第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 

当連結会計年度のわが国経済は、企業収益の改善に伴い、雇用環境・所得環境についても緩やかな回復基調で推移しました。当社グループの属する広告業界におきましては、平成28年(1月~12月)の国内総広告費が6兆2,880億円(前年比1.9%増※1)の低成長にとどまりました。

このような事業環境の中、当社といたしましては、マス広告から総合プロモーション(デジタルを含む)へとシフトするクライアントのニーズに応えるべく、当社の強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸として「ネット(SNS)プロモーション」「AR/VR/アプリなどのデジタル技術を活用した体験イベント」「動画制作・プロモーション」「データに基づくPRプロモーション」等の新たな領域を組み合わせることで、インタラクティブ・プロモーション力(以下、IP)※2を全社的に強化してまいりました。
 これらの施策が成果を上げ、受注領域の拡大や案件単価の上昇につながりました。

また、当社制作子会社である株式会社ティー・ツー・クリエイティブ(以下、T2C)の営業強化施策に取り組み、外部営業先を拡大した結果、外部売上及び営業利益等が大幅に伸長し、グループ売上・利益に貢献いたしました。

その結果、当連結会計年度の売上高は162億51百万円(前連結会計年度比6.7%増)、営業利益は18億11百万円(同7.9%増)、経常利益は18億23百万円(同8.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億6百万円(同11.4%増)となり『2期連続で過去最高売上・利益を更新』いたしました。

 

※1:㈱電通「日本の広告費」平成29年2月発表による

※2:IP=デジタル技術とアイディアでリアルな感動体験を創りだし、その体験を情報拡散・共感させるプロモーション

 

<カテゴリー別概況>

 (販促)

当連結会計年度は、大手化粧品メーカー及び大手自動車メーカー並びに大手飲料メーカーなどからプロモーション活動を受注しましたが、前連結会計年度比8.1%の売上減となりました。

(広報)

当連結会計年度は、大手自動車メーカーや大手コンビニエンスストアからのセミナーや発表会を受注したこと等により、前連結会計年度比23.1%の売上増となりました。

(文化/スポーツ)

当連結会計年度は、官公庁からの日本食普及に関する事業や国際的なスポーツイベント関連の案件を受注したこと等により、前連結会計年度比149.0%の売上増となりました。

(制作物)

当連結会計年度は、大手コンビニエンスストアの店頭プロモーションや官公庁からの事務局業務を受注したこと等により、前連結会計年度比28.9%の売上増となりました。

(企画売上高)

企画売上高は、前連結会計年度比23.8%の売上増となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億9百万円増加し、当連結会計年度末は34億96百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果獲得した資金は8億72百万円(前年同期は1億96百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加額が7億16百万円、法人税等の支払額が6億59百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が18億20百万円、未収入金の減少額が2億95百万円あったこと等によるものであります。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は6百万円(前年同期は1億74百万円の獲得)となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入が44百万円ありましたが、有形固定資産の取得による支出が37百万円、無形固定資産の取得による支出が12百万円あったこと等によるものであります。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は5億56百万円(前年同期は4億12百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額が5億55百万円あったこと等によるものであります。

 

 

2 【制作、受注及び販売の状況】

セグメント情報を記載していないため制作の実績、受注の状況及び販売実績はカテゴリー別で記載しております。

(1) 制作の実績

 

カテゴリー

当連結会計年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

販促

6,905,737

△7.9

広報

4,440,165

22.9

文化/スポーツ

444,225

173.4

博展

△100.0

制作物

1,700,849

27.7

合計

13,490,978

6.7

 

(注) 上記の金額はイベント制作に要した費用で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注の状況

イベントは制作段階、運営段階で当初の内容や金額が変動することが多いことから、当業界では、契約書の取交しや、発注書等が発行されることが少なく、したがって、受注残高の正確な把握が困難なため、受注状況の開示はいたしておりません。

なお、当社グループでは社内の制作受注管理システムにより、案件の進捗度合いの正確な把握に努めております。

 

 

(3) 販売の状況

① 販売実績

当連結会計年度の販売実績をカテゴリー別に示すと次のとおりであります。

 

カテゴリー

当連結会計年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

制作売上高

 

 

販促

8,133,611

△8.1

広報

5,472,408

23.1

文化/スポーツ

520,268

149.0

博展

△100.0

制作物

2,014,946

28.9

小計

16,141,234

6.6

企画売上高

109,778

23.8

合計

16,251,013

6.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 主要顧客別売上状況

最近2連結会計年度の主要顧客別売上状況は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

金額(千円)

総販売実績に
対する割合(%)

金額(千円)

総販売実績に
対する割合(%)

㈱博報堂

3,556,772

23.4

4,510,777

27.8

㈱電通

2,937,637

19.3

2,847,039

17.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年9月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、昭和51年にイベント及びプロモーションを企画、制作、施工、運営する会社として設立以来、一貫してイベント及びプロモーションを行なう会社として、「人と人とのコミュニケーションを大切にする心豊かな社会作りに貢献すること」を目標としてまいりました。
 当社グループは、この目標を達成するため、常に新しいイベントの形態を追及してまいりましたし、今後も新聞・雑誌等の活字メディア(第1のメディア)、ラジオ等の音声メディア(第2のメディア)、テレビ等の映像メディア(第3のメディア)、コンピュータを含む通信ネットワーク(第4のメディア)に続く、第5のメディアとしてのイベントの新たな可能性とプロモーション業務の発展に尽力してまいる所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主重視の経営という観点から企業価値最大化を図るため、収益性と効率性の観点より、目標とする経営指標を従業員一人当たりの売上総利益とし、その向上を目指しております。 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

日本の総広告費は復調傾向にあり、中でも顧客(広告主)が「売り」への直接的効果をプロモーションに対して求める傾向は年々強まっております。その結果として非マス(TVなどのマス4媒体以外のイベントプロモーション、デジタル、クリエイティブ、屋外、スポーツなど)広告費は量・シェアともに拡大傾向が続いており、大手広告代理店における売上のシェアにおきましても、その傾向は顕著であります。
 また、生活者のモノの買い方が変化し、消費の目的は、“商品価値から体験価値へ=モノからコトへ”変化しております。当社としては、このような動向に対応するため、次に掲げる施策に取り組んでまいります。

 

1.日本初の“体験デザイン”プロダクションへ

 モノ余りの現代、人がモノを買う目的は、「モノ自体を買う」ことだけでなく、その選択の過程から得られる「体験価値」にも重きが置かれる環境になっています。そのような環境下、買い方、作り方、売り方も含めたトータルなブランド体験を設計(デザイン)することが「体験デザイン」です。当社は強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸に、「ネット(SNS)プロモーション」「AR/VR/アプリなどのデジタル技術を活用した体験イベント」「動画制作・プロモーション」「データに基づくPRプロモーション」等を組み合わせることによりIP力を強化してまいりましたが、これを更に進化させ、「データ分析」「効果検証」を組み合わせたプロモーションを提供する、日本初の“体験デザイン”プロダクションを目指してまいります。

 なお、当該施策を一層推進するために、当社は平成29年7月1日付で「体験デザイン本部」を設立いたしました。従来のIP室及び企画チームを再編し、ブランド体験を専門にデザインする体制とし、更なるソリューション力の強化を図ってまいります。

 

2.成長戦略

 中長期的な成長に向け以下の施策に取り組んでまいります。

①グループ経営の強化

平成29年7月1日付で当社の関西支社・名古屋支社を統合し、急成長する100%連結子会社のT2Cのマネジメントを強化し、更なる業績の拡大を目指します。

②新卒の定期採用継続による戦力増

毎期20名以上の規模の新卒定期採用を継続し、収益力を維持しつつ「稼ぐ力」を強化してまいります。

③2020年案件の積極的な取込み

開催1000日前を控え、活性化し始めた2020年案件を確実に受注し、業績の拡大を図ります。

④M&A・アライアンス

「リアル」「デジタル」「映像」「PR」「データ」など各領域の会社とのM&A、資本・業務提携等に積極的に取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年9月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 社会情勢及び自然災害等に伴うリスクについて

イベントやセールスプロモーションは景気や企業業績などの社会情勢や、地震などの自然災害等の影響を受けやすい傾向にあります。従いまして、国内市場における景気後退や自然災害等の発生に伴う需要の縮小は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) イベントの企画、制作業務に関する業界の慣行について

イベントの制作は、企画、制作、運営及び管理等各段階によって構成されますが、コンペによる受注、指名による受注等、その受注形態に関わらず、制作作業に入る前に企画段階があります。企画を立案し関係者との打合せを経て、制作段階・本番の運営段階に進みますが、制作段階や本番の運営段階(開催期間中)にイベントの主催者からの追加発注や仕様変更の要請があったり、屋外イベントの場合では、天候の変化により直前に実施内容の変更等が行われることがあります。このように当初の基本計画の内容変更等により、予算金額に変動が生じる場合があります。また、イベント主催者側の広告費の削減や広告代理店の変更等により、イベントの当社受注分がなくなることもあります。このようにイベントは、制作段階、運営段階で当初の内容や金額が変動するケースが多いことから、当業界では、契約書の取交しや、発注書等が発行されることがない場合もあり、したがって、受注残高の正確な把握が困難になっております。このため、当社グループでは社内の制作受注管理システムにより、案件の進捗度合いの正確な把握に努めております。

 

(3) イベント実施期間及び売上時期の変更について

当社グループの手がけるイベントには、主催者である企業の新商品の発表、また、その販売促進を目的としたものも多く、イベント主催者の商品によっては、製造・販売に許認可を要するものがあるため、その許認可の下りるタイミングにより発売開始の時期がずれ込むこともあります。また、イベント主催者の商品開発の遅れや、生産体制の遅れで発売開始時期が遅れたり、逆に早まる場合もあります。
 当社グループは、イベントの本番終了日をもって売上を計上しておりますが、イベントは開催時期、期間の変更が発生しやすいため、売上計上時期が、当初の予定時期からずれ込んだ場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 特定販売先への依存について

当社グループは、幅広いイベントの制作を手掛けておりますが、現状、日本においてはイベントの主催者は、イベントの実施を大手広告代理店に発注することが大半であります。従いまして、当社を含むイベントの企画、制作、運営を行う会社は、かなりの部分を大手広告代理店から受注しております。
 当社グループにおきましても、販売先上位は主に広告代理店であり、平成29年6月期における主要な販売先(㈱電通グループ、㈱博報堂グループ及び㈱アサツーディ・ケイグループ)に対する売上高構成比は、79.1%と高くなっております。広告代理店より発注量の手控えがあれば、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 売上の季節変動について

当社グループの制作するイベントは、近年、企業の販売促進を目的としたキャンペーンイベントやそれに付随する印刷物・販促グッズの制作、新商品の発表会などの比率が高くなっております。中でも年末商戦、夏のボーナス商戦に向けての販促キャンペーンなどは、10月から12月、4月から6月に実施されることが多く、当社グループの売上が第2四半期(10月~12月)と第4四半期(4月~6月)に集中する傾向があります。

 

四半期毎の売上高の推移

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期計

 

構成比

 

構成比

 

構成比

 

構成比

平成25年
6月期

売上高
(百万円)

3,108

25.2%

3,640

29.4%

2,145

17.4%

3,451

28.0%

12,346

平成26年
6月期

売上高
(百万円)

2,349

19.3%

4,249

34.8%

3,019

24.8%

2,569

21.1%

12,188

平成27年
6月期

売上高
(百万円)

3,083

22.9%

3,896

29.0%

2,748

20.5%

3,714

27.6%

13,442

平成28年
6月期

売上高
(百万円)

2,921

19.2%

5,474

35.9%

3,185

20.9%

3,649

24.0%

15,230

平成29年
6月期

売上高
(百万円)

2,737

16.9%

5,775

35.5%

4,002

24.6%

3,734

23.0%

16,251

 

 

(6) 個人情報漏洩に関するリスクについて

当社グループは、平成16年11月にISMS(情報セキュリティーマネジメントシステム)、平成17年8月にはPマーク(プライバシーマーク)の認証を取得し、個人情報の保護には細心の注意を払っておりますが、個人情報保護管理について瑕疵が生じた場合、当社グループの社会的信用並びに当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社グループは、機動的な調達手段を確保することにより、手元流動性を圧縮し、資金効率を高めることを目的として、取引銀行4行(株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行)と総額26.5億円の当座貸越契約を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9億53百万円増加し、118億7百万円となりました。
 流動資産は、前期比7億円増加の102億15百万円となりました。これは主に、未収入金が2億95百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が7億16百万円、現金及び預金が3億9百万円増加したこと等によるものであります。
 固定資産は、前期比2億52百万円増加の15億92百万円となりました。
 固定資産のうち有形固定資産は、前期比7百万円減少の91百万円となりました。これは主に、減価償却によるものであります。
 無形固定資産は、前期比9百万円増加の17百万円となりました。これは主に、ソフトウエアの購入によるものであります。
 投資その他の資産は、前期比2億50百万円増加の14億83百万円となりました。これは主に、保険積立金が47百万円減少しましたが、投資有価証券が2億98百万円増加したこと等によるものであります。
 流動負債は、前期比17百万円減少の31億90百万円となりました。これは主に、電子記録債務が98百万円、買掛金が80百万円増加しましたが、その他が1億42百万円、未払法人税等が41百万円減少したこと等によるものであります。
 固定負債は、前期比92百万円増加の4億84百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が88百万円増加したこと等によるものであります。
 純資産は、前期比8億78百万円増加の81億33百万円となりました。これは主に、利益剰余金が6億51百万円、その他有価証券評価差額金が2億6百万円増加したこと等によるものであります。

 

(2) 経営成績

売上高及び営業利益

当連結会計年度は、前期に引き続いての、重要顧客にフォーカスした営業活動や受注管理の強化施策への取り組みが引き続き一定の成果を上げました。それに加えて、全社的なインタラクティブ・プロモーション(IP)力の強化施策と新異業種コラボによる統合プロモーション力の強化施策が両輪として業績と企業価値を高めるエンジンとなり、また子会社である(株)ティー・ツー・クリエイティブの連結営業利益シェアが増し、グループ全体の収益力が向上しました。その結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比10億20百万円増加の162億51百万円となりました。

売上総利益は、収益力の強化を徹底したことにより、前年同期比1億42百万円増加の26億16百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、交際費の増加が主な要因となり、前年同期比9百万円増加の8億5百万円となりました。

これにより営業利益は、前年同期比1億32百万円増加の18億11百万円となりました。

営業外損益及び経常利益

営業外収益は、受取配当金などを22百万円計上、営業外費用は支払利息などを10百万円計上しました。

これにより経常利益は、前年同期比1億40百万円増加の18億23百万円となりました。

特別損益及び税金等調整前当期純利益

 特別利益は、新株予約権戻入益を1百万円計上、特別損失は保険解約損を4百万円計上しました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前年同期比1億37百万円増加の18億20百万円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。