリスクについては、システム開発に関するものなど、ITベンダーとしてのリスクのほか、セキュリティやコンプライアンス、あるいはサステナビリティに関するものとして気候変動、人財確保など20項目以上にわたり、それらについて過去の発生頻度や今後の発生可能性、発生した場合の財務的影響やレピュテーションリスク等を想定のうえで重点リスクを選定し、重点リスクに対しては、リスク低減のための施策を策定しております。

  これら、重点リスクの選定やリスクへの対策の推進状況およびリスクの発生状況については、取締役会において報告し、監督、議論しております。

  以上のように、全社的リスク管理施策の一環として、サステナビリティに関するリスク管理を実施しております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

  上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社における重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

①気候変動

②人的資本多様性

それぞれの項目に係る当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 

①気候変動

  当社は、気候変動をはじめとする環境問題への対応を推進しております。

  具体的には、当社の温室効果ガス削減、コピー用紙購入量削減、廃棄物処分量削減のための取組のほか、社会・環境貢献活動の推進をしております。

  そのほか、認証取得の取組のなかで、システムベンダーとして、当社の持続的な発展と社会的な責任を果たすため、業務のペーパレス化につながるサービスの提供や、環境負荷の小さいデータセンターの選定などの取組を進めております。

  この結果、当社における環境負荷データは以下のようになっております。今後も引き続き、環境負荷低減に向けた取組を推進いたします。

 

 

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

電力使用量

(kwh)

四谷オフィス

444,934

470,903

443,011

373,048

368,216

札幌オフィス

7,923

7,810

8,359

8,763

7,984

452,857

478,713

451,370

381,811

376,200

産業廃棄物排出

(kg)

廃棄量

460

20

1,360

1,410

0

リサイクル量

460

20

1,360

1,410

0

コピー用紙使用量(枚)

1,799,500

1,580,000

1,360,000

824,000

602,000

 

うちFSC認証紙、

再生紙等

0

0

0

0

0

CO2排出量(t)※1

直接

0

0

0

0

0

間接

221

234

221

170

167

総合計

221

234

221

170

167

 ※1:実排出係数は環境省公開データより採用

 

②人的資本多様性

 イ.資産運用IT人財の育成

[意欲と能力を尊重した採用・配置]

 資産運用業界で選ばれ続けるサービスを創造・提供していくためには人財力が不可欠です。社員の一人ひとりがプロフェッショナルな人財を目指して成長できるよう意欲と能力を尊重した採用・配置を実践しています。
 加えて、社員の育成を補完する取組みとして、下記の方々の採用を推進しています。

 

・資産運用業界で長年活躍したベテランや定年退職者など業界に恩返しをしたい人の雇用

・資産運用業界出身者で、育休や子育て後の女性や離職者の雇用

・誰もが認める高いスキルと高い意欲を持っている元社員の再雇用

・当社に籍を置き、当社の社風・文化をこよなく愛す人(派遣社員等)の採用

・高校新卒の採用

 

 XNETの社風や文化を理解している方々を積極的に採用し、社内で融合を図りながら、そのスキルをレベルアップしていきます。また以下の考え方に基づいて多様な人財の活躍を後押しし、会社の成長につなげ、選ばれ続ける会社を目指していきます。
 
<女性の管理職の登用>
 組織の活力を維持するためには、人財の多様性すなわち価値観の多様性が不可欠であると考えます。その中でも女性の活躍を促進し柔軟かつ多様な働き方をより多く実現できるように様々な支援制度を整備・改善しています。その結果、女性管理職比率は増加傾向にあり、今後も増加させていく方針です。
 
<外国人の管理職への登用>
 現時点で当社の事業ドメインが国内領域に限られることから、従業員に占める外国人の割合が非常に小さく、外国人の管理職登用については実績がありません。また同様の理由から外国人管理職比率の目標策定や開示を行っておりません。ただし当社は国籍等によらずその能力・成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としております。
 
<中途採用者の管理職への登用>
 当社は多様な人財を確保するため創業以来、中途採用を原則としており、管理職における中途採用者の割合は100%を占めております。今後も引き続き、多様な資産運用IT人財を育成・確保する方針のもと中途採用を中心に実施し、当社の特色である高い中途採用者管理職比率を維持していく方針です。

 

1.雇用の状況

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

社員数

男性

123

122

116

116

114

 

女性

64

84

81

72

74

 

全体

187

206

197

188

188

平均勤続年数

男性

9.5

9.9

10.4

10.7

10.5

 

女性

5.9

5.2

5.9

7.0

7.3

 

全体

8.3

8.0

8.6

9.3

9.2

平均年齢

男性

40.4

41.1

41.6

41.6

41.5

 

女性

35.7

35.6

36.1

37.6

37.8

 

全体

38.8

38.9

39.3

40.1

40.2

外国人従業員数

 

1

1

1

1

2

臨時雇用

派遣社員等(

8

6

14

22

20

障がい者雇用※1

障がい者雇用人数

1

1

1

1

1

 

障がい者雇用率)※2

1.1

1.0

1.0

1.0

1.1

※いずれも期末時点の状況(障がい者雇用に関する項目を除く)

※1:6月1日時点の状況

※2:障がい者雇用率制度上の実雇用率

 

2.採用・離職の状況

 

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

採用

キャリア採用

男性

14

8

5

10

13

 

 

女性

9

22

11

2

11

 

 

全体

23

30

16

12

24

 

新卒採用

男性

0

0

0

0

0

 

 

女性

2

2

0

1

0

 

 

全体

2

2

0

1

0

離職・退職

自己都合(人)

男性

14

9

9

10

13

 

 

女性

7

4

14

12

9

 

 

全体

21

13

23

22

22

 

会社都合(人)

男性

0

0

0

0

0

 

 

女性

0

0

0

0

0

 

 

全体

0

0

0

0

0

 

定年・満了(人)

男性

0

0

2

0

2

 

※1

女性

0

0

0

0

0

 

 

全体

0

0

2

0

2

※1 執行役員・取締役就任による満了を含む

 

3.社員年齢の分布(2023年度末時点)

 

 

30歳未満

30~39歳

40~49歳

50~59歳

60歳以上

社員数(人)

男性

26

24

39

17

8

 

女性

24

25

12

10

3

 

全体

50

49

51

27

11

 

4.役職者の状況

 

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

係長相当職

人数(人)

男性

67

63

60

58

53

   以上

 

女性

9

9

10

9

11

 

 

全体

76

72

70

67

64

 

比率(%)

男性

54.5

51.6

51.7

50.0

46.5

 

 

女性

14.1

10.7

12.3

12.5

14.9

 

 

全体

40.6

35.0

35.5

35.6

34.0

管理職以上

人数(人)

男性

53

51

47

47

45

 

 

女性

1

2

2

2

2

 

 

全体

54

53

49

49

47

 

比率(%)

男性

43.1

41.8

40.5

40.5

39.5

 

 

女性

1.6

2.4

2.5

2.8

2.7

 

 

全体

28.9

25.7

24.9

26.1

25.0

 

女性管理職比率

 

1.9

3.8

4.1

4.1

4.3

 

中途採用者管理職比率

 

100

100

100

100

100

※いずれも期末時点の状況

 

5.豊富な研修プログラムと各種表彰制度

  人財育成の考え方については、OJT(On the Job Training)を基本としていますが、下記記載の研修プログラムを中心とするOffJT(Off the Job Training)で補完しながら、社員のスキル強化を積極的に支援しています。

研修種別

狙い・概要

開催頻度

講師

新人向け集合研修

ビジネスマナーなど社会人としての基礎スキル習得を目指す

1日間

社外研修機関

(新卒採用者)

新人向け集合研修

XNETの顧客サポート担当者(CE)としての開発やサポート等の基礎スキル習得を目指す

四半期に1回

社内有識者

(中途採用者)

階層別ビジネス研修

役職新任時や自己申告により計画的に社外研修を受講し、各階層に必要なスキル習得を目指す

随時

社外研修機関

金融基礎知識研修

業界動向と証券分析論を体系的に学習し、資産運用リテラシーの強化を目指す

全12回

社内有識者

個別テーマ研修

(全約40テーマ)

実践的な課題解決事例を中心に講義し、顧客サポート力の向上を目指す

「IFRS」、「CSA担保」など

年80回

程度

社内有識者

システム開発入門研修

講義と演習を通してアプリケーション開発、IT基盤構築及びプロジェクト管理について学習し、システム開発プロジェクト参画のための基礎スキル習得を目指す

3日間

社外研修機関

その他

法制度改正や最新テクノロジーなどの業界トレンドを理解し、顧客サポートの幅を広げていくことを目指す

随時

社内有識者

社外有識者

上記に加え、資格取得奨励制度(日本証券アナリスト協会会員試験ならびに証券外務員1種資格試験は、試験合格を条件に関連費用を全額補助等)や各種表彰制度(社長賞、MVP賞)などを整備しています。

 

 ロ.柔軟かつ多様な働き方の提供(ワーク・ライフ・バランス)

 組織の活力を維持していくためには、人財の多様性すなわち価値観の多様性が不可欠であると考えています。また、女性活躍の推進や長時間労働の是正など社会からの要請にも応えるためにも、従業員の理想とする働き方をより多く実現できるよう両立支援制度を整備・改善しています。

 この取り組みにより、2021年と2023年に子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得いたしました。

 

<主な両立支援制度の概要>

育児休業     …最長2歳まで

介護休業     …最大93日

子の看護休暇   …10日/年・人まで(うち有給扱い3日)、中学校就学始期まで

介護休暇     …無給5日/年・人まで

育児短時間勤務  …最短5時間/日、中学校就学始期まで

介護短時間勤務  …最短5時間/日

職場復帰プログラム

半休制度     …午前、午後単位での取得

時間休制度    …1時間単位での取得(年間5日分)

女性向けの特別休暇…20日/年まで(うち有給扱い3日)

みなし残業制度…  残業有無に関わらず月40時間分の手当支給

 

 

1.育児・介護休暇の取得状況

 

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

育児

産前産後休業

女性

6

3

4

1

3

 

出産特別休暇

男性

6

5

7

1

4

 

育児休業

男性

0

2

4

2

7

 

 

女性

7

9

9

6

3

 

 

全体

7

11

13

8

10

 

育児休業復職率

男性

-

100

100

100

100

 

 

女性

100

100

100

100

-

 

 

全体

100

100

100

100

100

 

子の看護休暇

男性

18

13

14

16

14

 

 

女性

5

6

8

13

11

 

 

全体

23

19

22

29

25

 

育児短時間勤務

男性

0

0

0

0

0

 

 

女性

5

8

10

9

4

 

 

全体

5

8

10

9

4

介護

介護休業

男性

0

0

0

0

0

 

 

女性

0

0

0

0

0

 

 

全体

0

0

0

0

0

 

介護休暇

男性

0

0

0

0

0

 

 

女性

0

0

0

0

0

 

 

全体

0

0

0

0

0

 

介護短時間勤務

男性

0

0

0

0

0

 

 

女性

0

0

0

0

0

 

 

全体

0

0

0

0

0

 

2.平均残業時間・有給休暇取得率等

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

平均月間残業時間時間/人)※1

24.1

24.9

22.0

22.6

22.5

年次有給休暇

1人当たり付与日数(日)

19.9

19.7

19.9

19.8

19.9

 

1人当たり取得日数(日)

17.6

15.5

17.3

18.4

18.8

 

取得率(%)

88.5

78.3

87.0

92.7

94.2

メンタルヘルス休職

0

5

7

2

1

労働災害

1

1

0

0

0

※1:管理職を除く全従業員の1ヶ月平均時間

 

ハ.健康経営の実践

[健康経営への取組み]

 

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 当社では、人的資本、多様性に関する指標および目標について、以下とすることを決定いたしました。

まず、指標については、「人財の確保」の状況を測る指標として、「3年以内離職率」および「勤続年数」を選定

いたしました。各指標における状況は以下となります。

指標

目標

実績(前事業年度)

実績(当事業年度)

3年以内離職率

現状維持

26.7%

13.7%

勤続年数

伸長

9.3年

9.2年

 (注)3年以内離職率(前事業年度)は、2020年度~2022年度に入社した社員のうち、2023年3月31日までに離職した社員数の割合を算出しております。

3年以内離職率(当事業年度)は、2021年度~2023年度に入社した社員のうち、2024年3月31日までに離職した社員数の割合を算出しております。

 

3【事業等のリスク】

 当社の事業上のリスク要因となる可能性がある事項としては、以下のものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

IT技術への対応

 当社の提供するサービス(アプリケーション)は、一定のハードウェア・OS等での稼動を前提に構築しております。それらの変更に対応して必要なアプリケーションの改編を常時行いながらサービスを行っております。このためハードメーカー、データベース、OS、ネットワークベンダー等と技術動向の情報収集を行い、当社サービスとしての一貫性を保ちつつ、当社サービスの開発を行っております。今後ともIT技術の大幅な変更に対して、従来通り対応していく方針ですが、これらの取組みへの投資額の増大、サービス提供時期の遅延等の発生する可能性があります。

 

システムの不具合の発生

 当社の提供するアプリケーションに関して、100%不具合が発生しないというサービスを続けることは、現実的には出来ません。品質管理担当チームを設置し日頃から社内教育をはじめ、開発会社との協力関係を含め検収作業の精度を高めるべく努めております。それでも発生するのが不具合ですので、お客様サービス上、損害賠償の可能性、当社の作業費用増大に関するリスクがあります。尚、現在まで当社の業績に重大な影響を与える事象の発生はございません。

 

顧客の大半を金融機関が占めている状況

①業務変更・制度変更による影響

 当社のXNETサービスは、これまで金融機関を中心に行っており、新商品導入や制度変更に関しては従来よりビジネスの基本と捉え、過去においてこれらの開発等でサービス・インが遅れるといったことはありません。当社のシステム構造からも当面問題はないように事業をしておりますが、未来永劫リスクがないと言えるものではありません。

 

②同業他社間の再編

 当社の顧客も国内並びにグローバル競争にさらされており、国内にとどまらず海外をも含めて金融機関間の合併等再編が行われた場合、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

フルサービス化に伴うリスク

 フルサービス化に伴い、当社がサーバーを保有し、これをお客様が使うパターンが増加しています。資産運用のフルサービスに関してサーバーの設置場所を東京都品川区としております。この地区において大規模災害が発生した場合には使用不能となり、サービスが停止する可能性があります。ただし、サーバーを一ヶ所に設置し二重化していないことは、顧客との契約書に明記しています。また、顧客が望む場合バックアップセンターのサービスも実現しています。その他のサーバーは長野県長野市に設置していますが、同様なリスクがあります。また、データ等のバックアップテープは別の場所への保存等の対策を講じております。

 

人財の確保について

 当社の提供するサービスに関して、サービスの継続さらに今後サービスの質を向上するためにも優秀な人財の確保が必須条件となっています。ソフトウエアの分野においては、人財が最も重要な経営資源と云えます。当社は従来より通年採用により人財を確保してまいりましたが、競合他社や他業界の雇用動向による影響は排除できません。そのため、人財確保難からサービス提供の遅延等が発生するリスクがあります。

 

知的財産権によるリスク

 当社が開発するアプリケーションや、その他提供するサービスにおいては、特許権や著作権等の知的財産権の確保が重要であるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っています。しかしながら、世界各国の法的制度の違い等により知的財産権に関する問題が全く起こりえないという保証はありません。

 したがって、当社において知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

情報セキュリティのリスク

 当社は情報セキュリティポリシーを定め、社員教育の徹底をはじめ、パソコンのセキュリティ管理等情報の取扱いには細心の注意を払っております。

 このような取組みにもかかわらず情報漏洩が発生した場合、当社の業績の影響並びに当社への信頼を失う可能性があります。

事業継続のリスク

 東日本大震災が発生したことを受けて、危機管理体制の見直しを行い、大規模な災害が発生した場合に備えて、事業継続プランを作成し、訓練も行っています。しかしながら、一企業のコントロールをも上回る事象が発生した場合、顧客と合意しているサービスを維持することが困難となり、結果として業績に影響を受ける可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報別の経営成績等は示しておりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態

 当期末の資産は、資産合計が9,910百万円(前期末比629百万円増)となりました。これは主として現金及び預金の増加によるものです。

 負債につきましては、負債合計が1,393百万円(前期末比136百万円増)となりました。これは主として未払法人税等の増加によるものです。

 純資産につきましては、8,517百万円となり前期末の純資産合計と比較して493百万円増となりました。これは繰越利益剰余金が増加したことによるものです。

 

ロ.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高5,547百万円(前期比3.5%増)、営業利益1,066百万円(前期比12.2%増)、経常利益1,101百万円(前期比11.8%増)、当期純利益741百万円(前期比6.8%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は3,038百万円(前期末比779百万円増)となりました。当期における外部からの資金調達はありません。なお、自己株式取得資金として2024年5月1日に2,500百万円を調達しております。

 

 当期における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、1,443百万円(前期は1,156百万円の獲得)となりました。主に営業収入が増加したこと等によるものです。営業活動におけるキャッシュ・フローのうち、主要な支出である人件費の支出は

△2,011百万円となり、営業収入に対する割合は△35.6%となりました。

 また、同じく主要な支出である外注費の支出は△1,309百万円となり、営業収入に対する割合は△23.2%となりました。

 いずれも当社の資金確保および利益の確保において、適切な割合の範囲内と認識しております。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、416百万円(前期は523百万円の使用)となりました。主な内訳としては、無形固定資産の取得による支出(XNETアプリケーションへの開発投資)が372百万円(前期は293百万円)となります。

 当社は、将来の減価償却費の大幅な変動を抑制するため、計画的にXNETアプリケーションの開発投資を行っております。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、247百万円(前期は239百万円の使用)で、配当金の支払いによるものです。

 当社は、前期同様、配当政策として安定配当を掲げております。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 該当事項はありません。

ロ.受注実績

 該当事項はありません。

ハ.販売実績

品目

第33期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前期比

XNETサービス

百万円

5,536

3.4

  アプリケーションサービス

3,827

1.2

  AMO・SOサービス

1,709

8.6

機器販売等

11

180.0

合計

5,547

3.5

 

(注)1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社日本カストディ銀行

674

12.6

680

12.3

ニッセイ情報テクノロジー株式会社

544

10.2

536

9.7

2.当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報別に示しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報別の業績等は示しておりません。

 

①重要な会計方針及び見積り
 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。
 当社が採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 〔注記事項〕(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
 これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内で合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

 

②経営成績等

イ.財政状態

 当事業年度の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態」に記載のとおりであります。

 

ロ.経営成績

(a)売上高

 当事業年度は、中核商品である「XNETサービス」の売上高が5,536百万円(前期比3.4%増)、機器販売等も含めた売上高は5,547百万円(前期比3.5%増)となりました。

 「XNETサービス」は、大別して以下に区分されます。

・ 有価証券管理システムを中心としたXNETシステムの月額利用料を収益源とするアプリケーションサービス

・ XNETシステムに関する導入や保守、会計制度変更対応等の業務を請負うAMOサービス

・ XNETシステムを利用して、機関投資家の経理事務等の実務を受託し、効率的に集約、処理することで収益を獲得するSOサービス

 このうちアプリケーションサービスの状況については、以下のように分析しております。

 主力である有価証券管理システムについては、信用金庫業界への導入拡大のほか、「資産運用業界のエコシステム・オーケストレーター」として他社システム連携の積極的な推進のため、新サービスを開発・提供を開始しております。既存顧客の解約も僅かであり、当社業績を支えるサービスの柱として、引き続き堅調に推移しております。また、遺言代用信託をはじめとする個人向け信託については、新規顧客獲得数はやや減少しているものの、安定的にシステムを提供しております。高齢化社会の進行による市場の拡大とともに、金融機関による信託商品のバリエーション拡大により当社システムの機能拡充が進んでおり、当市場におけるシステムベンダーとしての当社の地位を強固にしております。さらに、2023年3月期に明治安田生命保険相互会社に対してサービス提供を開始した融資管理システムについては、当期において順調に稼働しており、利用顧客が拡大しつつあります。融資管理システムは生損保顧客からの引合いも多く、今後の事業規模拡大が見込まれます。

 AMOサービスについては、金融機関においてIT人財が不足するなか当社のサポート力が評価され、継続的なシステム保守案件の受注が順調であり、コア売上の拡大に貢献しております。そのほか当期においては、基盤更改案件等スポット案件の受注も好調であり、XNETサービス全体の増収に貢献しております。

 SOサービスについては、生損保業界に対するSOサービスについて2社目のサービス提供を開始しており、現在は複数の生損保会社に対して導入準備を進めております。岸田文雄首相による「資産運用立国」実現のための取組として、「投資運用業の参入要件の緩和(事務処理の外部委託等)」が掲げられており、投信投資顧問業界を中心に、更なるサービス提供機会の拡大が見込まれます。

 以上のような要因から、当期においては前期比3.5%の増収となり、2022年3月期に達成した過去最高の売上高を更新することとなりました。

 当期の売上高の内訳は以下のとおりです。

 

品目

2023年3月期

2024年3月期

金額

構成比

金額

構成比

前期比

① XNETサービス

百万円

百万円

5,353

99.9

5,536

99.8

3.4

(①のうち、アプリケーションサービス)

3,779

70.5

3,827

69.0

1.2

(①のうち、AMO・ SOサービス)

1,574

29.4

1,709

30.8

8.6

② 機器販売等

4

0.1

11

0.2

180.0

合計(①+②)

5,357

100.0

5,547

100.0

3.5

 

 また当社は、2023年3月期から4カ年の中期経営計画を策定し、このなかで新たに売上を以下の区分に分け、管理することといたしました。

・ コア売上 : サブスクリプションモデルにより安定的に売上を確保できるセグメント

  (対象サービス)アプリケーションサービス、AMOサービス(月額)、SOサービス

・ スポット売上 : コアを維持するために必要ではあるが、あくまで一過性の取引による売上

  (対象サービス)AMOサービス(スポット)

このうち、コア売上について、当社の安定的な収益の基盤の確保につながるものと捉え、2026年3月期においてコア売上50億円の達成を目標として掲げております。当期の結果はコア売上4,583百万円となり、前期比3.3%増となりました。

(b)売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、労務費や不動産賃借料は横ばいの一方で、XNETアプリケーションの減価償却費は前事業年度に続き減少しております。結果、前事業年度に比べ0.1%減の3,849百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、業務委託費の増加などにより、前事業年度に比べ13.6%増の631百万円となりました。

 (参考)減価償却費:前事業年度518百万円に対し、当事業年度465百万円

 

(c)営業利益、経常利益、当期純利益

 当事業年度の利益につきましては、営業利益1,066百万円(前期比12.2%増)、経常利益1,101百万円(前期比11.8%増)、当期純利益741百万円(前期比6.8%増)となりました。

 当期においては増収による利益の増加のほか、人的資本投資やセキュリティ対策等によるコスト増を減価償却費の減少等により吸収し10%を超える大幅増益を達成、2022年3月期に達成した過去最高利益を更新いたしました。売上高営業利益率は19.2%となり、近年の業績と比較しても高い水準となっております。

 なお、アプリケーションサービスにおいて当社の資産として計上しているソフトウェアについて、今後の活用可能性を踏まえ検討・整理した結果、22百万円の固定資産除却損を特別損失として計上しております。

 

ハ.キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 次期の売上高につきましては、いずれのサービスも引き続き堅調な推移を見込んでいるものの、AMOサービスにおいて、当期に数多く受注した基盤更改案件が一巡するとともに、比較的採算性の低いスポット案件からの撤退を予定しております。これは、中期経営計画に掲げる「コア売上高拡大による経営基盤の強化」に向けた、人的資本活用最適化の一環と言えるものでありますが、結果として、一時的な減収を招くことは避けられません。

 また2024年5月1日公表「自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得結果及び自己株式取得終了、並びに親会社、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」による当社業績への影響については、売上高への影響は無いに等しいものの、グループ離脱に伴う各種社内システムコスト等が発生することが見込まれるため利益率は僅かに低下するほか、自己株式取得に係るアドバイザリーフィーを営業外費用として計上予定であります。

 以上から、次期の通期業績予想については、売上高5,300百万円(前期比4.5%減)、営業利益880百万円(前期比

17.5%減)、経常利益850百万円(前期比22.8%減)、当期純利益570百万円(前期比23.1%減)と減収、減益として

おりますが、売上高営業利益率は16.6%と高水準を維持できるものと見込んでおります。

 

④資本の財源及び資金の流動性

イ.資金需要

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものはXNETアプリケーションに対する開発投資です。

 

ロ.財政政策

 創業時を除いて、有利子負債がゼロと無借金経営を続けております。その結果、当事業年度の自己資本比率は85.9%となり、財務体質の健全性は引き続き高い水準にあります。今後もこの方針を変えず、自己資本の範囲内で設備投資をはじめとする事業性資金を確保していく考えであります。

 

⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標となる経営指標」に記載のとおりであります。

5【経営上の重要な契約等】

(当座貸越契約の締結)

 当社は、2024年4月30日開催の取締役会において、当座貸越契約を締結することを決議し、2024年5月1日付で当該契約を締結いたしました。詳細は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。