第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、物価上昇による個人消費の抑制が見られる中、夏季の観光需要やイベント開催の増加が特定の業界を支える要因となりました。特に、大阪・関西万博に伴い建設業や観光業を中心に経済活動が活発化しました。インバウンド需要の回復により訪日外国人観光客数がコロナ禍前を上回る勢いを見せていますが、地方の観光地では深刻な人手不足が課題として浮上しています。一方で、AIや環境技術などの先端分野への関心が高まり、関連企業による研究開発投資が増加している状況です。地方経済においては、中小企業の事業承継問題が深刻化し、「黒字廃業」の増加が地域に影響を及ぼしています。国際的には、トランプ関税や中東情勢の不透明さが輸出産業に影響を与えていますが、RCEP をはじめとする自由貿易協定の活用による輸出競争力の向上に対する期待も見られます。

 このような経済状況のもと、当社グループは主要事業の会員数の増加およびサービス内容の拡充と業務の効率化に取り組んでまいりました。

 

(財政状態)

(ⅰ)資産

 当中間連結会計期間末における流動資産は71億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億21百万円減少しました。これは主に売掛金及び契約資産が4億40百万円、その他(流動資産)が1億72百万円増加した一方、現金及び預金が7億76百万円減少したことなどによるものです。

 固定資産は109億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億81百万円増加しました。これは主にその他(無形固定資産)が8億98百万円、繰延税金資産が1億54百万円増加した一方、ソフトウエアが1億52百万円減少したことなどによるものです。

 この結果、総資産は180億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億59百万円増加しました。

 

(ⅱ)負債

 当中間連結会計期間末における流動負債は43億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億97百万円増加しました。これは主に契約負債が1億23百万円、賞与引当金が3億97百万円増加した一方、未払法人税等が1億48百万円減少したことなどによるものです。

 固定負債は1億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ10百万円増加しました。

 この結果、負債合計は44億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億7百万円増加しました。

 

(ⅲ)純資産

 当中間連結会計期間末における純資産合計は135億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億52百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益6億47百万円が計上された一方、剰余金の配当を2億95百万円行ったことなどによるものです。

 この結果、自己資本比率は75.1%(前連結会計年度末は76.4%)となりました。

 なお、特筆すべき重要な資本的支出の予定及びそれに伴う資金の調達は当面ありません。

 

(経営成績)

 当中間連結会計期間の経営成績は売上高89億56百万円(前年同期比25.5%増)、営業利益9億37百万円(同49.9%増)、経常利益9億58百万円(同50.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益6億47百万円(同59.9%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(ⅰ)アカウンティングサービス事業

 アカウンティングサービス事業は、生命保険営業職員を中心とする個人事業主及び小規模企業に対する記帳代行等の会計サービスになります。同事業では、各生命保険会社が新入社員向けに随時行っている研修への参加を、これまで中心であった四大生命保険会社から中堅・外資系生命保険会社へ拡大することで営業機会を確保しました。また、既存ユーザーに利用していただくアプリに、オンボーディングを促進するための「チュートリアル機能」の追加や、不明点を解決するための機能改修をすることで、利便性向上を進めました。その結果、当中間連結会計期間末(2025年9月30日)の会計サービス会員数は111,760件(前期末比9,484件増)となりました。

 この結果、アカウンティングサービス事業における当中間連結会計期間の売上高は22億23百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は5億84百万円(同7.9%増)となりました。

 

(ⅱ)コンサルティング事業

 コンサルティング事業は、中堅・中小企業向け管理部門支援サービスの「エフアンドエムクラブ」、ISO及びプライバシーマークの認証取得支援、「ものづくり補助金」「中堅・中小成長投資補助金」をはじめとした補助金受給申請支援、資金繰り改善のための経営改善計画の策定支援、研修講師派遣サービス等になります。

 2025年6月12日にエフアンドエムクラブ会員向け、7月に金融機関向けに、助成金や補助金を検索する補助金検索サイト「ホジョサーチ」の提供を開始しました。「ホジョサーチ」は、国の大型補助金から地域限定の小規模助成金まで、幅広い支援制度を網羅的にデータベース化しています。24時間体制で全国の公式サイトを確認し、補助金・助成金の募集開始、締切延長、要件改定などの最新情報も適宜反映しています。マイページに登録された企業情報や、保存した検索条件に合致する情報をメールやアプリのプッシュ通知でお知らせするサービスです。

 「エフアンドエムクラブ」については、2025年9月末時点で230行庫の金融機関と提携し、好連携事例の共有や勉強会の開催、結果報告などによる情報共有の強化によって稼働促進を図ることで、営業機会の増強に努めました。採用競争力を高めるための求人票添削などの採用支援、労務管理体制の整備による就業環境の改善、採用後の定着率やパフォーマンス向上のための人事考課制度策定支援、設備投資や人的投資に関わるキャッシュ・フローの分析などのサービスが中小企業経営者のニーズを掴み、新規会員の増加に貢献しました。その結果、当中間連結会計期間末(2025年9月30日)のエフアンドエムクラブ会員数は14,385社(前期末比680社増)となりました。

 ISO及びプライバシーマークの認証取得支援については、建設業の公共工事参入目的のISO9001/14001認証取得対応や食品産業の海外輸出促進に伴うFSSC22000・HACCP等の対応が増加しています。これらの旺盛なニーズへの対応に注力しました。

 「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」や「中堅・中小成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)」をはじめとした補助金受給申請支援については、2025年4月から公募が始まった「新事業進出補助金(中小企業新事業進出促進補助金)」や5月から申請受付が始まった「中小企業成長加速化補助金」についての支援も開始しました。なお、2025年10月に採択結果が発表された補助金にともなう売上は第3四半期連結会計期間に計上されます。

 

 

補助金名

回次

採択発表

申請数

採択数

ものづくり補助金

19次

2025年7月28日

168件

77件

20次

2025年10月27日

65件

31件

事業再構築補助金

第13回

2025年6月30日

89件

36件

中堅・中小成長投資補助金

3次

2025年6月30日

6件

2件

4次

2025年10月10日

14件

12件

中小企業成長加速化補助金

1次

2025年9月19日

48件

12件

新事業進出補助金

1次

2025年10月1日

74件

38件

中小企業省力化投資補助金(一般型)

第1回

2025年6月16日

15件

15件

第2回

2025年8月8日

7件

6件

第3回

2025年11月下旬

45件

発表待ち

 ※2025年10月30日現在の状況です。

 

 資金繰り改善のための経営改善計画書の策定支援については、経営改善計画の策定費用が補助される405事業(経営改善計画策定支援事業)を活用した支援を行うことで、より多くの中小企業の財務改善の実現をサポートできるよう取り組んでおります。

 企業の従業員向け研修に専門的な知識や経験を持つ講師を派遣する研修講師派遣サービスについては、第1四半期連結会計期間から取り組みを強化しております。当中間連結会計期間では、エフアンドエムクラブ会員企業を中心に1,557社の研修を実施しました。

 この結果、コンサルティング事業における当中間連結会計期間の売上高は39億93百万円(前年同期比31.0%増)、営業利益は12億14百万円(同63.9%増)となりました。

 

(ⅲ)ビジネスソリューション事業

 ビジネスソリューション事業は、士業向けコンサルティング、及び企業・士業向けITソリューションの提供等になります。

 士業向けコンサルティングは、認定支援機関である税理士・公認会計士事務所の対応力向上を支援する「経営革新等支援機関推進協議会」等となります。2025年9月3日に東京、9月5日に大阪で「経営革新等支援機関推進協議会」のフォーラムを開催しました。「税理士・公認会計士業界で活躍する事務所の事例共有」や「生成AI時代の税理士像」「事業承継支援スキーム」をテーマにした講演、パネルディスカッションを実施しました。また、税理士・公認会計士の顧問先である中小企業への「優遇税制支援や財務支援」「人材の採用・育成・定着の支援」や、自事務所の「AIを活用した生産性向上」「従業員への教育」を必要とする税理士・公認会計士の継続的なニーズが、営業機会の確保につながりました。その結果、当中間連結会計期間末(2025年9月30日)の「経営革新等支援機関推進協議会」等の会員数は1,940事務所(前期末比226事務所増)となりました。

 企業・士業向けITソリューションの提供としては、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの販売となります。

 社会保険労務士事務所マーケットの深耕については、各都道府県社労士会主催の展示会への出展による新規商談機会を創出しました。企業向けには、2025年4月に「オフィスステーション タレントマネジメント」をリリースしたことで、ユーザーの人事労務業務が一元管理できるプロダクトになりました。展示会へ継続的に出展することでオフィスステーションが企業の人事労務の課題を解決できるプロダクトであるという認知拡大と、新規商談機会の創出を図りました。

 売上増加に向けた施策としては、カスタマーサクセスを稼働させることで、1社あたりの利用従業員数を増大させることに加え、クロスセルの取り組みに注力しました。フィールドセールスとカスタマーサクセスが連携を密にすることで、リードタイムの短縮や成約率向上に努めました。

 既存ユーザーに向けては、ストレスなくシステムを導入していただくためにオンボーディングを強化し、不明点を短時間で解決できるようにサポートデスクの充実を図りました。

 その結果、当中間連結会計期間末(2025年9月30日)の「オフィスステーション」シリーズの利用は、無料で提供している「オフィスステーション 労務ライト」の利用を含み、企業が47,905社(前期末比4,043社増)、士業が3,486事務所(前期末比159事務所増)となりました。

 この結果、ビジネスソリューション事業における当中間連結会計期間の売上高は25億13百万円(前年同期比34.7%増)、営業損失は1億65百万円(前年同期は1億18百万円の営業損失)となりました。

 

(ⅳ)不動産賃貸事業

 不動産賃貸事業は当社が所有するビルの賃貸収入で、安定した収益を計上しております。当中間連結会計期間の売上高は53百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は12百万円(同12.5%減)となりました。

 

(ⅴ)システム開発事業

 システム開発事業は、連結子会社エフアンドエムネット株式会社のシステム開発事業等になります。エフアンドエムネットでは、「オフィスステーション」シリーズを中心としたエフアンドエムが販売する商品などのグループ内向け開発が大部分を占めました。

 この結果、システム開発事業における当中間連結会計期間の売上高は1億42百万円(前年同期比4.1%減)、1億71百万円の営業損失(前年同期は18百万円の営業損失)となりました。

 

(ⅵ)その他事業

 その他事業は、パソコン教室の本部運営及びFC指導事業等になります。パソコン教室の本部運営及びFC指導事業においては、受講生に対する積極的なカウンセリング、資格取得のためのサポートなどを強化することで継続率の向上に努めました。

 この結果、その他事業における当中間連結会計期間の売上高は30百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は2百万円(同8.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億76百万円減少(前連結会計年度末比13.3%減)し、50億58百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は11億80百万円(前年同期比43.5%増)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益9億58百万円、減価償却費9億68百万円、賞与引当金の増加3億97百万円があった一方、売上債権の増加4億75百万円、未払消費税等の減少1億6百万円、法人税等の支払6億4百万円があったことなどによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は16億60百万円(前年同期比19.9%増)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出16億5百万円、有形固定資産の取得による支出1億44百万円があった一方、有価証券の償還による収入1億円があったことなどによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は2億95百万円(前年同期は70百万円の収入)となりました。これは配当金の支払2億95百万円があったことなどによるものです。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額はありません。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【重要な契約等】

 該当事項はありません。